アイスランドでは、五月に入ると今までとは一変して「夏っぽい」というか暖かい日々を迎えています。先週の木曜、金曜などには東部、北部の地方では気温二十度を越すかどうか?というところまでいきました。
アイスランドは「島」ですので、天気が良いか悪いかで、印象はもちろんのこと、実際にどのように一日を楽しめるかが変わってきます。
日本からいらっしゃるツーリストの皆さんは、おそらく数日から長くとも一週間くらいの滞在の方がほとんどではないかと推します。ですから、天気の良い時に来た方は「ラッキー!」ですし、天気が悪い時にぶつかってしまった人は「まあ、これも旅の醍醐味ですから...」と、言う側も白々しさを覚える慰めを受ける羽目になります。
さて、天気が良いと嬉しくなるのは、ツーリストの方だけではなく、住民も同じことです。単純な脳構造を持つ私も、先週は主に天候の温暖さの故に機嫌良く過ごすことができました。
実はそこにプラスアルファもあったんです。それは金曜日に、ハットゥルグリムス教会で日本人のツーリストのカップルの結婚式があったのですが、そのカップルの両人がとても感じの良い方で、とても気持ちの良い式になったことです。
ツーリストスポットにもなっているハットゥルグリムス教会は、かなり大き目の教会なのですが、そこに新郎新婦のふたりと私、オルガニスト、カメラマン役を務める旅行代理店のスタッフふたり、計六人のみという、ミニマムに近い少人数の式でした。
このおふたりは、入籍は日本で済ませているということでしたので、結婚式といっても書類仕事のない「祝福式」でした。アイスランドでは約束の交換により婚姻が成立しますので、本来の結婚式の場合は、ふたりの「証人」の立ち合いが必要になり、挙式敢行最低人数は五人になります。実際は奏楽やカメラもあるのが常ですから、どんなに少なくとも参列者数は七、八人にはなるのが普通です。
ランドマーク的になったHallgrimskirkja
私自身は邦人カップルの方の挙式は、毎年何組か担当します。以前、そのことを書いたことがありますので、合わせて目を通して頂けると幸い。
サッポロ北街ひとり日誌(6)- 新婚さんいらっしゃい
サッポロ北街ひとり日誌(7)- 新婚さんまた来てね
数年前にも書きましたように、日本からのツーリストの方がアイスランドでの挙式を希望される場合、大別してふたつの方法があります。ひとつは旅行代理店を通して「パック」ツアー的に計画する方法。もうひとつは自分で段取りを立てて、オルガナイズする方法です。
「自分で段取りをつける」ことを選ぶ方も時にはありますので、ここではその際のポイントを簡単にご紹介したいと思います。
始めにひとつだけ。よっぽどの理由がない限り、入籍は日本で済ませ、こちらでは祝福式を持たれることをお勧めします。祝福式の内容は結婚式とまったく同じですし、「法的婚姻の成立」をこちらですると、煩雑で時間の制約のある書類事務がごっそりついて来てしまいますから。
1)日時を決定。これが決まらないと先へ進みません。同時に場所、つまり田舎の教会がいいか、レイキャビク近郊がいいかも決まっていると都合がいいです。
2) 信頼できる牧師に式を依頼する。日本の皆さんは、こちらに牧師の知り合いがいるということはまずないと思います。ですからこちらの教会宛(中央事務局)にメイルを送り、牧師の紹介を依頼するといいかと思います。
まず間違いなく私のところへその依頼は回って来ますので、始めから私に連絡していただいた方が早いかもしれませんが、私がいない時期もありますので、教会事務所宛に連絡される方が安全かもしれません。
教会事務所についてはこちら(住所、メルアドは一番下)
その際に日本語での式を希望するか、英語での式を希望するかを決めておいた方がいいでしょう。日本語での式ですと、選択の幅が狭くなり、要するに私しかいません。(^-^;
「英語で構わないし、せっかく外国へ行くのだから、外人っぽい牧師の方が良い」という向きは、より多くの選択肢を得られます。
稀に「あなたはクリスチャンか?」と、「そうでなければ引き受けない」オーラで訊いてくる牧師さんがいるかもしれません。クリスチャンではない方の場合は、「そうではないけど関心を持っています」と言えば、十中八九大丈夫でしょう。
3)教会を決定。これには牧師さんの協力が必要になります。例えば私が相談を受けた場合には、めぼしい教会の写真を見れるリンクなどをご紹介し、希望する教会のリストを作ってもらったりします。
見た目には素敵でも、挙式の際には使い出の悪い教会もありますので、ここは牧師さんの意見も参考にしていただきたいところです。
4)オルガニストの選定。これはほぼ自動的に牧師さんの推薦というか、お任せにするのが良いと思います。
Hallgriskirkja内部 大きなパイプオルガンも魅力のひとつ
以上がメインの項目で、他に特に希望すること等がある場合には、担当の牧師さんと相談していただくことになります。
5)メインではないけど絶対必要なこともあります。ブーケの依頼をする花屋さん探し、式前のヘアセットのお店の確保、カメラマンの予約等です。これはなかなか流動的な項目で、担当牧師さんがそういうネットワークを持っていれば楽ですが、そうでない場合は牧師さんから情報をもらい、個別にチェックしていくことになります。
