人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

高橋麻衣「F ショパンとリスト」、勢古浩爾「定年後に見たい映画130本」、梨木香歩「ほんとうのリーダーのみつけかた」、ブレイディみかこ「ジンセイハ、オンガクデアル」他を買う

2022年06月20日 07時07分02秒 | 日記

20日(月)。普段からtoraブログをご覧いただいている読者の皆さんには周知のことですが、私は月曜から金曜まで夕食を作って、翌日のブログに他の記事と共にアップしています なぜアップしているかと言えば、「自分で作った料理だから」であり、「いつ何を食べたかの記録にもなるから」です ところが、ひと様のブログやツイッターを見ていると、どこかのお店で食事をした際の料理の写真がアップされているケースが結構あります 私からみると、「自分で作ったわけでもないのに、なぜ、誰に向けて発信しているのだろう?」と疑問に思います これが著名な芸能人とか演奏家とかだったら、それなりのニュースバリューがあり、「あの人はこういうお店で食事をとっているのか。今度お店を訪ねてみよう」と思うかもしれません でも、無名の人が外食を写真に撮ってアップしても いったい誰が見たいと思うだろうか? これが家族の誕生祝いに外食した時の写真をアップしたりする”特別な”ケースなら理解できるし、私もやっています あるいは、人によっては「毎日の栄養管理のため食事はすべて写真に撮っておく」というケースもあるかもしれませんが、それなら自分だけ分かれば良いわけで公開する必要はありません もちろん、ブログやツイッターに何を書こうが 何の写真をアップしようが個人の自由です    でも、やっぱり「意味わかんない!」というのが正直な感想です ただ、もしそれが生き甲斐だったら大いにやるべきです   何の生き甲斐もない人生なんて 後悔しか残りませんから

ということで、わが家に来てから今日で2717日目を迎え、ロシアのプーチン大統領は17日、ロシア北西部サンクトペテルブルクで開かれている国際経済フォーラムで、核兵器を念頭に「国家の主権を守る必要がある場合には使用する」と発言した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     核兵器を保有する国は ロシアだけではないことを 肝に銘じるべきだと思うけどね

 

         

 

手元の本が残り少なくなったので、昨日ジュンク堂書店池袋本店で本を7冊買いました

1冊目は高橋麻衣著「F  ショパンとリスト」(集英社文庫)です 本作は2人のF=フレデリック・ショパンとフランツ・リストの友情と生涯を描いた作品です

 

     

 

2冊目は勢古浩爾著「定年後に見たい映画130本」(平凡社新書)です 本書では「アクション・ミステリー映画」「日本映画」「社会派映画」「スポーツ映画」「戦争映画」などのジャンル別に名作映画を紹介した本です

 

     

 

3冊目は梨木香歩著「ほんとうのリーダーのみつけかた」(岩波現代文庫)です どうやら本作は主に若者向けに「どう生きるか」を語った作品のようです

 

     

 

4冊目はブレイディみかこ著「ジンセイハ、オンガクデアル」(ちくま文庫)です 本書は英国における「底辺託児所」保育士時代のエッセイ集とのことです 彼女のエッセイは好きで結構読んでいます

 

     

 

5冊目は同じくブレイディみかこ著「花の命はノー・フューチャー」(ちくま文庫)です 本書は英国における移民、パンク、LGBT、貧困層などを巡るエッセイ集です

 

     

 

6冊目は養老孟司・隈研吾共著「日本人はどう死ぬべきか」(新潮文庫)です 本書は「定年後の生き方」「理想の最期」などについて知の巨人2人が縦横無尽に語り合った対談集です

 

     

 

最後の7冊目は原田ひ香著「ランチ酒」(祥伝社文庫)です 原田ひ香の本は当ブログで「三千円の使い方」をご紹介しました 「心の空腹も満たす珠玉の人間ドラマ✕絶品グルメ小説」が謳い文句です

 

     

 

いずれも、読み終わり次第、当ブログでご紹介していきます

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ステファヌ・ドゥネーヴ ✕ オリヴィエ・ラトリー ✕ NHK交響楽団でプーランク「オルガン協奏曲」「バレエ音楽『牝鹿』」、ガーシュイン「パリのアメリカ人」を聴く

2022年06月19日 07時09分35秒 | 日記

19日(日)。わが家に来てから今日で2716日目を迎え、米紙ニューヨーク・タイムズは、米起業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙企業スペースXが16日、ツイッター買収を目指すマスク氏の振る舞いを批判した従業員を解雇したことがわかったと報じた  というニュースを見て感想を述べモコタロです

 

     

     マスク氏は ツイッターは自由な言論を保障すべきだと主張してた  矛盾する行動だ

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールでNHK交響楽団の池袋Cプログラム2日目公演を聴きました プログラムは①プーランク:バレエ音楽「牝鹿」、②同「オルガン協奏曲」、③ガーシュイン「パリのアメリカ人」です 演奏は②のオルガン独奏=オリヴィエ・ラトリー、指揮=ステファヌ・ドゥネーヴです

開演に先立ってCプロだけの室内楽演奏会がありました ヴァイオリン=横島礼理、ヴィオラ=山田雄司、チェロ=藤森良一の3人によりガーシュイン「3つの前奏曲」(弦楽三重奏版)が楽しく演奏されました 進行役を横島氏が務めましたが、どうして演奏家というのはトークが下手なんだろうと思いました 結局は演奏が良ければすべて良しとなるわけですが

 

     

 

さて本番です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものN響の並び。コンマスは白井圭です   

指揮をとるステファヌ・ドゥネーヴは1971年フランス生まれ。パリ・オペラ座でジョルジュ・プレートルに師事するなど研鑽を積み、現在、セントルイス交響楽団音楽監督、ブリュッセル・フィル音楽監督を務めています

1曲目はプーランク:バレエ音楽「牝鹿」です この曲はフランシス・プーランク(1899ー1963)がロシア・バレエ団の主宰者ディアギレフの委嘱により1923年に作曲、翌24年1月6日にモンテ・カルロで初演されました 女性画家マリー・ローランサンが舞台美術と衣装を提供し、プーランクが音楽を付けることになったものです バレエは16人の若い女の子たちが戯れるだけの筋のない内容です ここで言う「牝鹿」は動物の雌の鹿ではなく、「かわいい女の子」という意味です プーランクはバレエ曲から5曲を選んで組曲に仕立て上げました 第1曲「ロンド」、第2曲「アダージェット」、第3曲「ラグ・マズルカ」、第4曲「アンダンティーノ」、第5曲「終曲」です

ドゥネーヴの指揮で第1曲に入ります パリが好きなプーランクの洗練された楽しさが伝わってきます 第2楽章ではオーボエとトランペットの独奏が印象的です 第3曲以降も金管、木管が活躍しカラフルな音楽を展開しました

2曲目はプーランク「オルガン協奏曲」です この曲は1934年から1938年にかけて作曲、翌39年6月21日にパリで初演された「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」で、単一楽章の作品です

東京芸術劇場の誇るパイプオルガンは、バッハ等のバロック音楽の公演の際は「バロック面」を見せていますが、今回のような近・現代の作品を演奏する時は「モダン面」を見せます 管楽奏者が退場し、2階正面のパイプオルガンに、1962年生まれ、23歳の若さでパリ・ノートルダム大聖堂の首席オルガニストに就任し、1995年以降は母校パリ国立高等音楽院のオルガン教授を務めるオリヴィエ・ラトリーがスタンバイします

 

     

 

力強いオルガン独奏から曲が開始されます 冒頭の音楽の厳しさは、これまで私が抱いていた「明るく陽気な」プーランクのイメージを覆します 宗教曲の一歩手前で踏みとどまっている感じがします その後は、弦楽器と絡み合い、また「ここぞ!」というタイミングでティンパニが打ち込まれたりしながら、緩急自在でカラフルな音色のオルガンが会場を震わせます ラトリーのオルガンはまるで即興演奏のように聴こえ、音色の変化が鮮やかです ドゥネーヴ ✕ N響は切れの良いドラマティックな演奏でソリストを支えました

