22日(日)その2.東京シティ・フィル「第78回ティアラこうろう定期演奏会」の模様は「その1」に書きました モコタロはそちらに出演しています 是非ご訪問ください
昨夜、サントリーホールで東京交響楽団「第724回定期演奏会 秋山和慶:指揮者生活60周年記念」を聴きました プログラムは①ベルク「ヴァイオリン協奏曲 ”ある天使の思い出に」、②ブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調 ”ロマンティック”」(1878/80年稿ノヴァーク版)です 演奏は①のヴァイオリン独奏=竹澤恭子、指揮=秋山和慶です
オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東響の並び コンマスはグレブ・ニキティン、その隣は小林壱成というダブルトップ態勢を敷きます 指揮者生活60周年の秋山氏をリスペクトした布陣です
1曲目はベルク「ヴァイオリン協奏曲 ”ある天使の思い出に」です この曲はアルバン・ベルク(1885-1935)が1935年に作曲、1936年4月にバルセロナで初演されました この曲を作曲中にマーラーの未亡人アルマが再婚でもうけた娘マノンが19歳で急逝したのを悼み、「ある天使の思い出に」という献辞を付けて贈ったというエピソードがあります 第1部「アンダンテ ~ アレグレット」、第2部「アレグロ ~ アダージョ」の2部構成です
ヴァイオリン独奏の竹澤恭子は桐朋女子高校在学中に第51回日本音楽コンクール第1位 1986年インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールで優勝 国内外のオーケストラと共演を重ねている 現在、東京音楽大学教授、桐朋学園大学特任教授として後進の指導にも当たっている
この曲を初めて聴いたのは南紫音の演奏でした 彼女が2005年のロン=ティボー国際コンクールで2位入賞を果たした翌年くらいだったので、20年近く前のことになります 初めて聴いた曲ということもあり、何が何だかさっぱり分からない曲でした
秋山の指揮で演奏に入ります。演奏を聴きながら、第1部はマノンとの思い出を描いているのかな、第2部はマノンを失った時の慟哭と魂の浄化を描いているのかな、と想像していました
竹澤恭子のヴァイオリンは芯がしっかりしていてブレがありません 秋山 ✕ 東響の万全のサポートを信じて、何の迷いもなく弾き切りました
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返され、竹澤はJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番」から第3楽章「アンダンテ」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました
プログラム後半はブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調 ”ロマンティック”」(1878/80年稿ノヴァーク版)です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1874年に作曲、その後2度にわたり改訂し、1881年2月20日にウィーンで初演されました 第1楽章「動きをもって、速すぎず」、第2楽章「アンダンテ・クワジ・アレグレット」、第3楽章「スケルツォ」、第4楽章「動きをもって、しかし速すぎず」の4楽章から成ります
秋山の指揮で第1楽章に入りますが、冒頭から上間善之のホルンが素晴らしい 竹山愛のフルート、荒絵理子のオーボエが冴えています チェロがとても良い音色で鳴っています 第2楽章では、中盤のピッツィカートに乗せて演奏されるヴィオラの演奏が寂寥感に満ちて素晴らしい 第3楽章ではホルンとトランペットが大活躍します 中盤のトリオではフルートの竹山、オーボエの荒、クラリネットの吉野による「黄金の木管トライアングル」の演奏が素晴らしい 各楽員は秋山を信頼しきって演奏に集中してる様子が窺えます 第4楽章では、弦楽のキザミを背景に 咆哮する管楽器と炸裂する打楽器のスケールの大きな演奏により音の大伽藍を築き上げました
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました
楽団から秋山氏に60周年を祝う60本の薔薇の花束が贈呈されました
大谷翔平、ついに「50本塁打 ✕ 50盗塁」の偉業を達成しましたね 珍しく朝日の「号外」が夕刊に挟み込まれていました この「号外」、何年後かに価値が上がりますよ その可能性は50-50(フィフティ・フィフティ)ですが
今日はサントリーホールでこれを聴きます