レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

Japan Festivalと生け花

2013-02-04 05:00:00 | 日記
先の土曜日(二月二日)の午後いっぱい、アイスランド大学でJapan Festivalというイベントが催されました。アイスランド大学では十年前の2003年に日本語学科が設けられたのですが、その翌年度からJapan Festivalが始められ、今回で九回目になります。

当初は日本語学科への関心を煽り、学生数の確保を図る意図があったのですが、その甲斐あって?日本語学科は英語学科に次ぐ学生数を保つコースとして人気を保っています。(私は開設当初より非常勤講師プラスアルファでコースのお手伝いをしてきました)

小さな国ですので、学生数は一年次四十名くらい、二年次二十五名くらいと絶対数はそんなに大きくはなり得ません。加えて三年次では日本への交換留学に出かける学生が多く、現時点で十五名くらいが日本に滞在しているはずです。

さてJapan Festivalですが、大学と在アイスランドの日本大使館の共催です。企画運営の実動部隊は日本語学科の学生たちです。大使館は法被や浴衣などの物資の貸し出しや資金援助をしてくれます。大学に留学している邦人学生の方達や在住邦人はお茶や書道、生け花等でお助け参加です。

もう少し内容を見てみると、お寿司の試食、カラオケコーナー、書道(アイスランド人の名前や好きなことばを日本語で書いてあげる)、アニメの紹介、日本映画の試写、生け花の展示と簡単な指導、抹茶の試飲、ダンス、歌、コスプレ大賞等、かなり盛りだくさんです。まあ、「お祭り」と言っていいと思います。

十年近く続いていますので、かなりイベントとして定着してきました。とても大勢のお客さんが来てくれました。学生の皆さんはアイスランド人も日本人も学園祭的なノリで楽しんでいるようですし、終了後はそれなりに二次会もあるようで。在留邦人組も積極的に参加する皆さんは当初よりスケジュールに組み込んでいるようです。結構疲れる面もありますが、楽しいことは楽しいですね。

私自身はここのところ書道や生け花をお手伝いしてきました。今回は人材が豊かだったので書道はお任せして、生け花に張り付きました。張り付いたと言っても、正直生け花の心得等全くありません。なぜ張り付いたか?へへ。

邦人の方の中に師範免除を持つ方やきちんとお稽古をされてきた方々がいらっしゃりまして、その方々の見よう見まねで今回は四回目でした。前日に大使館で花器を選び、お花屋さんで花を買い込みます。アイスランドですからね、花の種類は限られていて難しい点です。

で、当日は朝九時頃から大学の会場に参集して活け始めます。やってみると結構面白いもので、「年一回のお楽しみ」という気楽なものなのです。どうせ分かる人いないし。



これはアイスランド在住の生け花の先生の作品です

ところがです。昨秋に正真正銘の華道の池坊の次期家元の池坊由紀さんがアイスランドへ華道のデモンストレイションにいらっしゃいました。何でも京都の池坊ビルにアイスランド名誉領事のオフィスが入っていて、その関係で池坊さんが在日アイスランド名誉総領事をお引き受けになったということ。その縁があってのアイスランド訪問だったようです。

そのデモンストレイション後に、高価な花器をこちらの大使館に寄贈していってくださいました。そして畏れ多くもその花器を今回のJapaFesの生け花で使わせていただいたのです。池坊さんが知ったら叱られるのではないか、と思うのですが、アイスランドの文化はそのように真っ平ら指向です。

ところがやはり高価なものですので、子供が触って倒した、偶然のバッティングで壊した、というようなことがあってはまずい。誰かひとりその場に付いていよう、と言う話しになったわけです。それで結果、私はずーっとそこにいましたが、いてよかったです。子供大人を問わずニアミスが何回かありましたから。

写真、アップしようかなと思ったのですけどね。万が一にでも池坊さんの目に留まるといけないので止めました。

生け花、結構面白いし奥が深そうです。これも体験してみないと分からないことですよね。ちょっと得したかな?



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アイスランド的個人情報管理?

2013-02-01 05:00:00 | 日記
前回はアイスランド式の国民総背番号制度について書きました。その中で各人が「個人識別番号」というものを必ず持つこと、これは十桁の数で、始めの六桁はその人の生年月日であることも述べました。

生年の部分は下二桁だけを使います。例えば081158というのが始めの六桁である場合、その人は1958年11月08日ということになります。私です。

さて、この識別番号は別に秘密でも何でもなく、実に日常的に使いますので自然と周りの人の目に触れることも多くあります。当然の帰結は自分の誕生日は白日の下にさらされてしまうということです。

男性の多くには別に大したことではないでしょうが、ビミョーなお年頃の女性にとってはどうなのでしょうか?

銀行の窓口や電話等でも識別番号を告げなくてならないこともよくありますので、まあ、公衆の面前で年齢を明かすことになりますね。もっとも、アイスランドの女性で年齢を隠そうとしている人はあまりいないような気もしますが。

さて、アイスランドは田舎立国ですので、やはりそれなりの大国である日本等とは「個人情報」と言うことに関しても随分と差異があるように見受けます。日本に帰った時ですが、ゴミ出しに際して親からアマゾンの箱から宛先シールを剥がすように言われました。「何で?」「個人情報だから」

そんなに危ないんですかね、日本て?私はこちらで一度ならず二度ほど、「Toshiki Toma」としか書いていない郵便物をしっかり受け取ったことがあります。

個人識別番号はもちろんリスト化されていますし、一般の人でも簡単にアクセスできます。ですから、名前が際立ってユニークな場合は住所も簡単に調べることができます。ちゃんと調べてくれるところも田舎的親切だと思うのですが。

会社やお店のホームページものんびりしています。多くの場合スタッフの紹介等もあって、丁寧に顔写真まで付いて、その上メイルアドレスまで付いていることが多いです。って言うか、利用する側から言わせてもらうと、メイルのアドレスがなかったりすると頭に来ますね。連絡する必要があって調べることもありますから。

と言うような感じで、ここでは「個人情報」と言うようなものは、病気とか財産に関わるような深刻な場合以外はあまり顧みられない類いのものであるようです。

実際、ある特定の個人のことを調べようと思ったら、相当のことまでは苦労せずに調べられるのではないかと思います。あまり詳しく書くと「あいつ、ストーカーやってんじゃないのか?」と疑われそうなのでそれ以上は言いませんが。

日本から来ている留学生の人や、移って来てまだ日が浅い邦人の方等が、「アイスランドって、本当にプライバシーがないですね」と口にされることがよくあります。確かにそうでしょうね、日本的な「個人情報管理」の日常から移って来た場合には。

ただ、慣れてしまった経験から言いますと、それでも特に危険な目にあったこともないし、ストーキングされたこともないし(当たり前か)、気にしないでいい分心地いいですけどね。

捨てるゴミから自分の名前や住所を全て削除しなければならないというのは、ちょっとどうもストレス度が高そうです、ワタシには。


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