鳴りやまない拍手にラトリーは、アンコールにリスト「愛の夢」を色彩感豊かに、変幻自在に演奏し再び満場の拍手を浴びました

 

     

 

最後の曲はガーシュイン「パリのアメリカ人」です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898ー1937)がパリ滞在中の1928年に作曲、同年12月13日にニューヨークで初演されました

ドゥネーヴの指揮で、パリを闊歩するアメリカ人のそわそわウキウキ気分が演奏されます ガーシュインは金管だけでは大都会パリの雰囲気が出せないと、車のクラクションを登場させました 中盤では、白井コンマスの独奏によりパリジェンヌの優雅な姿が描写されます その後、旅人のホームシックを表すかのように独奏トランペットがブルースを奏でます この演奏が素晴らしい チューバの女性の演奏も見事 そして、再び大都会の喧騒が金管、木管、打楽器 総動員で演奏され、ゴージャスなサウンドで圧倒的なフィナーレを迎えました

満場の拍手がドゥネーヴとN響の面々に押し寄せました ドゥネーヴは紅潮した顔でカーテンコールに応えました

ここだけの話、指揮者のドゥネーヴにはあまり期待していませんでした しかし、この日のタクト捌きを見て、なかなかやるじゃないか、と思いました 得意のフランスものということもあるかもしれませんが、N響から熱い指揮により熱い演奏を引き出していました

この日をもって池袋の東京芸術劇場でのC定期演奏会は終わりです 自席2階LBーA列10番というバルコニー席ともお別れです 指揮者の表情が見えたり、管楽器奏者が近かったりと、結構気に入っていた席でしたが、次シーズンからAプロ、CプロともNHKホールに戻るとのこと。とても残念です

N響の新シーズンへの更新手続きは7月10日です すでにマーラー、ブルックナー、ショスタコーヴィチといった大曲が揃ったAプロを選択することは決めています それ以外に、協奏曲が中心のBプロ(サントリーホール)を追加するかどうか迷っているところです

 

     

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キンボー・イシイ ✕ 周防亮介 ✕ 新日本フィルでベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」、吉松隆「交響曲第6番」他を聴く ~ 第8回 クラシックへの扉シリーズ

2022年06月18日 07時17分43秒 | 日記

18日(土)。わが家に来てから今日で2715日目を迎え、米国で昨年1月に起きたトランプ大統領(当時)の支持者らによる連邦議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会で16日、ペンス副大統領(同)の側近らが証言し、トランプ氏側が違法性を認識していたにもかかわらず、ペンス氏に対して2020年大統領選の結果を覆す計画を実行に移すよう圧力をかけていたことなどを明らかにした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     どこまでも 往生際の悪いトランプの 最後の悪あがきが 次々と明らかにされていく

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」を作りました もう作り慣れたので柔らかくて美味しく出来ました

 

     

 

デザートに池袋Sデパート地下の「チューリップローズ」をいただきました 朝から行列が出来ていましたが、並んだ甲斐がありました。とても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「クラシックへの扉シリーズ第6回公演」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61」、②吉松隆「鳥は静かに・・」、③同「交響曲第6番『鳥と天使たち』作品113」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=周防亮介、指揮=キンボー・イシイです

キンボー・イシイはウィーン市立音楽院でヴァイオリンをワルター・バリリに師事、ジュリアード音楽院でドロシー・ディレイに師事するが、左手故障のため指揮者に転向。現在、ドイツ・シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州立劇場の音楽総監督を務めています

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び。コンマスは元読響コンマスで新日本フィルのゲスト・コンマスの伝田正秀です 彼にとって本公演が定期演奏会へのコンマス・デビューとなります

1曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1806年に作曲、同年アン・デア・ウィーン劇場で初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の4楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の周防亮介は1995年京都生まれ。2016年ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール入賞及び審査員特別賞を受賞したのをはじめ、国内外のコンクールで優・入賞を果たす 現在、江副記念リクルート財団奨学生としてメニューイン国際音楽アカデミーで研鑽を積んでいます

黒い衣装でロングヘアがトレードマークの周防亮介がキンボー・イシイとともに登場し、第1楽章がティンパニの4連打で開始されます 周防のヴァイオリンが入ってきますが、若干固さを感じます しかし、それは最初だけで、緊張感を保ちながらも周防特有の流麗な演奏を展開します キンボー・イシイ ✕ 新日本フィルが引き締まった演奏でソリストを支えます   第2楽章でも周防の息の長い流麗な演奏が繰り広げられますが、ヴィブラートが自然で美しい    第3楽章では終盤のカデンツァが極めて速いテンポで演奏されますが、アグレッシブで鮮やかな演奏でした

満場の拍手に周防は、バッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」から「サラバンド」を鮮やかに演奏、聴衆を黙らせました

 

     

 

プログラム後半の1曲目は吉松隆「鳥は静かに・・」です この曲は吉松隆(1953~)が1998年に作曲した弦楽合奏による作品です

公演に先立ち、ホール隣のホテル6階で開かれた「知ればもっとコンサートが楽しくなる!午前11時の60分ワンコイン講座」では、講師の小室敬幸氏が「反現代音楽を掲げた作曲家・吉松隆 ~ ポストモダンとは何か?」というテーマで講演しました その中で、「現代音楽という世界の『不自由』さに長年苦しまされてきた吉松氏にとって、鳥は自由に大空を飛び回りながら歌をさえずる『自由』な存在であることから、自分自身の生きたい姿を体現している理想像と見ている したがって、彼の作品には『朱鷺によせる哀歌』をはじめ鳥をテーマとした曲が多い」と解説していました

弦楽奏者だけが入場しスタンバイします キンボー・イシイの指揮で演奏に入ります。曲は弦楽合奏のみによる演奏ということもあって静謐で透明感の高い音楽です 終始 儚くも美しいメロディーが奏でられます    中盤でコンマス・伝田、第2ヴァイオリン首席・ビルマン聡平、チェロ首席・桑田、ヴィオラ首席・中の四重奏が演奏されますが、美しいアンサンブルでした

最後の曲は吉松隆「交響曲第6番『鳥と天使たち』作品113」です この曲は「交響曲第5番」から12年後の2013年に作曲した作品です 小室敬幸氏の解説によると、この曲は「吉松は2012年にNHK大河ドラマ『平清盛』の音楽を1年間にわたり担当したが、数多く作った音楽のうち『大河に使えないポップな素材』を再構成し、他の作曲家の作品も引用しながら作曲した作品」であるとのこと 第1楽章「右方の鳥」(雅楽の「右方の舞」をもじったタイトル)、第2楽章「忘れっぽい天使たち」(パウル・クレーの絵画から採られたタイトル)、第3楽章「左方の鳥」(酒飲みを『左利き』と呼ぶことと、干支の酉にサンズイを付けると『酒』になるという冗談から付けたタイトル)の3楽章から成ります

指揮者の正面にピアノが置かれ、その左奥にハープがスタンバイし、第1楽章に入ります フルートやピアノによって鳥の鳴き声が奏でられますが、その後は、ジャズ風の音楽が展開したり、ラヴェルのラ・ヴァルスばりのワルツが現れたりと、変化に富んだ楽し気な曲想が展開します 第2楽章では冒頭と終結部でフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットの4人の奏者がオカリナに”持ち替えて”鳥の合奏を繰り広げましたが、よくハモっていました あのオカリナ、各自が”持ち帰る”のだろうか 終盤でチャイコフスキーの「交響曲第6番”悲愴”」の第4楽章の「ラメントーソ」のメロディーが流れてきた時は思わず声を殺して笑ってしまいました 第3楽章に入ると、再びジャズ・セッションのようなリズミカルな音楽が繰り広げられますが、なぜがベートーヴェンの交響曲第6番”田園”のメロディーが行進曲風に演奏され、思わずニヤリとしました 全体的には調性のある分かりやすい作品ですが、キンボー・イシイは新日本フィルから「無調音楽クソくらえ!」「自分はわが道を行く!」という吉松隆の反骨精神を 音として見事に引き出していました

