何が正解なの? コロナ対策 ~感染制御の専門家に聞く~

2020年11月28日 23時48分12秒 | 医科・歯科・介護

11/28(土) 17:13配信

時事通信
堀賢・順天堂大学大学院教授

飛沫が飛ぶ様子(堀賢教授提供)【時事通信社】

 新型コロナウイルスの猛威が続いています。1日の感染者数が全国で2000人を超える日もあり、第3波の襲来とも言われています。
 これからどうなるのか。不安の声がある中、どのように行動すればいいのか、戸惑う人も多いと思われます。そこで、感染制御の専門家で、明快な解説で知られる順天堂大学大学院教授の堀賢先生に、私たちができる対策について伺いました。(聞き手・本文 医師・海原純子)


新型コロナウイルスはどうやって感染するか(堀賢教授提供)【時事通信社】

 ――11月の第2週以降、感染者の急増に伴い、世の中の緊迫感が急に高まったように感じます。それまでは、春頃と比べて、かなり緩いなという雰囲気でした。

 春頃は、非常に強い緊張感が、社会全体を覆っていました。そこには、五つの要因があったと思います。

 一つは、新型コロナウイルスが全く未知のウイルスであったということ。二つ目は、PCRの検査体制も十分とはいえなかったこと。当時は1日300検体くらいしかできなかったですね。

 三つ目は、治療法が分からなかったこと。四つ目は、医療の受け入れ態勢が整備されていなかったこと。五つ目は、メディアで連日、あおるような報道がされたこと。それらが、社会的危機感を生んだのだと思います。

 これに対して、秋以降は「第2波の時は、ロックダウンもせずに、何とか乗り越えてきたじゃないか」という安堵感がある一方で、「コロナ疲れ」という感じも広がってきていました。緊張感が薄れていた感じですね。

 新型コロナウイルスは、潜伏期間が長く、きょうの行動の結果が2週間後に出るという状況ですから、感染の予測が立てにくく、「この様子なら、まあ大丈夫じゃないかな」という気持ちになっていたのでしょう。

 ◆コロナとの闘いは長丁場

(図1)上=通常の飛沫。約1~2メートル飛んでいる。下=マイクロ飛沫。飛距離は8メートルにも(堀賢教授提供)【時事通信社】

 ――新型コロナは、経済にも大きな打撃を与えています。政府は、コロナ対策と経済の両立を目指していますが、そもそも、両立は可能なのでしょうか。

 コロナとの闘いは、長丁場と言われています。重症者や死亡者を増やさないように、行動変容を呼び掛け、医療のキャパシティーを増やしながら、経済を可能な限り回すという方針だと思います。

 今は状況を見ながら、ぎりぎりのところまで経済を動かすということでしょう。ただ、重症者の在院日数は長いですから、すぐにはベッドが空きません。

 重症者のベッドが逼迫(ひっぱく)した段階でブレーキを踏んでも、その後、2週間は重症患者が一定割合で増え続けますから、超過死亡※が出てくる恐れがあります。余裕を見ながら、早め早めの対応が必要です。

 ※超過死亡=統計などから予想される死者数を実際の死者数が上回る現象。パンデミックでは、急激な医療需要増で医療が受けられない人々が出たときに発生しやすい。

 ――医療体制も日々、状況が変化しています。地方によっては、医療崩壊が起こるリスクもあるのでしょうか。


 北海道などは、札幌市を中心に、すでに医療供給体制が逼迫してきています。また、流行が急激に拡大すると、スタッフや一般診療の患者が市中で感染し、院内に持ち込むケースが必然的に増えます。

 そうなると、院内クラスターが発生して、診療停止に追い込まれる医療機関が増えて、さらに医療崩壊のスピードが速まる可能性が高くなります。11月中旬以降の旭川市がその状態に陥っています。

◆マイクロ飛沫はすごく飛ぶ

(図2)旅行関連の業界団体などで作った「新しい旅のエチケット」ポスター。この他、交通編、飲食編、宿泊編など、場面ごとの新エチケットを提案したバージョンがある(日本旅行業協会ホームぺージより)【時事通信社】

 ――これから乾燥がひどくなる季節です。でも、寒くて窓を開けるのが嫌で、換気も十分にできないことが増えそうです。この季節に気を付けたいポイントを教えてください。

 湿度が低い場合、飛沫が飛びやすく、漂う時間が長いということは、実験で分かっています。動物実験では、湿度が低い方が感染が拡大しやすいことが、確かめられています。ただ、それがそのまま、人間の感染拡大に当てはまるかどうかは、確認されていません。

 ウイルスは粒子ですから、意思を持っているわけではなく、冬になったことをウイルス自身が察知して、感染力を強くするわけではありません。ただ、ウイルスを運ぶ水滴の状態が変化して、感染力に変化を及ぼす可能性はあるかもしれません。

 新型コロナウイルスは、マイクロ飛沫という普通の飛沫より小さい粒子が、感染の拡大に関わっているとされています。(図1参照)

 飛沫は、感染者の口から飛び出した後、1~2メートルで自然落下して、これが人の目、鼻、口の粘膜に直接触れることで感染します。これに対し、マイクロ飛沫は、粒子が小さく、気流に乗って数十メートル先にも飛び、その先にいる人にエアロゾル感染を引き起こします。

 「3密」状態というのは、密閉、密集、密接な状態ですから、マイクロ飛沫が長時間漂う条件がそろっており、クラスターを引き起こしやすいと考えられています。

 ◆野外なら食事も安心?

(図3)新型コロナウイルス感染症対策分科会が発信した「感染リスクの高まる5つの場面」(内閣官房ホームページより)【時事通信社】

 ――感染予防対策ですが、施設によって、かなり差があると思います。飲食店だと、しゃべりながら食べている客に注意しない、できない管理者などが気になります。ハンバーガー店の密な状態で、大声で話しながら食べている若者とか。対策の徹底が大事なのに、行政は施設側に任せている状態です。

 難しいですね。店としては、やっと来てくれたお客に対して、注意しにくいですよね。しかも、自分もあまり詳しくは知らないことですので、反論されたら、引き下がるしかありません。

 むしろ、この件は、日本人の「他人に迷惑を掛けないようにする感性」を利用して、マナーやエチケットとして、国民共通のおしゃれなキャンペーンのようなもので解決を目指したらいいのではないでしょうか。

 旅行関係団体が作った「新しい旅のエチケット」(図2)のポスターは、嫌みもなく、なかなかよくできていますよね。

 ――感染予防対策も、企業によって、かなり格差があるのが気になります。

 よく観察すると、ポイントを外した対策をしている企業も、かなり多いですね。例えば、会社の喫煙室で、話しながら喫煙している場面では、空気清浄機によってウイルスが除去されたとしても、至近距離で会話をすることで、依然として飛沫を浴びていることになります。

 バーベキューなど、野外なら安全と考えている人がいます。野外では、風でマイクロ飛沫が希釈されたり、飛んで行ったりしたとしても、人の口から出た飛沫は、目の前の食べ物の上に落ちたりして、感染のリスクがあるんです。

 ――なぜ、そういうふうになってしまうのでしょうか。

 それは、分科会(新型コロナウイルス感染症対策分科会)が発信した「感染リスクの高まる5つの場面」(図3)を見れば、よく分かります。

 この絵は、「注意しましょう!」だけで終わってしまっていて、「だから、こうしましょう!」という発信がない。ですから、市井の人たちには「どうしたらいいのか」が十分、伝わってきません。そんなことでは納得できないから、行動変容が起きるわけないんです。

 納得していない人が、これまでの自分の行動を変えたりできますか。感染制御を専門にしている人たちは、政府の発信に、ちょっと歯がゆい思いを抱いています。

 堀 賢(ほり・さとし)

堀氏

 順天堂大学大学院医学研究科感染制御科学教授、英国感染制御専門資格、ICD制度協議会感染制御ドクター。1991年順天堂大学卒業、95年同大学大学院修了、99年から英国ノッティンガム大学微生物・感染症学リサーチフェロー、2001年ロンドン大学衛生熱帯医学大学院修了。順天堂大学大学院感染制御科学講師を経て13年より現職。


第3波「見えにくい」クラスター、感染拡大か

2020年11月28日 23時48分12秒 | 事件・事故

11/28(土) 21:31配信

産経新聞

一般的なクラスターと見えないクラスター

 新型コロナウイルスの「第3波」の感染拡大要因に、「見えにくい」クラスター(感染者集団)の存在が指摘されている。無症状や軽症の感染者が検査前に水面下で感染を広げ、職場や大学、外国人コミュニティーなどの多様なクラスターを生み出している可能性がある。専門家は市中感染の蔓延(まんえん)期に差し掛かっているとみており、接触機会の削減を求めている。

