人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

誉田哲也著「フェイクフィクション」を読む ~ 騙された新興宗教団体に復讐を仕掛ける元信者と元プロキックボクサーの物語 / アンソニー・ホロヴィッツ著「死はすぐそばに」他を買う

2024年09月30日 00時01分39秒 | 日記

30日(月)。月末を迎えたので、恒例により9月の3つの目標の実績をご紹介します ①クラシックコンサート=16回、②映画鑑賞=1本、③読書=7冊でした なお、①は他に公開リハーサルを1回(26日)見学し、本日午後、オペラのゲネプロを見学します ②映画鑑賞が極端に少ないのは相変わらず腰痛悪化防止のためです

ということで、わが家に来てから今日で3548日目を迎え、米大統領選の共和党候補であるトランプ前大統領は28日、激戦が予想されるウィスコンシン州で演説し、不法移民を激しく非難し、民主党候補のハリス副大統領を「精神障害者」「知的障害者」と呼び、個人攻撃をエスカレートさせた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     「精神障害者」と「知的障害者」に「自己中心主義者」を加えたらトランプになる

         

手元の本がなくなったので、いつも通りジュンク堂書店池袋本店で本を7冊購入しました

1冊目はアンソニー・ホロヴィッツ著「死はすぐそばに」(創元推理文庫)です ベストセラー「カササギ殺人事件」をはじめ「ヨルガオ殺人事件」「メインテーマは殺人」など、彼の作品はすべて読んできましたが、本書は待望の最新文庫本です

     

2冊目は中山七里著「作家刑事毒島の嘲笑」(幻冬舎文庫)です 中山七里の作品も文庫化されたものはすべて読んでご紹介してきましたが、本作は文庫最新本です

     

3冊目は東川篤哉著「新  謎解きはディナーのあとで」(小学館文庫)です 2011年に刊行された「謎解きはディナーのあとで」は第8回本屋大賞第1位を獲得、映画化されるなど大きな話題を呼びました 本書は新シリーズの第1弾です

     

4冊目は西條奈加著「金春屋ゴメス」(新潮文庫)です この著者の本は「隠居すごろく」を初めて読んだときに、江戸時代の話なのにとても面白く書かれていて、筆力のある作家だと思いました その後に読んだ「心淋し川」(芥川賞受賞)も素晴らしかったので、「ゴメス」というタイトルにも惹かれて購入しました

     

5冊目は井岡瞬著「仮面」(角川文庫)です 井岡作品はこれまで文庫本を集中的に読んできましたが、久しぶりの文庫作品です

     

6冊目は小野寺史宣著「天使と悪魔のシネマ」(ポプラ文庫)です この著者の「ライフ」「まち」を読んで読後感が良かったので、本書を手に取りました

     

7冊目は佐藤正午著「エッセイ・コレクションⅢ つまらないものですが。」(岩波現代文庫)です 「かなりいいかげんな略歴」「佐世保で考えたこと」に次ぐエッセイ・コレクション第3弾です

     

いずれも、読了後 順次ご紹介していきます

ついでに、と言っては何ですが、ジュンク堂書店の脇の通路の一画に「ABC」という看板を発見しました これは25日の「名曲リサイタル・サロン」のトークで石田組長が「生姜焼き定食」の美味しい店として紹介していたお店です この日は11時半頃でしたが、お店の前に長蛇の列が出来ていました どうやら 知る人ぞ知る有名なお店のようです 次にジュンク堂に行く時は早めに家を出て、立ち寄ってみようと思います

         

誉田哲也著「フェイクフィクション」(集英社文庫)を読み終わりました 誉田哲也は1969年東京都生まれ。2002年「妖の華」でムー伝奇ノベル大賞優秀賞を獲得しデビュー。2003年「アクセス」でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞 著作に「ストロベリーナイト」シリーズ、「ジウ」シリーズ、「プラージュ」「主よ、永遠の休息を」など多数

本書は2021年11月、集英社から刊行され、2024年8月に文庫化されました

     

都下の路上で首なし死体が発見され、刑事の鵜飼は現場に急行し、地取り捜査を開始する 司法解剖の結果「斬首」により殺害されていたことが判明する 一方、プロキックボクサーだった河野潤平は引退後、都内の製餡所で働いていた 職場の新人・有川美折(みのり)に一目ぼれするが、美折が新興宗教「サダイの家」に関係していることを知り心配になる 彼が美折をストーカーのように追うと、彼に接近する者が現れる それは「サダイの家」の元信者らで、過去に家族が犠牲になったため、潤平の腕力に期待し 仲間に引き入れて「サダイの家」に復讐を企てているのだった 頭が単純な潤平は美折をカルト宗教から救い出したいがために、彼らの仲間に入り美折を奪還し復讐を決行する

本書は、カルト宗教による事件を、警察、元信者、宗教二世を含めた現信者、一般人の視点でテンポよく描いていきます カルト宗教ということでは、「オウム真理教」を思い浮かべますが、ただの水を聖水だと偽って信者に高く売りつけるという”霊感商法”ということでは、「統一教会(世界平和統一家庭連合)」を思い浮かべます また、躾けと称して親が子に鞭打つ暴力行為を訴えた宗教二世の話では「エホバの証人(ものみの塔)」を思い浮かべます

本書では、最初のうちは純粋に宗教団体としての真面目な教義に基づいて布教活動を行っていたはずの新興宗教が、世代が変わったり代表者が交代したりすると、如何に金儲け主義に走るか、如何に好き放題のことをやるようになるか、という実態を描いています

誉田哲也の作品の特徴は、登場人物のキャラが立っていることです 賢いのか頭が悪いのか分からない元キックボクサーの潤平、頼りなさそうで案外しっかりしている美折、口は悪いが心は優しい元信者の世津子、暴力団員ながら憎めない唐津・・と一人ひとりが魅力的に描かれています

最後まで分からないのは、本書のタイトル「フェイクフィクション」の意味です

本書の巻末には、ほとんどのミステリー小説の巻末と同じように「本書はフィクションであり、作中に登場する人物・団体等はすべて架空のものです」と書かれています

それでは、その「フィクションがフェイクだ」と言っているのだろうか? つまり「本書に書かれていることは本当のことだ」ということではないのか つまり、虚構の世界にこそ真実が隠されているということを言いたいのではないのか と思いますが、さてどうでしょうか

         

今日は新国立オペラ、ベッリーニ「夢遊病の女」ゲネプロの見学に行きます   新国立劇場の会員サービス「クラブ・ジ・アトレ」の抽選で当選したため実現しました

     

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