満場の拍手に、客席の後方席で鑑賞していた吉松氏が指揮者に促されて立ち上り、聴衆の声援に応えていました いわゆる”現代音楽”が苦手な向きは、吉松氏の作品を聴くと良いと思います

終演後、受付のパトロネージュ部・登原さんとお話ししました 登原さんから「吉松さんの作品、どうでしたか? プログラムに『第6番のオカリナの演奏は木管奏者の持ち替え』と書いてありますが、フルート奏者なら分かりますが、他の奏者もオカリナに持ち替えて演奏したのですか?」と訊かれたので、「そうです。第2楽章の冒頭と最後に4人のオカリナ隊が合奏していましたよ」と答えました 言うまでもなくフルートだけがリード楽器ではありません。さすがは音大でフルートを専攻していた登原さんの気づきだと思いました 「是非聴いてみたいです」とのこと。2日目の今日、聴ければよいなと思います 自分の所属するオーケストラの演奏を聴くのも事務局の仕事のうちです 本来業務に支障のない限りどんどん聴くべきです

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新日本フィル室内楽シリーズ第150回公演でブラームス「ピアノ四重奏曲第3番」&「ピアノ五重奏曲ヘ短調」を聴く ~ ビルマン聡平、田村安紗美、濱本実加、飯島哲蔵、岸美奈子

2022年06月17日 07時20分53秒 | 日記

17日(金)。わが家に来てから今日で2714日目を迎え、北朝鮮メディアは16日、南西部の黄海南道海州市と周辺で「急性腸内性感染症」が発生し、金正恩朝鮮労働党総書記が 感染が疑われる人の隔離と治療、消毒の徹底を指示したと報じたが、党機関紙・労働新聞は16日、金正恩氏が患者の治療用にと自宅の置き薬を党の海州市委員会へ託したとし、薬を手にした李雪主夫人と言葉を交わす場面の写真を掲載したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     「自宅の置き薬」って有効期限切れってことないよね 富山の置き薬の方が良くね?

 

         

 

昨日、夕食に「イサキの塩焼き」「マグロの山掛け」「生野菜サラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました イサキは今が旬で、脂がのっていて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル室内楽シリーズ「ブラームスの室内楽 ~ チェロ・飯島哲蔵プロデュース編」を聴きました   プログラムは①ブラームス「ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 作品60」、②同「ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34」です    演奏はヴァイオリン=ビルマン聡平、田村安紗美、ヴィオラ=濱本実加、チェロ=飯島哲蔵、ピアノ=岸美奈子です

ゲストの岸美奈子さんは東京藝大在学中にモスクワ音楽院に留学。内外のピアノコンクールで入賞し、王子ホール等でリサイタルを開いています

 

     

 

この日もチケットが完売ということで、最近の室内楽シリーズは絶好調です しかも若い聴衆もちらほらと見られます。すごく良いことだと思います

公演に先立って今回の仕掛け人・飯島氏によるプレトークがありました 幼い頃、母親がロストロポーヴィチの演奏するブラームスのチェロ・ソナタのCDをかけていたので、自然とブラームスの音楽が沁みついたとのことです その後、簡単な曲目解説をして約8分で切り上げましたが、若干短か過ぎるきらいがあったものの、トーク自体は良かったと思います

実は、このコンサートを聴くに当たり、CDで予習しておいたのですが、聴きながら「飯島氏はこの楽章が弾きたいためにこの曲を選曲したんだな」と直感しました それは第1曲の第3楽章です

さてその第1曲目のブラームス「ピアノ四重奏曲第3番 ハ短調 作品60」が演奏されます この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1855年に作曲(1873~74年改訂)、1875年にハイデルベルクで初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「スケルツォ:アレグロ」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ」の4楽章から成ります

ビルマン聡平、濱本実加、飯島哲蔵、岸美奈子の4人が入場し、第1楽章の演奏に入ります ブラームスのクララ・シューマンへのやるせない想いが伝わってきます 第2楽章は勢いがありパッションを感じます 第3楽章「アンダンテ」こそ私が予習で直感した音楽です ピアノ伴奏に乗せて奏でられる飯島のチェロが、ブラームスのクララへの秘めた想いを切々とい歌い上げます 何と優しくナイーブな音楽だろうか 第4楽章は一転、速いパッセージでピアノがベートーヴェンの運命の動機を奏でる中、弦楽器がほの暗いメロディーを奏でます よく考えてみたら、運命交響曲もハ短調だし、この曲もハ短調です まるでブラームスとクララとの実らない運命を象徴するかのようです

ヴァイオリンのビルマン聡平をはじめ、集中力に満ちた素晴らしい演奏でした

 

     

 

プログラム後半はブラームス「ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34」です この曲は1862年から64年にかけて作曲、1868年にパリで初演されました 本作はもともと弦楽五重奏曲として作曲されましたが、評判がいまいちだったため2台のピアノ用に作り替え、その後、ピアノ五重奏曲として完成しました ブラームスの執念を感じます 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・ウン・ポコ・アダージョ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:ポコ・ソステヌート ~ アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

前半の4人に第2ヴァイオリンの田村安紗美が加わり第1楽章に入ります 重厚な響きにより情熱的な演奏が展開します 第2楽章のどこか儚げな音楽は何かへの憧れのように感じます 第1ヴァイオリンとチェロが良く歌います 第3楽章は一転、力強く推進力に満ちた音楽が繰り広げられます ピアノと弦楽合奏とのアンサンブルが素晴らしい 第4楽章は後半のアレグロ部分に入ると、ピアノと弦楽との丁々発止のやり取りが高速演奏で展開し、熱いフィナーレを迎えます

満場の拍手に5人は、ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 作品25」から第4楽章「ジプシー・ロンド(プレスト)」をアグレッシブに演奏、再び大きな拍手を浴びました

この日の演奏を聴いて思ったのは、室内楽シリーズは首席奏者が一人入ると演奏が引き締まる、ということです 今回はビルマン聡平ですが、やっぱり巧いし、首席奏者だけのことはあると思いました 彼に引っ張られる形で、仕掛け人の飯島氏も、ヴァイオリンの田村さんも、ヴィオラの濱本さんも存分に実力が発揮できたと思います また、臨時に呼ばれたピアノの岸美奈子さんの演奏の素晴らしさは特筆に値します

もう一つ思ったのは、新日本フィルの弦楽奏者のレヴェルは、室内楽の演奏を重ねるごとに着実に上がっているということです

 

     

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「コレクティブ 国家の嘘」&「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」を観る ~ 調査報道で真実を追求するジャーナリストと環境汚染を告発する一人の弁護士の闘いの物語

2022年06月16日 07時13分10秒 | 日記

16日(木)。ミューザ川崎から「友の会」年会費(3000円)の請求書が届いたので郵便局から振り込んでおきました 今年度はせっかく振り込んだのにミューザ川崎での東響「モーツアルト・マチネ」の会員先行発売日を逃してしまったので、これからは気を付けたいと思います 私の場合は、「モーツアルト・マチネ」と「フェスタ サマーミューザ」のチケットを先行発売で取るために入会しているようなものです

ということで、わが家に来てから今日で2713日目を迎え、韓国出身の7人組男性アイドルグループ・BTS(防弾少年団)が14日、グループ活動を一時中断するいうメッセージを伝えたが、所属事務所によると、解散ではなく、個人の活動に専念するようだ  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     キャンディーズみたいに「普通の男の子に戻りたい」か? 徴兵制が待ってるかも

 

         