ホテルなどは、業務上花屋さんやヘアサロンと繋がっていることが多いですから、予約したホテルに問い合わせてみるのも手かもしれません。
最後に気になるのは予算ですよね。どれくらいの「かかり」がするものなのか?参考のために教会関係の項目だけ、出費のメドを示してみたいと思います。
まず、教会のハウスキーパーの人への謝礼が約10.000ー15.000クローナ(現在のところ大体1.000円=1.000クローナ)。ちょっとビックリなのではないかと思うのですが、いわゆる「場所賃」といういうようなものはありません。教会使用料は原則タダです。(例外的にHallgrims教会は挙式使用料が2万クローネかかります)
オルガニスト謝礼が20.000から30.000クローナ。オルガニストさんへの謝礼は、曲数が増えるとその分増えていきます。少人数のコーラスを依頼することも可能ですが、これは一人当たり10.000クローナくらいかかるようですので、四人のカルテットとしても40.000クローナになります。他に比して割高。
牧師謝礼、これは難しい。料金表によると牧師の謝礼は約12.000クローナなのですが、エクストラな頼みごとがあった場合などには多少の上乗せがあります。私のように正直な牧師さんの場合は、普通12.000クローナ、その他の情報提供等のお助けがある場合には20.000クローナです。
ところが、外国人相手に「ふっかける」牧師さんもあるようで。嘆かわしいことですが、謝礼が30.000を超えたら「アヤシイ」と思ってください。実際そういうのは懲罰もんだと思うのですけどね... もっとも日本では、友人の牧師が「挙式謝礼は時に300.000」!とか言っていましたから、それに比べたら河童の屁ですね。
こちらでは、結婚式はいまだ教会の範疇にある宗教儀式で、そこに地方法務官が行う「シビル結婚式」(無宗教で、判事が担当するような挙式)が割り込んでいる感じです。どこで式を挙げるにしても「牧師の振りをした実はバイト」の人はあり得ません。その点はご心配なく。
旅行代理店を通してのパッケージWedding tourがどのくらいの費用のものなのか、まったく存じませんが、おそらく相当かかるのではないかと想像します。
ご自分でオルガナイズするのは、大変ではあるでしょうが、費用面ではずっと抑えられる結果となるでしょう。
挙式を考えられている方、アイスランドはいかがですか?
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
アイスランドは「島」ですので、天気が良いか悪いかで、印象はもちろんのこと、実際にどのように一日を楽しめるかが変わってきます。
日本からいらっしゃるツーリストの皆さんは、おそらく数日から長くとも一週間くらいの滞在の方がほとんどではないかと推します。ですから、天気の良い時に来た方は「ラッキー!」ですし、天気が悪い時にぶつかってしまった人は「まあ、これも旅の醍醐味ですから...」と、言う側も白々しさを覚える慰めを受ける羽目になります。
さて、天気が良いと嬉しくなるのは、ツーリストの方だけではなく、住民も同じことです。単純な脳構造を持つ私も、先週は主に天候の温暖さの故に機嫌良く過ごすことができました。
実はそこにプラスアルファもあったんです。それは金曜日に、ハットゥルグリムス教会で日本人のツーリストのカップルの結婚式があったのですが、そのカップルの両人がとても感じの良い方で、とても気持ちの良い式になったことです。
ツーリストスポットにもなっているハットゥルグリムス教会は、かなり大き目の教会なのですが、そこに新郎新婦のふたりと私、オルガニスト、カメラマン役を務める旅行代理店のスタッフふたり、計六人のみという、ミニマムに近い少人数の式でした。
このおふたりは、入籍は日本で済ませているということでしたので、結婚式といっても書類仕事のない「祝福式」でした。アイスランドでは約束の交換により婚姻が成立しますので、本来の結婚式の場合は、ふたりの「証人」の立ち合いが必要になり、挙式敢行最低人数は五人になります。実際は奏楽やカメラもあるのが常ですから、どんなに少なくとも参列者数は七、八人にはなるのが普通です。
ランドマーク的になったHallgrimskirkja
私自身は邦人カップルの方の挙式は、毎年何組か担当します。以前、そのことを書いたことがありますので、合わせて目を通して頂けると幸い。
サッポロ北街ひとり日誌(6)- 新婚さんいらっしゃい
サッポロ北街ひとり日誌(7)- 新婚さんまた来てね
数年前にも書きましたように、日本からのツーリストの方がアイスランドでの挙式を希望される場合、大別してふたつの方法があります。ひとつは旅行代理店を通して「パック」ツアー的に計画する方法。もうひとつは自分で段取りを立てて、オルガナイズする方法です。
「自分で段取りをつける」ことを選ぶ方も時にはありますので、ここではその際のポイントを簡単にご紹介したいと思います。