【イラスト解説】新型コロナ感染かな?と思ったら

 「潜在的なクラスターの存在が想定され、感染者の検知が難しい、見えにくいクラスターが感染拡大の一因となっていることが考えられる」。厚生労働省に新型コロナ対策を助言する専門家組織は24日、こうした分析結果を示した。

 「見えにくい」クラスターとは何なのか。同組織メンバーで東邦大の舘田一博教授(感染症学)は「症状がほとんどない若い人たちの間で広がっているのではないか。彼らがウイルスを持ったまま動き回り、例えば高齢者が多いところで感染させれば、その中でクラスターが起きる。若い人同士でぐるぐるとつながっていることもある。発生源を特定しづらく、コントロールが難しい」と説明する。

 10月に大規模クラスターが発覚したさいたま市の劇団のケースも、東京都内で感染者と接触した役者の男性が無症状で稽古に参加したことがきっかけとみられる。同市が同10日に公表した時点で劇団関連の感染者は62人に上り、その後、70人を超えた。全員が軽症か無症状だったという。

 他にも、学生寮など多数の人と共同生活する場所で、マスクをつけずに過ごすことで突如流行。医療へのアクセスが悪いとされる外国人コミュニティーでの感染拡大も「見えにくい」クラスターに該当する。別の専門家は「大規模イベントで参加者同士が知り合いでなければ、複数の感染者が出たとしても経路不明になってしまう。実はクラスターだったケースも少なくない」と話す。

 大都市圏の繁華街が感染の中心だった第2波に対し、第3波はクラスターが多様化し、地方でも急激に感染拡大するのが特徴。クラスター対策が有効に働いているうちはいいが、保健所の追跡調査が不十分になり、経路不明の感染者やクラスター以外の散発例が増えたことが感染抑制を困難にしているとみられる。

 舘田氏は「市中感染の蔓延期に入りかかっている」と指摘。「誰もがいつどこで感染してもおかしくない。近距離で話すときは必ずマスクをつけるなど濃厚接触の機会を減らせば、感染リスクをかなり下げられる」と強調している。


「根拠のない自信」とは? 無条件で自分を信じる人間が強いワケ

2020年11月28日 23時34分19秒 | 社会・文化・政治・経済

2020-07-06 studyhacker.net

モチベーション 自己啓発・マインドセット コラム 佐藤舜
      
根拠のない自信とは1

「根拠のない自信」と聞いて、どう感じますか? 「根拠もないのに自信満々の人なんて信用できない」とネガティブに評価する人もいれば、「根拠なしに自分を信じられるのはすばらしいことだ」とポジティブに考えるタイプの人もいるでしょう。

たしかに、「根拠のない自信」にはよい面も悪い面もあります。しかし、失敗を恐れず積極的に行動を起こすには、「根拠のない自信」が必要なのです。

今回は、「根拠のない自信」のメリットや、「根拠のない自信」がもてるようになる方法をご紹介します。周囲の評価が気になって、なかなか仕事などで積極的に行動できない方は、ぜひこの記事を参考に「根拠のない自信」を育ててみましょう。

「根拠のない自信」とは
「根拠のある自信」の意味
「根拠のない自信」の意味
「根拠のない自信」のメリット
実績がなくても自信をもてる
未経験のことに挑戦しやすくなる
「根拠のない自信」を構成する3要素
自己効力感
自己肯定感
失敗許容力
「根拠のない自信」を得る方法1:自己効力感を高める
小さな成功体験を積み重ねる
達成感や喜びを感じる
他人の成功体験を見る
ほめたり励ましたりしてもらう
「根拠のない自信」を得る方法2:自己肯定感を高める
「ま、いっか」
「その考え方もいいね」
「なんとかなる」
「根拠のない自信」を得る方法3:失敗許容力を高める
失敗経験や悩みを言語化する
「いまはまだできないだけ」と解釈する
失敗に対する考えを改める
「根拠のない自信」とは

「根拠のない自信」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか? 「根拠のある自信」と「根拠のない自信」の意味を比較することで、明らかにしておきましょう。

「根拠のある自信」の意味

「根拠のある自信」とは、成功体験や実績から得た自信のこと。部活動の大会で優勝したり、仕事ぶりが評価されたりしたことで得た自信です。自信の根拠となる成功体験をもっていると、「あのときは成功できたんだから、きっと今度も大丈夫だ」と確信でき、多少の困難にもくじけにくくなります。

一方、「根拠のある自信」には難点も。成功体験を得ないかぎりは自信をもてない、という点です。まだ大きな成功を経験しておらず、これから頑張っていこうとしている人にとって、「根拠のある自信」はなかなかもちづらいでしょう。

また、根拠が失われれば自動的に消滅してしまうのも、「根拠のある自信」のデメリットです。たとえば、「プレゼンテーションが大成功した」という経験が自信の根拠になっている場合、もし誰かから「あのときのプレゼン、ちょっとイマイチだったよね」などと実績を否定されたり、次のプレゼンテーションが大失敗に終わったりすれば、自信の基盤が失われ、一気に自信を喪失してしまうかもしれません。

「根拠のない自信」の意味

反対に、「根拠のない自信」とは、成功体験や実績に基づかない自信のこと。これまで一度も成功したことがないのに「次はきっと大丈夫だ」と確信したり、未経験の仕事なのに「自分ならきっとできる」と信じたりするのが、「根拠のない自信」です。

「根拠のない自信」に対して “ハッタリ” に近い印象を受ける方も多いでしょう。たしかに、「実績もないのに自信だけはあふれている」という状態だと、「自信過剰な人」と思われてしまうかもしれません。

しかし、自信とは、成功に至るために欠かせない要素。仕事で結果を出したり何かを成し遂げたりするには、「きっと成功できるはず」と自信をもって取り組む必要があります。たとえ「ハッタリ」だとしても、まったく自信をもてずにいるよりは、「根拠のない自信」があったほうが、いい結果につながりやすいはずです。

根拠のない自信とは2

「根拠のない自信」のメリット

上でも少し触れましたが、「根拠のない自信」のメリットを詳しく解説します。

実績がなくても自信をもてる

「根拠のない自信」の最大のメリットは、実績の有無にかかわらず自分を信じられることです。「ポジティブ心理学」を教えるポジティブサイコロジースクール代表・久世浩司氏によると、自信をもって振る舞うことで、以下のようなメリットが期待できるのだそう。

頼りがいを感じさせるため、仕事を任されやすくなる
仕事や人間関係で成功しやすくなる
たしかに、自信がなくおどおどしている人よりも、自信に満ちて堂々としている人のほうが、信頼できそうな人物に思えますよね。根拠がなくても、とにかく自信をもっていれば、潜在意識や行動がポジティブに変化して物事が好転しやすくなります。そして、積極的な行動により成功体験を積んでいけば、やがて「根拠のある自信」も得られますよ。

未経験のことに挑戦しやすくなる

新しい仕事を任されたときや、新規プロジェクトを始めるときなど、未知のチャレンジには誰もが不安を抱くもの。未経験のことに手を出す以上、自信の根拠をどこにも求められないからです。

そんなときこそ、「根拠のない自信」が重要です。「やったことはないけれど、きっと自分ならできるはずだ」という自信をもてれば、初めての物事にも臆さず挑めます。

ソフトバンクグループの創業者・孫正義氏は「最初にあったのは、夢とそして根拠のない自信だけ。そこからすべてが始まった」という名言を生みました。24歳で初めて起業し、さまざまな事業に取り組みつつ大企業をつくり上げる過程では、先見性や分析眼だけでなく、相当な自信が不可欠だったはずです。

起業に限らず、新しいチャレンジをするときは、100%うまくいく保障などありません。だからこそ、「自分ならきっとできる」という「根拠のない自信」を強くもち、思いきって行動を起こせるかどうかが重要なのです。

根拠のない自信とは3

「根拠のない自信」を構成する3要素

久世氏は、「根拠のない自信」の源泉として「自己効力感」「自己肯定感」「失敗許容力」の3つを挙げています。

「根拠のない自信」を構成する自己効力感・自己肯定感・失敗許容力。
(画像は筆者が作成)
自己効力感

自己効力感とは、「自分には物事をやり遂げる力がある」と信じられる感覚のこと。心理学者・坂野雄二氏らによる1986年の論文では、「ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行なうことができるかという個人の確信」と定義されています。

新しいことにチャレンジするとき、「きっと自分ならできるだろう」と自然に確信できるのが、自己効力感が強い状態。自分がもっている力や、その力によってもたらされる結果に対して自信があるため、何事にもひるまず取り組めるのです。