 

昨日、仕事休みの娘が朝食を作ってくれました 先日と同じ「ソーセージ・エッグ」「ハムと紫蘇のまぜご飯」「トマト・スープ」です 「ソーセージ~」は前回のが型崩れしたので再チャレンジしたようですが上手に出来ました

 

     

 

夕食はいつも通り私が作りました 娘が勤務先の同僚から仕入れてきた馬肉を刺身にして、「タコとジャガイモとピーマンのサラダ」「冷奴」「人参とピーマンの中華スープ」を作りました 「タコ~」は昨日の朝刊の「料理メモ」に出ていたレシピで作りました 玉葱が入っているのですが、娘は箸でつまんで除外していました 好き嫌いは困りますねえ

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「コレクティブ 国家の嘘」と「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」の2本立てを観ました

「コレクティブ 国家の嘘」は、アレクサンダー・ナナウ監督による2019年製作ルーマニア・ルクセンブルク・ドイツ合作映画(109分)です

2015年10月、ルーマニア・ブカレストのクラブ「コレクティブ」でライブ中に火災が発生し、死者7名、負傷者180名を出す大惨事となった さらに、命を取り留めたはずの入院患者が複数の病院で相次いで死亡、最終的に死者は64名となった 調査に乗り出した地元の小さなスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の調査報道記者カタリン・トロンタンは、事件の背後にある製薬会社と病院関係者、政府関係者の巨大な癒着が隠されていたことを突き止める トロンタンをはじめとするジャーナリストたちは命の危機を感じながらも、真相を暴くため奮闘する 一方、報道を目にした市民の怒りは頂点に達し、内閣はついに辞職、正義感溢れる金融界出身の新保険相ブラド・ボイクレスクは、腐敗まみれのシステムを変えるべく孤軍奮闘するが、限界を感じる

 

     

 

本作は、ルーマニアを震撼させた巨大医療汚職事件を題材に、市民、ジャーナリスト、政治家ら 異なる立場から事件に立ち向かう人々の姿を捉え、第93回アカデミー賞で国際長編映画賞と長編ドキュメンタリー賞にノミネートされました

【以下、ネタバレ注意】

冒頭のクラブ「コレクティブ」での火災発生の実写映像は衝撃的です 誰かがスマホで撮影したのだと思われますが、火の手が上がったと思ったら、あっという間に天井に燃え移り、急拡大していきます その間、聴衆は照明が消えた暗い会場の中を大声で叫びながら一つしかない出口に殺到します 結果的に迫真のドキュメンタリーになっています

病院に入院して助かるはずの患者が多数死んだのは、製薬会社が薬の成分を基準以下に薄めて病院に出荷していたため、たまたま病院で発生した感染症を抑えることが出来なかったためです それが判明したきっかけは、ブカレスト大学病院の麻酔医カメリア・ロイウが真実を記者に告発したからです 勇気のいる行動だと思いますが、口を閉ざすことに「良心の呵責」を感じていたのでしょう それを受け止めたのが、一般紙ではなくスポーツ紙だったことに驚きますが、要は新聞の種類ではなく、真実の報道を貫く信念を持った記者がいるかどうか、新聞社として調査報道を進める方針があるかどうかということです

カメラは失脚した保険相に代わり新たに就任したブラド・ボイクレスク保険相にも密着しますが、政府の大臣がよくもカメラの密着取材を許したものだ、と感心します おそらくブラド・ボイクレスク保険相は、すべての行動を公開することによって政府側の透明性をアピールし、国民を味方につけようとしたのではないかと思います しかし、残念ながら彼一人の努力では政府と製薬会社と病院との密着はそう簡単には解消されませんでした

現在のルーマニアの医療を巡る政治・経済情勢はどうなっているのだろうか この映画を観て気になりました

 

         

 

「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」は、トッド・ヘインズ監督による2019年製作アメリカ映画(126分)です

1998年、オハイオ州の名門法律事務所で働く企業弁護士ロブ・ビロット(マーク・ラファロ)は祖母の知人の中年男から思いがけない調査を依頼される それはウェストバージニア州の農場が、大手化学メーカー「デュポン」の工場からの廃棄物により土地が汚染され、190頭もの牛が病死したというものだった ロブの調査により、デュポン社が発がん性のある有害物質の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流し続けた疑いが判明する ロブは7万人の住民を原告団とする一大集団訴訟に踏み切るが、巨大企業を相手にする法廷闘争は、真実を追い求めるロブを窮地に陥れていく    しかし、ロブは不屈の精神で様々なプレッシャーを跳ね返し、次々と勝訴しデュポンから高額な賠償金を勝ち取っていく

 

     

 

本作は、環境汚染問題を巡って一人の弁護士が十数年にもわたり巨大企業「デュポン」との闘いを繰り広げた実話をもとに製作された映画です

この映画のいいところは、主人公のロブを単なるヒーローとしてではなく、弁護士を辞めて主婦業に転じた妻(アン・ハサウェイ)との軋轢、事務所の中で孤立する弁護士の立場、なかなか結果が出ない被害者の検査結果などのプレッシャーを抱えながら、「巨大企業の環境汚染は許せない。人を死に追いやった罪は償われるべきだ」という信念のもと、最後まで闘った生身の人間として描いているところです

この映画を観て思い出すのは、日本でもチッソによる「水俣病事件」やカネミ倉庫による「カネミ油症事件」があったな、ということです これらの事件でも、優秀な弁護士さんが活躍したことでしょう。資金が潤沢な大企業側につけば多額の報酬が期待できるので、弁護士としては”おいしい仕事”になるでしょうが、そういう人ばかりでは、お金のない庶民としては困ります やはり、被害者の立場に立って考え、行動できる弁護士が望まれます

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METライブビューイングでプッチーニ「トゥーランドット」を観る ~ ウクライナのソプラノ歌手リュドミラ・モナスティルスカがアンナ・ネトレプコの代役で歌う

2022年06月15日 07時10分56秒 | 日記

15日(水)。わが家に来てから今日で2712日目を迎え、昨年1月の米議会襲撃を調査する下院特別委員会が13日に開いた公聴会で、バー前司法長官は2020年大統領選は不正だったと譲らないトランプ前大統領に対し、そうした主張は「大うそだ」と選挙後に再三忠告したと明らかにしたが、トランプ氏は聞く耳を持たず、「現実から乖離していた」と振り返った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     本当にこんな出鱈目なトランプが アメリカの大統領を4年間も務めたんだろうか?

 

         

 

昨日、夕食に「野菜とひき肉のドライカレー」を作りました 久しぶりに作りましたが、美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨日10時半から新宿ピカデリーでMETライブビューイング、プッチーニ「トゥーランドット」を観ました これは今年5月7日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演はトゥーランドット=リュドミラ・モナスティルスカ(アンナ・ネトレプコの代役)、カラフ=ヨンフン・リー、リュー=エルモネラ・ヤホ、ティムール=フェルッチオ・フルラネット。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=マルコ・アルミリアート、演出=フランコ・ゼフィレッリです

 

     

     

「トゥーランドット」はジャコモ・プッチーニ(1858ー1924)が1921年から24年にかけて作曲、1926年にミラノ・スカラ座で初演された3幕5場から成る未完のオペラです

物語の舞台は伝説の古代中国の北京。皇女トゥーランドット姫は絶世の美貌で世に聞こえているが、求婚者に3つの謎をかけ、解けないと殺してしまう「氷の姫君」として恐れられていた 国破れて放浪していたダッタン国の王子カラフは、流れ着いた北京でトゥーランドット姫に一目ぼれし、再会した父王ティムールや、彼を密かに愛する女奴隷リューらの反対を押し切って謎かけに挑む カラフはトゥーランドットの出した3つの謎を鮮やかに解く 動揺するトゥーランドットに、カラフは「夜明けまでに私の名がわかったら潔く死ぬ」と謎をかける カラフの名を知るリューは拷問にかけられるが最後まで口を割らず、短剣で自害する カラフは動揺するトゥーランドットにキスをして名を明かす。姫は「異国人の名前がわかった」と勝利を宣言するが、叫んだ言葉は「彼の名は愛」だった

