人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッティストー二 ✕ 清水和音 ✕ 東京フィルでショパン「ピアノ協奏曲第1番」、ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」、ヴェルディ「運命の力」序曲を聴く

2019年09月15日 07時20分51秒 | 日記

15日(日)。昨日の朝日夕刊によると、ミュンヘン国際音楽コンクールのチェロ部門で、名古屋市出身の佐藤晴真さん(21)が優勝したとのことです 同コンクールは数あるコンクールの中でも最難関として知られており、チェロ部門での日本人の優勝は初めてのこと 佐藤さんは東京藝大付属高校2年で日本音楽コンクールのチェロ部門で1位を獲得 現在、ベルリン芸術大学で学んでいます。今年12月にデビューリサイタルを東京、名古屋などで開くそうですが、12月6日(金)午後7時から紀尾井ホールで開かれるリサイタルのチケットは残席僅少、すでにソルドアウトかも知れません

ということで、わが家に来てから今日で1687日目を迎え、韓国検察は14日チョ・グク法相の家族の不透明な資金運用疑惑が浮上している私募ファンドに絡み、チョ氏の遠い親戚にあたる30代の男を横領の容疑で逮捕した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     次々と外堀を埋められて 玉ねぎ男の正体が月明りの元に照らし出されると思うよ

 

         

 

昨日午後、文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ 第69回コンサート」を聴きました   プログラムは①ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲、②ショパン「ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11」、③ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です ②のピアノ独奏=清水和音、管弦楽=東京フィルハーモニー交響楽団、指揮=アンドレア・バッティスト―二です

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東フィルの並び。コンマスは依田真宣。向かい側のヴィオラのトップは須田祥子です

1曲目はヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲です 「運命の力」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)がマリインスキー劇場の依頼で作曲し、1862年にペテルブルクの同劇場で初演された4幕8場からなる歌劇です オペラのストーリーは「スペインのカストラーヴァ侯爵の娘レオノーラはアルヴァ―ロと駆け落ちする寸前に父に見つかるが、ピストルが暴発して侯爵は死ぬ 仇を探す兄ドン・カルロはアルヴァ―ロとの決闘に倒れ、アルヴァ―ロはレオノーラも殺し、自らも命を絶つ」という内容です

バッティスト―二の指揮で演奏に入りますが、冒頭のブラスの引き締まった響きがこのオペラの悲劇性を暗示します バッティスト―二 ✕ 東京フィルは劇的な表現力で悲劇のオペラのエッセンスを歌い上げました

2曲目はショパン「ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11」です この曲はフレデリック・ショパン(1810-1849)が1830年に作曲し、ポーランドを去りウィーンに出発する同年の告別演奏会で 作曲者自身のピアノ独奏により初演されました 「ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調」より早くパリで出版されたため第1番と呼ばれています

第1楽章「アレグロ・マエストーソ」、第2楽章「ロマンス:ラルゲット」、第3楽章「ロンド:ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

清水和音がバッティスト―二とともに登場し、さっそく第1楽章に入ります ソリストの演奏は技巧的には優れているものの平面的なもので、物足りなさを感じます 第1楽章終盤における速いパッセージでは指のもつれか、演奏が乱れていました 第2楽章の緩徐楽章に入って清水らしい抒情的な演奏が聴かれましたが、第3楽章に入ると 特段 感慨の湧かない演奏に戻ってしまいました

ソリスト・アンコールはラフマニノフ作曲アール・ワイルド編曲「ヴォカリーズ」でした


     


プログラム後半はムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」です この曲はモデスト・ペトロヴィチ・ムソルグスキー(1839-1881)が1874年に、友人の画家ガルトマンの追悼展覧会で観た絵の印象をもとに書いたピアノ曲を、モーリス・ラヴェル(1875-1937)が1922年に管弦楽曲用に編曲したものです

「プロムナード」「第1曲:小人」「プロムナード」「第2曲:古城」「第3曲:テュイルリーの庭」「第4曲:ビドロ(牛車)」「プロムナード」「第5曲:卵の殻をつけた雛どりのバレエ」「第6曲:サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」「第7曲:リモージェの市場」「第8曲:カタコンベ」「第9曲:鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤガ-)」「第10曲:キエフの大門」から成ります

バッティスト―二の指揮で演奏に入ります   冒頭、トランペット独奏により「プロムナード」のテーマが演奏されますが、これが素晴らしかった 「第1曲:小人」ではグロテスクな雰囲気が良く出ていました 「第2曲:古城」ではサクソフォンが良い味を出していました 「第3曲:テュイルリーの庭」ではクラリネットとフルートが印象的な演奏を展開していました 「第4曲:ビドロ(牛車)」では、ユーフォニアムと低弦とのコラボが素晴らしかった 「第5曲:卵の殻をつけた雛どりの踊り」では弦のピッツィカートと管楽器とのアンサンブルが見事でした

「第6曲:サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」は、尊大な金持ち(弦楽器)と、彼にお金を求める貧しい人(ミュートを付けたトランペット)の様子を描いていますが、私には、代官「年貢はまだか!」、小作人「お代官様、勘弁してくだせえ。今しばらくお待ちくだせえ」と言っているように聴こえました 特にトランペットの悲痛な叫びが出色でした 「第7曲:リモージェの市場」は色彩感豊かな楽しい演奏でした 「第8曲:カタコンベ」ではブラスの厚い響きが印象に残りました 「第9曲:鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤガ-)」と「第10曲:キエフの大門」は、東京フィルの総力を結集した渾身のパフォーマンスで、文京シビックホールを揺るがす圧巻の演奏でした 特に「キエフの大門」における鐘の音は迫力満点で、耳をつんざく強力な音響でした

カーテンコールが繰り返され、バッティスト―二 ✕ 東京フィルはアンコールに応え、アブレウ「ティコ・ティコ・ノ・フバ」をノリノリで演奏、終盤ではバッティスト―二が聴衆に手拍子を求め、会場は にわかに視聴者参加型のコンサートに変貌を遂げました バッティスト―二も こういうパフォーマンスをやるんだな!と新鮮な驚きを感じながら帰宅の途につきました   なお「ティコ・ティコ・ノ・フバ」は、ブラジルのポピュラー音楽「ショーロ」のヒット曲で、「トウモロコシの粉をついばむ雀」という意味です いかにもそんな感じの軽快で踊りたくなるような曲です

コメント
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