自己効力感の強さは、実際の能力ではなく、能力があると信じられるかどうかで決まります。まだ何も成し遂げていない人でも、「自分には隠れた才能があるはず」「きっといつか幸せになれるはず」などと確信できているなら、自己効力感が強いと言えるのです。

つまり、自己効力感は、必ずしも成功体験や実績を必要としないため、「根拠のない自信」の一種だと言えます。

自己肯定感

自己肯定感に関した研修や講演を行なう日本セルフエスティーム普及協会(※)代表理事の工藤紀子氏によると、自己肯定感とは「そのままの自分を受け入れ、尊重できる感情」。能力の優劣に関係なく、どんな状況でも「自分はかけがえのない存在だ」と思えるのが、自己肯定感が強い状態です。

自己肯定感に関して重要なのは、自分の価値について考える際、他人と比較しないこと。「自分は同僚より仕事ができるから価値がある」「自分は平均より年収が高いから価値がある」などは、自己肯定感ではありません。「自分は能力があるから……」のような条件がなくとも自分を信じられるのが、自己肯定感なのです。

したがって、自己肯定感が強い人は、たとえ実績がなくても、どんなに失敗続きであろうとも、根拠なく自信をもてるでしょう。

失敗許容力

失敗許容力とは、文字通り、自分の失敗を寛容に許せる能力のこと。失敗許容力が高い人は、失敗しても「たまたまうまくいかなかっただけだ」「これでひとつ学習できた」とポジティブに考えることができます。

失敗を許容できるということは、失敗を恐れず積極的に行動できるということ。失敗をいちいち恐れていては、物事が進みません。失敗許容力が高ければ、「たとえ失敗しても大丈夫」と安心して行動できるのです。

以上、「根拠のない自信」を生む要素として、自己効力感・自己肯定感・失敗許容力の3つを挙げました。つまり、「根拠のない自信」をもつためには、自己効力感・自己肯定感・失敗許容力をそれぞれ育てていけばいいのですね。

根拠のない自信とは4

「根拠のない自信」を得る方法1:自己効力感を高める

「根拠のない自信」を得る方法として、まずは自己効力感にアプローチしてみましょう。先述したように、自己効力感とは「私には物事を成し遂げる力がある」と信じられることです。

心理学者の二村英幸氏、行動科学マネジメント研究所所長の石田淳氏らの見解を参考に、自己効力感を得る方法を4つご紹介します。

小さな成功体験を積み重ねる

自己効力感を高めるうえで最も大切なのが、小さな成功体験を積み重ねることです。

二村氏によると、ほぼ確実に達成できる目標を設定してクリアすることを続ければ、自己効力感を鍛えられるのだそう。大きい実績を得るには時間がかかりますが、自分で定めた小さな目標なら、少し頑張れば誰にでも達成できるはずです。

【小さな目標の例】

いつもより30分早く起きて勉強しよう!
営業ノルマを1件増やしてみよう!
15時までに作業を終わらせよう!
ちょっとしたことでかまいません。生活のなかで簡単な目標を設定してみましょう。

達成感や喜びを感じる

達成感や喜びといったポジティブな感情(生理的状態)も、自己効力感を高めるうえで大切です。

せっかく目標を達成しても、「たまたまだ」「目標が小さかったから達成できたんだ」と謙虚になりすぎると、喜びの感情が薄れてしまいます。目標をクリアしたら、「自分が頑張ったから成功できた」と “手柄” をしっかり認識し、大げさなくらいに喜びを味わってみましょう。

他人の成功体験を見る

自分で成功体験を積むだけでなく、ほかの人が成功した姿を見ること(代理的経験)でも、自己効力感を高められます。

同僚などが評価されるのを見ると、つい嫉妬してしまうかもしれませんね。しかし、見方を変えて「あの人ができたんだから、自分にもできるはず」と考えるようにすれば、他者の成功を自分のパワーに変換できるのです。

【代理的経験の例】

同僚や上司が成功し、評価されている様子を見る
サクセスストーリー系の映画を見る
成功者の自伝や伝記を読む
石田氏によると、特に「自分と同レベルかそれ以下の人」が成功している姿を見ると、より自己効力感を得やすいのだそう。同僚や後輩、友人などがよさそうですね。

ほめたり励ましたりしてもらう

「あなたならできる」というポジティブな言葉をかけてもらう(言語的説得)ことでも、自己効力感を養えます。家族や親友といった身近な人の力を借り、自分のよいところを指摘したり、励ましたりしてもらいましょう。

【言語的説得の例】

家族や友だちに勇気づけてもらう
上司や先輩、同僚などからフィードバックをもらう
自己啓発系の本を読む
以上が、「根拠のない自信」を生む要因のひとつ・自己効力感を高める方法です。

根拠のない自信とは5

「根拠のない自信」を得る方法2:自己肯定感を高める

「根拠のない自信」を養う2つめの方法は、自己肯定感にアプローチすること。自己肯定感が高まると、他人と比較せずありのままの自分を受け入れられるようになるため、自信につながります。

自己肯定感を高める方法として心理学者の中島輝氏が紹介しているのが、「メタ認知」です。メタ認知とは、自分の思考や感情を客観的にとらえようとすること。

たとえば、仕事がうまくいかなかったとき、落ち込んでネガティブ思考になっている自分に気づいたとします。そして、「そもそも気に病むほどの失敗なんだろうか」「失敗から得られた教訓はないだろうか」などと考え、物事のとらえ方を意識的に変化させるのです。このようなメタ認知を行なえば、ネガティブだと思われた出来事をポジティブに転化できるため、自己肯定感を守れます。

ネガティブな出来事をポジティブにとらえ直すため、中島氏は以下3つのフレーズを推奨しています。

「ま、いっか」

「ま、いっか」と唱えることで、現状を大局的な視点で眺められるのだそう。失敗しても「ま、いっか」とつぶやけば、「引きずるほどの失敗でもないんじゃないか」「次から気をつければいいさ」と、いい意味で気楽になれるはずです。

特に、些細なことが心配になるまじめな方は、「ま、いっか」と物事を受け流すスキルを身につけてみましょう。

「その考え方もいいね」

相手と意見がぶつかってしまったときや、誰かから批判されたときには、「その考え方もいいね」と言ってみましょう。自分とは違う意見でも肯定することで、物事を多角的な視点でとらえられます。

また、相手と対立せずに済むので、自己肯定感が傷つくリスクを避けることもできるのです。

「なんとかなる」

「なんとかなる」と口にすると、未来を楽観的に考えられるため、漠然とした焦りが軽減されます。

もちろん、楽観視しすぎて何も対策を講じないのは考えものですが、悲観的に考えすぎても自信ややる気がそがれてしまいます。大きな問題や不安に直面したときほど、あえて「なんとかなる」と信じるようにし、自己肯定感を守ることが大切です。

「根拠のない自信」を養いたい方や、ネガティブ思考に陥るくせがある方は、上記の3つのフレーズを意識的に取り入れてみてください。

根拠のない自信とは6

「根拠のない自信」を得る方法3:失敗許容力を高める

「根拠のない自信」を得るの3つめの手段が、失敗許容力へのアプローチです。失敗許容力が高いと、失敗を恐れることなく、自信をもってチャレンジできるようになります。

失敗許容力を高める方法として、以下に3つご紹介しましょう。

失敗経験や悩みを言語化する

失敗許容力を高めるには、自分の失敗体験や悩みを言語化するのが効果的です。メンタリストDaiGo氏によれば、失敗や悩みをアウトプットすると、具体的に何を悩んでいるのか理解できるため、改善策が見つかりやすくなるのだそう。

たとえば、「仕事でミスをした」という状況が同じであっても、そこから生まれる悩みは人によって異なります。

みんなに迷惑がかかったらどうしよう……
人事評価を低くつけられたらどうしよう……
くだらないミスをした自分が許せない……
自分の悩みを明確に認識できれば、解決策や今後の予防策が見えてくるはず。失敗を引きずってしまいそうなときは、あえて積極的に人に打ち明けたり、紙に書いたりしてみると、状況を打開するヒントが得られるかもしれません。

「いまはまだできないだけ」と解釈する

失敗したときは、「いまはまだうまくいっていないだけ」「いまはまだ努力が足りないだけ」といった、「いまはまだ○○」思考をしましょう。以下の例のように、「いまはまだ○○」と考えると、必然的に未来へ目が向くからです。