 

     

 

METライブでゼフィレッリの演出で「トゥーランドット」を観るのはこれで何度目だろうか? 特にマリア・グレギーナがヒロインを歌ったライブビューイングはアンコール上映で5回以上観たのではないかと思います 何と言ってもプッチーニの音楽が素晴らしい そしてゼフィレッリの演出がそれに輪をかけて素晴らしい 指揮者のアルミリアートが幕間のインタビューで、「ゼフィレッリの演出はプッチーニの音楽をそのまま舞台に再現した理想的なもので、世界一の演出だ」と語っていましたが、絢爛豪華かつ細部にこだわった舞台づくりは理想のトゥーランドットです

本公演は当初、METのディーヴァ、アンナ・ネトレプコがヒロインを歌う予定でしたが、ロシアのウクライナ侵略絡みの思惑で降板を余儀なくされ、代わりにウクライナ生まれのソプラノ、リュドミラ・モナスティルスカが歌うことになりました 恰幅のよい身体から、最低音から最高音までをドラマティックに歌い上げます 幕間のインタビューで「家族がウクライナに残っているのでとても心配です」と語っていましたが、本公演が上演された5月7日という時期を考えると、ウクライナ国民のある者は海外へ逃れ、ある者は国内に残りと、それぞれが不本意な生き方を強いられた頃なので、心労が絶えないだろうなと思いました 残念ながら、それから1か月以上が経過した現在も状況は好転していません

カラフを歌ったヨンフン・リーは1973年ソウル生まれのテノールです 「誰も寝てはならぬ」をはじめ、情熱的な歌唱でドラマティックに歌い上げました 私は2011年のMET来日公演で彼が歌った「ドン・カルロ」のタイトルロールを聴いています

リューを歌ったエルモネラ・ヤホは1974年アルバニア生まれのソプラノです 役に成り切った歌唱力・演技力で聴衆の涙を誘いました

カラフの父・ティムールを歌ったフェルッチオ・フルラネットは1949年イタリア・サチーレ生まれのバスです 陰影に満ちた深みのあるバスで、かつて威厳のある王だった老人を見事に歌い演じました

そのほか、ピン・パン・ポンを歌った3人の歌手も申し分ありませんでした。そして、特筆すべきはメトロポリタン歌劇場合唱団のコーラスです。指揮者アルミリアートが幕間のインタビューで「舞台から(指揮者に向かって)押し寄せてくる声の圧力を感じる 世界一の合唱団だ」と語っていましたが、その迫力は半端ありません

カーテンコールでは、リュドミラ・モナスティルスカがウクライナ国旗を身にまとって登場、スタンディングオベーションを浴びていました また、会場の壁の数か所にはウクライナ国旗が貼り出されており、観客の何人かはウクライナ国旗の小旗を振って声援していました まさにウクライナ一色という感じですが、さすがはアメリカ、さすがはメトロポリタン歌劇場だな、と思いました

METライブ「トゥーランドット」は2回の休憩(各10分)、歌手へのインタビュー等を含め上映時間=約3時間20分です ゼフィレッリ演出のトゥーランドットは歌手が変わっても、何度観ても飽きないし、また観たいと思います

 

     

 

終演後、映画館の近くのイタリアン・レストランで、ご一緒したKiriokaさんと遅めのランチを取りました Kiriokaさんの感想は「歌手も演出も素晴らしかったです それでも、やっぱりトゥーランドットはアンナ・ネトレプコで聴きたかった」でした。気持ちはよく分かります 私も同じですから

 

     

     

Kiriokaさんがサロンコンサートを開くことになりました 7月14日(木)午後2時から「すずかけ会館2階ホール」(東急田園都市線「すずかけ台」駅前)です Kiriokaさんがピアノ独奏で8曲演奏し、コーラスを指揮します ピアノ独奏はポピュラーなクラシック音楽を選んだそうです。またコーラスも馴染みの曲が中心とのことです 会費は300円です。お近くでお時間がある方は気軽にお出かけになってはいかがでしょうか

 

     

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アトリウム弦楽四重奏団でベートーヴェン「弦楽四重奏曲第4番、第8番、第12番」を聴く ~ サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン2022

2022年06月14日 07時10分43秒 | 日記

14日(火)。昨日は新聞休刊日でした。新聞を2紙取っているので、朝メールボックスに新聞が入っていないと寂寥感が半端ありません クリープを入れないコーヒーみたいです(古ッ!)。おかげで読書がはかどりました

ということで、わが家に来てから今日で2711日目を迎え、ロシアから撤退した米マクドナルドの事業を引き継いだ新たなハンバーガーチェーン店「フクースナ・イ・トーチカ」(ロシア語で「おいしい」と「それだけ」の組み合わせ)が12日、モスクワなどで再開店した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     まだ15店舗しかないから 「それほど複数ない 遠いから近くに出来てほしい」か

 

         

 

昨日、夕食に「味噌キャベツ」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「エノキダケの味噌汁」を作りました 「味噌~」は初めて作りましたが、それほど難しくありませんでした

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホール「ブルーローズ」でサントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン参加公演、アトリウム弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクル Ⅴ」を聴きました プログラムはベートーヴェン①「弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 作品18-4」、②「弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 作品59-2 ”ラズモフスキー第2番” 」、③「弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 作品127」です

 

     

 

1曲目はベートーヴェン「弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 作品18-4」です    この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1798年から1800年にかけて作曲した作品18の6つの作品の中で最後に完成した曲です 作品18はベートーヴェンの後援者フランツ・ヨーゼフ・ロブコヴィッ侯爵に献呈されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・タント」、第2楽章「アンダンテ・スケルツォーソ・クアジ・アレグレット」、第3楽章「メヌエット:アレグレット」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

音楽学者・丸山瑤子さんのプログラム・ノートに「作品18-4の調選択は曲集中の1曲を短調にする当時の慣習に沿うもの」という記述がありました そう言われてみれば、モーツアルトがハイドンに献呈した弦楽四重奏曲第14番から第19番までの6曲(いわゆる「ハイドン・セット」)のうち第15番K.421ニ短調だけが短調だし、ハイドンがロシア大公に献呈した弦楽四重奏曲第37番から第42番までの6曲(いわゆる「ロシア四重奏曲」)のうち第37番ロ短調だけが短調です 今まで気が付きませんでした プログラム・ノートはこういう知識を教えてほしいと思います

第1ヴァイオリン=ニキータ・ボリソグレブスキー、第2ヴァイオリン=アントン・イリューニン、ヴィオラ=ドミトリー・ピツルコ、チェロ=アンナ・ゴレロヴァの4人が登場、さっそく演奏に入ります

第1楽章冒頭からデモーニッシュな演奏が展開します この曲を聴くと、モーツアルト「交響曲第25番ト短調」冒頭の衝撃的な音楽を思い浮かべます また、第4楽章では”疾風怒濤”という言葉がぴったりの激しい音楽が繰り広げられます ベートーヴェンが作曲した最初の弦楽四重奏曲作品18の6曲の最後を飾るに相応しい個性が出た作品です 4人はその特徴を余すことなく引き出しました

2曲目は「弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 作品59-2 ”ラズモフスキー第2番” 」です この曲は1805年から翌06年にかけて作曲された作品59の3つの作品の一つです 作品59はウィーン駐在ロシア大使アンドレイ・ラズモフスキー伯爵に献呈されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「モルト・アダージョ」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「フィナーレ:プレスト」の4楽章から成ります

