4日(木).わが家に来てから238日目を迎え,白ウサちゃんにちょっかいを出すモコタロです
黒バナナキューピーとばかり遊んでないで ぼくとも遊んでよ
閑話休題
昨夕,上野の東京文化会館大ホールで『響きの森~ドイツ・ロマンの森』公演を聴きました プログラムは①ワーグナー「歌劇”タンホイザー”序曲」,②同「楽劇”トリスタンとイゾルデ”より”前奏曲と愛の死”」,③ブラームス「交響曲第4番ホ短調」です 指揮は飯守泰次郎,管弦楽は東京都交響楽団です
自席は1階15列25番,右ブロック左通路側席です.会場は7~8割くらい埋まっている感じでしょうか コンマスの山本友重はじめオケのメンバーが配置に着き,指揮者・飯守泰次郎が登場します 会場の照明が落とされますが,他の会場と違い,かなり明るい状態です サントリーホールや東京オペラシティコンサートホールなどは目を凝らさないとプログラムが読めないのに対し,ここ東京文化会館は余裕で読めるほど明るいのです.演奏する側から見てそれが良いのかどうかは分かりません
プログラム前半は飯守泰次郎の十八番,ワーグナーです 最初に歌劇「タンホイザー」序曲が演奏されます.管楽器によるゆったりした出だしのメロディーが弦楽器に引き継がれていきますが,チェロの素晴らしいこと 弦楽器全体に落ち着きと安定感があります.「弦の都響」と言われる所以でしょう
その弦楽器を見渡して「おやっ?」と思いました.右サイドにスタンバイしているヴィオラの首席奏者が東京フィルの首席・須田祥子によく似ているのです 横顔が髪の毛に隠れてよく見えないので確信が持てないのですが,身体全体で演奏する激しい動きは彼女以外に考えられません
曲が終わって,オケ全員が立たされた時,やっぱり彼女であることが判明しました 定期コンサートでなく,この日のような特別な公演の場合には”首席のレンタル”が良くあるようです いずれにしても彼女のような実力者はあちこちで引手あまたでしょう
一方,飯守の指揮ぶりを見ていたら,いつも通りぎこちなさを感じました 例えれば,マグマ大使が指揮をしているような角ばった指揮ぶりなのです しかし,そのタクトから紡ぎ出される音楽が素晴らしければ,マグマ大使だろうが,ウルトラマンだろうが良いのです
2曲目の楽劇「トリスタンとイゾルデ」から”前奏曲と愛の死”は,冒頭のチェロによる「トリスタン」のモティーフとそれを受けるオーボエによる「イゾルデ」のモティーフが絡み合って曲が進行します 精神というよりも肉体に訴えかけてくる音楽です だんだん音楽が濃密になって行きます.ワーグナーの音楽のエッセンスが凝縮した大人の音楽ですね
休憩後のブラームスの「交響曲第4番ホ短調」は交響曲としては最後の曲ですが,冒頭のヴァイオリンによる第1主題は,切ないというか,哀しいというか,懐かしいというか,落ちそうで落ちない独特の浮遊感があります
しかし,何と言ってもこの曲の聴きどころは第4楽章のパッサカリアによる堂々たる音楽でしょう 飯守は相変わらず「巨人の星」で大リーグボール養成ギブスを付けた星飛雄馬のようなぎこちない指揮ぶりですが,出てくる音楽はドイツ的と言っても良いどっしりとした素晴らしいものがあります
東京都交響楽団の演奏は久しぶりに聴きましたが,弦楽器を中心に底力のある素晴らしいオケだと思います 大野和士の指揮のもと,新しいスタートを切った訳ですが,期待できるオケだと思います
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます