人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ガス・ヴァン・サント監督「ドント・ウォーリー」&「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」を観る~早稲田松竹

2019年09月20日 07時27分57秒 | 日記

20日(金)。わが家に来てから今日で1692日目を迎え、2011年3月の東京電力福島第一原発事故をめぐり、旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴され裁判で、東京地裁は19日午前、3被告にいずれも無罪の判決を言い渡した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     今も避難生活を強いられている人たちを思うと 理に叶い情に叶う判決だろうか?

 

         

 

昨日、夕食に「塩だれ豚丼」と「トマトとレタスの卵スープ」を作りました 豚丼はスタミナが付きますね

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「ドント・ウォーリー」と「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」の2本立てを観ました

「ドント・ウォーリー」はガス・ヴァン・サント監督・脚本・編集による2018年アメリカ映画(115分)です

アルコールに溺れる日々を過ごしていたジョン・キャラハン(ホアキン・フェニックス)は、自動車事故に遭い一命を取り留めるが、胸から下が麻痺し、車椅子生活を余儀なくされる 絶望と苛立ちの中、ますます酒に溺れ、周囲と摩擦を起こす自暴自棄の毎日を送るようになる しかし、幾つかのキッカケから自分を憐れむことを止めた彼は、過去から自由になる強さを獲得していく そして、持ち前の辛辣なユーモアを発揮して、不自由な手で風刺漫画を描き始める 人生を築き始めた彼のそばにはずっと彼を好きでい続けるかけがいのない人たちがいた


     


この映画は59歳で他界した 世界で一番皮肉屋な風刺漫画家の不屈の半生を描いた作品です  たとえ車椅子生活だろうと、生きがい(彼の場合は漫画)と、希望と、自分を理解してくれる仲間がいれば、生き生きと過ごすことができる、ということを教えてくれる映画です この映画では、アルコール依存症から抜け出すための社会貢献活動の一つ「断酒会」のシーンが出てきますが、参加者一人一人が「断酒を始めてから〇日目」と報告すると、他の参加者が拍手で称賛します アルコールやギャンブルの依存症の人たちは、一人で悩んでいないでこういう組織に入って、同じ立場の人たちと悩みを分かち合って困難を乗り越えるのが良い方法だ、ということが示されています ジョンもこの会に参加していなければ、いつまでも孤独に苛まれていたことでしょう

ジョン・キャラハンの風刺漫画は、サンフランシスコ・クロニクル、ニューヨーク・デイリー・ニュース、ロンドン・オブザーバー等50紙以上の紙面を飾ったそうです 上のチラシの上方に書かれているような漫画ですが、親しみを感じます


         

 

「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」はガス・ヴァン・サント監督による1997年アメリカ映画(126分)です

フィールズ賞受賞者でマサチューセッツ工科大学数学科教授のジェラルド・ランボー(ステラン・スカルスガルド)は、数学科の学生たちに代数的グラフ理論の難問を出題する 世界屈指の優秀な学生たちが悪戦苦闘する中、いとも簡単に正解を出す者が現われる それは学生ではなく、大学でアルバイト清掃員として働く孤児の青年ウィル・ハンティング(マット・デイモン)だった ランボーはウィルの非凡な才能に目をつけ、彼の才能を開花させようとするが、ウィルはケンカをしては鑑別所入りを繰り返す素行の悪い青年だった ランボーはウィルを更生させるため様々な心理学者にウィルを診てもらうが、皆ウィルにいいようにあしらわれ、匙を投げ出してしまう ランボーは最後の手段として、学生時代の同級生ショーン・マグワイア(ロビン・ウィリアムズ)にカウンセリングを依頼する。ショーンはバンカーヒル・コミュニティ・カレッジで教壇に立つ心理学の講師で、ランボーとは不仲であったが、ウィルの更生のために協力することになる ショーンは大学講師として表面的には健全な社会生活を送りながらも、最愛の妻を病気で亡くしたことから孤独感に苛まれていた 事情を知らないウィルは当初ショーンをからかっていたが、やがて互いに深い心の傷を負っていることを知り、次第に打ち解けていく さらに、ハーバード大学の女学生スカイラー(ミニー・ドライヴァー)との恋を通して、ウィルは自分の将来を模索する人間へと徐々に成長していく

 

     

 

私はなぜか、工事現場の仕事の最中にウィルの親友チャッキーがウィルに言った言葉が印象に残っています それは「もし、お前が20年後も工事現場なんかで働いていやがったら、俺がぶっ殺してやる」というものです。つまり、チャッキーはウィルが天才であることを知っていて、その才能を活かす仕事に就いていないことに苛立っているのです。本当の親友だからこそ言える台詞だと思います

また、ショーンがウィルに「君は悪くない」「君は悪くない」と繰り返し言うシーンで、ウィルは「解ってるよ」と返しますが、ショーンは同じことを繰り返します すると、ウィルは本当に自分のことを心底理解してくれる人を前にして涙が決壊し、二人は抱き合います ショーンもウィルも家族にまつわる悲しい過去をトラウマとして引きずっていたからです

この映画は、チャッキーのセリフに限らず、気の利いたセリフや皮肉に満ちています いちいち思い出せませんが、人生訓に満ちた作品です この作品は主演のウィルを演じたマット・デイモンが脚本に携わっていますが、ハーバード大学でスカイラーをナンパしようとしていた同大学の学生と論争して、理論ばかりで実践が伴わない頭でっかちのハーバード生を喝破するシーンがありますが、マット・デイモンがハーバード出身(中退)ならではの皮肉でしょう

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