この曲で一番の聴きどころは第2楽章「モルト・アダージョ」です 私がベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いて いつも思うのは、緩徐楽章の素晴らしさです 第1ヴァイオリンを中心に美しい旋律を歌い上げました 一転、第4楽章は推進力に満ちたアグレッシブな演奏で、フィナーレを駆け抜けました

会場後方から大きな声で「ブラボー」がかかりましたが、明らかにマナー違反です 気持ちは分かりますが、野球場ではないのですから、すぐ前の席の人の身になるべきです

休憩時間には男子トイレに長蛇の列ができました これまで「マーラーやブルックナーのコンサートでは男子トイレに長蛇の列が出来る」と書いてきましたが、「作曲家 ✕ トイレに関する法則」に一つ加わりました    ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のコンサートには男子トイレに長蛇の列が出来るという法則です ただし、ベートーヴェンだけの弦楽四重奏曲の公演に限ります これがモーツアルトやブラームスやシューベルト等の作品がプログラムに入っていると、女性客も多くなってきます 嘘だとお思いなら今度確かめてみてください

 

     

 

プログラム後半は「弦楽四重奏曲第12番変ホ長調作品127」です この曲は1824年から翌25年にかけて作曲、1825年3月6日にウィーンでシュパンツィク四重奏団により初演されました この作品から後期の弦楽四重奏曲の世界に入ります 第1楽章「マエストーソ ~ アレグロ」、第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・カンタービレ」、第3楽章「スケルツォ:ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ」の4楽章から成ります

この曲ではチェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリンという順番でフーガのように演奏される第2楽章冒頭が印象的です 第1ヴァイオリンがとても美しい演奏を展開します 第3楽章のスケルツォを聴くと、ベートーヴェンのユーモアを感じます 第4楽章では力強いアンサンブルでフィナーレを飾りました

満場の拍手に、第1ヴァイオリンのニキータ・ボリソグレブスキーが「次回の演奏会(16日)で取り上げる第11番『セリオーソ』のアレグロ・アッサイを演奏します」とアナウンスし、弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 作品95「セリオーソ」から第3楽章「アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ・マ・セリオーソ」をアグレッシブに演奏、再び大きな拍手を浴びました

本公演をもって、私の「サントリホール  チェンバーミュージック・ガーデン2022」も終わりです 例年だと「ベートーヴェン・サイクル」全公演をはじめ十数公演を聴いていますが、今年は腰痛の関係で3公演に絞ったので寂しい限りです 来年は正常の態勢に復帰し、出来るだけ多くのコンサートを聴きたいと思います

 

     

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「METライブビューイング2022~2023シーズン」ラインナップ決まる / 東京シティ・フィル(7/9)のチケットと取る / トーマス・マン「リヒァルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大」を読む

2022年06月13日 07時16分04秒 | 日記

13日(月)。「METライブビューイング 2022~2023シーズン」のラインナップが発表されました METライブのホームページによると、今年11月25日から来年7月20日までに全10演目が上映されます ラインナップ(上演順)は次の通りです

ケルビー二「メデア」(MET初演)カルロ・リッツィ指揮、デイヴィッド・マクヴィカー演出。ソンドラ・ラドヴァノフスキー、マシュー・ポレンザーニほか。

ヴェルディ「椿姫」ダニエル・カッレガーリ指揮、マイケル・メイヤー演出。ネイディーン・シエラ、スティーヴン・コステロ、ルカ・サルシほか。

ケヴィン・ブッツ「めぐりあう時間たち」(世界初演)ヤニック・ネゼ=セガン指揮、フェリム・マクダーモット演出。ルネ・フレミング、ケリー・オハラ、ジョイス・ディドナートほか。

ジョルダーノ「フェドーラ」(新演出)マルコ・アルミリアート指揮、デイヴィッド・マクヴィカー演出。ソニア・ヨンチェヴァ、ピョートル・ベチャワほか。

ワーグナー「ローエングリン」(新演出)ヤニック・ネゼ=セガン指揮、フランソワ・ジラール演出。ピョートル・ベチャワ、クリスティーン・ガーキーほか。

ヴェルディ「ファルスタッフ」ダニエル・ルスティオー二指揮、ロバート・カーセン演出。ミヒャエル・フォレ、アイリーン・ペレスほか。

R.シュトラウス「ばらの騎士」シモーネ・ヤング指揮、ロバート・カーセン演出。リーゼ・ダーヴィドセン、イザベル・レナード、エリン・モーリーほか。

テレンス・ブランチャード「チャンピオン」(MET初演)ヤニック・ネゼ=セガン指揮、ジェイムズ・ロビンソン演出。ライアン・スピード・グリーン、エリック・オーエンスほか。

モーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」(新演出)ナタリー・シュトゥッツマン指揮、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出。ペーター・マッテイ、アダム・プラへトカほか。

モーツアルト「魔笛」(新演出)ナタリー・シュトゥッツマン指揮、サイモン・マクバーニー演出。エリン・モーリー、ローレンス・ブラウンリー、トーマス・オーリマンスほか。

上記の通り、新シーズンの特徴は、第一にMET初演が3演目、新演出が4演目と進取の精神に溢れた内容になっていることです 第二に、シモーネ・ヤングとナタリー・シュトゥッツマンという2人の女性指揮者が3公演タクトをとるということです 歌手陣が最強のプログラムはケヴィン・ブッツ「めぐりあう時間たち」です ルネ・フレミング、ケリー・オハラ、ジョイス・ディドナートといったMETを代表する女性歌手陣が出演します 世界初演なのでどういう内容のオペラかまったく分かりませんが、興味を惹かれます 唯一残念なのはMETのディーヴァ、アンナ・ネトレプコの名前がないことです

ということで、わが家に来てから今日で2710日目を迎え、北朝鮮の金正恩国務委員長(朝鮮労働党委員長)は12日、ロシアの独立記念日に当たる「ロシアの日」に合わせて、プーチン大統領に祝電を送り、「ロシアの尊厳と安全、発展を守るための正義の偉業実現へあらゆる挑戦と難関を果敢に乗り越え、大きな成果を収めている」とプーチン氏を讃え、同氏の支持を表明したというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     核の脅威を背景に 世界を混乱に貶める独裁者同士で気が合うらしい 困った奴らだ

 

         

 

東京シティ・フィル「第69回ティアラこうとう定期演奏会」のチケットを取りました 7月9日(土)午後3時からティアラこうとう大ホールで開かれます。プログラムは①バルトーク「舞踏組曲」、②モーツアルト「フルート協奏曲第1番K.313」(Fl=首席:竹山愛)、③ブラームス「交響曲第3番」です 指揮は同フィル常任指揮者・高関健です

 

     

 

         

 

トーマス・マンの講演集「リヒァルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大」(岩波文庫)を読み終わりました トーマス・マン(1875ー1955)は「魔の山」(1924年)で有名なドイツ出身の小説家です 本書はトーマス・マンがリヒァルト・ヴァーグナー(1813ー1883)を論じた講演2篇を収録しています

 

     

 

第1回目の講演「リヒァルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大」は1933年2月10日、ミュンヘン大学の講堂で行われたものです その3日後の2月13日がヴァーグナーの没後50年目に当たり、この講演はそれを記念するためのものでした マンはその翌日から、この講演録を持ってアムステルダム、ブリュッセル、パリを回り、各地でのヴァーグナー記念の催しに出席すべくドイツを旅立ちました。しかし、この1933年はナチスの政権掌握の年でした 旅程を終えたマンが静養のため滞在したスイスで読んだ故国の新聞には「トーマス・マンは『逃亡』したことによって、当然受けるべき処罰を免れた」と言う記事が載っていたのです さらに、4月のミュンヘンの新聞には「リヒァルト・ヴァーグナー都市ミュンヘンの抗議」と題して、マンのこの講演を非難する声明文が掲載され、その署名者にはバイエルン州文部大臣、バイエルン国立劇場総監督、音楽アカデミー議長、商工会議所会頭等と並んで、作曲家リヒャルト・シュトラウス、ハンス・プィッツナー、指揮者ハンス・クナッパーツブッシュの名もあったのです マンが国外にあった約2か月の間に政治的状況は急変し、マンは身の危険が予想され帰国出来なくなってしまったのです