「いまはまだ努力が足りないだけ」
→努力さえすれば成功できる
「いまはまだ工夫が足りないだけ」
→適切な工夫さえすれば成功できる
失敗して心がくじけそうになったときは、「いまはまだ」のフレーズで思考を切り替え、前向きな気持ちを取り戻しましょう。

【「いまはまだ」思考の例】

いまはまだできないだけだ
いまはまだ努力が足りないだけだ
いまはまだ何かが足りていないだけだ
いまはまだ必要なものがそろっていないだけだ
いまはまだ工夫が足りていないだけだ
失敗に対する考えを改める

失敗に対する考え方を変えることも、失敗許容力を高めるうえで効果的です。多くの方は、失敗について「やってはいけないこと」「避けるべきもの」とネガティブなイメージをもっているかと思います。そして、この「失敗=ダメ」という価値観こそ、失敗を恐れたり引きずったりしてしまう根本的な原因なのです。

失敗許容力を向上させるには、以下のように失敗をポジティブにとらえてみましょう。

失敗するのは当たり前だ
失敗は自分を成長させてくれるので、むしろ好ましい
久世氏は、ハリウッド俳優から支持される補正下着メーカー・SPANXの創業者であるサラ・ブレイクリー氏の例を紹介しています。

ブレイクリー氏は幼い頃から、失敗の大切さを父親に教わってきたのだそう。夕食時、父親は毎日のように「今日はどんな失敗をした?」と尋ね、失敗した経験をブレイクリー氏が話すと、「いいぞ!」と心から喜んでくれました。ブレイクリー氏の父親は、「失敗しないのは成長できていない証拠」という考えの持ち主だったからです。失敗を重視する教育によって、失敗を恐れない精神が養われたことが、ブレイクリー氏が成功した理由のひとつなのですね。

失敗を恐れるどころか、むしろ進んで失敗するくらいの心持ちでいれば、「根拠のない自信」が生まれて積極的に行動できるようになり、成果につながるはずです。

***
「根拠のない自信」を養うには、土台となる自己効力感・自己肯定感・失敗許容力を磨くことが重要だとわかりました。自信がなく不安にとらわれやすい方、ちょっとした出来事でくじけがちな方は、本記事で紹介した方法をぜひ試してみてください。

(参考)
ダイヤモンド・オンライン|まずは「根拠なき自信」を身につけることが大切
西田文郎(2012),『その気の法則』, ダイヤモンド社.
ダイヤモンド・オンライン|根拠なき自信家に共通する3つの心理的資源とは
ダイヤモンド・オンライン|まずは「小さな成功」により自信を積み重ねよう
J-STAGE|一般性セルフ・エフィカシー尺度作成の試み
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会|自己肯定感とは
二村英幸(2009),『個と組織を生かすキャリア発達の心理学 自律支援の人材マネジメント論』, 金子書房.
石田淳(2014),『仕事も、プライベートもうまくいく! 働く女性の行動科学マネジメント』, 学研プラス.
マイナビニュース|仕事も人生も「うまくいく人」は、自己肯定感の高さがちがった。/心理カウンセラー・中島輝
Mentalist DaiGo Official Blog|失敗を許せる自分に変わる!失敗許容力と自己肯定感の身に着け方とは
ダイヤモンド・オンライン|なぜ、シリコンバレーには根拠なき自信家が多いのか?

【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。


夜間にジョギング中、性被害… 体験基づくマンガに共感

2020年11月28日 23時25分16秒 | 事件・事故

杢田光
2018年4月28日 13時38分

ジョギング中に遭った被害の状況を描いたマンガ(小西真冬さん提供)

 夜間にジョギング中、体を触られた性被害の体験をもとに、恐怖心や戸惑いなど揺れる心を描いたマンガが注目を集めている。ツイッターで誰でも読め、投稿から10日間でリツイート(転載)は1万2千件を超えた。「私も同じ目に遭った」「あなたは悪くない」……。やるせない思いへの共感の輪が広がっている。
 作者は都内に住む漫画家の小西真冬さん(35)。10代まで男性だったが、性別適合手術を受け、今は女性として暮らすトランスジェンダーだ。
 被害に遭ったのは4月上旬の午後10時ごろ。走り慣れた住宅街を走っていたところ、急に背後に人の気配を感じた。次の瞬間、見知らぬ人に胸のあたりを触られたという。
 何が起きたかわからず、頭の中は「?」でいっぱい。驚き、混乱してうろたえた。自転車で逃げ去った男の姿はほとんど覚えていない。
 家にたどり着き、気持ちが落ち着くと、急に「怖い」という感情が押し寄せた。以来、街中で男性とすれ違うと、おびえるようになった。「『やる側』は一瞬の気の迷いかもしれないけれど、被害者には悲しみや怖さがずっと残る」
 そんな思いを知ってもらうため、ペンを走らせた。マンガをツイッター(@mahuyu524)で公開すると、性別に関わらず多くの反響が寄せられた。同情する声の一方で、批判や意見もあった。
 「根拠のない過信や自衛の甘さ…

 


朝ジョギング中の女性に性的暴行狙った疑い 男を逮捕

2020年11月28日 23時25分16秒 | 事件・事故

11/28(土) 18:13配信

朝日新聞デジタル

警視庁本部

 路上で面識のない女性に性的暴行を加えようとしたとして、警視庁は28日、東京都葛飾区東水元1丁目の無職、金子一義容疑者(21)を強制性交等致傷の疑いで逮捕し、発表した。こうした被害は夜間の発生が目立つが、朝の通勤時間帯にジョギングをしていた女性を襲ったという。警視庁は、こうした手口への注意を呼びかけている。

【マンガ】夜間にジョギング中、性被害… 体験基づくマンガに共感

 亀有署によると、金子容疑者は18日午前8時ごろ、同区の水元公園で、1人で走っていた40代の女性を押し倒し、カッターナイフをつきつけて脅迫。性的暴行を加えようとして、あごに2週間のけがを負わせた疑いがある。

 署は被害者の証言などから金子容疑者を特定。署員が事情を聴こうと自宅を訪ねた際、刃物を持って抵抗されたため、18日に公務執行妨害容疑で現行犯逮捕していた。

【関連記事】


「自分が怖くなった」性依存症の苦悩…犯罪減へ全国初の試み

2020年11月28日 23時11分46秒 | 事件・事故

11/28(土) 10:10配信

西日本新聞

福岡県の「性暴力加害者相談窓口」に座る臨床発達心理士の大黒剛さん。ほかに精神保健福祉士や精神科医ら6人がチームを組んで相談の解決を図る

 福岡県は今年5月、性暴力の加害者や自身の性的な問題行動で悩む人を対象とする「性暴力加害者相談窓口」を開設した。性犯罪で刑事処分を受けた人の相談窓口は大阪府にもあるが、犯罪の有無にかかわらず相談に応じるのは全国で初めて。被害者を減らすために加害者となるのを防ぐ「画期的な試み」だという。

【画像】九州の性依存症の主な相談窓口

 窓口は今年全面施行された県の性暴力根絶条例に基づく施策の一つ。対象は年齢や性別を問わず内容が違法行為でも相談に応じる。場所は非公開で、相談者には予約時に知らせる。この半年で、自ら性犯罪を思いとどまりたい人や不倫関係に悩む人など30人から問い合わせや相談があった。

 まず精神保健福祉士が聞き取り、臨床心理士や臨床発達心理士、精神科医を交えた「ケース会議」で対応を協議。多くは臨床心理士らによるカウンセリングを行うが、症状が重い場合などは医療機関や民間の支援施設を紹介する。

性暴力や問題行動の背景は
 カウンセリングは週1回程度から始め、半年から1年間をめどに継続する。臨床発達心理士の大黒剛さん(49)によると、性暴力や問題行動の背景には「親子関係の不全など幼い頃の心の傷や強いストレス体験がある」。幼少期までさかのぼって精神状態をひもときながら、問題行動が何に起因し、どんなときに起こるのかを探る。対人関係を円滑にする訓練「ソーシャルスキルトレーニング」や、健全な思考や習慣を身につける認知行動療法に取り組む。

 窓口による支援やカウンセリングは無料。さらに福岡県では通常は保険適用されない性依存症の治療も、医師が必要と認めた場合は3回の受診まで県が全額負担するほか、早期に投薬治療などが必要な「高リスク」と判断されれば医療費の7割を補助する。

 福井裕輝・性障害専門医療センター代表理事は「性依存症は精神科でも門前払いされることが多く、適切な支援や治療につながる人は少ない」と指摘。性暴力の被害者を減らすために「加害者や依存症を抱える人への支援をもっと手厚くする必要がある」と話した。 (川口史帆)

