人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

石田泰尚 ✕ 實川風でモーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第25番K.301」、ファリャ「火祭りの踊り」他を聴く ~ 第32回 名曲リサイタル・サロン

2024年09月26日 00時04分30秒 | 日記

26日(木)。わが家に来てから今日で3544日目を迎え、国連人権委員会が任命したマリアナ・カツァロバ特別報告者は23日、ジュネーブで記者会見し、ロシアでは1000人以上の政治犯が恣意的に投獄され 危険に晒されており、1年前に報告を行った時よりも悪化していると述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     主権国家ウクライナを侵略するプーチンに 人権意識があるとは 誰も思わないよね

         

昨日、夕食に「鮭の西京焼き」「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」「鮪の山掛け」「豚汁」を作りました 魚は定期的に食べるようにしていますが、和食はいいですね

     

         

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで芸劇ブランチコンサート「第32回 名曲リサイタル・サロン ~  石田泰尚 ✕ 實川風」を聴きました プログラムは①J.S.バッハ/グノー「アヴェ・マリア」、②モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第25番 ト長調 K.301」、③スメタナ「わが故郷」より第1曲「モデラート」、第2曲「アンダンティーノ ”ボヘミアの幻想”」、④ファリャ「スペイン舞曲」「火祭りの踊り」、⑤ピアソラ「悪魔のロマンス」(實川風編)、⑥實川風「トッカティーナ ~ バッハとピアソラのテーマによる」です   演奏はヴァイオリン=石田泰尚、ピアノ=實川風です

石田泰尚(いしだ やすなお)は神奈川県出身。国立音楽大学を首席で卒業。新星日本交響楽団コンマスを経て、2001年から神奈川フィルのソロ・コンマスを務め、2020年から京都市交響楽団特別客演コンマスを兼任している 自身のプロデュースによる男性奏者のみの弦楽アンサンブル「石田組」の組長としても活躍する

實川風(じつかわ かおる)は東京藝大を首席で卒業、同大学院修了。グラーツ芸術大学ポストグラデュエート修了 2015年ロン・ティボー国際コンクール第3位(第1位なし)入賞 国内の主要オーケストラと共演を重ねる

     

ナビゲーターの八塩圭子さんによると、この日は本公演始まって以来定員1999席全て満席とのこと 女性が圧倒的に多いです 「なぜ2000席にしないのでしょうね あと1席は音楽の神様のために取っておいたと伺いました。良い話ですね 本当か嘘か分かりませんが」 八塩さん、言うじゃん

1曲目はJ.S.バッハ/グノー「アヴェ・マリア」です この曲はヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)の「平均律クラヴィーア曲集」第1巻の第1曲「プレリュード」の音型をもとに、グノーがメロディを加えて作曲した作品です

石田組長と實川風が登場し演奏に入りますが、とても美しい弱音が会場に響き渡りました

2曲目はモーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第25番ト長調  K.301」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が1778年に作曲した6つのヴァイオリン・ソナタ(K.301~K.306)の最初の曲で、プファルツ選帝侯妃マリア・エリーザベトに献呈されました 第1楽章「アレグロ・コン・スピーリト」、第2楽章「アレグロ」の2楽章から成ります

ヴァイオリンもピアノも肩の力を抜いた気負いのない演奏で、幸福感に満ちた音楽を奏でました 組長は弱音でも遠くまで音が届くと確信しているような弾き方でした

ここでトークに入ります 八塩さんが「二人は昨年5月から共演を重ねていらっしゃいますが、今回で何度目ですか?」と訊くと、組長はしばし考えて「4回目です」。「本日のプログラムはどのような考えで組まれましたか?」との問いに、組長はしばし考えて「テキトーです」。思わず八塩さんが「えー、テキトーなんですかぁ」と返すと、「後半に行くにしたがって、だんだん盛り上がっていく、ラテン系にいくような感じです」と答え、實川も同意していました

     

