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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

鈴木秀美 ✕ グレブ・ニキティン ✕ 東京交響楽団で モーツアルト「交響曲第34番」「同第29番」「ヴァイオリンとオーケストラのためのアダージョ」を聴く~第56回モーツアルト・マチネ

2024年03月21日 00時03分56秒 | 日記

21日(木)。わが家に来てから今日で3355日目(三々五々だね)を迎え、アメリカのトランプ前大統領と一族の企業が、資産価値などを偽り不正に利益を得ていたとして、日本円で670臆円余りの罰金を命じられた裁判をめぐり、トランプ氏側は控訴に必要な保証金を用意できないと主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     不正に得た利益はどこに消えた? トランプは経営者として失格 大統領の資格もなし

 

         

 

昨日、夕食に「鮭のムニエル」と「豚汁」を作りました いつものように野菜類は鮭と一緒にワンプレートに盛りつけました

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「第56回モーツアルト・マチネ」を聴きました プログラムはモーツアルト①交響曲第34番 ハ長調 K.338、②ヴァイオリンとオーケストラのためのアダージョ ホ長調 K.261、③交響曲第29番 イ長調 K.201(186a)です 演奏は②のヴァイオリン独奏=グレブ・ニキティン、管弦楽=東京交響楽団、指揮=鈴木秀美です

今シーズンのモーツアルト・マチネもこの日が最終日です。1階C5列15番、センターブロック左通路側席ともこれでお別れです 次シーズンは1階センターブロックの右方向に移ります

 

     

 

オケは8型の小編成で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります コンマスはグレブ・ニキティン。チェロのトップには客演首席奏者・笹沼樹がスタンバイします

指揮をとる鈴木秀美は古楽演奏で一世を風靡した「18世紀オーケストラ」や「ラ・プティット・バンド」、さらには「バッハ・コレギウム・ジャパン」で首席チェロ奏者として活躍、2001年には「オーケストラ・リベラ・クラシカ」を結成、指揮活動を展開しています

1曲目はモーツアルト「交響曲第34番 ハ長調 K.338」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が生まれ故郷のザルツブルクを去る前年の1780年に作曲しました 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アンダンテ・ディ・モルト・ピウ・トスト・アレグレット」、第3楽章「フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります モーツアルトの交響曲にしては珍しく「メヌエット」がない3楽章構成となっています

鈴木秀美の指揮で第1楽章が開始され、トランペットとティンパニによって勇壮なテーマが奏でられます 交響曲にティンパニが入ると曲に推進力が加わって心地よいですね 最上峰行のオーボエが良く歌います 第2楽章は弦楽器による演奏ですが、ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置が有効に機能し、双方の対話が理想的な形で聴くことができ、曲の面白さを堪能しました 第3楽章は再びティンパニが心地よいリズムを刻み、ホルン、トランペットが弦楽器に良く溶け込んで、躍動感あふれる演奏が繰り広げられました

2曲目はモーツアルト「ヴァイオリンとオーケストラのためのアダージョ ホ長調 K.261」です この曲は1776年にザルツブルクで作曲された単一楽章のヴァイオリン協奏曲です 佐野旭司氏のプログラム・ノートによると、この曲は「当時ザルツブルク宮廷楽団のコンマスだったアントニオ・ブルネッティのために、『ヴァイオリン協奏曲第5番』の第2楽章の代替楽章として作られたと考えられている」とのことです

グレブ・ニキティンがコンマスからソリストに変身して(外形は変わりませんが)登場します

鈴木秀美の指揮で演奏に入りますが、フルートの竹山愛がバックに入っています オケにより穏やかな曲想の音楽が奏でられ、ニキティンの独奏ヴァイオリンが入ってきますが、モーツアルトの「光と影」「陽と陰」を見事に弾き分けた演奏に舌を巻きます カデンツァはシンプルですが、ニキティンは美しく演奏しました

 

     

 

最後はモーツアルト「交響曲第29番 イ長調 K.201(186a)」です この曲は1774年4月に作曲されました 第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「メヌエット」、第4楽章「アレグロ・コン・スピーリト」の4楽章から成ります

ニキティンが本来業務に復帰し、鈴木秀美の指揮で第1楽章が開始され、速めのテンポにより弦楽器を中心に軽快な演奏が展開します 第2楽章はオーボエとホルンが素晴らしい 第3楽章は力強いメヌエットで、快活な演奏が展開します ほとんど間を置かずに入った第4楽章では、高速テンポにより推進力に満ちた演奏が繰り広げられます 管楽器と弦楽器の音が程よくブレンドされ心地よいフィナーレを迎えました

会場いっぱいの拍手が指揮者とオーケストラのメンバーを包み込みました

ところで、オケの女性奏者を見回していて「あれっ」と思いました それは全員が黒のパンツで統一していたからです これまでは黒のロングスカートだったりパンツだったりと、統一感がなかったように思います これは良いと思いました 私が初めて女性奏者のパンツルックが良いと思ったのはチョン・ミョンフンがアジア・フィルとソウル・フィルを率いて相次いで日本公演を挙行した時です 両オケとも若い奏者が中心でしたが、男女とも同じパンツルックで統一していて「カッコいい」と思いました。何より機能的でスマートです モーツアルト・マチネに限らず定期演奏会でも男女とも全員 黒のパンツルックで統一したらどうでしょうか

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東京で桜咲く / 東京バレエ団「上野水香 オン・ステージ」で「ボレロ」「カルメン」「タイス」「ドン・キホーテ」を観る ~ 東京・春・音楽祭2024参加公演

2024年03月20日 00時19分03秒 | 日記

20日(水・祝)。昨日午前、整骨院に行く途中にある滝乃川第6小学校の桜が咲いていました 気象庁の標本桜(靖国神社のソメイヨシノ)の開花は24日(日)らしいですが、その前にまた寒さがぶり返すようなので、遅れるかもね

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3354日目を迎え、トランプ前米大統領が16日、オハイオ州での選挙演説で外国産自動車に高率関税をかけると話しながら「私が当選しなければ血の海になるはず。私が勝利しなければ他の選挙はないはず」と語り、不法移民者について「彼らを『人』お呼べるか分からない」とし、「動物(animal)」と表現したことから、米大統領選で「暴言」問題が選挙の主要争点に浮上した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプの暴言は今に始まったことではないが  本当に米国の大統領候補なのか?

 

         

 

昨日、夕食に「タコ飯」「豚バラ肉のエリンギ炒め」「生野菜とアボカドのサラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました たまにはタコ飯も良いものです

 

     

 

         

 

昨夜、東京文化会館大ホールで東京バレエ団「上野水香 オン・ステージ」を観ました これは「東京・春・音楽祭2024」参加公演です プログラムは①シチェドリン(原曲:ビゼー)「カルメン」、②ミンクス「ドン・キホーテ」、③マスネ「タイス」、④ラヴェル「ボレロ」です

バレエ公演なので2階席を取りました。L2列16番で、2階左サイド右から3つ目です バレエは上からステージを見下ろして全体を視野に入れて観るのが私のスタイルなので、1階席で観る人の気持ちが理解できません 会場は5階席まで”満員御礼”です ざっと見渡すと、女性客が圧倒的に多いようです

 

     

 

1曲目は「カルメン」です 音楽はロディオン・シチェドリン「カルメン組曲」(原曲=ジョルジュ・ビゼー)。振付はアルベルト・アロンソ。出演はカルメン=上野水香、ホセ=柄本弾、エスカミーリオ=宮川新大。ツニガ=鳥海創、運命(牛)=政本絵美。東京バレエ団です

ステージを見て不思議に思ったのは、舞台手前のオーケストラピットにはオーケストラが入らないのに空洞のままになっており、1メートル位の深さで床板が見えていることです 1階席からは見えないのかもしれませんが、2階以上からは丸見えです 終演までこのままの状態でしたが、なぜピットを塞がないのか不明です

