名前の呼び方というものは一般にその社会での文化や習慣にとても影響されるものだと思います。そしてなおかつ個人と個人の間の関係に直接影響を持つ第一歩なので、わりとセンシティブなものにもなり得るもののようです。
全くそれまで面識がない人同士であれば、普通の行儀作法に従っていればそれ以上にセンシティブなことなどがないのでしょうが、多少面識がある人の場合、名前の呼び方というのはある意味お互いの関係の距離や親しさを測るメジャーのような側面があるので、ちょっと神経質にならざるをえない。日本人の感覚としてはそういうものがあるのではないでしょうか?
アイスランドでは一般には仕事でもプライベートでもファーストネーム・オンリーが原則です。「Mr.Toma」のように姓にMr(アイスランド語ではHerra)を冠せることはよほどのフォーマルな場であるか、おふざけかどちらかです。
私の仕事の場では「Sr.Toshiki」(Sr.は英語のsirと同じ由来のことばですが、牧師に対する敬称として用いられます)と紹介されることも、時々はありますが、それでも「やめてよ、よそよそしい」という感じになります。
年齢やポジションを越えての「ファーストネーム・オンリー」に慣れるには年月を費やしましたが、慣れてしまうとそれが自然なものになってきます。
さて、アイスランドでの日本人コミュニティは多く見て80人ほどの小社会なのですが、邦人の間でのお互いの名前の呼び方というのが面白い気がします。上述のアイスランド社会での平たい呼称と、日本社会での年齢やポジションに気を遣っての呼び方との珍妙なミックスのような気がするのです。
自分自身と周囲の皆さんの実際を振り返ってみると、まず女性のことは誰であれファーストネームに「さん」をつけて呼びます。年上、年下関係ありません。ちなみにここの邦人コミュニティは8割方が女性で男性は2割ほどです。
あまりにもそれが当たり前なので、時々旅行者の女性の方などと知り合う機会があった時なども、即「レイコさん」などと呼びかけてしまいます。馴れ馴れしい奴だ、とヒンシュクを買っているかもしれません。
ところが逆に男性に呼びかける場合は名字プラス「さん」が普通です。これは私が呼びかける際だけではなく、他の邦人女性が私や他の邦人男性に呼びかける時も名字が一般的です。誰かに「トシキさん」と呼びかけられることは全くないですし、他の男性が「ノブヤスさん」とか呼ばれているのを目撃したこともありません。
なんででしょうねえ?きっとここにアイスランド社会の習慣と、日本から持ち寄っている習慣との融合線があるのではないかと思います。それでみんなに取って「まるく納まる」妥協習慣が生まれてきたのではないかと。
ただここで例外的な存在なのが日本からの交換学生の皆さんや私たちの子供たちなどです。見ていると交換学生の皆さんの間では男女を問わず「ファーストネーム+さん」が普通のようですし、私たちが学生の皆さんを呼ぶ時も同じようにしています。(ただし「XX君」というか「XXさん」というか、「○○さん」か「○○ちゃん」かでの「差別化」はあります)
これも誰が決めたわけでもないのに、きちんとあたかもそうするのが当然、というように公式化しているのが面白い点です。
私たちの子供たちに対しても同じことがいえますが、これは皆小さい時からの顔見知りなので当然というか十分納得できるものと思います。
ちょっと前にFacebookで若い女性の皆さんに「トシキさん」と呼んで!とふざけてお願いしたら、ノリのいい方が何人かそう呼んでくれました。ウーン、悪くはないですねエ、そういうのも。自分より「若い」というのが肝心です。じゃないと身内の叔母さん小言をいただくテイになってしまいますから。
アイスランド邦人会の新ルール提案。「女性は年長の男性をファーストネーム+さん」で呼ぶこと!
即日フェミニスト協会から吊るし上げられるでしょう。提案撤回...
*今月からブログのアップは三日ごとにするつもりです。よろしくお願いします。
応援します、若い力。Meet Iceland
全くそれまで面識がない人同士であれば、普通の行儀作法に従っていればそれ以上にセンシティブなことなどがないのでしょうが、多少面識がある人の場合、名前の呼び方というのはある意味お互いの関係の距離や親しさを測るメジャーのような側面があるので、ちょっと神経質にならざるをえない。日本人の感覚としてはそういうものがあるのではないでしょうか?
アイスランドでは一般には仕事でもプライベートでもファーストネーム・オンリーが原則です。「Mr.Toma」のように姓にMr(アイスランド語ではHerra)を冠せることはよほどのフォーマルな場であるか、おふざけかどちらかです。
私の仕事の場では「Sr.Toshiki」(Sr.は英語のsirと同じ由来のことばですが、牧師に対する敬称として用いられます)と紹介されることも、時々はありますが、それでも「やめてよ、よそよそしい」という感じになります。
年齢やポジションを越えての「ファーストネーム・オンリー」に慣れるには年月を費やしましたが、慣れてしまうとそれが自然なものになってきます。
さて、アイスランドでの日本人コミュニティは多く見て80人ほどの小社会なのですが、邦人の間でのお互いの名前の呼び方というのが面白い気がします。上述のアイスランド社会での平たい呼称と、日本社会での年齢やポジションに気を遣っての呼び方との珍妙なミックスのような気がするのです。
自分自身と周囲の皆さんの実際を振り返ってみると、まず女性のことは誰であれファーストネームに「さん」をつけて呼びます。年上、年下関係ありません。ちなみにここの邦人コミュニティは8割方が女性で男性は2割ほどです。
あまりにもそれが当たり前なので、時々旅行者の女性の方などと知り合う機会があった時なども、即「レイコさん」などと呼びかけてしまいます。馴れ馴れしい奴だ、とヒンシュクを買っているかもしれません。
ところが逆に男性に呼びかける場合は名字プラス「さん」が普通です。これは私が呼びかける際だけではなく、他の邦人女性が私や他の邦人男性に呼びかける時も名字が一般的です。誰かに「トシキさん」と呼びかけられることは全くないですし、他の男性が「ノブヤスさん」とか呼ばれているのを目撃したこともありません。
なんででしょうねえ?きっとここにアイスランド社会の習慣と、日本から持ち寄っている習慣との融合線があるのではないかと思います。それでみんなに取って「まるく納まる」妥協習慣が生まれてきたのではないかと。
ただここで例外的な存在なのが日本からの交換学生の皆さんや私たちの子供たちなどです。見ていると交換学生の皆さんの間では男女を問わず「ファーストネーム+さん」が普通のようですし、私たちが学生の皆さんを呼ぶ時も同じようにしています。(ただし「XX君」というか「XXさん」というか、「○○さん」か「○○ちゃん」かでの「差別化」はあります)
これも誰が決めたわけでもないのに、きちんとあたかもそうするのが当然、というように公式化しているのが面白い点です。
私たちの子供たちに対しても同じことがいえますが、これは皆小さい時からの顔見知りなので当然というか十分納得できるものと思います。
ちょっと前にFacebookで若い女性の皆さんに「トシキさん」と呼んで!とふざけてお願いしたら、ノリのいい方が何人かそう呼んでくれました。ウーン、悪くはないですねエ、そういうのも。自分より「若い」というのが肝心です。じゃないと身内の叔母さん小言をいただくテイになってしまいますから。
アイスランド邦人会の新ルール提案。「女性は年長の男性をファーストネーム+さん」で呼ぶこと!
即日フェミニスト協会から吊るし上げられるでしょう。提案撤回...
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