始めは暖かかった五月ですが、二週目に入り多少勢いが鈍化し、肌寒い日に戻ってしまいました。それでも、例年以下ということはないようです。
レイキャビクのダウンタウンは市の古い部分で、一戸建ての家や長屋的住居がごちゃごちゃと並んでいる地域が多いです。「一戸建て」といっても、ダウンタウンでは多くの家が二世帯三世帯用の家で、「一家庭の一軒家」ではありません。
また「ごちゃごちゃ」も東京の下町のようではなく、一応整然とはしているといって良いでしょう。ちなみに、東京を訪れたアイスランド人の中には、家並みの独創的な「ごちゃごちゃ」感に度肝を抜かれる人が少なくないようです。
こちらの家はかなりカラフルに外壁をペイントしますので、天気の良い日には赤、黄色、青、白などの色々が立ち並び、結構楽しい絵になります。市民は結構「家をきちんと管理する」意識が強く、ペンキが剥げ落ちたような状態が長く続くと、市から改善勧告が届いたりします。
カラフルなレイキャビクの街並み
Myndin er ur Pressan.is
さて、このカラフルな街並みに、いつ頃からだったかはっきり覚えていないのですが、ある「侵略者」が出没するようになり、現在ではかなりな問題になりつつあります。
これはレイキャビクだけの話しではなく、私が覚えている始めのニュースは南部か東部の町での話しでした。その侵略者なのですが、こちらの言葉でMygla(複数形を使うのが普通でMyglur)ミグラといい、カビというかきのこというか、いわゆる「菌類」です。
家屋の湿気のあるところに出没し始める、というのは我々日本人にも馴染みのあるところです。アイスランドは気候的にはかなり乾燥している土地だと思いますが、やはり雨や雪の関係で、家屋のある部分が湿気を持つことは不思議ではないでしょう。
ですが腑に落ちないのは、それだったら過去を遡っても同じ条件で、別に目新しいことではないはずなのですが、このミグラが問題になってきたのはここ数年のことのようなのです。ここ数年のある時点で、海外からミグラの菌が入ってきたということなのでしょうか?あり得なくはないですよね。
で、ミグラが出てくるとどうなるのか?
ミグラの例 「オエッ」なので小さめにアップ
Myndin er ur Kvennabladid.is
家屋の問題としては、ミグラよりも湿気の方がダメージの元になるようです。家の梁や壁が湿気によって、腐ったり劣化するのは大きなダメージの原因になります。「雨漏り」「水漏れ」には、こちらの人はかなり神経質になります。
ですが、ミグラの問題は家屋そのものよりは、住人の健康への悪影響です。実際、当初よりニュースの焦点は家屋の損害ではなくて、そこの住人がどのように病気になったり、どんな症状が出たり、ということに置かれていました。
サイトで調べてみたのですが、このミグラが特定の一種類の菌なのか、複数の菌があるのかははっきりしません。ただ「ミグラ」と一喝されてしまっています。(そこまで徹底的には調べていませんので悪しからず)
ところが健康への害悪は多種多様で、例えば成人への影響の特徴として挙げられているのが、疲れ、頭痛、咳、消化器官の問題、ウツ、肌の炎症、歯痛、喉の炎症、さらにひどくなると、肺への炎症、脳障害等々、なんでもござれの感がします。
子供への影響は、ほとんど重なるものが多いのですが、喘息、足や関節の痛み、鼻水、落ち着きがなくなる、成長障害なども挙げられています。
これらの悪影響は、ミグラが飛ばす「胞子」によって引き起こされるらしいのですが、胞子はミクロン単位の大きさだそうで、なかなか防ぐのが難しいようです。よって、ミグラが発見されると住人は退避を余儀なくされます。
先の二月にコーパヴォーグルの町にある小学校でこのミグラが発見され、ニュースになりました。子供を預かる学校ですから、当然きちんとした改善を余儀なくされ、町長は「緊急予算を組まなければならない。ディザスターだ」と嘆いていました。
他にもソーシャルオフィスの入っている建物がミグラに侵食され、一時的に業務を他の場所へ移したりということもありましたし、あのハットゥルグリムス教会でもミグラが出て、只今一部を改築中のようです。
しかし、もっと問題なのは個人宅の場合です。
今回、ミグラについて関心を持たされたのは、実はある友人宅でこのミグラが出てしまい、大騒ぎになったからなのです。イースーター直前に家の壁が一部崩れてしまい、それは湿気によるダメージだったのですが、その際に壁の裏側にミグラが見つかったのです。
「自分も子供たちも、冬の間具合が悪くなることが多かった。頭痛や喘息のような症状が出て。これでその理由がわかった」ということでしたが、とにかく速攻で親戚宅に避難。
それから短期間、別のアパートを借りたようですが、今の時勢、借り屋はものすごく高いのです。壁の修復にもお金はかかるし、ということで、ミグラを一掃してから戻ってきましたが、まだ問題はあります。
「これで本当にミグラが一掃されたのか、もう健康に害はないのか、調べようがない」というのです。
「これだけニュースになっているのだから、誰か専門家がいるだろう」と思って、自分でも調べたわけです。確かにアドヴァイザーはあちこちにいるのですが、「ミグラ、任せなさい!」というような駆除業者は見当たらないのです。これには、ビックリというかガックリ。
考えてみると、我が古アパートもミグラのターゲットになっているかも。でも四階だから多少有利か?いや、雨は上から降るからな... 心配になってきました。でもオラ、日本人だしカビキノコには免疫が強いかも。なんていうことはあるのでしょうか?