民間にも回復支援 自助グループや施設
 アルコールやギャンブルなどの依存症と同様、「性」を過度に求め、やめたくてもやめられない状態に陥る性依存症。性犯罪を起こしたり健康や社会生活に破綻を来したりする場合も多い。だが周囲からは嗜好(しこう)や性格の問題とされがちで、相談先も少ない。一方で彼らを救おうとする取り組みは民間でも進んでいる。

 盗撮を繰り返して逮捕された福岡県内の20代男性は起訴猶予で釈放後すぐに「盗撮したい」と欲求が沸き「自分が怖くなった」。愛する妻もいる。逮捕前も何度も反省し、踏みとどまろうと携帯電話の画面を妻の写真にしたが、衝動に負けた。スマートフォンで「性犯罪 再犯防止」と検索しても出るのは刑務所のプログラムばかり。方々に電話し、ようやく民間の依存症回復支援施設につながった。

 福岡県の相談窓口の支援員を務め、民間の支援施設にも携わった精神保健福祉士の井上俊明さん(45)は「依存症は脳の仕組みに要因があり、誰にでも起こる可能性がある。本人の反省や自制心で制御するのは難しい。回復には支えが必要だ」と指摘する。

 性風俗店を頻繁に利用したり不特定多数と性的関係を持ったりすることは、それだけでは犯罪ではない。生活に支障を来すなど何らかの問題が起きるまで依存を自覚するのは難しい。福岡県内で活動する性依存の自助グループは月に数回、匿名のミーティングを開き、心の内を打ち明け合いながら自分を見つめる。

 50代男性は出会い系サイトで知り合った若い女性と性行為を繰り返してきた。本人は「お金に困っている子への人助けだ」と思っていたという。ミーティングに参加するうち仕事のストレスからの逃避行動だったと気付いた。妻と食事に行くなど他の解消法を選べるようになったという。

 「多いときで彼氏が5人、ほかに『セフレ』が15人。既婚者ばかりだった」。20代の会社員女性は自ら「恋愛依存」と語る。男性から優しくされるのがうれしかった。セックスは我慢して応じた。自傷行為と同じだった。心配した会社の上司に促され、2年前からミーティングに参加している。「さみしい」。言葉にして自分の感情と向き合えるようになった。刃傷沙汰など「修羅場になる前にブレーキが踏めた」。今は結婚したいと思える男性と交際しているという。

【関連記事】


惨敗巨人を悩ます〝菅野の穴〟 野上まさかの契約延長に浮かぶ苦しすぎる現実

2020年11月28日 09時47分53秒 | 野球

11/28(土) 5:15配信

東スポWeb

オーナー報告後、取材に応じた巨人・原監督(代表撮影)

 巨人のエース・菅野智之投手(31)のポスティングシステムを使ったメジャー挑戦がいよいよ濃厚になった。右腕は新型コロナ禍での米球界情勢を踏まえながら、熟慮を重ねている。球団内ではエース流出を想定し「菅野の穴」を埋めるため、様々な動きが加速しているが果たして…。

【写真】夫・野上を支える石川梨華

 巨人・原辰徳監督(62)は27日午後、東京・大手町の読売新聞東京本社で山口寿一オーナー(63)に今季の報告を行った。

 約1時間の報告を終えた指揮官は「最後、非常に悔しい思いをした。オーナーも同じ気持ちで、何とかこれを来季のバネとして、活力として頑張っていくと、頑張っていけという話をしていただきました」と屈辱の日本シリーズ2年連続4連敗を振り返った。

 9年ぶりの日本一奪還に必要な戦力である菅野はメジャー移籍を熟考中。原監督は「私が強くあーだこーだとは言えない。監督としては彼が来季もジャイアンツのユニホームを着てくれると、戦う、ということは望んでいる」と静観する構えを示した。

 だがフロントはノンビリとはしていられない。今季20試合137回1/3を投げ、14勝2敗、防御率1・97の成績を残したエース流出を想定して動いている。

 この日、FA権を行使する申請書類を提出したDeNAの井納ら投手補強にも乗り出す。新外国人、トレードによる先発獲得にも並行して動くという。

 その一方、球団関係者によればこの日までに右腕・野上亮磨投手(33)の契約延長が決定。17年オフにFAで西武から年俸1億5000万円(推定)の3年契約で移籍した右腕は18年4勝3敗、19年1勝2敗と結果を残せず。19年10月には左アキレス腱断裂の大ケガを負った。

 復帰した今季は二軍で8試合に先発も調子が上がらず中継ぎに回った。18試合で防御率4・98、0勝3敗の成績に終わり一軍登板はなかった。今季で契約は切れるものの、先発不足の現状では、FA右腕の復活に期待するしかない、ということか。

 加えて先発不足を補うため現有戦力の配置転換も模索。ダイヤモンドバックス時代の15年に先発14勝をマークした守護神デラロサの先発起用など、あらゆる可能性を検討する。

 プロでは未知数の新人にも期待。ドラ1右腕・平内龍太投手(22=亜大)に対して球団幹部は「ウチは先発ローテが揃っていない。開幕ローテに入ってもらわないと」と〝穴埋め〟を託す。

 それでも日本を代表する絶対エースの穴は、そう簡単に埋まるはずもない。日本シリーズでの屈辱もそこそこに、来季へ厳しい船出となりそうな原巨人だ。

【関連記事】


子どもの自殺大幅に増加

2020年11月28日 09時43分56秒 | 事件・事故

11月25日 10時32分 NHK
子どもの自殺大幅に増加

自殺する人が急増するなか、子どもの自殺も深刻になっていて、去年やおととしを大幅に上回るペースで増えています。
専門家は「新型コロナウイルスの感染拡大による生活の変化が影響しているとみられる。子どもの気持ちをしっかりと聞く必要がある」と指摘しています。

厚生労働省が発表した統計によりますと、小中学生と高校生の自殺者はことし4月から先月までで246人と、去年の同じ時期より58人、おととしの同じ時期よりも42人多くなり、深刻になっています。
こうしたなか各地の医療機関などには、子どもの受診や相談が増えているところがあるほか、学校での面談などに力を入れている地域もあります。
しかし、実際に面談をした教諭などからは「子どもの心をくみ取るのは難しい」といった声も出ていて、自殺のリスクのある子どもをどう見つけていくのかが課題となっています。
元高校教諭で、カウンセリング心理学が専門の関西外国語大学の新井肇教授は「増加の背景には新型コロナで社会不安が高まり、生活が変化したことがあるのではないか。子どもの変化を見つけたら、心配だと伝えた上で、どんな気持ちでいるのかしっかり聞く必要がある」と話しています。


なぜ、7月19日と9月27日に自殺者が急増? 「芸能人のように自分も…」相談窓口には切実な声

2020年11月28日 09時35分05秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

11/25(水) 17:38配信 news.yahoo.co.jp

「いのち支える自殺対策推進センター」代表理事の清水康之さんが11月25日、日本記者クラブで記者会見を開き、「増加が続く自殺者数に、著名人の自殺に関する報道が大きく影響している」と指摘した。新型コロナの影響で様々な悩みや生活上の様々な問題を抱えていた人や元々自殺念慮を抱え、「どうにか生きることに留まっていた人たち」を、相次ぐ自殺報道が自殺の方向へ後押ししてしまったのではないか。自殺対策推進センターは、こうみている。【BuzzFeed Japan/千葉 雄登】

自殺報道による後押し、科学的に実証済み

自殺に関する情報によって誘発される自殺は「模倣自殺」と呼ばれる。

自殺や自殺への対策に何が影響するのかその要因は完全には解明されていない。しかし、メディアの報道が自殺対策の取り組みを強めることもあれば、模倣自殺のリスクを高めることもある。

報道が模倣自殺を引き起こす現象は「ウェルテル効果」と呼ばれる。ゲーテが『若きウェルテルの悩み』という小説を出版した18世紀後半、小説の影響を受けて主人公と同様の服を身につけ、同じ手段で自殺するケースなどが多数報告されたことに端を発する。

1970年代以降は新聞の1面に自殺関連の記事が掲載された月と全く掲載されなかった月の自殺者数を比較した研究が行われ、1面で自殺関連の記事が掲載された月の自殺による死亡者数が著しく増加していることなどが確認されている。

自殺手段を伝える報道記事や自殺に関する人々の誤解を助長する報道記事も報道後の自殺増加につながることがわかっている。

WHOの「自殺予防 メディア関係者のための手引き」では「報道後の短期間に起きるような自殺の増加は、どちらにせよ起こったであろうという自殺が単に早く発生したということではない」と結論づけられており、「報道後の短期間に起きる自殺は、不適切なメディア報道が無かったら起きなかったと考えられる自殺」とされている。