3曲目はスメタナ「わが故郷」より第1曲「モデラート」と第2曲「アンダンティーノ ”ボヘミアの幻想”」です この曲はスメタナ(1824ー1884)が1879年から80年にかけて作曲しました ここで初めて気が付きましたが、ブルックナーと同様、スメタナは今年生誕200年を迎えます ブルックナーの交響曲が日本中のオーケストラで演奏されているのに比べ、スメタナは目だった動きがありませんね

2人の演奏で聴いた範囲では、第2曲の後半部のヴァイオリンとピアノの掛け合いがとても楽しく聴けました

ここで再びトークに入りました この公演では必ず出演者に食に関する質問をしていますが、「朝食は何を召し上がっていますか?」という質問に、組長は「朝は食べません ずっと前からです」。實川は「納豆ご飯です」。「本番前には何か召し上がりますか?」との問いに、組長は「ユンケルを飲みます」(会場・笑)。「お好きな食べ物は?」の問いに、組長は「生姜焼き定食 それと餃子」、實川は「生姜焼き定食、良いですね」。實川が組長に「明日死ぬとして、最後に食べたいものは何ですか?」と質問すると、「生姜焼き定食」。どうやら組長は「生姜焼き定食=命」のようです

次の曲はファリャ「スペイン舞曲」と「火祭りの踊り」です この曲はマヌエル・デ・ファリャ(1876-1946)が1914年から15年にかけて作曲したバレエ曲「恋は魔術師」の中の音楽です

「スペイン舞曲」ではヴァイオリンもピアノも雄弁です 我こそはと技巧を駆使します 「火祭りの踊り」では丁々発止のやり取りでアグレッシブな演奏が展開します

ここで最後のトークに入ります 八塩さんから「秋には武道館でコンサートを開くそうですが、チケットは売り切れとか」とマイクを向けられると、組長は「そうなんです。あそこは8000人入るそうです」と満足な表情でした クラシックのアーティストで武道館を満席にできるのは角野隼斗くらいしかいませんからね

     

次の曲はピアソラ「悪魔のロマンス」(實川風編)です この曲はアストル・ピアソラ(1921-1992)が1965年にワシントン、ニューヨークなどで公演を行った後、アルゼンチン帰国後に録音された「ニューヨークのアストル・ピアソラ」に収録された1曲です

演奏を聴く限り、この曲はタイトルの「悪魔」とは似ても似つかない穏やかで憧憬に満ちた音楽で、バラード風のメロディーが美しく会場を満たしました

最後の曲は實川風「トッカティーナ ~ バッハとピアソラのテーマによる」です この曲は實川が昨年5月に石田と初共演した時にバッハとピアソラを取り上げたので、2人の作曲家の音楽を一緒に出来ないかと思って作曲した、とトークで語っていました

演奏に入りますが、バッハでは無伴奏ヴァイオリン・ソナタやG線上のアリア、ピアソラではリベル・タンゴなどがアレンジされていたように思いました フィナーレのアグレッシブな演奏は圧巻でした

     

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、2人はアンコールにピアソラ(實川編)「天使の死」を鮮やかに演奏 組長は演奏が終わると一人でさっさと舞台袖に引き上げていき、實川は呆然と立ち尽くし、苦笑しながら一礼して引き上げました 鳴りやまない拍手に、2人はコープランド「Hoe-Down from”Rodeo”」をアグレッシブに演奏、大きな拍手の中 ジョイント・リサイタルを締めくくりました

「如何に石田から本音を引き出すか」という八塩さんと、「如何にしゃべらないで済むようにするか」という組長との攻防戦を含めて、実に楽しいコンサートでした

東京芸術劇場コンサートホールは9月末から約1年間、改装工事のため休館となる関係で、この日のコンサートを持ってしばらく休演となります 再開後の公演内容とチケット発売の案内は2025年4月にMIYAZAWA&Co.及び東京芸術劇場のホームページで知らせるとしています

「芸術ブランチコンサート」とこの「名曲リサイタル・サロン」とも、一流のアーティストによる約1時間強の演奏で2400円という良心的なチケット代なので、出来るだけ長く続けてほしいと思います

         

今日は新日本フィル「すみだクラシックへの扉」9月度定期公演の公開リハーサルを見学に行きます 公開されるのは久石譲の指揮によるブラームス「交響曲第1番」だと思います

     

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