会場の照明が暗転し、チューブラーベル(鐘の音)による「ハバネラ」の断片が流れてきます 演奏はすべて録音によるものです

バレエ自体にはあまり興味がないので音楽を聴いていましたが、必ずしもカルメンのストーリーに沿ったものではなく順番がまちまちで、かなりアレンジされていました しかも、同じビゼーの「アルルの女」の「ファランドール」も登場していました バレエの方は、「なるほど、これが上野水香か」と感心しながら観ていました

ここで1回目の休憩(20分)に入りましたが、女子トイレに長蛇の列ができていました

 

     

 

2曲目は「ドン・キホーテ」(抜粋)です 音楽はレオン・ミンクス。振付はウラジーミル・ワシ―リエフ(マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴールスキーによる)。出演はキトリ=秋山瑛、バジル=生方隆之介、メルセデス=伝田陽美、エスパーダ=後藤健太朗。東京バレエ団です

この作品はバレエの演目としては超有名ですが、私は全くバレエに不案内なので誰がどの役を踊っているのかさえ分かりませんでした バレエ用語もろくに知らないので、当てずっぽうに言うと、キトリ役の秋山瑛とバジル役の生方隆之介の超高速回転は見事のひと言でした

3曲目は「タイス」(「マ・パヴロワ」より)です 音楽はジュール・マスネ。振付はローラン・プティ。出演は上野水香、柄本弾です

これは音楽がお馴染みなので親近感を持って観ましたが、二人のバレエは優雅で気品に溢れていました

ここで2回目の休憩(15分)に入りました 1回目ほどではないにしても女子トイレに長蛇の列ができました

 

     

 

最後は待望の「ボレロ」です 音楽はモーリス・ラヴェル。振付はモーリス・ベジャール。出演はメロディ=上野水香。樋口祐輝、大塚卓、生方隆之介、岡崎司。東京バレエ団です

会場の照明が暗転し、小太鼓の刻むリズムに乗ってフルートがボレロのテーマを奏でます すると、スポットライトが人の手のひらに当てられ、その動きを追います そして、今度は両手が映し出され、その動きを追います しばらくすると赤い円卓の上で踊る上野水香の姿が浮かび上がります 各10人の男性ダンサーが3方向から遠巻きに囲んでいます この間、メイン・メロディーはクラリネット ⇒ ファゴット ⇒ 小クラリネット ⇒ オーボエダモーレ ⇒ トロンペットへと受け継がれていきます そして最初は小さかった音がだんだん大きくなっていき、途中から男性ダンサー4人が前に出てきて、水野の動きに合わせて踊ります 上野の動きはどこまでもしなやかです やがて、ボレロのリズムは最高潮に達し、最後にどんでん返しが起こり最高音で曲が終結すると照明が暗転しました 会場割れんばかりの拍手とブラボーが飛び交い、会場のそこかしこでスタンディングオベーションが見られました カーテンコールが繰り返されますが、照明が消えて、再び点くと上野水香だけが円卓の上に立っていたり、次に暗転して再び点くと男性ダンサー陣が並んでいたりと、カーテンコールまで見事に演出されていました 最初から最後まで照明を活かした素晴らしいパフォーマンスでした こういうのを芸術と言うのでしょう

ところで、モーリス・ベジャールは1960年に「20世紀バレエ団」を結成し「ボレロ」を発表しましたが、ジョルジュ・ドンがメロディを踊ったクロード・ルルーシュ監督映画「愛と哀しみのボレロ」で不朽の名声を獲得しました この「ボレロ」はモーリス・ベジャール・バレエ団に許可されたバレリーナやバレエ団しか踊れません とくに主役のメロディを踊れるのは世界のトップバレリーナの中の選ばれたダンサーだけです。上野水香は数少ないその一人なのです しばらくは、彼女の踊るボレロが脳裏から離れないような気がします

 

     

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オペラ映画「ばらの騎士」のチケットを取る ~ カラヤン指揮ウィーン・フィルによる不朽の名演 / 柚月裕子著「月下のサクラ」を読む ~ 警察の金庫から1臆円が盗まれた!

2024年03月19日 06時45分56秒 | 日記

19日(火)。8月1日(木)12時半から銀座ブロッサムホールで上映されるオペラ映画:リヒャルト・シュトラウス「ばらの騎士」のチケットを樂画会で取りました これは1960年制作によるカラー映画(3時間6分)で、出演は元帥夫人=エリーザベト・シュヴァルツコップ、オクタヴィアン=セーナ・ユリナッチ、オックス男爵=オットー・エーデルマン、ゾフィー=アンネリーゼ・ローテンベルガー、ファーニナル=エーリッヒ・クンツ。管弦楽=ウィーン・フィル、合唱=ウィーン国立歌劇場合唱団、指揮=ヘルベルト・フォン・カラヤン、演出=ルドルフ・ハルトマンです これ以上望めないという錚々たる出演者です

この映像は、独身時代に銀座のヤマハホールで何度も観ました その後、レーザーディスクで発売されたので購入して観ていましたが、機械が壊れてしまい、他のディスクとともに泣く泣く業者に売り払いました この映画を観て、セーナ・ユリナッチのファンになり、彼女が歌うモーツアルトやリヒャルト・シュトラウスのCDを片っ端から買い集めて聴きました そういう意味では私にとって特別な映画です

 

     

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3353日目を迎え、ロシア大統領選の開票が17日に始まり、現職のウラジーミル・プーチン大統領(71)の通算5回目の当選が確実になったが、新たな任期は2030年までで、首相時代を含めて30年間の統治は、旧ソ連の独裁者スターリンに匹敵することになる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これで暗殺国家プーチン・ロシアがあと6年も続くわけか スターリンも顔負けだな

 

         

 

昨日、夕食に「カキの台湾風卵焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「ワカメの味噌汁」を作りました 「カキ~」は新聞の料理メモに載っていたレシピで初めて作りましたが、初めてにしては上出来でした

 

     

 

         

 

柚月裕子著「月下のサクラ」(徳間文庫)を読み終わりました 柚月裕子は1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー 2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編編集部門)を受賞

森口泉は警察広報課職員を退職し、県警採用試験を受験し30歳で合格した。3年後、念願の米崎県警の刑事となり、抜きんでた記憶力と中国度と韓国語の語学力を買われ、希望していた捜査支援分析センター機動分析係に配属される 機動分析係とはNシステムや防犯カメラの映像から、容疑者や事件関係者を発見し、その行動を調べる部署である 「自分の能力を最大限に生かして事件を解決に導くのだ」と決意を新たにした配属当日、会計課の金庫から1臆円が盗まれていることが発覚する 機動分析係長・黒瀬仁人(くろせ ひろと)警部の指揮のもと、市場、日下部、春日、里見らメンバーと共に捜査を開始するが、県警本部の出入り口に設置された防犯カメラの膨大なデータの分析から、内部の事情に詳しい者による犯行である線が濃厚になってくる 彼女たちの他にも容疑者を見張る者たちがいた。それは公安だった。しかし、容疑者は何者かによって殺されてしまう 容疑者は何のために1臆円を盗み、なぜ殺されたのか?  なぜ公安が出て来るのか? 泉たちは真相の究明に努める

 

     

 

この作品は2021年5月に徳間書店から刊行され、24年2月に文庫化されました 森口泉を主人公として描いた「朽ちないサクラ」の続編にあたります 「サクラ」とは刑事たちとは犬猿の仲と言われる「公安」を指す隠語です このシリーズは「公安」が絡んだ案件に直面し、真相解明に骨身を砕く刑事たちの姿を描いています 主人公の森口泉は警察の事務職から苦労の末、刑事になった努力家ですが、彼女の心情は「一人の犠牲の上に正義が成り立つことはない。どのような理由であれ、人が人の命を奪うことは許されないし、許してはならない」というものです それが彼女の刑事としての矜持となっています。青臭いまでの真っすぐな姿勢で困難な事件に対峙する泉に、われわれ読者は共感を覚えます