特別な人が亡くなる特別な課題ではない

「自殺というと、何か特別な人が特別な課題を抱えて突然亡くなることだと思うかもしれません。でも、決してそうではありません」

清水さんは自身が代表を務めるNPO、自殺対策支援センター・ライフリンクが実施した実態調査で自殺する人は「平均すると4つの原因や動機を抱えて亡くなっている」とし、自殺は複合的な問題で起きることだと語った。

今年の自殺者数は4月から6月までは前年を下回っていた。しかし、7月以降に増加傾向へと転じ、10月には前年の同じ時期と比べて自殺者が619人増加した。

こうした増加傾向は「コロナによるものと断言ができないが、おそらくそうであろうと推測できる」と清水さんは言う。

「自殺する人の背景には様々な問題があり、背景の問題が悪化している状況がある。(そうした問題が悪化したことの)影響受けたと考えられる属性の人たちが亡くなっている。背景の原因問題を悪化させたコロナの影響で自殺が増えたのではないか」

「自分もそっちに引き込まれてしまいそうで怖い」

いのち支える自殺対策推進センター

清水さんはその上で、報道が自殺に与える影響について、警鐘を鳴らした。

7月、9月の自殺者数の推移を日別に見ると、7月の半ばと9月下旬に自殺者が急増したポイントが存在する。

人気若手俳優が自殺した翌日の7月19日と人気女優が自殺した当日の9月27日だ。

自殺報道が増える中、いのち支える自殺対策推進センターの相談窓口には様々な声が寄せられていた。

・芸能人の自殺のニュースを見て、自分もそっちに引き込まれてしまいそうで怖い(30代女性)

・新型コロナの影響で客が減り、経営が厳しくてお金が心配。芸能人のように自分も自殺して早く楽になりたい。(40代男性)

・もともと生きていたくない。自殺のニュースをみると「楽になって良いな」と、死んだ人のことがうらやましくなる。(20代女性)

・「自宅のクローゼットで、、、」とニュースで聞いて、何十年も前に亡くなった家族の姿が突然よみがえり、動悸が止まらない。(70代女性)

・有名人の自殺に関する記事が気になってネットで読み続けている内に、死にたい気持ちが再燃してしまった。(30代男性)

・うつ病で常に死にたいと思っていたが、失業と芸能人の死で、死にたい気持ちが強くなりもう限界。(40代女性)

いのち支える自殺対策推進センター

こうした自殺報道によって、どれだけの影響が出たと考えられるのか。

9月27日以降の10日間で、「160人から260人くらいの人が自殺報道の影響を受けて自殺したと考えられる」「女性の方がより多く、この影響を受けて亡くなった可能性がある」という。

特に7月以降は無職の女性の自殺が増えている。また、同居人がいる女性の死亡が増える傾向が見えているとした。

センターでは自殺報道について、242媒体に向けて呼びかけ

いのち支える自殺対策推進センター

こうした中で、いのち支える自殺対策推進センターでは今年、合計82社 / 242媒体に向けて呼びかけを行ってきた。

直接メールで呼び掛けたものやTwitterでメンションをしたケースも含まれている。

その結果として、自殺報道について「確実に改善されてきている」と評価しつつ、まだ十分とは言えないと苦言を呈した。

「よりセンセーショナルな記事が読まれやすい、拡散されやすい。ほとんど全てのメディアの方たちがいくら(ガイドラインを)踏まえた報道をしていたとしても、ごく一部のそうでない人がいる場合、そちらの情報が拡散されていく。社会全体で見ると、自殺報道が改善の報道へいっているとは言い難い」

「私は元々、NHKの報道ディレクターをしておりました。ですから、報道の義務、責務についても私なりに考えがあります。いくらWHOが手段を報じるべきでないと書いていたとしても、書く必要性に迫られる場面も当然あると思います。詳しく伝えることと自殺報道の危険性、その間で各社が葛藤しながら今回はどこまで書くのか考え、自殺報道をしていくべきではないかと思います」

オーストリアのウィーンでは地下鉄における自殺の報道をガイドラインに沿った形で行ったところ、地下鉄の自殺死亡率が75%低下。またウィーン全体の自殺による死亡率も20%低下したことが研究の結果、明らかとなっている(Etzersdorfer E, Sonneck G , Arch Suicide Res. 1998)。

このように適切な支援先や自殺に関する正しい情報を提供することなどが自殺による死亡率を減少させることにつながることは「パパゲーノ効果」と呼ばれ、科学的にも実証されている。

こうした「パパゲーノ効果」も踏まえ、自殺に関する日常的な報道の中で、「自殺ではなく生きる道がある」「困難にありながら、生きる道を選んだ人がいる」と伝えることが重要だと清水さんは訴える。

「翌日から自殺が減るような報道を一緒に考えさせていただければと思います」

身近な思い悩む人にどう向き合う?

思い悩む人が周囲にいるとき、私たちはどのように接するべきか。頭を悩ませる人も少なくない。

自殺の実態調査や自殺予防の活動を行う国立精神・神経医療研究センター・薬物依存研究部長で精神科医の松本俊彦さんはBuzzFeed Newsの取材に以下のように語っている。

「あれちょっといつもと違うな、塞ぎ込んでいるなと思うなら声をかけてほしい。『別に』『大丈夫』と答えが返ってくるかもしれないけど、『煩わしいかもしれないけど、もしよかったら話してね』と伝えてほしい」

「自殺を考えているんじゃないかと思うなら、『死ぬこととか考えてる?』って率直に聞くことも1つの方法です。死ぬことを考えているのかと尋ねることが自殺の呼び水になることはありません。むしろ、この人の前では自分の悩みを隠さなくても大丈夫だという安心感へとつながるんです」

「死にたい、死にたいと言っている割には死ぬ気配がないし、『死ぬと言ってる奴は案外死なないもんだ』『死にたいと言っているうちは大丈夫』と思う人もいるかもしれません。でも、言わなくなったら時はもう助ける手立てはない。手遅れなんです」

「だから、『死にたいなんて言うんじゃない』『生きていることへの感謝が足りない』と説教をするのではなく、『正直に言ってくれてありがとう』と伝えてほしいと思っています」

また、死を選ぶことが頭をかすめている人に対しては以下のようなメッセージを伝えたいと強調する。

「もしも今、死にたいぐらいしんどい気持ちの中にあるのなら、そのつらさや苦しさを自分以外の誰かにも知ってもらうことは意味があると伝えたい。一番の孤独は自分一人で悩むことですから」

自殺予防いのちの電話:0120-83-556
よりそいホットライン:0120-279-338


精神性の強さ

2020年11月28日 09時35分05秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽人は思いやる気持ちが何よりも大切だと思う。

人は皆、誰かの助けをかりて生きているからだ。

▽コロナ禍の今だからこそ、<精神性の強さ>が必要。

▽青年には希望がある。

青年は<現在>であり<未来>である。

▽人類の未来は、青年の行動で決まる。

彼らの成長は、社会の変革そのものなのだ。

▽「私たちの社会はいかなる類(たぐ)いのものであるのか」

「何のためにあるのか」を常に自分に問いかけてきた。

そして、最も大切なことは「精神性」であると、私は気付いた。

つまり、他者を支援するための社会活動だけではなく、人間の<精神の力>をどのように強くしていくか-それが重要であると思うようになった。

「全ての人間は尊い存在である」とう考えを私たちは共有しなければならない。

多様性の中で調和を生み出し、より良い社会を築く-そのためにより良い人間として生きることを教え、均衡を取り戻すと、人々に働き掛けていくことだ。

「精神性の強さ」が、内発的な力の開花、困難を乗り越える力をもたらす。

アドルフォ・ペレス=エスキベル・ノーベルの言葉(平和賞受賞者)


2人死傷を招いた高齢者の意識障害はなぜ起きたか?ー医療が事故裁判から学ぶべき教訓

2020年11月28日 06時50分33秒 | 事件・事故

上田諭 | 高齢者精神科専門医
11/28(土) 6:00

群馬県前橋市で2018年、自転車で登校中の女子高生2人が車にはねられ死傷した事故の控訴審判決が今月25日に東京高裁であり、過失運転致死傷罪に問われた被告男性(88)に対し禁錮3年の実刑が言い渡された。一審判決(今年3月)で無罪となりながら、被告側は控訴審で「罪を償いたい」と有罪を主張する異例の展開となり、裁判は注目を集めた。事故の原因は被告が意識障害に陥ったことだったが、焦点は事故を起こす危険を被告が予見できたかどうか――その判断が無罪と有罪とを分けた。この裁判を医学的な観点から考えたい。

