18日(水)。わが家に来てから今日で3536日目を迎え、米実業家イーロン・マスク氏は15日、トランプ前大統領の暗殺未遂を巡り、自身がオーナーのXに「誰もバイデン大統領やハリス副大統領を暗殺しようとすらしない」と投稿したことについて、利用者から「危険で不穏な挑発行為」「これは扇動だ」などとマスク氏を非難する声が上がった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
馬鹿と天才は紙一重と言うからね マスクをして余計なことを喋らない方がいいかも
昨日は娘が外食で私がコンサートだったので、夕食作りはお休みしました
昨夜、サントリーホールで東京フィル「第1005回 サントリー定期シリーズ」を聴きました プログラムはヴェルディ:歌劇「マクベス」(演奏会形式)です
出演はマクベス=セバスティアン・カターナ、マクベス夫人=ヴィットリア・イェオ、バンクォー=アルベルト・ぺーゼンドルファー、マクダフ=ステファノ・セッコ、マルコム=小原啓楼、マクベス夫人の侍女=但馬由香、医者=伊藤貴之、マクベスの従者/刺客/伝令=市川宥一郎、第1の幻影=山本竜介、第2の幻影=北原瑠美、第3の幻影=吉田桃子。合唱=新国立劇場合唱団、指揮=チョン・ミョンフンです
チョン・ミョンフン ✕ 東京フィルはシェイクスピア 原作によるヴェルディのオペラとして2022年に「ファルスタッフ」、2023年に「オテロ」を取り上げてきましたが、2024年の今回はその第3弾・完結編として「マクベス」を取り上げました
シェイクスピア 「マクベス」といえば、これを日本の戦国時代に置き換えて描いた黒澤明監督「蜘蛛の巣城」(1957年製作)を真っ先に思い出します 山田五十鈴扮する主人公の妻・浅茅が何度も手を洗うシーン、三船敏郎扮する主人公・鷲津武時が無数の矢に射抜かれるラストシーンが印象的でした
「マクベス」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)がシェイクスピアの同名の劇をもとに、フランチェスコ・ピアーヴェとアンドレア・マッフェイの台本により1847年に作曲・初演した全4幕10場から成るオペラです 今回は、ヴェルディが1865年にリリック座でパリ初演を行った際にフランス風に改訂した版からバレエを除いた版で上演されました
物語の舞台は11世紀スコットランド 将軍マクベスと盟友バンクォーは森で魔女から「マクベスは将来、王になるだろう」という予言を受ける
これを知ったマクベス夫人は野心を燃やし、マクベスをけしかけてダンカン王を殺害する
王の遺児マルコムはイングランドに逃亡する。マクベスは王として即位し、予言をもとにバンクォー父子や武将マクダフ一家に刺客を向ける
宴の場でマクベスは殺した人々の亡霊を見て錯乱し、マクベス夫人は血塗られた手の妄想に憑りつかれ、狂気の中で息絶える
「女から生まれた者にマクベスは倒せない。森が動かない限りマクベスは倒されない
」との予言に慢心するマクベスだが、マクダフと民衆により倒され、人々は新王マルコムの誕生を祝う
プログラム記載の上演時間は以下の通りです
第1幕(約50分)
第2幕(約30分)
ー休憩(約20分)ー
第3幕(約20分)
第4幕(約40分)
演奏会形式のためオーケストラはステージに上がります 歌手はオケの手前のスペースに登場して歌います
コーラスも同じ場所で歌ったり、P席で歌ったりします
オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東京フィルの並び。コンマスは近藤薫です
チョン・ミョンフンの指揮で前奏曲の演奏に入りますが、しなやかでありながら決めるべきところはビシッと決める点は彼ならではです
マクベス役のセバスティアン・カターナはルーマニア生まれのバリトンです チョン・ミョンフン ✕ 東京フィル公演では2022年「ファルスタッフ」以来2回目の登場ですが、まさに「ヴェルディ歌手」と呼ぶのが相応しい堂々たる歌唱で、聴衆を圧倒しました
マクベス夫人役のヴィットリア・イェオは韓国ソウル生まれのソプラノです チョン・ミョンフン ✕ 東京フィル公演では2016年「蝶々夫人」以来2回目の登場です
第1幕のカヴァティーナ「さあ早く戻っていらっしゃい」、カバレッタ「地獄を治める者たちよ、立ち上がれ」、第2幕のアリア「光は衰え、灯火も消え」をはじめ、美しくも力強いコロラトゥーラでヒロインの激しい心情を歌い上げました
バンクォー役のアルベルト・ぺーゼンドルファー(アレックス・エスポージトの代役)はオーストリア生まれのバスです 2016/2017年に新国立劇場「ワルキューレ」フンディング、「神々の黄昏」ハーゲンに出演しました
深みのある低音の魅力で抜群の存在感を示しました
マクダフ役のステファノ・セッコはイタリア・ミラノ生まれのテノールです 世界のオペラ劇場で活躍しており、本公演では第4幕のアリア「ああ、父の手はお前たちを守ってやれなかった」を抜群の表現力で歌い上げました
特筆すべきは新国立劇場合唱団のコーラスです 今回は動きを伴うコーラスでしたが、さすがは世界に通用する合唱団だと思わせる歌唱・パフォーマンスでした
東京フィルはチョン・ミョンフンの完璧なコントロールのもと、歌手に寄り添いつつ、自らマクベスの不安感を、マクベス夫人の野望を、バンクォーの無念の思いを歌い上げました 私はこの曲のCDもVDも持っていないので今回初めて聴きましたが、ヴェルディの初期の作品の良さがストレートに伝わってきました
このシリーズが今回で完結するのが残念に思うくらい質の高い公演でした
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました 東京フィルの場合、その都度カーテンコール時の写真撮影の可否について確認しなければならないので面倒なのですが、今回はフラッシュを炊かなければOKとのことだったので撮影しました