柚月裕子の作品を読むといつも思うのは、彼女は屈指のストーリーテラーだな!ということです 480ページを超える大書ですが、あっという間に読了しました そして、ますます彼女のファンになりました お薦めします

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廣津留すみれ インタビュー ~ 日経より / 小澤征爾・村上春樹「小澤征爾さんと、音楽について話をする」、小澤征爾「ボクの音楽武者修行」、岩淵悦太郎「悪文」、福田ますみ「暗殺国家ロシア」他を買う

2024年03月18日 06時51分55秒 | 日記

18日(月)。昨日の日経「The STYLE」に「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)」の全面広告が掲載されていました   この「室内楽の庭」音楽祭は6月1日から同16日までサントリーホール「ブルーローズ」で開かれますが、6月9日に開催される「廣津留すみれの室内楽ラボ」に出演する廣津留すみれさんのインタビューが紹介されていました 彼女は大分市出身で、ハーバード大学(学士)卒業、ジュリアード音楽院(修士)修了。国際教養大学特任准教授も務めているという相当優秀なヴァイオリニストのようです

 

     

 

彼女はインタビューで次のように語っています

「生き生きとした音楽づくりのプロセスが、お客様にも伝わりやすいのが室内楽の魅力だと思います 距離的にも客席が近いですから、私たち奏者からもお客様ひとりひとりのお顔が見えていますし、客席からも奏者の表情や弓の動かし方などがはっきり分かります 目も耳もフルに使いながら、音楽がどのように作られていくのか、ライブ感を間近に感じてもらえると思います」「音楽的に楽器の役割分担もありますが、人間的なキャラクターでも、このカルテットは『第2ヴァイオリンが強そうだな』とか、『チェロの人は人間的にも縁の下の力持ちなのだろうな』とか、グループの個性がよく表れますね CMGには連日のように素晴らしいグループが出演しますから、それぞれを聴き比べてみるのも楽しいですね 音楽は人を選びません。私たちが音楽から学べることは無限にあります。今はストーリーテリングの時代です。プロダクトを作り、それを広く知らせるためには、そのプロセスを語ることも重視されます。室内楽には、ものづくりのプロセスがとてもピュアな形で息づいています。音楽はエンターテインメントにとどまらず、私たちの日常生活や仕事にも大切なことを伝えてくれると感じています

室内楽の魅力を的確に捉えていると思います 私はこれまで廣津留さんの演奏を聴いたことがないので、どんな演奏をするのか一度は聴いてみたいと思っています 残念ながら上記の「廣津留すみれの室内楽ラボ」のチケットは売り切れとのことなので、次の機会を待つことにします

私は例年CMGでベートーヴェン「弦楽四重奏曲 全曲演奏会」(ベートーヴェン・サイクル)を聴いていますが、今回は他のコンサートとダブりが多く、すべて諦めました その結果、今年は6月6日(木)の「葵トリオ」と同16日(日)の「CMGフィナーレ」の2公演のみ聴くことになりました

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で3352日目を迎え、自民党は16日、全国幹事長会議を党本部で開いたが、派閥の裏金問題をめぐり、党総裁の岸田文雄首相は謝罪したが、地方組織の幹部からは本部への批判が相次いだ  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     1か月後の東京、島根、長崎の衆院トリプル補選が楽しみ 国民を舐めない方がいい

 

         

 

手元の本が残り1冊になったので、いつも通りジュンク堂書店池袋本店で8冊購入しました

1冊目は小澤征爾・村上春樹 著「小澤征爾さんと、音楽について話をする」(新潮文庫)です この本は一度読んだかもしれませんが、記憶の彼方なので購入しました

 

     

 

2冊目は小澤征爾「ボクの音楽武者修行」(新潮文庫)です この本も その昔 読んだことがあるような気がしますが、あやふやなので購入しました

 

     

 

3冊目は岩淵悦太郎編著「悪文 伝わる文章の作法」(角川文庫)です   良い文章を書くには悪文を読むのが良い、と誰かが言っていたように思います

 

     

 

4冊目は佐藤正午著「ジャンプ」(光文社文庫)です この本も過去に読んだかもしれませんが、どうせ内容を覚えていないので購入しました

 

     

 

5冊目は福田ますみ著「暗殺国家ロシア 消されたジャーナリストを追う」です ロシアで政権により殺されたジャーナリストを追ったドキュメンタリーです

 

     

 

6冊目は奥田英朗著「コロナと潜水服」(光文社文庫)です 5編からなる短編集です

 

     

 

7冊目は柚月裕子、中山七里他共著「警官の道」です これは呉勝治、下村敦史、長浦京、中山七里、葉真中顕、深町秋生、柚月裕子の7人のミステリー作家による警官小説集です

 

     

 

最後の8冊目は竹内薫著「自分はバカかもしれないと思ったときに読む本」(河出文庫)です そう思ったので購入しました

 

     

 

いずれも、読み終わり次第、当ブログでご紹介していきます

 

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上岡敏之 ✕ アンヌ・ケフェレック ✕ 新日本フィルでベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番」、シューベルト「交響曲第8番”グレイト”」を聴く~すみだクラシックへの扉シリーズ

2024年03月17日 00時01分03秒 | 日記

17日(土)。わが家に来てから今日で3351日目を迎え、ロシア大統領選の投票が15日に始まったが、プーチン氏を含め立候補した4人ともウクライナ侵攻を支持する候補で、通算5期目を目指すプーチン氏の圧勝は確実とみられる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     今世紀最大の茶番劇で選ばれて喜ぶのは 裸の王様プーチンと北朝鮮と中国くらいだ

     

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「すみだクラシックへの扉シリーズ 第21回演奏会」を聴きました   プログラムは①ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15」、②シューベルト「交響曲第8番 ハ長調 D.944 ”グレイト” 」です   演奏は①のピアノ独奏=アンヌ・ケフェレック、指揮=上岡敏之です

私は本来「扉シリーズ」金曜日の会員ですが、東京フィルの定期演奏会とハシゴになるのを避けるため新日本フィルを土曜日に振り替えました 振り替え先の席は1階11列13番で、通路側席になっています 相当 配慮してくれたと感謝しています

会場を見渡すとかなりの客入りです 上岡 ✕ ケフェレックのベートーヴェンともなれば当然かもしれません

 

     

 

オケは10型の小編成で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び。コンマスは崔文洙です 配布された楽員配置図によると隣席は立上となっていますが、実際に座っているのは別の人です どうなっているのだろうか?  これについては、1曲目終了後の休憩時間にパトロネージュ部の登原さんに訊いたところ、1日目は立上舞さんだったが、2日目はフォアシュピーラーの矢部咲紀子さんに交代した(理由は不明)とのことでした 急な演奏者交代は珍しいことではありません

1曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1794年から翌95年にかけて作曲、1795年にウィーンで初演(その後1800年に改訂)されました この曲は「第2番」の後に作曲されましたが、出版が8か月ほど早かったため「第1番」とされています 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