始めにひとつだけ。よっぽどの理由がない限り、入籍は日本で済ませ、こちらでは祝福式を持たれることをお勧めします。祝福式の内容は結婚式とまったく同じですし、「法的婚姻の成立」をこちらですると、煩雑で時間の制約のある書類事務がごっそりついて来てしまいますから。
1)日時を決定。これが決まらないと先へ進みません。同時に場所、つまり田舎の教会がいいか、レイキャビク近郊がいいかも決まっていると都合がいいです。
2) 信頼できる牧師に式を依頼する。日本の皆さんは、こちらに牧師の知り合いがいるということはまずないと思います。ですからこちらの教会宛(中央事務局)にメイルを送り、牧師の紹介を依頼するといいかと思います。
まず間違いなく私のところへその依頼は回って来ますので、始めから私に連絡していただいた方が早いかもしれませんが、私がいない時期もありますので、教会事務所宛に連絡される方が安全かもしれません。
教会事務所についてはこちら(住所、メルアドは一番下)
その際に日本語での式を希望するか、英語での式を希望するかを決めておいた方がいいでしょう。日本語での式ですと、選択の幅が狭くなり、要するに私しかいません。(^-^;
「英語で構わないし、せっかく外国へ行くのだから、外人っぽい牧師の方が良い」という向きは、より多くの選択肢を得られます。
稀に「あなたはクリスチャンか?」と、「そうでなければ引き受けない」オーラで訊いてくる牧師さんがいるかもしれません。クリスチャンではない方の場合は、「そうではないけど関心を持っています」と言えば、十中八九大丈夫でしょう。
3)教会を決定。これには牧師さんの協力が必要になります。例えば私が相談を受けた場合には、めぼしい教会の写真を見れるリンクなどをご紹介し、希望する教会のリストを作ってもらったりします。
見た目には素敵でも、挙式の際には使い出の悪い教会もありますので、ここは牧師さんの意見も参考にしていただきたいところです。
4)オルガニストの選定。これはほぼ自動的に牧師さんの推薦というか、お任せにするのが良いと思います。
Hallgriskirkja内部 大きなパイプオルガンも魅力のひとつ
以上がメインの項目で、他に特に希望すること等がある場合には、担当の牧師さんと相談していただくことになります。
5)メインではないけど絶対必要なこともあります。ブーケの依頼をする花屋さん探し、式前のヘアセットのお店の確保、カメラマンの予約等です。これはなかなか流動的な項目で、担当牧師さんがそういうネットワークを持っていれば楽ですが、そうでない場合は牧師さんから情報をもらい、個別にチェックしていくことになります。
ホテルなどは、業務上花屋さんやヘアサロンと繋がっていることが多いですから、予約したホテルに問い合わせてみるのも手かもしれません。
最後に気になるのは予算ですよね。どれくらいの「かかり」がするものなのか?参考のために教会関係の項目だけ、出費のメドを示してみたいと思います。
まず、教会のハウスキーパーの人への謝礼が約10.000ー15.000クローナ(現在のところ大体1.000円=1.000クローナ)。ちょっとビックリなのではないかと思うのですが、いわゆる「場所賃」といういうようなものはありません。教会使用料は原則タダです。(例外的にHallgrims教会は挙式使用料が2万クローネかかります)
オルガニスト謝礼が20.000から30.000クローナ。オルガニストさんへの謝礼は、曲数が増えるとその分増えていきます。少人数のコーラスを依頼することも可能ですが、これは一人当たり10.000クローナくらいかかるようですので、四人のカルテットとしても40.000クローナになります。他に比して割高。
牧師謝礼、これは難しい。料金表によると牧師の謝礼は約12.000クローナなのですが、エクストラな頼みごとがあった場合などには多少の上乗せがあります。私のように正直な牧師さんの場合は、普通12.000クローナ、その他の情報提供等のお助けがある場合には20.000クローナです。
ところが、外国人相手に「ふっかける」牧師さんもあるようで。嘆かわしいことですが、謝礼が30.000を超えたら「アヤシイ」と思ってください。実際そういうのは懲罰もんだと思うのですけどね... もっとも日本では、友人の牧師が「挙式謝礼は時に300.000」!とか言っていましたから、それに比べたら河童の屁ですね。
こちらでは、結婚式はいまだ教会の範疇にある宗教儀式で、そこに地方法務官が行う「シビル結婚式」(無宗教で、判事が担当するような挙式)が割り込んでいる感じです。どこで式を挙げるにしても「牧師の振りをした実はバイト」の人はあり得ません。その点はご心配なく。
旅行代理店を通してのパッケージWedding tourがどのくらいの費用のものなのか、まったく存じませんが、おそらく相当かかるのではないかと想像します。
ご自分でオルガナイズするのは、大変ではあるでしょうが、費用面ではずっと抑えられる結果となるでしょう。
挙式を考えられている方、アイスランドはいかがですか?
応援します、若い力。Meet Iceland
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