人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

秋山和慶 ✕ 竹澤恭子 ✕ 東京交響楽団でベルク「ヴァイオリン協奏曲」、ブルックナー「交響曲第4番 ”ロマンティック”」を聴く ~ 秋山和慶:指揮者生活60周年記念

2024年09月22日 01時04分32秒 | 日記

22日(日)その2.東京シティ・フィル「第78回ティアラこうろう定期演奏会」の模様は「その1」に書きました モコタロはそちらに出演しています 是非ご訪問ください

昨夜、サントリーホールで東京交響楽団「第724回定期演奏会 秋山和慶:指揮者生活60周年記念」を聴きました プログラムは①ベルク「ヴァイオリン協奏曲 ”ある天使の思い出に」、②ブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調  ”ロマンティック”」(1878/80年稿ノヴァーク版)です 演奏は①のヴァイオリン独奏=竹澤恭子、指揮=秋山和慶です

     

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東響の並び   コンマスはグレブ・ニキティン、その隣は小林壱成というダブルトップ態勢を敷きます   指揮者生活60周年の秋山氏をリスペクトした布陣です

1曲目はベルク「ヴァイオリン協奏曲 ”ある天使の思い出に」です この曲はアルバン・ベルク(1885-1935)が1935年に作曲、1936年4月にバルセロナで初演されました この曲を作曲中にマーラーの未亡人アルマが再婚でもうけた娘マノンが19歳で急逝したのを悼み、「ある天使の思い出に」という献辞を付けて贈ったというエピソードがあります 第1部「アンダンテ ~ アレグレット」、第2部「アレグロ ~ アダージョ」の2部構成です

ヴァイオリン独奏の竹澤恭子は桐朋女子高校在学中に第51回日本音楽コンクール第1位 1986年インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールで優勝 国内外のオーケストラと共演を重ねている 現在、東京音楽大学教授、桐朋学園大学特任教授として後進の指導にも当たっている

この曲を初めて聴いたのは南紫音の演奏でした 彼女が2005年のロン=ティボー国際コンクールで2位入賞を果たした翌年くらいだったので、20年近く前のことになります 初めて聴いた曲ということもあり、何が何だかさっぱり分からない曲でした

秋山の指揮で演奏に入ります。演奏を聴きながら、第1部はマノンとの思い出を描いているのかな、第2部はマノンを失った時の慟哭と魂の浄化を描いているのかな、と想像していました

竹澤恭子のヴァイオリンは芯がしっかりしていてブレがありません 秋山 ✕ 東響の万全のサポートを信じて、何の迷いもなく弾き切りました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返され、竹澤はJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番」から第3楽章「アンダンテ」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

プログラム後半はブルックナー「交響曲第4番 変ホ長調  ”ロマンティック”」(1878/80年稿ノヴァーク版)です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1874年に作曲、その後2度にわたり改訂し、1881年2月20日にウィーンで初演されました 第1楽章「動きをもって、速すぎず」、第2楽章「アンダンテ・クワジ・アレグレット」、第3楽章「スケルツォ」、第4楽章「動きをもって、しかし速すぎず」の4楽章から成ります

秋山の指揮で第1楽章に入りますが、冒頭から上間善之のホルンが素晴らしい 竹山愛のフルート、荒絵理子のオーボエが冴えています チェロがとても良い音色で鳴っています 第2楽章では、中盤のピッツィカートに乗せて演奏されるヴィオラの演奏が寂寥感に満ちて素晴らしい 第3楽章ではホルンとトランペットが大活躍します 中盤のトリオではフルートの竹山、オーボエの荒、クラリネットの吉野による「黄金の木管トライアングル」の演奏が素晴らしい 各楽員は秋山を信頼しきって演奏に集中してる様子が窺えます 第4楽章では、弦楽のキザミを背景に 咆哮する管楽器と炸裂する打楽器のスケールの大きな演奏により音の大伽藍を築き上げました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました

     

     

     

楽団から秋山氏に60周年を祝う60本の薔薇の花束が贈呈されました

     

     

     

         

大谷翔平、ついに「50本塁打 ✕ 50盗塁」の偉業を達成しましたね     珍しく朝日の「号外」が夕刊に挟み込まれていました    この「号外」、何年後かに価値が上がりますよ  その可能性は50-50(フィフティ・フィフティ)ですが

     

今日はサントリーホールでこれを聴きます

     

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出口大地 ✕ 中野りな ✕ 東京シティ・フィルでチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」、ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」他を聴く ~ 第78回ティアラこうとう定期演奏会

2024年09月22日 00時01分36秒 | 日記

22日(日)その1.わが家に来てから今日で3540日目を迎え、トランプ前大統領が創設したソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」の運営企業の株価が20日、今年3月の上場以来の最安値を更新し、トランプ氏の保有株の時価総額も約半年で約3分の1の約16億ドル(約2300億円)まで下落した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     株価は株主の不安をストレートに反映するからね トランプ敗北濃厚の不安の現れか

         

昨日、15時からティアラこうとうで東京シティ・フィル「第78回ティアラこうとう定期演奏会」を、18時からサントリーホールで東京交響楽団「第724回定期演奏会」を聴きました ここでは東京シティ・フィルの公演について書きます

プログラムは①ハチャトゥリアン:バレエ音楽「スパルタクス」より「カディスの娘の踊り ~ スパルタクスの勝利」、②チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」、③ショスタコーヴィチ「交響曲第5番 ニ短調 作品47」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=中野りな、指揮=出口大地です

出口大地は大阪府豊中市生まれ。関西学院大学、東京音楽大学指揮科で学び、2023年ハンスアイスラー音楽大学ベルリン指揮科修士課程修了 第17回ハチャトゥリアン国際コンクール指揮部門で日本人初の優勝

     

オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものシティ・フィルの並び。コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はハチャトゥリアン:バレエ音楽「スパルタクス」より「カディスの娘の踊り ~ スパルタクスの勝利」です バレエ「スパルタクス」はグルジア生まれのアラム・ハチャトゥリアン(1903-1978)が1954年に作曲し、レーニン賞を受賞した作品ですが、翌55年に全曲から3つの組曲を編みました 「カディスの娘の踊り ~ スパルタクスの勝利」は第1組曲の第5曲(終曲)に当たります

サウスポーの指揮者・出口大地のタクトで演奏に入りますが、クラリネットの表情豊かな演奏が印象的でした

2曲目はチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1878年に作曲、レオポルド・アウアーに初演を依頼し献呈するつもりでしたが、「演奏不能」と断られたため、アドルフ・ブロツキーに依頼、1881年12月4日にハンス・リヒター指揮ウィーン・フィルにより初演されました  第1楽章「アレグロ・モデラート ~ モデラート・アッサイ」、第2楽章「カンツォネッタ:アンダンテ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァッチシモ」の3楽章からなります

ヴァイオリン独奏の中野りなは2004年生まれの20歳 2021年 第90回日本音楽コンクール優勝。2022年第8回仙台国際音楽コンクールで史上最年少の17歳で優勝    2023年4月より桐朋学園大学、9月からはウィーン市立芸術大学でも研鑽を積む

私が中野りなの演奏を聴くのは、サン=サーンスの「第3番」、メンデルスゾーンの「ホ短調」に次いで3回目ですが、待望のチャイコフスキーです

出口の指揮で演奏に入りますが、中野のヴァイオリンは音色が美しく本当に良く鳴ります カデンツァは鮮やかでした 第2楽章は独奏ヴァイオリンの弱音が美しく響きます 第3楽章は独奏ヴァイオリンとオケとのアグレッシブなやり取りにより華やかで熱狂的なフィナーレを飾りました    期待通りの素晴らしい演奏でした

満場の拍手とブラボーの中、カーテンコールが繰り返され、中野はパガニーニ「24のカプリース」から第5番を超高速 超絶技巧で弾き切り、聴衆を唖然とさせました

     

プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第5番 ニ短調 作品47」です   この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1937年に作曲、同年11月21日の革命20周年記念日にレニングラードで初演されました    この作品は「ブルジョワ趣味」というジダーノフ批判に対する名誉回復を成し遂げた社会主義リアリズム路線に沿った作品と言われています 第1楽章「モデラート ~ アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「ラルゴ」、第4楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

オケは12型のままで、ステージ下手にハープ2台、ピアノ、チェレスタがスタンバイします

出口の指揮で第1楽章に入りますが、冒頭の低弦による迫力に満ちた演奏が印象的です フルート、ホルンが素晴らしい 炸裂するティンパニが強烈です 第2楽章でも冒頭の低弦のアグレッシブな演奏が素晴らしい 戸澤コンマスのソロがアイロニカルな演奏で、思わずニヤリとしてしまいました 第3楽章は弦楽セクションのアンサンブルが美しく響きます オーボエの寂寥感を湛えた演奏が印象的です 第4楽章は冒頭からエネルギーに満ちた演奏が展開、強烈なティンパニが全体に緊張感をもたらします 弦楽器の刻みに乗せて、管楽器とティンパニが勝利のテーマを歌い上げるフィナーレは圧巻でした

出口は終始、中庸なテンポで演奏を進め、シティ・フィルの底力を引き出しました

終演は17時10分 大きな拍手の中、カーテンコールが繰り返されましたが、私は18時からサントリーホールで開かれる東響定期を聴くため、一足早く退席しました 東響定期公演については「その2」に書きますので、ご覧ください

     

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