ケフェレックが登場し、上岡の指揮で第1楽章が開始されます 冒頭は弱音によるナイーブな演奏で意外に感じました この曲は先輩格のモーツアルトのピアノ協奏曲のように、主役のピアノがなかなか登場しません オケが一通り演奏し終わるとおもむろに女王のように登場します ケフェレックのピアノはどこまでもクリアでノーブルです カデンツァは鮮やかでした 第2楽章はかなりゆったりしたテンポで、ケフェレックのピアノが1音1音を紡ぎ出すように抒情的な演奏を繰り広げます マルコス・ペレス・ミランダのクラリネットと河村幹子のファゴットがそっと寄り添います 第3楽章はケフェレックのソロが間を置かずに入り、高速で愉悦感に満ちた演奏が続きます 中間部で裏拍が強調されるメロディーが繰り返されますが、ケフェレックの繰り返しが多いように感じました が、気のせいかもしれません 曲は何事もなかったかのように上岡の指揮で華やかに終結しました

満場の拍手とブラボーに、ケフェレックはヘンデル作曲(W.ケンプ編曲)「組曲 HWV434」より第4曲「メヌエット  ト短調」を抒情的にしみじみと演奏、再び大きな拍手に包まれました

ケフェレックのアンコールと言えば、最近はこの曲が演奏される機会が多いと思います とても美しい曲です この曲は下のCDに収録されています

 

     

     

 

休憩時間に登原さんと立ち話をしましたが、この日の公演を含めて最近は客入りもよく、4月からの定期演奏会の会員も増えているとのことでした 私は「音楽監督が佐渡氏に決まり、軌道に乗ったことが大きいのではないか」という趣旨のことを話しました オーケストラは彼女たちのような事務局職員の影の力に支えられているからこそ、安心して演奏活動が出来るのです 微力ながら、今年も維持会員として新日本フィルをサポートしていきます

さて、プログラム後半はシューベルト「交響曲第8番 ハ長調 D.944 ”グレイト” 」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1825年頃から28年にかけて作曲、シューベルトの死後の1838年にシューマンが自筆譜を発見し、1839年にライプツィヒでメンデルスゾーンの指揮で初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグロ、マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

オケは14型に拡大します

上岡の指揮で第1楽章が笠松長久の吹く雄大なホルンによって開始されます その後は快速テンポに移り、サクサクと演奏が続きます 弦楽器も管楽器も良く鳴っています 第2楽章は歯切れの良い演奏が展開します。神農広樹のオーボエが良く歌います 第3楽章では客演の清水のフルートが冴え渡ります 中間部のトリオの演奏が歌心に満ちていて素晴らしい 第4楽章は高速テンポで喜びに満ちた演奏が展開します 上岡はメリハリのある指揮ぶりでオケを引っ張っていきます 終盤における弦楽セクションの渾身の演奏によるグルーブ感が凄い オケ総力による演奏でフィナーレに向かいますが、意外だったのは最後の終結部です 通常の演奏はまるで勝利の音楽のように華々しく終わりますが、上岡の演奏は長く余韻を残しながら静かに消えていきました 例えて言えば、ドヴォルザークの「新世界交響曲」の終結部のように演奏されたということです こういうフィナーレは初めて聴きました しばらく呆然としましたが、シューベルトは生きているうちにこの曲の演奏を聴くことが出来なかったという事実を思い出しました そして、上岡はシューベルトの無念さを静かな終結の余韻に込めたのではないか、と思いました

満場の拍手とブラボーの中、カーテンコールが繰り返されました 今回も記念に写メしておきました

 

     

 

     

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アンドレア・バッティストーニ ✕ 東京フィルでオルフ「カルミナ・ブラーナ」、レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」第2組曲を聴く

2024年03月16日 00時09分10秒 | 日記

16日(土)。わが家に来てから今日で3350日目を迎え、中国企業が運営する動画投稿アプリ「Tik Tok」の利用禁止につながる動きが米議会で進む中、中国外務省ホームページが14日、「米国のいわゆる『言論の自由』の事実・真相」と題した文書を公表し、「米国こそ言論に政府が介入したりSNSで言論がゆがめられたりしている。米国の言論の自由は有名無実である」と批判している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     言論弾圧と国民監視で世界をリードする強権主義国家・中国には どの国も敵わない

 

         

 

昨日、夕食に「豚肉の生姜焼き」と「ワカメの味噌汁」を作りました 生姜焼きにはやっぱりキャベツのみじん切りが合うようです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで東京フィル「第999回サントリー定期シリーズ」公演を聴きました プログラムは①レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」第2組曲、②オルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」です 演奏は②のソプラノ独唱=ヴィットリア・デ・アミーチス、カウンター・テナー=弥勒忠史、バリトン=ミケーレ・パッティ、合唱=新国立劇場合唱団、児童合唱=世田谷ジュニア合唱団。指揮=アンドレア・バッティストーニです

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東京フィルの並び 舞台下手にはチェンバロ(4手)とハープがスタンバイします。コンマスは依田真宣です

1曲目はレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」第2組曲です この曲はオットリーノ・レスピーギ(1879-1936)が16世紀から17世紀にかけて書かれたリュートやギターの作品をイタリアの音楽学者オスカル・キレゾッティが編纂・出版した楽譜に基づいて3度にわたり組曲として作曲した作品で、第2組曲は1923年にまとめられ、1924年2月17日にローマで初演されました 第1曲「愛らしいクララ」、第2曲「田園舞曲」、第3曲「パリの鐘とアリア」、第4曲「ベルガマスカ」の4曲からなります

第1曲「愛らしいクララ」は弦のピッツィカートに乗せて奏でられる加瀬孝宏のノンビブラートのオーボエが素晴らしかった 第2曲「田園舞曲」はいかにもイタリアの明るい田園風景を感じさせる演奏でした 第3曲「パリの鐘とアリア」は弦楽アンサンブルが美しく響きました 第4曲「ベルガマスカ」は木管楽器群の演奏が楽しく、チェンバロとハープがバロック的な響きを醸し出していて優雅でした この第2組曲は、いかにもイタリア・ヴェローナ生まれのバッティストーニが選びそうな曲想でした

 

     

 

プログラム後半はオルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」です この曲はカール・オルフ(1895-1982)が、1803年に南ドイツの修道院で発見された中世の歌や劇のための詩を納めた写本を基に、1847年にヨハン・アンドレアス・シュメラーが編纂し、全集として出版したものを台本として1934年から37年にかけて作曲、1937年6月8日にフランクフルトで初演されました オルフは全集の中から23作品を選んで自在に並べ直し、「運命に対する人間の嘆き」という大枠の中で次のように構成しました

運命  それは世界の女帝

1.春

緑の野原で

2.酒場で

3.恋の庭

ブランツィフロール(白い花)とヘレナ(絶世の美女)

運命  それは世界の女帝

P席の2列目に世田谷ジュニア合唱団のメンバー22人が横一列で並び、その後方の下手側に新国立劇場合唱団の女声コーラス32人、上手側に同男声コーラス28人がスタンバイします

ソリストの3人がバッティストーニとともに登場し、指揮台の前にスタンバイします    ステージ下手にはピアノが2台とチェレスタが控えます

ソプラノのヴィットリア・デ・アミーチスはイタリアのラクイラ生まれ。第4回レナータ・テバルディ国際コンクールをはじめ複数の国際コンクールの覇者で、世界の歌劇場で歌っています  カウンター・テナーの弥勒忠史(みろく ただし)は千葉大学卒・大学院修了。東京藝大卒。二期会会員です    バリトンのミケーレ・パッティはイタリア・ジェノヴァ生まれ。複数の国際コンクールで優勝し、ボローニャのテアトロ・コムナーレ音楽院でイタリアオペラの奨学生に選抜されました

