レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

私は失敗した! – 昭和教育の盲点

2020-09-06 00:00:00 | 日記
「想像を超える勢力」を持つとかいう台風10号が、九州に接近していると聞いています。春からの疫病、夏の豪雨と今年は、特に九州地方の方々には繰り返しのダメージになっていました。この台風による被害が、出来る限り最小のものとなることを願っております。

私などが言うのも場違いですが、大事をとってすべてを準備し、避難されますよう。

さて、コテっと忘れていましたが、このマイナーブログ、先月の末で開始以来の八周年を迎えていました。細々とでも八年間続いているのは、ひとえに訪ねてくださる皆様のおかげです。深く感謝いたします。m(_ _)m

始めのうちは毎日更新していましたが、だんだんペースが落ちて、というよりは適切なペースを見つけ、現在は基本週一回の更新に落ち着いています。

平均週一でも八年間のうちに591回の更新をした、という記録になっています。で、正直に言いますが、自分でもこれまでに書いたすべての記事を記憶しているわけではないのです。

特に理由のない限り、なるべく重複したことを書くのは避けようとしているのですが、どうしても繰り返しは起こってしまっていると思います。繰り返しを見つけられることがありましても、老人をいたわる気持ちで大目にみてあげてください。




セルヤランドゥスフォスという滝 清涼感もアップ
Myndin er eftir Andrey_andreyev@Unsplash


さて、今回書こうと思っていることも、実は以前に書いたことがある記憶のあるトピックです。外国の地名や人名の日本語での読み方についてなのですが、これはアイスランドの地名に関しては書いた記憶がはっきりと残っています。

それで、一応事前に何を書いたかチェックしておこうと思ったのですが、見つけられませんでした。そこで、今回の記事は今回の記事としてお読みくださいますよう。よろしくです。

このブログでは、もちろんアイスランドの地名や人名に触れることが毎回のようにあるわけですが、日本語の仮名表記にする際には、なるべく「こっちっぽい」表記にするように気をつけています。

よく触れるランドマーク的なHallgrims教会。アイスランド語っぽく読んでいただけるように「ハットゥルグリムス教会」といつもしています。

この教会名、ツーリストの人が呼ぶ時にはたいてい「ハルグリム」とか「ホルグリム」となります。英語読みですよね。国際的な通用度からは間違いではないでしょうが、このブログでは面白味が減少します。

また、地名でSeljalandというところが南部にあります。そこにある滝Seljalandsfossは観光スポットになっています。これは「セルヤランドゥスフォス」とするのが「こっちっぽい」というか、正解です。

以前、日本の某国営放送が「セリャランズフォス」と訳そうとしたそうなのですが、アイスランド滞在経験のあるスタッフの頑張りで正しく訂正されたそうです。

この言葉の場合は「セルヤ(コテッジのような小屋)」「ランドゥス(土地)」「フォス(滝)」というみっつの言葉の連語なのですが、SeljaはSelという語の連語形で「セルヤ」と発音します。これを「セリャ」としたがるのも英語式なんでしょうが、元の言葉の成り立ちを無視しすぎのように思えます。

ですから、現地の言葉の読み方と、国際的に通用する読み方の間には往々にしてギャップがありますし、これをうまく一致させるのはもともと無理なことです。そこで必要なことが「妥協点」というか、良い「あんばい」を見つけ出すことになります。




ランドマーク化したハットゥルグリムス教会
Myndin er eftir Ferdinand_stohr@Unsplash


さて、今回書きたかったのは、実はアイスランドの地名・人名のことではなく、漢字名の読み方についてです。具体的に言うと中国人名、あるいは時に韓国、北朝鮮の人に名前になります。

最近は変わってきているように思えるのですが、私が日本に住んでいた頃には、まだ中国の人の名前でも、韓国や北朝鮮の人の名前でも、それが漢字で表記されている限り、日本語の漢字読みが原則でした。