認知症否定、責任能力認める

 高齢ドライバーの事故でしばしば問題になる2つの医学的要因がある。1つは認知症により運転を誤ること、もう1つは何らかの病気から意識障害を生じて運転不能になることである。本裁判でも、この2つは争点になっていた。
 一審で弁護側は、前頭側頭型認知症であったと主張した。前頭側頭型認知症とは、認知症全体の6~7割を占めるアルツハイマー型認知症と異なり、物忘れよりも社会的逸脱行動や人格変化が前景に現れる認知症である。病的行動として万引きやセクハラなどが問題になることがあるが、運転に障害があるかどうかは定かではない。
 結局この主張は、無罪判決には関与しなかった。控訴審では、「軽度の認知障害はあるが前頭側頭型認知症は認められない」との医師の見解(一審)が言及され、「心神喪失でも心神耗弱でもない」つまり責任能力には問題はないとされた。

意識障害の危険を予見可能

 もう1つの医学的要因、意識障害を生じて運転不能になったという点は、一審と控訴審が一致した。しかし、意識障害の原因は明確にならなかった。
 男性には日常的にめまいと低血圧があり、医師や家族から運転を控えるよう注意を促されていた。男性は「(事故の直前に)めまいがして意識がもうろうとし、気がついたら事故を起こしていた」と供述した。一過性の意識障害を生じたことが明らかだった。一審は、意識障害が原因と認めつつ、「被告には危険を予見できなかった」として無罪とした。その際、服用薬の副作用で低血圧になった可能性が指摘された。
 これに対して、控訴審は低血圧による意識障害は予見可能だったと判決した。ただ、意識障害に陥るほどの低血圧がなぜ生じたかは十分解明されていない。単なるめまいや低血圧と意識障害とは質が違う。血圧低下が軽度なら、めまいやふらつきは起こっても、意識障害は生じない。薬の副作用については、予見可能性を左右しないとして、意識障害への関与は判断されなかった。
 指摘された薬は前立腺肥大症の排尿障害を改善する薬で、添付文書には副作用として血圧低下の記載がある(頻度は1%未満)。まれながら重大な副作用として、失神・意識喪失も記載されている。

低血圧も高齢者の生活に障害

 この裁判を通じて医療が教訓とすべきことは、運転するしないにかかわらず、高齢者の血圧低下に対する注意を改めてすることであろう。さまざまな疾患につながる危険がある高血圧については、常に問題にされ薬物療法の対象となる。一方で、低血圧は見過ごされやすい。心循環系疾患によるものは治療の対象になるが、より留意を要するのはふだん服用している薬である。漫然と投与される血圧降下薬はもちろん、向精神薬や鎮痛薬、上述の排尿改善薬などの一部は、血圧低下につながる可能性がある。
 低血圧は、めまいやふらつきのほか、認知機能低下、無気力、さらに進展すれば意識障害すら誘発する。ADL(日常生活動作)と精神活動を低下させ、認知症やうつ病、他の脳疾患と誤診される危険もある。高血圧だけでなく、低すぎる血圧もまた高齢者の活気ある生活にとって障害になり得ることを改めて認識したい。

上田諭
高齢者精神科専門医
1957年京都府生まれ。関西学院大学社会学部卒。朝日新聞記者を経て1996年北海道大学医学部卒。東京都多摩老人医療センター、東京都老人医療センターの精神科で、高齢者うつ病、認知症の医療に従事。米Duke大学で電気けいれん療法研修修了。日本医科大学精神神経科助教のち講師。2017年東京医療学院大学教授。2020年戸田中央総合病院メンタルヘルス科部長。北辰病院(越谷市)で高齢者専門外来。精神保健指定医。医学博士。日本老年精神医学会専門医・指導医。著書『治さなくてよい認知症』(日本評論社)、『不幸な認知症 幸せな認知症』(マガジンハウス)、訳書『精神病性うつ病―病態の見立てと治療』(星和書店)など。


来年1月の衆院解散・総選挙は見送り 通常国会召集は1月18日軸

2020年11月28日 06時29分55秒 | 社会・文化・政治・経済

11/27(金) 21:15配信

毎日新聞

政府・与党は来年の通常国会について、1月18日に召集する検討に入った。感染が再拡大した新型コロナウイルス対策を盛り込んだ今年度第3次補正予算案を1月中に成立させる。新型コロナ対策を優先させるため、自民党内で取り沙汰される1月中の衆院解散・総選挙は見送り、解散時期は来年4月以降になる公算が大きい。

 政府・与党幹部が明らかにした。3次補正は、感染再拡大や経済の冷え込みを受けて大規模な経済対策が必要として、20兆円超まで拡大する可能性がある。西村康稔経済再生担当相は27日の記者会見で、7~9月期の国内総生産(GDP)は日本経済の潜在力より年換算で34兆円程度少なかったとの分析結果を明らかにし、「このことを頭に置いて対応しなければいけない。政策を総動員して経済を着実に回復させる」と述べた。盛り込む施策が増えたことで、3次補正の閣議決定は12月中旬にずれ込む見通し。その後の準備などもあり1月上旬の召集は困難となり、18日かその前後に召集する。

 また政府がコロナ対策に注力する中、全国で選挙活動を展開した場合の感染拡大リスクも懸念され、菅義偉首相の周辺は「首相は早期解散を念頭に置いていない」と語った。2021年は7月に東京オリンピックが開幕し、夏には東京都議選を控える。衆院議員の任期満了が21年10月に迫る中、首相は来年度当初予算案成立後の4月以降や、五輪・パラリンピック後など、限られた選択肢の中から解散時期を探ることになる。【野間口陽、竹地広憲、水脇友輔】

関連記事】


「悪魔の所業」「同じ人間であることが許せない」座間9人殺害、法廷に響いた遺族たちの涙の声

2020年11月28日 06時29分55秒 | 事件・事故

11/28(土) 6:12配信

文春オンライン

「育て方が悪かったの? なぜこんなことができるの?」9人殺害・白石被告、母親の悲痛な叫び  から続く

【写真】座間9人殺害事件の写真(11枚)をすべて見る

 神奈川県座間市のアパートで男女9人が殺害された事件の裁判員裁判が11月26日、結審した。強盗、強制性交等殺人などで起訴された白石隆浩被告(30)の被告人質問を、被害者遺族たちも傍聴席で聞いていた。

 報道記者席や一般傍聴席との間が遮蔽された遺族席が設けられ、涙でかすれる声や怒りの声が漏れ伝わってくる場面もあった。遺族の中には、意見陳述をする人たちもいた。その一部を紹介する。

他人事のように話す白石被告への怒り
 まず、最初に殺害されたAさん(当時21、神奈川県)の母親は証言台で話をした。白石被告との間にも遮蔽物があり、声だけを聞いている状態だ。傍聴席からは曇りガラス越しに姿を確認できる程度だった。他人事のように話す白石被告への怒りが伝わってきた。

◆ ◆ ◆

 あの日から3年の月日が流れました。しかし、私たち家族の中では、時が止まったままです。娘は責任感が強く、思いやりのある子でした。ただ、思春期の頃から、精神的に不安定になり、通院や入退院を繰り返していました。娘なりにバランスを保とうと努力していました。そんな中で、仕事を続けながら、パソコンの資格を取りました。正社員を目指し、5月ごろから準備をしていました。信頼できる人と出会い、生活をすることを望んでいましたが、身勝手な被告人に命を絶たれました。娘が味わった苦しみ、痛みを思うと、引き裂かれる思いで、娘のことを思うと、無念でなりません。

 私がもっと娘の話を聞いたり、寄り添っておけばよかったのかとも思います。私たち家族は何一つ心が癒えることはありません。当たり前の日常は取り戻せない。加害者には、憎しみや怒り、悔しさが湧き上がってきます。報道関係者の取材や裁判では、他人事のように話しています。

 しかも、報道では、娘の名前、顔、生活の一部が書かれました。マスコミが押しよせてきました。数日間は恐怖で仕方がなかったです。現実がなかなか受け止めきれない思いで、被害者の中に娘がいることが夢であってほしいと思いました。加害者には、同じような苦しみや痛みを味わって欲しい。

 死刑が執行されるまで、人権を守られて生活をすると思います。しかし、娘が戻ってくることはありません。21歳という短い人生を、身勝手な犯人に奪われました。強い憤りを抱きました。死刑をもって償ってほしい。