バッティストーニの指揮で「運命 それは世界の女帝」が力強い合唱で開始されます    この曲を聴くとワクワクドキドキが止まりません。素晴らしい音楽です

バッティストーニは曲間を空けず、テンポよくサクサクと演奏を進めます     これによって適度の緊張感と推進力が生まれ、音楽に命が吹き込まれます

バリトンのミケーレ・パッティはマジメな歌と酒場での酔っ払いの歌を見事に歌い分けていました    カウンター・テナーの弥勒忠史は小さな白鳥のぬいぐるみを抱きながら、料理人に天火で焼かれた白鳥の嘆きをユーモアたっぷりに歌い上げました    ヴィットリア・デ・アミーチスは求愛された乙女が恋と貞節の間で悩むアリア「天秤に心をかけて」を透明感溢れる美しい歌唱で歌い上げ、次いで「愛しい貴方」を美しい超高音で歌い切りました 彼女の声は本当に美しく、是非 彼女の歌うモーツアルトやヴェルディのオペラを聴いてみたいと思いました

新国立劇場合唱団のコーラスの素晴らしさは改めて言うまでもないでしょう 私が常日ごろから思っているのは、世界に通用する日本の合唱団を2つ挙げよと言われたら新国立劇場合唱団とバッハ・コレギウム・ジャパンの合唱団を挙げるだろうということです 今回も、とても60人の合唱とは思えない迫力のあるコーラスで聴衆を唸らせました

世田谷ジュニア合唱団は新国立オペラ「子どもと魔法」に出演したコーラスですが、透明感のある素晴らしい合唱でした

総勢160名の日本一の楽団員数を誇る東京フィルの精鋭メンバーによる渾身の演奏は特筆に値します

バッティストーニは終始集中力を切らさず、軽快なテンポにより演奏を進めオケと声楽陣をまとめ上げました

開始から1時間が経過し、最後に冒頭の「運命  それは世界の女帝」が力強く演奏され華々しいフィナーレを飾ると、満場の拍手とブラボーの嵐が湧き起こりました 何度もカーテンコールが繰り返され、バッティストーニ、ソリスト、合唱団、オーケストラが讃えられます 「もうこれでカーテンコールも終わりだろう」と思ってぼちぼち帰る客が出てきた時でした 世の中には3つの坂があります。一つは「上り坂」、二つ目は「下り坂」、そして三つ目は「まさか」です その「まさか」が起こりました バッティストーニがオケの方に向き直り、合唱団に向かって「立って」の合図を送り、再び「運命  それは世界の女帝」の演奏を始めたのです 白熱のアンコールが終わるや否や満場の拍手とブラボーの嵐、そして会場のそこかしこでスタンディングオベーションが見られました

本当に素晴らしい演奏でした 今年はまだ3月中旬ですが、今のところマイベストと言ってもよいでしょう

 

     

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新国立オペラでワーグナー「トリスタンとイゾルデ」初日公演を観る ~ ゾルターン・ニャリ、リエネ・キンチャ、ヴィルヘルム・シュヴィングハマー、エギルス・シリンス、藤村実穂子にブラボー!

2024年03月15日 06時50分07秒 | 日記

15日(金)。わが家に来てから今日で3349日目を迎え、ロシアの石油大手ルクオイルは13日、ビタリー・ロベルトゥス副社長(54)が急逝したと発表したが、ルクオイルは22年3月にウクライナでの早期停戦と交渉による解決を呼びかける異例の役員会声明を公表していた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ロシア・プーチン政権は 気に入らない者は誰でもかまわず すぐに殺す体質があるな

     

         

 

昨日は私が午後4時から9時半頃までオペラだったので、出かける前に娘のために「肉じゃが」「生野菜サラダ」「ダイコンの味噌汁」を作り置きしておきました ちなみに私が休憩時間に食べる夕食はオニギリ2個と麦茶です

 

     

 

         

 

昨日、新国立劇場「オペラパレス」でリヒャルト・ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」を観ました 出演はトリスタン=ゾルターン・ニャリ(トルステン・ケールの代役)、イゾルデ=リエネ・キンチャ(エヴァ=マリア・ヴェストブルックの代役)、マルケ王=ヴィルヘルム・シュヴィングハマー、クルヴェナール=エギルス・シリンス、メロード=秋谷直之、ブランゲーネ=藤村実穂子、牧童=青地英幸、舵取り=駒田敏章、若い舵取りの声=村上公太。管弦楽=東京都交響楽団、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=大野和士、演出=デイヴィッド・マクヴィカーです

通常、1~3月公演は東京交響楽団がオーケストラピットに入りますが、今回は東京都交響楽団の音楽監督で新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士がタクトをとる関係で都響が入ります

 

     

 

それにしても・・・と思うのはタイトルロールの2人が2人とも代役とは、詐欺に遭ったような気分です これが凶と出るか吉と出るか、代役次第です

 

     

 

「トリスタンとイゾルデ」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が中世の悲恋物語「トリスタン伝説」に基づき1857年か59年にかけて作曲、1865年にミュンヘンで初演された楽劇です

コーンウォールのマルケ王の甥、騎士トリスタンは、アイルランドの王女イゾルデを王妃として迎えに行く かつて愛し合っていた2人は毒薬で心中を図るが、侍女ブランゲーネの手により毒薬は愛の媚薬にすり替えられていた 2人の愛は燃え上がり逢瀬を重ねるが、密会の現場を王に見つかり、トリスタンは王の家臣メロートの剣により重傷を負う トリスタンは故郷の城でイゾルデを待ち、やっと到着したイゾルデの腕の中で息を引き取る イゾルデもまた彼を追い愛の死を迎える

 

     

 

私が新国立オペラでワーグナー「トリスタンとイゾルデ」を観るのは2010年12月に次いで今回が2度目で、演出は同じデイヴィッド・マクヴィカーです

大野和士がオーケストラピットに入り「前奏曲」の”トリスタン和音”が会場を満たします ステージは舟のシーンで、バックには大きな赤い太陽(月か)が出ています ワーグナーだけにシンプルな舞台造りです

さて、肝心の歌手陣です

トリスタン役のゾルターン・ニャリ(トルステン・ケールの代役)はブタペスト出身のテノールです ブタペスト演劇映画大学で演劇の学位を取得して俳優として活動した後、ブタペストオペレッタ劇場に所属しミュージカルやオペレッタの主要な役に出演 その後、オペラへ転向しハンガリー国立歌劇場専属歌手として活躍しています よく通る声と無理のない歌唱で聴衆を魅了しました

イゾルデ役のリエネ・キンチャ(エヴァ=マリア・ヴェストブルックの代役)はラトヴィア生まれのソプラノです ラトヴィア音楽院で学び、ラトヴィア国立歌劇場にデビュー 世界各国の歌劇場で活躍しています。新国立オペラでは2019年「タンホイザー」エリーザベトに出演しています 恵まれた身体を生かした強靭な歌唱力で終始舞台を支配し、圧倒的な存在感を示しました

マルケ王役のヴィルヘルム・シュヴィングハマーはドイツ、バイエルン出身のバスです ベルリン芸術大学で学び、2006年から17年までハンブルク州立歌劇場専属歌手として活躍しました 深みのある歌唱で王としての威厳のある存在感を示しました

クルヴェナール役のエギルス・シリンスはラトヴィア出身のバス・バリトンです ラトヴィア国立歌劇場でデビュー後、ウィーン国立歌劇場でも活躍、世界の歌劇場で歌っています 新国立オペラでは23年「ホフマン物語」悪役4役に出演しました よく声が通り演技力にも説得力がありました

ブランゲーネ役の藤村実穂子は主役級としては日本人で初めてバイロイト音楽祭にデビューし、9シーズン連続で出演したメゾソプラノです 東京藝大・大学院修了、ミュンヘン音楽大学大学院修了。世界各国のオペラハウスで活躍しています 私はこれまで何度か彼女の歌を聴いてきましたが、正直言って皆が騒ぎ立てるほど優れた歌手だとは思っていませんでした しかし、今回のブランゲーネ役を聴いて、歌唱力、演技力ともにやっぱりすごい人だなと思いました