この声明文の内容は、「われわれは偉大なドイツの巨匠リヒァルト・ヴァーグナーを最も深淵なるドイツ的感情の音楽的演劇的表現と感ずるものであるが、この巨匠への追憶を、トーマス・マンが傲慢・不遜にも審美主義的スノビズムによって汚したことは許せない フロイトを引き合いに出したり、ヴァーグナーの作品をディレッタンティズムであると叫んだり、ましてやヴァーグナーの音楽を世界に適応し、世界に受け入れられる性質があるなどと的外れで思い上がった称え方をしているのに至っては我慢がならない」という趣旨のものでした

たしかにマンは講演の中で、ヴァーグナーの作品の中にある「帝王的な、デマゴギー的な、大衆支配的な側面」を指摘しており、ヴァーグナーを崇拝し利用しようとするヒトラーからすれば、反体制的人物とみられても不思議ではありません 声明文にリヒャルト・シュトラウス、ハンス・プィッツナー、ハンス・クナッパーツブッシュなどが名を連ねたのは、ナチ政権下で強制されたのか、保身のため政権に忖度したのか分かりませんが、戦時下とはそういうものかもしれません

マンはヴァーグナーがリストに当てた手紙を何通か紹介していますが、「ニーベルングの指環」の作曲に取り掛かった時の手紙には次のように書かれています

「存在しない世界を造り上げるという血の出るようなつらい仕事を私の精神がやってのけなければならないことになれば、私はどのような形にせよ自分がちやほやと甘やかされている気分にならなければならないのです 私は今また『ニーベルング』のプランと、これを実際に仕上げる仕事にとりかかったので、どうしても必要な、芸術的で逸楽に満ちた気分をわが身に与えるために、たくさんのものが手をかしてくれねばならなかったのです わたしはこれまでよりもっとよい生活をすることができなければならなかったのです!」

これについてマンは、「ヴァーグナーの想像力を助けるために、彼にちやほやと甘やかされている気分を与える手段が何であったかは、知られている」として、次のように語っています

「それは、彼が身に着けた、けわた鴨の羽毛入りの絹のガウン、寝る時に掛けた、縁飾り付きで薔薇の花飾りを刺繍したサテンの掛布団、いずれも浪費的な奢侈三昧を手に触れる形で示しているような品々であり、彼はこのために数千の借財を背負ったのです

私には、マンのこうした言動がドイツの誇る巨匠ヴァーグナーの尊厳を損ない、ナチ政権を刺激したのではないかと思えます

第2の講演「リヒァルト・ヴァーグナーと『ニーベルングの指環』」は、それから4年後、チューリヒ市立劇場におけるこの楽劇の上演に際して、1937年11月16日にチューリヒ大学講堂で行われた講演です この前年の末にマンはドイツ国籍をはく奪されています マンは講演の冒頭で、ドイツにおけるヴァーグナー現象の「乱用」について批判しています 講演の内容は『ニーベルングの指環』の成立過程などが中心となっていますが、第1回目の講演とダブる部分が少なくありません

ドイツにおけるヴァーグナーの位置を考えるのに参考になる講演集です ワグネリアンをはじめクラシックファンの皆さんにお薦めします

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飯守泰次郎 ✕ 東京シティ・フィルでシューマン「交響曲第3番」&「交響曲第4番」を聴く ~ 第353回定期演奏会 / ストラディバリウス:約20億円で落札される

2022年06月12日 07時21分01秒 | 日記

12日(日)。昨日の日経朝刊がストラディバリウスの競売について報じていました 超略すると次の通りです

「弦楽器専門の競売会社『タリシオ』は9日、『カレーハウスCoCo壱番屋』を展開する壱番屋の創業者、宗次徳二氏が2007年から所有していたヴァイオリンの名器ストラディバリウス『ダ・ビンチ』が、ニューヨークでの競売で1534万ドル(約20億6千万円)で落札されたと明らかにした 『ダ・ビンチ』は1714年に製作された名器で、1939年の映画『オズの魔法使い』の音楽収録にも使われた。タリシオによると、ヴァイオリンの過去最高の落札額は2011年の約1600万ドルで、『日本音楽財団』が東日本大震災の被災地支援のため、ロンドンの競売に出したストラディバリウスだった 関係者によると、日本で貸与していた『ダ・ビンチ』を国際的にも活用してもらうことが出品の理由の一つだという

今回の落札額は過去2番目の高さとのこと 宗次氏は、ここ一番のタイミングでカレーなる懸けに出たことになりそうですね それにしても、308年前に作られた骨董品のようなヴァイオリンが1挺20億円以上もするなんて異常だと思いませんか   ハーゲンダッツのアイスクリームがいくつ買えるか・・・

ということで、わが家に来てから今日で2709日目を迎え、7月1日に英国からの返還25周年の式典を開く香港で、中国の指導者が来訪するため、迎える側の香港の高官や子どもたちが7日間隔離されるという新型コロナ特別態勢が取られると香港メディアが10日に報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     香港に来る人が隔離されるのが普通だが あべこべだ さすがは習近平独裁主義国家

 

         

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第353回定期演奏会」を聴きました プログラムは①シューマン「交響曲第3番 変ホ長調 作品97 "ライン”」、②同「交響曲第4番 ニ短調 作品120」です 指揮は東京シティ・フィル桂冠名誉指揮者・飯守泰次郎です

開演前にロビーでプログラムを読んでいたら、高校生らしき男女の集団を発見 同じ制服を着ているので学校行事の一環としてクラシック・コンサートの鑑賞に来たようです 飯守泰次郎 ✕ 東京シティ・フィルのコンサートを選ぶなんて、何とセンスの良い学校だろうかと感心します それと、シティ・フィルの営業力の賜物でしょうか 彼らの貢献もあってか、会場は文字通り満席です

 

     

 

1曲目はシューマン「交響曲第3番 変ホ長調 作品97 ”ライン”」です この曲はロベルト・シューマン(1810ー1856)が1850年に作曲、1851年にデュッセルドフで初演されました 「ライン」という通称はシューマンの死後に付けられました 第1楽章「生き生きと」、第2楽章「スケルツォ:きわめて中庸に」、第3楽章「速くなく」、第4楽章「荘重に」、第5楽章「生き生きと」の5楽章から成ります

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものシティ・フィルの並び。コンマスは戸澤哲夫です

足元が覚束ない飯守氏が戸澤コンマスと腕を組んでゆっくりと歩を進め、指揮台に上ります 第1楽章がタクトの一振りで開始されます まさにラインの大河が怒涛のように流れていくようなボリューム感を感じます この楽章に限らず、全体的に重心の低いドイツ的な演奏です 長年にわたりドイツの歌劇場で経験を積んできた飯守氏ならではの音楽づくりの集大成と言えます それを最も感じたのは第4楽章でした。トロンボーンとホルンを中心とするコラール風の音楽が威厳を持って演奏されます 他の楽章が比較的明るい雰囲気であるのに、この楽章だけが重く暗い雰囲気を感じさせます しかし、この楽章があるからこそ次の第5楽章の生き生きとした音楽が生きるのです その第5楽章はオケの総力で祝祭感に満ちたフィナーレで閉じました

飯守氏は第1楽章こそ立って指揮をとりましたが、第2楽章からは指揮台に置かれた椅子に座って指揮をしました

指揮を終えた飯守氏は、満場の拍手の中、戸澤氏に支えられて指揮台を降り、第1ヴァイオリンの女性奏者のサポートを借りて舞台袖に引き上げていきました

 

     

 

