6日(土).わが家に来てから240日目を迎え,未知との遭遇を果たすモコタロです
ノー天気な君はだれだい? ハッピーターンだって??
閑話休題
昨日午前、当ビル10階ホールで、来日中のベニグノ・アキノ3世・フィリピン共和国大統領の記者会見がありました。父のベ二グノ・アキノ氏はマルコス政権と戦い、1983年にマニラの国際空港で暗殺されました その後、母のコラソン・アキノ氏が主導してマルコス政権を倒し86年に大統領に就任しました。その年の11月に来日し、記者クラブで会見を開いています。アキノ3世は98年に上院議員になり、2010年に大統領に就任しました 29年の年月を隔てて母と子が大統領として同じ会場で記者会見を行ったことになります 記者クラブ始まって以来のことと聞いています。国賓としての来日ということで、警備が物々しく、7台の白バイの先導で予定時間の5分前に当ビルの正面玄関前に到着し、専用エレベーターで9階の記者クラブ『貴賓室』に向かいました 貴賓室には29年前の来日時に撮影した母コラソン・アキノさんの写真が飾られています。その隣に息子ベニグノ・アキノ氏の写真が飾られることになるのでしょうか? 50歳・独身のアキノ大統領は多数の新聞・放送関係者が詰めかける中、質疑応答を含めて1時間の記者会見を終え、随行者、警護警察とともに12時10分に当ビルを退館しました。久しぶりの国賓が無事に帰られてホッと一息といったところです
も一度,閑話休題
昨夕,サントリーホールで読売日響第549回定期演奏会を聴きました プログラムはマーラー「交響曲第3番ニ短調」1曲です.指揮=ユーリ・テミルカーノフ,メゾ・ソプラノ=小山由美,女声合唱=新国立劇場合唱団,児童合唱=NHK東京児童合唱団.コンサート・マスターは日下紗矢子です
ユーリ・テルミカーノフは1938年旧ソ連生まれといいますから今年77歳です レニングラード響の首席指揮者やキーロフ劇場の音楽監督などを歴任し,現在はサンクトペテルブルク・フィルの音楽監督を務めています 読響とは今回が6回目の共演となります
私は交響曲ではマーラーが一番好きで,中でも第3番が一番好きです この曲にはマーラーの人生観が凝縮されています その音楽は自然を,そして宇宙を感じさせます
ステージ一杯に広がったフル・オーケストラを見渡すと左サイドにホルンが9本スタンバイしています.さすがに9本は壮観です このホルン群が第1楽章冒頭のメロディーを力強く演奏します このホルンのメロディーを聴くと,いよいよ「第3番の旅」が始まるのだなとワクワクします テルミカーノフはタクトを持たず,両手で指揮をします.慌てず騒がず決然とマーラーの音楽に対峙します テンポはゆったりしており,間合いを長くとります
第3楽章では,舞台裏からポストホルン(郵便馬車のラッパ)のメロディーが流れてきて郷愁を誘います
ここで,児童合唱50人と女声合唱60人がP席に入場しスタンバイします.第4楽章が始まると同時にメゾ・ソプラノの小山由美が舞台左袖から登場,中央まで移動し指揮者の隣でニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」から採られた詩を神秘的に歌います
次いで第5楽章に移り,民謡集「少年の不思議な角笛」から採られた詩をメゾ・ソプラノ独唱と児童+女声合唱がテンポ感よく歌います
私が一番好きなのは,この合唱が終わるや否や始まる第6楽章の弦楽合奏です ここで間を空けてはいけないのです テルミカーノフは絶妙なタイミングで楽章間を繋ぎます.この部分を聴く時,いつも感動で背筋が寒くなります この音楽を聴くために第1楽章から長い道のりをやってきたのだ・・・と感慨深いものがあります 「心の平安」とか「静かな幸せ」とかを音楽で表現したら,こういう風になるのだろうと思います こういう音楽を素晴らしい演奏で聴くと,つくづく生きていて良かったと思います
テルミカーノフの指揮は,枯淡の境地と言っても良いほど,わざとらしさがなく,淡々としていて,それでいて説得力を持って迫ってきます 各楽章で聴かれたコンマスの日下紗矢子のヴァイオリン・ソロが彩りを添えていました
読響とテルミカーノフは相性が良いのではないかと思います
文京シビックでのテルミカーノフ+読響,たしかアンケートの抽選で当たったのでしたね.ラッキーですね!マーラーの魅力が詰まった第3交響曲,楽しんできてください