今回とりわけ素晴らしいと思ったのは大野和士指揮東京都交響楽団の演奏です オーボエにしても、コントラファゴットにしても、チェロアンサンブルにしても、歌手に寄り添いつつも自らワーグナーの”不安定で妖しい”音楽を絶妙に奏でていました

デイヴィッド・マクヴィカーの演出はシンプルで、太陽といいイゾルデの衣装といい、”赤”の使用が印象的でした 演出上で良かったのはラストです イゾルデが「愛の死」を歌い終わってオーケストラの和音が静かに響き渡る中、下手に太陽が沈んでいき、イゾルデがステージ奥に静かに去っていく。音が鳴り終わり、照明が暗転。しばしのしじまの後、盛大な拍手が起こり、ブラボーが飛び交いました フライングブラボーがなく、聴衆の反応も良かったと思います

聴衆の熱狂的な喝采を見る限り、主役級2人の代役を含めて初日公演は大成功に終わったと言えるでしょう

この日の公演は下記の時間割で上演されました

 

     

 

第1幕:85分、休憩:45分、第2幕:70分、休憩:45分、第3幕:80分、合計:5時間25分です。本番だけで約4時間、休憩時間だけで約1時間半です

この日の公演を振り返って思うこと。それは「腰痛の天敵 = ワーグナー」です

 

     

 

本日、toraブログのトータル閲覧数が860万ページビューを超えました( 8,600,375 PV。トータル閲覧数は 2,748,290 IP)。これもひとえに、普段からご訪問下さっている読者の皆さまのお陰と感謝しております これからも1日も休むことなく根性で書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

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ゲルギエフらロシアの音楽家 ⇒ 中国へ出稼ぎへ ~ 日経の記事から / 中山七里著「テロリストの家」を読む ~ 長男がイスラム国のリクルートに応募した警視庁公安部所属の刑事の物語

2024年03月14日 00時04分05秒 | 日記

14日(木)。今日から3日連続コンサートなので、昨日は腰痛悪化を防ぐため、一日中ベッドに横になってコンサートの予習CDを聴きながら読書をして過ごしました 今はとにかくコンサートを聴くことを第一とし、METライブビューイングを除く映画鑑賞を自粛し、座る時間を出来るだけ少なくするようにしなければなりません

ということで、わが家に来てから今日で3348日目を迎え、ロシアのプーチン大統領を批判し、獄死した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の側近が12日、国外で何者かに襲撃され重傷を負ったとナワリヌイ氏の報道担当者が明らかにした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチン政権に立てつく者は たとえ海外にいても 命を狙われるという見せしめだ

     

         

 

昨日の夕食は「牡蠣鍋」にしました 広島の牡蠣は美味しいですね

 

     

     

 

         

 

昨日の日経夕刊「グローバル ウォッチ」コーナーは「ロシアの芸術団体、出稼ぎに ~ 中国」という見出しで、最近のロシアの芸術家の動向を紹介しています 超略すると以下の通りです

「ロシアのウクライナ侵攻によって、ロシアのオーケストラやバレエ団など芸術団体が相次いで中国各地で公演を実施している プーチン大統領に近いと言われるワレリー・ゲルギエフ氏は、ウクライナ侵攻を非難しないことを理由にドイツのミュンヘン・フィル首席指揮者を解任されるなど、欧米では事実上追放された その後、彼はサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場の芸術監督に加え、23年12月にはボリショイ劇場の総支配人にも任命された ゲルギエフ率いるマリインスキー劇場のオーケストラと合唱団は2023年3月と10~11月に、中国北京の国家大劇院の音楽ホールで『中国で過去最大規模』(中国メディア)の公演を行った 北京や上海といった大都市に加え、黒竜江省ハルピン市、山西省太原市、江蘇省南京市、広東省珠海市の地方も巡った 一部メディアは、ゲルギエフ氏が3月の北京での公演に際して『非常に光栄で、家に帰ってきたようだ』と話したと報じた。ボリショイ劇場やロシアの鬼才振付家ボリス・エイフマン氏率いるバレエ団なども23年に北京で公演した。オーケストラで目立ったのはロシアのムジカエテルナだ 23年10月に国家大劇院でラフマニノフの交響曲などを演奏して熱狂的な支持を得た。ロシアの芸術団体の中国公演を後押ししたのは、習近平国家主席が23年3月のロシア訪問時に交わした芸術などの交流強化の合意だ。また、ロシアの有名な音楽学校、モスクワ・チャイコフスキー音楽院は23年9月、重慶市政府と協力し、重慶市にチャイコフスキー音楽院を設立することで合意した ロシア側は欧米公演のキャンセルで失った外貨獲得のチャンスを中国で取り返すことができ、中国側はウクライナ問題などで対立が続く米国をけん制するためにも、米国よりもロシアの演奏家を優先するという 24年にはロシアの名門とされるペルミの歌劇やバレエ団が大規模な公演を行い、ロシア・ナショナル管弦楽団も中国で公演する計画だ。ただ、中国経済は足元で回復が遅れており、楽器業界の大手企業の23年1~9月の売上高は前年同期比で約2割減少した 子どもに音楽やバレエを学ばせる余裕がなくなりつつある 一部のロシアの芸術団体の中国公演では空席が目立つようになってきており、中国だけではその経営が成り立たなくなる可能性もある

「ゲルギエフはどこでどうしているんだろう」と思っていたら中国に出稼ぎに行っていたのですね しかし、海外公演といってもロシアと同じ強権主義国家の中国に限定されているようです 海外遠征を拡大するとしても、ロシアを支持するベラルーシとか限界があるように思います 「ムジカエテルナ」といえば、楽員が立奏で交響曲を演奏することで有名なオーケストラですが、昨年10月に中国でラフマニノフの交響曲を指揮したのはギリシャ出身のカリスマ指揮者テオドール・クルレンティスだったのだろうか? 彼も欧米には出られないのだろうか? また「ロシア・ナショナル管弦楽団」といえば、ロシアの指揮者・ピアニストのミハイル・プレトニョフが1990年に設立した世界屈指のオーケストラですが、ロシアのウクライナ侵攻がらみで、政権の意向と合わないプレトニョフは音楽監督を解任され、彼はスロヴァキアの首都ブラチスラバで新たに「ラフマニノフ国際管弦楽団」を設立したのでした 同じロシアの芸術家でもゲルギエフとプレトニョフでは全く異なる人生を歩んでいます

 

     

 

         

 

中山七里著「テロリストの家」(双葉文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞してデビュー クラシック音楽から社会問題、法医学まで幅広いジャンルのミステリーを手がけ、多くの読者の支持を得ています 多作活動は「中山七里は七人いる」と言われています

本作は2020年8月に双葉社から刊行された単行本を24年2月に文庫化したもので、12か月連続刊行企画(!)の第8弾に当たります

物語の主人公は、国際テロを担当する警視庁公安部のエリート刑事・幣原勇一郎。妻の由里子、大学院生の長男・秀樹、高校生の長女・可奈絵と共に、千代田区隼町にある警視庁官舎で暮らしている 幣原はある日突然、イラク人の監視役を外され、新人刑事でも出来る仕事に回される いったい何があったのか?と疑問を抱くが、イスラム国のリクルートに息子の秀樹がメールで応募していたのだった 秀樹は勾留され、可奈絵は学校で虐めに遭い由里子の実家に避難することになる 幣原は妻から息子を警察に売ったのかと疑われる 実は幣原は公安部に所属していることを家族には隠していたのだった 一方、警察でも家族から逮捕者が出たことで幣原が疑われ、事件を嗅ぎつけたマスコミが官舎に押し寄せることになる 幣原は四面楚歌の中、どうして息子はイスラム国のリクルートに応募したのか独自に動くのだった

 

     

 