プログラム後半はシューマン「交響曲第4番 ニ短調 作品120」です この曲は1841年に作曲した「序曲、スケルツォとフィナーレ」を基に、10年後の1851年に改訂し、1853年3月3日デュッセルドルフでシューマンの指揮により初演されました   第1楽章「かなり遅く ~ 生き生きと」、第2楽章「ロマンツェ:かなり遅く」、第3楽章「スケルツォ:生き生きと」、第4楽章「遅く ~ 生き生きと」の4楽章から成ります

飯守氏が再び戸澤コンマスのサポートを受けて登場、指揮台に上ります かなり辛そうで、最初から椅子に座って指揮をとります

この曲でも第1楽章の冒頭から重心の低いドイツ的なロマン溢れる演奏が展開します 次にその傾向が見られたのは第3楽章「スケルツォ」でした 力強く重々しい演奏が展開します 第4楽章は一転、軽快な演奏が繰り広げられ、壮大なフィナーレを飾ります

スケールの大きな重量感のある演奏でした 飯森泰次郎ならではの重厚な音楽づくりに満場の拍手が送られ、会場のそこかしこでスタンディングオベーションが見られました

この日、演奏を聴いた高校生たちはどのような感想を抱いたでしょうか? 何年か後、「2022年6月11日に、巨匠・飯森泰次郎指揮東京シティ・フィルでシューマンの名演を聴いたんだよ」と自慢しているかもしれません その時、彼らがシティ・フィルの定期会員になっていることを祈ります

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「アジアンサンブル@TOKYO」公演を聴く ~ モーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番」、ブラームス「ピアノ五重奏曲」他:ソヌ・イェゴン、郷古廉、横坂源他 / 東響8月定期公演出演者変更

2022年06月11日 07時07分49秒 | 日記

11日(土)。東京交響楽団のホームページによると、8月20日(土)18時から開催予定の「第702回定期演奏会」の指揮者・出演者とプログラムの一部が変更されます

それによると、当初出演予定だった指揮者マティアス・ピンチャーは「主治医からの助言により、しばらくの間、長距離の移動を控えなければならなくなり、来日が出来なくなったため、ペトル・ポペルカが出演する」としています さらに、指揮者変更に伴い、曲目の一部を変更するとしています。新しいプログラムは①ウェーベルン「大管弦楽のための牧歌”夏風の中で”」、②ベルク:歌劇「ヴォツェック」から「3つの断章」(ソプラノ=森谷真理)、③ラフマニノフ「交響的舞曲」です 変更になったのは②のベルクですが、森谷真理は5月24日の読響定期演奏会で上岡敏之の指揮でこの曲を歌っています 破壊力のある歌唱がまた聴けるので、今回の変更は大歓迎です

 

     

 

ということでわが家に来てから今日で2708日目を迎え、ウニやカニを使った期間限定商品を販売できない店舗があるのにテレビCMなどで宣伝を続け 客を誘引したとして、消費者庁は9日、回転すし店「スシロー」の運営会社「あきんどスシロー」に対し、景品表示法違反(おとり広告)で再発防止などを求める措置命令を出した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     全店舗でウニやカニを出して消費者の信頼を取り戻さないと あかんど スシロー!

 

  昨日は娘が外食で、私がコンサートだったため、夕食作りはお休みしました   

 

         

 

昨日、サントリーホール「ブルーローズ」でサントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン参加公演「アジアンサンブル@TOKYO」を聴きました プログラムは①モーツアルト「幻想曲ハ短調 K.475」、②同「ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 K.493」、③ブラームス「6つのピアノ小品 作品118」、④同「ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34」です 演奏はピアノ=ソヌ・イェゴン、ヴァイオリン=郷古廉、東亮汰、ヴィオラ=田原綾子、チェロ=横坂源です

 

     

     

自席はC4列10番、センターブロック右から3つ目です 珍しく自席の左右が空席ですが、全体的には結構入っています

1曲目はモーツアルト「幻想曲ハ短調 K.475」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が1785年5月にウィーンで作曲した作品です この曲は「ピアノ・ソナタ第14番 ハ短調 K.457」と対で出版されており、モーツアルトはK.457の前奏曲のような役割を与えたと考えられています CDでK.475に続けてK.457のソナタを聴くと、確かに雰囲気が引き継がれているように聴こえます

ピアノ独奏のソヌ・イェゴンは2013年の仙台国際音楽コンクールと2017年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝 カーティス音楽院、ジュリアード音楽院で研鑽を積み、現在ベルリンを本拠地として活躍しています

ソヌ・イェゴンの演奏でK.475が開始されますが、会場のどこからか人の声が聞こえてきて気になりました 誰かが客席で囁いているような感じです。いつまで経っても囁きが終わらないので、おかしいな?と思っていましたが、やっとその正体が分かりました 演奏しているソヌ・イェゴンが鼻歌のように口ずさんでいたのです もっと早く気が付けば演奏に集中できたのに、と残念でなりません しかし、最後はK.457を続けて演奏してほしいと思わせる終わり方でした

2曲目はモーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 K.493」です この曲は1786年6月にウィーンで作曲されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「アレグレット」の3楽章から成ります

ヴァイオリンの郷古廉(ごうこ・すなお)は1993年生まれの29歳。2013年ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリンコンクール優勝の実力者で、今年4月からN響のゲスト・アシスタント・コンマスに就任した若手のホープです ヴィオラの田原綾子は東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞を受賞、ルーマニア国際音楽コンクール全部門グランプリを受賞しています チェロの横坂源はミュンヘン国際音楽コンクール第2位ほかの入賞歴があります

4人の演奏で第1楽章に入りますが、モーツアルト特有の推進力に満ちた愉悦感を感じさせる演奏が展開します 第2楽章を経て、第3楽章では再び愉悦感に満ちた軽快な演奏が繰り広げられます ピアノと弦楽合奏とのアンサンブルが見事です

 

     

 

プログラム後半の1曲目はブラームス「6つのピアノ小品 作品118」です   この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1893年夏にオーストリアの避暑地バート・イシュルで作曲しました    第1曲「間奏曲 イ短調」、第2曲「間奏曲 イ長調」、第3曲「バラード ト短調」、第4曲「間奏曲 ヘ短調」、第5曲「ロマンス ヘ長調」、第6曲「間奏曲 変ホ短調」です

ソヌ・イェゴンの独奏で第1曲から開始されますが、個人的な好みからは、ゆったりしたメロディーの第2曲「間奏曲」と第5曲「ロマンツェ」が抒情的で良かったと思います また最後の第6曲「間奏曲」の前半ではブラームス晩年の寂寥感が出ていたと思います

最後の曲はブラームス「ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34」です    この曲は1861年から64年にかけて作曲されましたが、当初は「弦楽五重奏曲」として作曲され、2年後に「2台ピアノのためのソナタ」版として改作され、最終的に「ピアノ五重奏」として完成され、1865年に出版されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・ウン・ポコ・アダージョ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「フィナーレ:ポコ・ソステヌート ~ アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります 

第2ヴァイオリンを弾く東亮汰(ひがし・りょうた)は第88回日本音楽コンクール第1位、反田恭平の設立した「ジャパン・ナショナル・オーケストラ」のコアメンバーです

5人の演奏で第1楽章に入りますが、29歳のブラームスの若さ溢れるパッションがほとばしります ピアノと弦楽器群のアンサンブルが見事です 第2楽章では、郷古、東、横坂、田原の一人ひとりがよく弦を歌わせています そしてアンサンブルが美しい 第3楽章のスケルツォでは5人の推進力に満ちたアグレッシブな演奏が展開します そして第4楽章のフィナーレでは、エネルギッシュな演奏によりブラームスのほとばしる情熱が炸裂します 5人の息がぴったり合った素晴らしい演奏でした

満場の拍手によりカーテンコールが4回繰り返され、終演は9時20分を回っていました つくづくブラームスはいいなあ、と思った日韓の俊英たちによるアジアンサンブルでした

 

     

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