創作 人生の命題 おわり)

2024年09月14日 23時38分54秒 | 創作欄

漆原将司は、島田明美を通じて、看護現場の過酷さんを知る。

明美の先輩たちの話によれば、過去の時代には、2・8闘争があったそうだ。

だが、「ニッパチ闘争」後も永遠に看護師不足は続いているのだ。

彼は、看護現場の厳しさを知るとともに、彼女から彼女が信奉する宗教団体の会合に誘われたことから、彼女との距離を取り始めた。

「あのたの人生の命題は、何なの?」その日のもスナック「リボン」で二人はデートしていた。

明美は、過酷な職場のストレス解消のために、ワインを飲んでいた。

「命題?」問われた将司は、言葉が詰まる。

明美には、明快な目的があったのだ。

それは、あくまでも恋愛感情を起点にするもではなく、彼女が信奉する宗教団体へ彼を折伏するのであったのだ。

その折伏を契機として、彼は彼女から離脱していくのである。
 
参考
 
折伏とは「真実を語る」ことである。
人間の生命の真実を説いているのが「折伏の経典」と呼ばれる法華経。
折伏とは、つまり法華経の真髄である「南無妙法蓮華経」のすばらしさを 説くこと。
 
命題とは、正しいか正しくないかが明確に決まる文や式のこと。

 命題は、内容が正しい場合、その命題は真であるといい、一方、内容が正しくない場合、その命題は偽であるという。

参考

1968年「夜勤は2人以上 月8回以内」をの命題を掲げて、看護師増員を求めて看護師達が行ったストライキが行われた。

一方では、島田明美が信奉する宗教団体では、慈悲の看護の実践者を標榜する「白樺会」が発足されていた。

慈悲の看護の実践者「白樺会」は、 「生命尊厳の世紀」の太陽と輝くとして、 3月21日が発足の記念日である。

2024年の本年は、創立者が「白樺」と命名して55年の節を刻む。

厳しい環境にあっても、強く美しく、凜として立つ「白樺の木」の清楚で気品あるたたずまいが、「抜苦与楽」の看護に従事する女性たちに重なると考えられ、「白樺」との名称とした。

抜苦与楽(ばっくよらく)とは、苦しみを取り除き、安楽を与えることを意味する四字熟語で、仏教用語。

“慈悲の看護の実践者”の白樺の使命「一人の生命を守り、慈しむ心は、そのまま、強き“平和の心”となる」と強調されている。

現代は医療の進歩により、専門性の高い看護も求められ、分野によっては専門看護師・認定看護師が誕生している。 在宅医療の拡大に伴い、訪問看護師の需要も高まっている。

<絶対に孤独にさせない>と祈り、訪問し続ける。

希望を見いだせるまで諦めない――そんな思いで、今日も患者さんの元へ向かう白樺の友が全国にたくさんいる。

「わが使命として/病める人/心の傷ついている人を/どうか 励ましていただきたい」との創立者の指導を抱き締め、看護の道を歩んできた。

これからも励まし合い、切磋琢磨しながら、妙法の看護者として成長していく―としている。 


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