峠おやじの「たわごと」

峠、自転車、キャンピングカー、野菜、園芸、時事ネタなどをぼやいてます。

映画「岳(がく)」のウソ

2012年09月27日 | 
この土曜日に地上波初放送した映画「岳(がく)」
録画しといたものを昨日やっと見ました。
正直「劒岳 点の記」のようなものを期待した私がバカでした。
小栗旬はともかく長澤まさみを傷つけないようにしてあるだけです。

北アルプスの山岳救助隊(長野県警ですわな)と民間の救助ボランティア島崎三歩(小栗旬)。そこへ椎名久美(長澤まさみ)が新人救助隊員としてやってくる。新人に三歩が初めにクイズを出します。

「山で捨ててはいけないものは?」
「ゴミですか?」
「それもある」
「うーん、CO2?」
「そのうちわかるよ」
私ゃ、この時点で答えがわかってしまいました。

そして厳寒の高山での救助活動に耐えうるべく、ハードな訓練の日々を乗り越え周囲の期待通りに成長する久美だったが、現実の救助活動を目の当たりにして、遭難者の命を救うことができない自分に苛立ちを感じていた。そんな折、猛吹雪の冬山で多重遭難が発生した。仲間と共に救助活動へ向かう久美だったが、そこには彼女の想像を絶する雪山の脅威が待っていたのだった…。

ということで今年の春にもあった爆弾低気圧が発生したのです。そんなときはハッキリ言って天候の回復を待つしかありません。映画のようにヘリコプターを飛ばすなど自殺行為です(原作wではどうだか知りません)。

また超人的な操縦で遭難者をひとりだけリフトした後、あとのひとりは諦めて撤退するようパイロット(渡辺篤郎)が指示しているのに長澤まさみはそれを聞き入れず、ぶら下がっているロープを切ってしまいます。

そんなことをしたらスキー場のリフトからひとりだけ飛び降りたのと同じで、ヘリコプターもバランスが崩れて墜落してしまいます。そんな想像もできないなんてバカですか?しかも爆弾低気圧の最中なのです。ふつうの天候でもお隣の我が岐阜県警救助へりは穂高で墜落したことを知らないの?

長澤まさみファンには悪いけど、とんでもなく安っぽいヒューマニズムである。それによって多くの人の命を危険に晒すのである。ロープを切った時点で私はムカムカして見る気をなくした。あとはこの映画のウソっぽさを検証しようと思って見ていた。一緒に見てる家族に嫌がられないようできるだけ悪態をつかないように努力したけれど・・・

このとき隊長の下した判断「助けに行くな。これ以上遭難者と隊員の犠牲は出したくない」は限りなく正しい。撤退する勇気のない者はハタ迷惑なだけである。

そしてへりから落下した長澤まさみと遭難者は何故かクレバスに落ち込んでいた。あの状況は雪洞でビバークする以外助かる道はないと思われるので結果的に助かるのだが、へりで拾えるような地点にそない具合良くクレバスがあるのかい?もう完全にフィクションである。

そしてそんな無謀な「まさみちゃん」を助けに救助隊本部に帰っていた小栗旬がフラッとひとりで出かけてしまう。そして瞬く間に遭難地点近くに行ってしまう。ひとりでラッセルしてるのにエエエッである!それに予想どおり雪崩にやられるが奇跡的に這い出し、ビバークしているクレバスに辿り着き、助けてしまう。こんなスーパーマンいるわけないやろ。

こんな危ないことばかりやってる小栗旬が最後に冒頭のクイズの答えを「まさみちゃん」にささやく。
命だよ
くさい。くさすぎる。

予想が当たっただけにそれまでのストーリーとのギャップにのけぞってしまった。
私ゃ保福寺峠で遭難しかけて以来、勇気ある撤退を心がけているのでこういう安っぽいヒューマニズムで周りを危険に晒し、迷惑をかける人には我慢できない。

今まで大河ドラマに2度出た長澤まさみだが、両方とも女忍者という架空の人物だった。要するに時代劇の演技ができない女優なんだろうなと思った。だから今回も汚れ役はやれなかったのだと思う。とても残念なことである。


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コメント (5)
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