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利根輪太郎はツキに見放されていた

2015年07月24日 18時55分33秒 | 創作欄
最悪なのは、的中した車券が選手の失格で3度も紙くずになったことだった。
競輪研究家を名乗れなくなる。
新しい競輪の予想屋が現れた時は、輪太郎は敵愾心を燃やしていた。
これまでにないタイプの予想屋であり、予想展開が理にかなっていた。
強気な発言の上に説得性があり、度々大穴を的中させるので、競輪ファンが群がっていた。
多くの予想屋が無言であるのに対して、その新しい予想屋は饒舌であった。
風貌が学者タイプで信頼性を感じさせるように想われたのだ。
輪太郎にとって無視できない存在となりだしていた。
その日の輪太郎の勝負レースは6レースであった。
1-9ラインが捲りで先頭誘導員の後ろを取った。
中段を取ると輪太郎が予想していた6-5-3ラインは意に反して、後方に位置した。
中断は逃げると想われた2-7-4ラインである。
位置を決めない8番車の選手は本命ラインの4番手を選択した。
後2周になった時、後方から追い上げてきた6-5-3-8ラインは、執拗なまでに中段内側の2-7-4ラインを押さえ込む。
このため、捲りとなるはずの1-9ラインはイン粘りを選択する。
下がったら1-9ラインは捲れないと判断したのだ。
結果的に先頭誘導員が1-9ラインを引っ張ることになる。
1番選手にとって有利な展開となる。
最終的に1-6-5-3の展開となる。
輪太郎は5-3、5-2、5-7の三連単を買っていた。
つまり、5-3以外の車券は有り得ない展開となったのだ。
5-1、5-9の車券を書いて消したのだった。
そして1-5、9-5の穴車券も持っていた。
結局、1-3-5の車券となる。
まさか5番選手が3着となるとは、番手有利のはずが、3番手の3番選手が2着となったのだ。
5-3-1の車券は買っていたが、まさかの1-3-5となった。
改めてボックス車券を買う必要性を感じた。


























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