【以下、ネタバレ注意:本書をこれから読まれる方は、以下を読まないことをお勧めします】

物語は、一旦保釈されて自宅で監禁状態にされていた秀樹が、家族の目を盗んで外出した先で殺されたことで大きな転換点を迎えます これは、過去に起きたイスラム国による事件で犠牲になった家族が、イスラム国のシンパとなった秀樹に恨みを抱いて口論の末にビルから突き落としたという真相が語られます 犯人を特定する幣原の理論展開にはちょっと無理があるように思いましたが、そこは中山七里です その先で、もっと深い幣原家の内部事情が明かされ、なぜ本書のタイトルが「テロリストの家」なのかが浮き彫りになります

中山七里は一筋縄ではいかない、とあらためて思いました それにしても、この手の350ページもあるミステリーを12か月連続で計12冊、しかも別々の出版社から刊行したのですから、中山七里 恐るべしです

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マリー・ジャコ ✕ 小曽根真 ✕ 読売日響でラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」、プーランク:組曲「典型的動物」、ヴァイル「交響曲第2番」他を聴く

2024年03月13日 00時40分07秒 | 日記

13日(水)。わが家に来てから今日で3347日目を迎え、ドナルド・トランプ前米大統領は11日、自身が大統領として再選を果たした際には、2021年1月の連邦議会襲撃への関与で収監されている「人質」の釈放が、大統領として行う最初の措置の一つとなると述べた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     刑事被告人が犯罪者に恩赦を与える?  次は自分の犯罪をチャラにするつもりだな!

 

         

 

昨日、夕食に「アスパラ、ベーコン、ポテト炒め」「生野菜サラダ」「ブナピーの味噌汁」を作りました 「アスパラ~」は作るのが簡単で美味しいです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで読売日響「第636回 定期演奏会」を聴きました プログラムは①プロコフィエフ:歌劇「3つのオレンジへの恋」組曲、②ラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」、③プーランク:組曲「典型的動物」、④ヴァイル「交響曲第2番」です 演奏は②のピアノ独奏=小曽根真、指揮=マリー・ジャコです

指揮をとるマリー・ジャコはフランス出身の女性指揮者です パリでトロンボーンを学んだ後、ウィーンとワイマールで指揮を学ぶ。16年にバイエルン国立歌劇場でK.ペトレンコのアシスタントを務め、16年から19年までヴュルツブルク歌劇場、19年からライン・ドイツ・オペラで第1指揮者を務めた 2023年からウィーン交響楽団の首席客演指揮者を務め、24年からデンマーク王立劇場の首席指揮者、26年からケルン放送響の首席指揮者に就任予定という欧州で引っ張りだこの指揮者です

 

     

 

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び コンマスは長原幸太、その隣は戸原直というダブル・トップ態勢を敷きます

1曲目はプロコフィエフ:歌劇「3つのオレンジへの恋」組曲です この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)が1919年に作曲したオペラを1924年に組曲として編んだものです オペラのストーリーは、大雑把に言うと「笑いを忘れた王子が魔女の呪いにかかり、砂漠に3つのオレンジを求めに行き、オレンジの一つから出た二ネッタと結婚する」という内容です 第1曲「変わり者たち」、第2曲「地獄の場面」、第3曲「行進曲」、第4曲「スケルツォ」、第5曲「王子と王女」、第6曲「逃亡」の6曲から成ります

長身でスマートなマリー・ジャコの指揮で演奏に入ります

プロコフィエフらしい諧謔的な演奏が繰り広げられますが、フルートの倉田優、オーボエの荒木奏美が冴え渡ります この曲の中で一番有名な「行進曲」では荒木の軽快なオーボエから入ります この曲は子どもたちが幼い頃にレーザーディスクで一緒に観ていたのを思い出しました 「王子と王女」では弦楽合奏が美しく響きました 最後の「逃亡」では疾走感溢れるアグレッシブな演奏が展開しました マリー・ジャコは鮮やかなタクト捌きでオケをコントロールしていました

グランドピアノがステージ中央に配置され、ピアニストを捉えるテレビカメラが設置され、集音マイクが何本か林立します 1階センター後方、2階前方の左右にもテレビカメラがスタンバイします 日本テレビ系列で放映される(地上波15日、BS25日)ようです

2曲目はラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が1929年から31年にかけて作曲、1932年にパリで初演されました 第1楽章「アレグラメンテ」、第2楽章「アダージョ・アッサイ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります

協奏曲のため弦楽器は10型に縮小します

小曽根真が登場し、マリー・ジャコの指揮で第1楽章に入ります 最初からヘゲモニーを握るのは小曽根で、ジャズのイディオムが入り混じったような演奏が続きます 終盤のカデンツァはまさにジャズです ここまでは予想通りでしたが、第2楽章には驚かされました ラヴェルの楽譜に書かれていない音楽が独奏ピアノのアドリブで演奏され、やがて本来の冒頭の音楽に繋がりました その後を受け継いだ倉田のフルートと荒木のオーボエが素晴らしい そして、キラキラ輝く独奏ピアノと抒情的な山本楓のイングリッシュホルンのアンサンブルが美しい 第3楽章は独奏ピアノとオケとの丁々発止のやり取りによるアグレッシブな演奏が繰り広げられ、鮮やかなフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返され、小曽根はピアノの蓋で隠れて見えない奏者が客席から見えるように蓋を閉めます こういう配慮は小曽根以外のピアニストで見たことがありません すると、コントラバスの若き首席・大槻健がステージ中央に呼ばれ、ピアノとベースのデュオで、ジャズのスタンダートナンバー「A列車で行こう」をノリノリで演奏、聴衆を興奮の坩堝に巻き込みました 大槻くん、ジャズでもプロで通用するんじゃないかい と言いたくなるほど巧かったです

 

     

 

プログラム後半の1曲目はプーランク:組曲「典型的動物」です この曲はフランシス・プーランク(1899-1963)がラ・フォンテーヌの寓話から6篇を選び、それに標題的な2曲を加え、1941年に8曲から成るバレエ音楽を作曲。同年そこから6曲を抜き出して管弦楽の組曲「典型的動物」として独立させ、1942年8月8日にパリのオペラ座で初演されました 第1曲「夜明け」、第2曲「恋に落ちたライオン」、第3曲「男と二人の愛人」、第4曲「死と木挽き」、第5曲「2羽の雄鶏の争い」、第6曲「昼餐」の6曲から成ります

この曲はCDを持っていないので、ぶっつけ本番で聴くことになりました ラ・フォンテーヌの寓話を基にした作品だけに諧謔的で楽しい音楽でした 特に第5曲「2羽の雄鶏の争い」は「雌鶏を奪い合う雄鶏たちを、空から鷲が眺める」というエピソードで、鳥の鳴き声などが出てきたりして楽しく聴けました とにかく小さな出来事を大げさに音楽で表しているところが笑いを誘います

最後の曲はヴァイル「交響曲第2番」です この曲はクルト・ヴァイル(1900-1950)が1933年から翌34年にかけて作曲、1934年10月11日にアムステルダムで初演されました 第1楽章「ソステヌート ~ アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ ~ プレスト」の3楽章から成ります

この曲も初めて聴く曲です

マリー・ジャコの指揮で第1楽章に入りますが、聴いているうちにベートーヴェン「交響曲第5番”運命”」冒頭のテーマが隠されているように感じました 第2楽章は葬送行進曲のような曲風です ここでもオーボエ、フルートが素晴らしい チェロ首席・富岡廉太郎のソロも素晴らしかった 第3楽章はリズミカルな行進曲風の音楽が展開しますが、この音楽を聴いていて、1曲目の「3つのオレンジへの恋」の「行進曲」に似ているなあと思いました

1度聴いただけなので、曲の良さがイマイチ良く分かりませんが、マリー・ジャコの指揮はキビキビとメリハリが利いていて気持ち良いものでした

会場いっぱいの拍手とブラボーの中、カーテンコールが繰り返されます 休憩時間中にレセプショニストの女性に確認したところ、「この日の演奏はカーテンコール中のスマホによる撮影は可能」ということだったので、読響公演では初めて写メしました この日の公演は放送収録用カメラが入っていたので、肖像権上の問題はテレビ放映と観客の撮影がセットでクリアされたのではないかと思いました したがって、読響の場合は通常のコンサートは写メは許可されておらず、放送収録用カメラが入っている公演のみ写メが可能だということのようです しかし、写メする場合はその公演ごとに確認した方が良いと思いました

 

     

         

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METライブビューイングでビゼー「カルメン」を観る ~ アイグル・アクメトチナ、ピョートル・ベチャワ、エンジェル・ブルー、カイル・ケテルセンと指揮者ルスティオー二にブラボー!