◆ ◆ ◆

「同じ人間であることが許せない」
 続いて、Aさんの兄が意見陳述をした。振り絞るように、妹との思い出を話した。

◆ ◆ ◆

 妹が亡くなって数年が経ちましたが、今でも妹のことを思い出します。優しくて、嫌なことでも文句を言わずにしていました。2人で出掛けたことを思い出します。妹は楽しんでいました。お世話になった人へのプレゼントをあげることもあり、私ともプレゼントを贈り合っていました。喧嘩もしましたが、仲が良かったと思います。

 裁判では、犯人が第三者のように質問に答えているのを見てびっくりしました。妹は本気で死ぬ気がなく、頑張ろうとしていたことがわかりました。平気でいる犯人が同じ人間であることが許せない。一刻も早くこの世から消えていただきたい。

◆ ◆ ◆

「棺のなかの姿はもはや人のものとは思えず……」
 Aさんを殺害した証拠を隠滅するために殺害されたCさん(当時20、神奈川県)の父親も陳述した。口封じのための犯行を「悪魔の所業」と話していた。

◆ ◆ ◆

 私たちは、息子がいなくなったとき、時間が許す限り、探し続けました。私立探偵を雇い、借金までしました。事件の一報を知りましたが、まさかとためらっていました。自分自身が不安定になりましたが、仕事の終わりに高尾署に電話をしました。息子の存在が分かり、血の気がひきました。何も考えられなくなりました。残忍な犯行と残虐な内容。私たちは衝撃を受けました。

 息子を引き取りましたが、棺のなかの姿はもはや人のものとは思えず、本当に息子かと信じることができませんでした。あまりの衝撃に麻痺をしていましたが、自宅に戻って、一気に感情が吹き出しました。

 もっと、音楽をよりどころにしていた息子の人生を理解してあげればよかった。一生懸命にギターの練習をしていました。息子の参加したライブの映像をみることができましたが、いきいきと輝いている息子が映っていました。勤めていた施設の利用者にギターを聴かせようと出勤していたこともありました。最初は、息子が音楽で生きていこうとすることを理解できずにいました。しかし、本気なら理解しようと思っていましたが、もう叶いません。

 犯人は絶対に生かしてはおけない。息子は、一時的に、「死にたい」と思うほどの苦しみを抱えていたと思います。しかし、死ぬことをやめ、生きることをあきらめていなかったのです。被告人は、事件の発覚をおそれ、口封じのために殺害し、遺棄しました。人の未来を奪った悪魔の所業です。絶対に許すことはできません。生かして、再び社会に放って欲しくはない。極刑を希望します。

◆ ◆ ◆

「被告人は今でものうのうと生きています」
 同じくCさんの母親も意見を表明した。高尾署で遺体を見た時のショックは言葉にできないほどの悲しみだったという。

◆ ◆ ◆

 息子は優しく、繊細でした。ゆえに、悩みを抱えましたが、その都度、家族はサポートしましたし、職場の方も支えてくれました。そのことに早く気がつかせ、救ってあげられればよかったと後悔しています。

 次男を出産したとき、息子がポケモンを差し出し、「これをあげる」と言ったときのことを思い出します。

 とても可愛かった。それが目に焼き付いています。息子は、私にとって、愛おしい存在です。もうその表情を見ることができないと思うと、心の中が空っぽになりました。

 事件前、息子は病気になりました。入院し、治療を受けていました。入院中の様子を見ていくと、順調に回復していました。入院前と変わらない生活が送れる、日常に戻れると信じていました。

 行方不明になったとき、思いつく限りの場所に行き、探しましたが、8月29日、あの日から息子の姿をみることができなくなりました。事件が発覚し、数日後に高尾署へ行きました。あの姿をみて……(涙声で聞き取れない)……大切な子……(同)……胸が引き裂かれる思いです。

 生きていこうとした息子を騙し、犯人の身勝手な理由のために殺されましたが、どれだけ無念だったことでしょうか。息子の人生はたった20年で終わらされました。しかし、被告人は今でものうのうと生きています。これからつながっていただろう命、人生も奪われました。どれだけ罪深いことなのか。極刑をもって、この世から消えて欲しいです。

◆ ◆ ◆

証言の最中に白石被告はうなだれた
 ヒモになろうと思ったYさんをカラオケボックスで待たせている最中に、白石被告は、アパートに呼んだDさん(当時19、埼玉県)を殺害している。そのDさんの母も話をした。DNA鑑定で、身元が特定できたのは、Dさんの誕生日だった。

 この証言の最中、白石被告はうなだれた。刑務官に取り囲まれているために、傍聴席から白石被告の様子が見えにくい。凝った肩を動かしたり、深呼吸をしたり、机の上のノートや資料を見たり、だるそうにすることは公判ではよく見かけたが、うなだれる姿を筆者は見たことがなかった。

◆ ◆ ◆

 小学校ではクラブ活動や宿泊学習でのキャンプファイヤー係になり、がんばっていました。中学校ではクラス対抗の合唱や委員会活動を頑張っていました。教員になりたいと思ったのもこの頃です。高校受験の面接で、部活をやり直したいと言っていた通り、3年間、演劇部で頑張っていました。

 大学入学後、ともだちと泊まりがけで遊びに行ったこともあります。成人式の準備もしていました。年越しのカウントダウンのイベントも楽しみにしていました。しかし、約束を果たすことなく、19歳9ヶ月でこの世を去りました。

 娘が行方不明になって事件発覚までの数ヶ月、昼夜問わず探し続けました。結局、見つけることはできませんでした。DNA鑑定で娘であると分かっても、すぐには受け止められませんでした。対面できた日は、娘の誕生日でした。変わり果てた姿でした。声をかけたのは、「誕生日、おめでとう」ではなく、「やっとみつけられた」「ずいぶん探したよ」ということでした。どれだけ苦しい思いをしたことでしょう。

 被害者が特定される前に、マスコミの報道が過剰になりました。インターホンを押されたり、家族だけでなく、近隣にも迷惑をかけました。実名報道を控えて欲しいとお願いをしましたが、無視されました。なぜ、被害者だけが苦しまなければならないのでしょうか。

 被害者は自殺願望があり、自ら犯人に接触したと言われていますが、間違っています。娘はこれまでも悩みを抱えてきましたが、一つ一つ問題を解決してきました。事件の直前、成績に悩んでいました。しかし、娘がこのような小さなことで希死念慮を抱くはずがありません。

 大学から面談通知が来ていました。両親とともに呼ばれていたため、「留年が決まったわけじゃない。きっと避けるためのヒントをくれるんだよ」と諭すと、娘も納得していました。生きてさえいれば解決できた悩みです。少し、気が重かっただけで、逃げたい、話を聞いて欲しいとツイートしただけと思います。

 被告人のように悪意があり、下心をもって近づいてくる人がいることを知らなかったのです。なぜ、19歳で殺されなければならなかったのでしょうか。娘は、夢や希望、未来の全てを奪われました。

 被告人は、女性に会い、ヒモになれるかを判断し、ヒモになれないとレイプし殺害しました。犯行を重ねるたびに目的が変化していき、異常な性欲を満たすことが多くなり、殺害までの時間が短くなっていきました。そして、次第に殺害や解体に慣れていったのですが、裁判では「記憶がない」と繰り返すばかり。「悩みを深掘りした」というが、内容を覚えていない。身勝手な通り一遍な発言を繰り返しました。

 被告人は、娘のことを「無口な人、職業のことしか聞き出せなかった」と言っていました。無口なのは、心を許していないからで、警戒をといていないからです。

 今でも19歳の娘が心の中に生き続けています。時々、家の中で娘の気配を感じます。「ただいま」「おなかすいた」と帰ってくるような錯覚をすることもあります。寂しさに耐えきれず、涙が止まらなくなることはあります。生きている限り、こうした感情が続くのでしょう。どうか、娘を返してください。娘との幸せな生活を戻してください。私たちの願いはそれだけです。それが叶わないなら、重い罰を受けてください。

 娘を殺害した被告人には、極刑が下ることを信じています。娘を思い、自分たちを振り返る3年間でした。私たち遺族を支えてきた方々には感謝します。

◆ ◆ ◆

「捕まらなければ、後悔していません」
 こうした遺族の意見を聞いて、白石被告はどのような心境になっていたのだろうか。翌日の被告人質問では、弁護側から「一連の事件について後悔しているか?」との質問がされた。白石被告は「結果として捕まってしまったので後悔している」と答えた。

 これまでに話をしていないことがあるかを問われても「これまでに話した通りです」と、あっさりした反応だった。検察側の質問にも「捕まらなければ、後悔していません。捕まったら失敗したことになると思った」と、それまでと変わらない言動に終始していた。

渋井 哲也

【関連記事】