例えばかつての中国のリーダー毛沢東氏は「もうたくとう」、鄧小平氏は「とうしょうへい」でした。韓国の元大統領の金大中氏は「きんだいちゅう」でしたし、北朝鮮の独裁者金日成氏は「きんにっせい」という具合。

私はこのまんまで世界史(チョウ苦手科目)を学び、また日本のメディアに接していました。日本でなら、それで支障はなかったのです。

それが、アイスランドへ移ってきてから、世界情勢の話題とかで中国やアジアについて触れられた時、アイスランド人が「中国はマオがねえ...」とか言い始めました。

「えっ!? いきなり大地真央?なんで?」と私。今の方なら浅田真央さんなのでしょうが、私にとっては「マオ」の変換のトップは当時も今も大地真央さんなのでした。

このアイスランドの方が言及した「マオ」はもちろん毛沢東氏のことでした。毛沢東氏の名前は英語表記にすると、Maó Zedongです。読み方は英語ではマオ・ゼイドンですが、中国語ではツェードンみたいな発音らしいですね。

いずれにしても、中国名をいつも日本語で読んでいた私にとって、英語での呼び方はまさしく盲点、ブラックホールなのでした。

ちなみに鄧小平氏はDeng Xiaopingデン・シャオピング、現在の国家主席である習近平氏はXi Jingpingでだいたいシ・ジンピンのような発音になります。だから、英語表記はやはり中国語の発音を再現しようとしているのでしょうから、日本での「音読み」みたいになるわけですよね。

これは、私にとってはかなり痛手の盲点で、「えっ? Maoを知らないのか?」とかなってしまうと、もう現代の常識人からはずされたようになってしまいました。




私の「マオ」は大地真央さん
Myndin er ur Takarazuka_an.co.jp


最近の日本のニュースを見ていると、アナウンサーの人たちも現地読みの名前をつかうようになっているのでしょうか?韓国や北朝鮮の要人のニュースの場合は、現地読みのように感じるのですが、中国の場合は相変わらず日本読みではありませんか?この点、ちょっと不確かです。すみません。

先日の香港の民主化活動家のアグネス周庭Agnes Chow Tingさんのニュースでは、大方は「チョウ」さんとなっていて、「しゅう」さんではなかった気がしますが。まあ、彼女の場合はアグネスという英名があるので、そちらが一番使われていたのかな?

人名は、国によってというか、言葉によって呼び方が変わることは皆知っていますよね。欧米関係ではそんなに問題はないと思うのです。歴史の勉強とかを通しても、フランク王国のシャルル大帝はカール大帝でもあるし、英語読みではチャールズ大帝ともなるとか。

ついでに、コロンビアのサッカー代表ハメス・ロドリゲス選手のハメスはJamesですし、ガッツ石松に勝ったボクサー、エステバン・デ・ヘスス(プエルトリコ、のちに殺人罪で服役)のヘススはJesusです。スペイン語圏では、平気でJesusジーザスを名前に付けますね。




「民主化の女神」アグネス・チョウ・ティングさん
Myndin er ur Youtube.com


元に戻って、それが中国語とかハングル語の名前となると、これは日本人にとっては気を付けなければならない点だと思います。漢字名の名前は、音読みから想像することは多少できましょうが、耳から聞いただけでは絶対にわかりません。知識として知っておく必要があります。

現在の教育やマスコミの現場では、そのことを踏まえた上での原則はあるのだろうと想像しますが、それ以前に教育を受けたおじさん、おばさんたちはこの点を一考されることをお勧めします。

もし、英語でのコミュニケーションを体験されることがある場合には、漢字人名の再学習も必要なことがあろうかと思います。

これは私の失敗体験からのアドバイスということになります。これから中国や韓国の方の名を口にしたり、耳にしたりする機会はますます増えていくことでしょうから、「転ばぬ先の杖」としてくださいませ。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Home Page: www.toma.is




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