2024年03月12日 00時08分49秒 | 日記

12日(火)。わが家に来てから今日で3346日目を迎え、米映画界最大の祭典である第96回アカデミー賞の授賞式が10日、米ハリウッドで開かれ、宮崎俊監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞に、山崎貴監督の「ゴジラー1.0(マイナスワン)」が視覚効果賞を受賞した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これを機会に ゴジラの音楽を書いた伊福部昭の名前も 一層 世界に広まってほしい

 

         

 

昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜サラダ」を作りました ビーフはいつも通り牛バラ肉を使っていますが、食べやすく美味しいです

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ビゼー「カルメン」を観ました これは今年1月27日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 出演はカルメン=アイグル・アクメトチナ、ドン・ホセ=ピョートル・ベチャワ、ミカエラ=エンジェル・ブルー、エスカミーリョ=カイル・ケテルセン、スニガ=ウェイ・ウー、フラスキータ=シドニー・マンカソーラ、メルセデス=プリアナ・ハンター。管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱=メトロポリタン歌劇場合唱団、指揮=ダニエル・ルスティオー二、演出=キャリー・クラックネルです

 

     

 

「カルメン」はジョルジュ・ビゼー(1838-1875)がプロスペル・メリメの同名小説を原作に、リュドヴィック・アレヴィとアンリ・メイヤックの台本により1873年から翌74年にかけて作曲、1875年3月3日にパリのオペラ・コミック座で初演された全4幕から成るオペラです

物語の舞台は1820年頃のスペイン、セヴィリャ 兵士ドン・ホセはたばこ工場で働くカルメンとの恋に溺れ、軍籍まで失うが、やがてカルメンは闘牛士エスカミーリョに心移りする ホセには故郷に残した許嫁のミカエラがいたが、彼はカルメンを諦めきれず追い求め、彼の愛を拒否したカルメンを闘牛場の入口で殺める

 

     

 

1980年イギリス生まれの女性演出家キャリー・クラックネルの舞台・演出は、舞台を19世紀のスペインから現代アメリカの ある産業都市に移し替えています 第1幕でカルメンたちが働いているのは、たばこ工場ではなく兵器生産工場です 軍隊の兵士たちが工場を警備し彼女たちを管理しています。第2幕の酒場のシーンは、大型トラックの荷台が舞台になっており、トラックの車輪が回り、背景の壁の照明の点滅がスピード感を醸し出しています 第3幕の密輸団の野営キャンプのシーンは、なぜか大型トラックが横倒しになっていて、密輸品は武器という設定です 第4幕の闘牛場のシーンは大掛かりな観覧席が登場します。エスカミーリョは闘牛士ではなくロデオのカウボーイです

こうした「舞台を現代に置き換える」演出について、METピーター・ゲルブ総裁はインタビューに答え「過去の物語を扱うオペラを、現代の観衆にも身近に感じてもらう必要がある。そのための工夫として新しいアプローチの演出が求められている」という趣旨のことを語っていました 問題はその演出に説得力があるかどうか、です その点、今回の演出は全く違和感がありませんでした これはビゼーの音楽があまりにも素晴らしく、「どんな演出でも受けて立つ」度量の大きさを持っているからであり、キャリー・クラックネルの演出は「歌の邪魔をしていなかった」からです この手の演出は、時に「演出のための演出」になりがちですが、そうはなっておらず説得力がありました

さて、肝心の歌手陣です

カルメン役のアイグル・アクメトチナはロシア連邦バシコルトスタン共和国出身の現在27歳のメゾソプラノです 同共和国のウファ芸術大学で学び、2017/18シーズンから英国ロイヤルオペラのジェット・パーカー・ヤング・アーティスト・プログラムに参加し「運命の力」や「カルメン」などを歌い、18/19シーズンにはバリー・コスキー演出「カルメン」タイトルロールを歌いました 実は、私は彼女が2020年11月29日に新国立劇場のオペレッタ「こうもり」のオルロフスキー侯爵を歌うのを聴いています 当日のtoraブログには「声が良く通り存在感が抜群でした。今回の公演で最も印象に残りました」と書いています その印象は今回も全く変わりません ハバネラ「恋は野の鳥」、「セギディーリャ」をはじめ、ロシア出身のアンナ・ネトレプコを凌駕するかと思われる圧倒的な歌唱力と演技力で聴衆を魅了しました 幕間のインタビューで「これまでいろいろな役を歌ってきましたが、そのうち半分がカルメンでした」と答えていましたが、「現代のカルメン、それはアイグル・アクメトチナ」と言っても良いでしょう

ドン・ホセ役のピョートル・ベチャワは1966年ポーランド生まれのリリック・テノールです レパートリーが広く、今やMETを代表する歌手として大活躍しています ドン・ホセ役は今回が初挑戦とのことですが、この人は何を歌っても最高点を獲得します とくに印象的なのは歌っていないときの演技です。まさに本人になり切っているとしか言いようがない迫真の演技です ところで幕間のインタビューで「ドン・ホセは過去に人を殺している」と語っていましたが、原作はそうなっているのだろうか? ちょっと気になりました また、ラストのカルメンを殺すシーンは、ほとんどの演出は「ナイフで刺し殺す」となっていますが、本演出では「バットで殴り殺す」となっていて、殴るシーンは衝撃的でした

ミカエラ役のエンジェル・ブルーは1984年カリフォルニア生まれのソプラノです ロサンゼルス・オペラ若手芸術家育成プログラムに参加後、国際的キャリアをスタートさせました 余裕のある歌唱が印象的で、可憐な中にも芯の強いミカエラを見事に歌い演じました

エスカミーリョ役のカイル・ケテルセンは1971年アイオワ州生まれのバスバリトンです 幕間のインタビューで「METでエスカミーリョを歌うのは今回で25回目です」と答えていましたが、風貌といい堂々たる歌唱力といい、まさにエスカミーリョそのものです

特筆すべきはルスティオー二指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団の渾身の演奏と同合唱団の迫力あるコーラスです

ルスティオー二は幕間のインタビューで、「カルメンの初演は失敗でした その後の成功を見ずにビゼーはこの世を去りました 彼の死後にカルメンが世界中で絶賛されていることをビゼーに教えてあげたいくらいです われわれはビゼーに、そしてビゼーの音楽に敬意を表して演奏しなければなりません」と語っていたのが印象的でした

METでも、新国立オペラでも、「カルメン」は数年に一度は上演される人気オペラですが、高揚感溢れる前奏曲、ヒットメロディーのオンパレード、ストーリーの分かり易さ・・・これらの要素を考えれば、その理由が良く分かります 今回の上映は休憩時間(約10分)・インタビュー等を含めて計3時間37分ですが、あっという間でした

METライブビューイング「カルメン」の上映は都内では新宿ピカデリー他で14日(木)まで 東銀座「東劇」は21日(木)までです

 

     

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