国でも市でもいいから、保健衛生担当と住居担当の係りは、きちんとしたガイダンスと対処法を早急に確立してほしいものです。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
レイキャビクのダウンタウンは市の古い部分で、一戸建ての家や長屋的住居がごちゃごちゃと並んでいる地域が多いです。「一戸建て」といっても、ダウンタウンでは多くの家が二世帯三世帯用の家で、「一家庭の一軒家」ではありません。
また「ごちゃごちゃ」も東京の下町のようではなく、一応整然とはしているといって良いでしょう。ちなみに、東京を訪れたアイスランド人の中には、家並みの独創的な「ごちゃごちゃ」感に度肝を抜かれる人が少なくないようです。
こちらの家はかなりカラフルに外壁をペイントしますので、天気の良い日には赤、黄色、青、白などの色々が立ち並び、結構楽しい絵になります。市民は結構「家をきちんと管理する」意識が強く、ペンキが剥げ落ちたような状態が長く続くと、市から改善勧告が届いたりします。
カラフルなレイキャビクの街並み
Myndin er ur Pressan.is
さて、このカラフルな街並みに、いつ頃からだったかはっきり覚えていないのですが、ある「侵略者」が出没するようになり、現在ではかなりな問題になりつつあります。
これはレイキャビクだけの話しではなく、私が覚えている始めのニュースは南部か東部の町での話しでした。その侵略者なのですが、こちらの言葉でMygla(複数形を使うのが普通でMyglur)ミグラといい、カビというかきのこというか、いわゆる「菌類」です。
家屋の湿気のあるところに出没し始める、というのは我々日本人にも馴染みのあるところです。アイスランドは気候的にはかなり乾燥している土地だと思いますが、やはり雨や雪の関係で、家屋のある部分が湿気を持つことは不思議ではないでしょう。
ですが腑に落ちないのは、それだったら過去を遡っても同じ条件で、別に目新しいことではないはずなのですが、このミグラが問題になってきたのはここ数年のことのようなのです。ここ数年のある時点で、海外からミグラの菌が入ってきたということなのでしょうか?あり得なくはないですよね。
で、ミグラが出てくるとどうなるのか?
ミグラの例 「オエッ」なので小さめにアップ
Myndin er ur Kvennabladid.is
家屋の問題としては、ミグラよりも湿気の方がダメージの元になるようです。家の梁や壁が湿気によって、腐ったり劣化するのは大きなダメージの原因になります。「雨漏り」「水漏れ」には、こちらの人はかなり神経質になります。
ですが、ミグラの問題は家屋そのものよりは、住人の健康への悪影響です。実際、当初よりニュースの焦点は家屋の損害ではなくて、そこの住人がどのように病気になったり、どんな症状が出たり、ということに置かれていました。
サイトで調べてみたのですが、このミグラが特定の一種類の菌なのか、複数の菌があるのかははっきりしません。ただ「ミグラ」と一喝されてしまっています。(そこまで徹底的には調べていませんので悪しからず)
ところが健康への害悪は多種多様で、例えば成人への影響の特徴として挙げられているのが、疲れ、頭痛、咳、消化器官の問題、ウツ、肌の炎症、歯痛、喉の炎症、さらにひどくなると、肺への炎症、脳障害等々、なんでもござれの感がします。
子供への影響は、ほとんど重なるものが多いのですが、喘息、足や関節の痛み、鼻水、落ち着きがなくなる、成長障害なども挙げられています。
これらの悪影響は、ミグラが飛ばす「胞子」によって引き起こされるらしいのですが、胞子はミクロン単位の大きさだそうで、なかなか防ぐのが難しいようです。よって、ミグラが発見されると住人は退避を余儀なくされます。
先の二月にコーパヴォーグルの町にある小学校でこのミグラが発見され、ニュースになりました。子供を預かる学校ですから、当然きちんとした改善を余儀なくされ、町長は「緊急予算を組まなければならない。ディザスターだ」と嘆いていました。
他にもソーシャルオフィスの入っている建物がミグラに侵食され、一時的に業務を他の場所へ移したりということもありましたし、あのハットゥルグリムス教会でもミグラが出て、只今一部を改築中のようです。
しかし、もっと問題なのは個人宅の場合です。
今回、ミグラについて関心を持たされたのは、実はある友人宅でこのミグラが出てしまい、大騒ぎになったからなのです。イースーター直前に家の壁が一部崩れてしまい、それは湿気によるダメージだったのですが、その際に壁の裏側にミグラが見つかったのです。
「自分も子供たちも、冬の間具合が悪くなることが多かった。頭痛や喘息のような症状が出て。これでその理由がわかった」ということでしたが、とにかく速攻で親戚宅に避難。
それから短期間、別のアパートを借りたようですが、今の時勢、借り屋はものすごく高いのです。壁の修復にもお金はかかるし、ということで、ミグラを一掃してから戻ってきましたが、まだ問題はあります。
「これで本当にミグラが一掃されたのか、もう健康に害はないのか、調べようがない」というのです。
「これだけニュースになっているのだから、誰か専門家がいるだろう」と思って、自分でも調べたわけです。確かにアドヴァイザーはあちこちにいるのですが、「ミグラ、任せなさい!」というような駆除業者は見当たらないのです。これには、ビックリというかガックリ。
考えてみると、我が古アパートもミグラのターゲットになっているかも。でも四階だから多少有利か?いや、雨は上から降るからな... 心配になってきました。でもオラ、日本人だしカビキノコには免疫が強いかも。なんていうことはあるのでしょうか?
国でも市でもいいから、保健衛生担当と住居担当の係りは、きちんとしたガイダンスと対処法を早急に確立してほしいものです。
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます