KOfyの「倍行く」人生

バイクで人生を“2倍”楽しみたい。勝手気ままな日記代わりの備忘録。

関西広域連合へ奈良県不参加

2011年02月19日 | 奈良あれこれ
関西広域連合は、奈良県を除く、2府5県(大阪、京都、兵庫、滋賀、和歌山、鳥取、徳島)でスタートしました。
奈良県の荒井知事は、「従来の広域連携で十分で、屋上屋を重ねる効率の悪い組織で、
内容がはっきりとしてメリットがあれば参加をするが、皆で渡れば怖くないという状況では、
参加するつもりは無い。」 と明確に不参加を表明しています。

■荒井知事の開催広域連合への不参加理由
1.H元年に設立しH15年に解散した「大阪湾ベイエリア開発推進協議会」のように、
  自治体が集まっても成果がないまま終わってしまうのがほとんど。
2.明治時代に奈良県は堺県→大阪府に併合され、公共事業が大阪中心で差別があった故事に学び、
  多数決では奈良のような弱体地域は不利になる。
3.地方分権は国の行政を都道府県に移すのが筋で、広域連合で行うと分権でなく「集権」。
  従来の広域「連携」で十分機能する。


ところが、近畿通産局、近畿農政局、近畿運輸局、近畿地方整備局、
近畿厚生局、近畿財務局、近畿総合通信局、近畿管区警察局などの国の出先機関

関西広域連合に移管する場合に、関西の一員である奈良県が加わっていない状態では、
移管の検討すら出来ないと片山総務大臣が述べたことで、奈良県が地方分権化の
動きの足を引っ張っているという「奈良県悪者論」が出てきています。

奈良県の一部でも、
・関西一丸となっての動きに奈良県が足を引っ張るのは良くないのでは?
・体制、内容がはっきりしてから参加するという「ええとこどり」は良くないのでは?
などの意見も出てきています。

ここで、奈良県として、旗幟鮮明に考えをはっきりとしておく必要があると思います。
色んな発言が外野で出ていますが、奈良県としてはっきり主張すべき点は、
「関西広域連合で国の出先機関を受け入れる目的と方法を明確にしなければならない。」
ということだと思います。

ざっと疑問点を列挙すると、
1.国の出先機関は多数あるが、移管対象は全てなのか一部なのか?
2.国の出先機関から関西広域連合に移管することで、
  仕事の内容、仕事の進め方、仕組みがどのように変わるのか?
3.国の出先機関に従事している国家公務員の受け入れ先はどこか?
  関西広域連合なのか?各府県なのか?受け入れないのか?
4.近畿通産局の守備範囲に関西広域連合未加盟の福井県がある。
  一方で、関西広域連合加入の鳥取県や徳島県は現状の近畿出先機関
  の対象外だが、どうするのか?
5.国道などの社会インフラ整備の近畿広域連合内での予算配分の基本的なルール・考え方は?
  それぞれの地域事情を利害関係者同士で話し合い解決できるのか?


上記以外にもはっきりさせなければならない項目があるでしょう。
それらについて、まずはっきりさせることが、必要なのではないでしょうか?
マスコミも対立構造を面白がって報道するのではなく、しっかりと解説報道をすべきでしょう。
  
そもそも、関西広域連合は地方分権の象徴、将来の道州制への足がかり的な報道がありますが、
以下にあるように、兵庫県知事と大阪府知事の考えは正反対です。

・初代連合長に就任した井戸兵庫県知事は「広域連合が機能すれば『道州制はいらない』」という考え。
・橋下大阪府知事は、「関西広域連合」を府県の壁を取り払う道州制「関西州」に向けた第一歩ととらえている
・全国知事会は、今の都道府県でも国の権限や財源の「受け皿」になることが可能と主張しており、
 広域連合は、「複数の都道府県にまたがる権限や財源を、一つの都道府県に移譲はできない」と
 主張する政府や中央官庁に対抗する考え方の象徴。



読売新聞大阪本社OBの高松義直氏が代表を務める関西州ねっとわーくの会が、
2月1日の読売新聞朝刊の奈良版に意見広告を出しました。



※クリックで拡大します。

この意見広告の反応は、奈良県下ではほとんど無かったと思います。



「関西広域連合」goo検索結果
「関西広域連合」グーグルニュース検索結果



【参考】  ※とても良くまとまっています。
■奈良県ホームページでの「関西広域連合について」
 ・「関西広域連合」の設立までの経緯や概要
 ・ 「関西広域連合」に対する奈良県の考え方
 ・「関西広域連合」についてのQ&A


■3月8日、4大紙+奈良新聞(下段)に奈良県が意見広告を出しました。(クリックで拡大)




■荒井知事が関西広域連合への「不参加」を改めて表明(2010年10月)
 「関西広域連合」について、参加2府5県が年内の設立を目指し、府県の議会で参加承認の議決がされているが、荒井知事は、「参加は各自治体が自主的に判断すること」と述べ、改めて現段階での不参加の考えを表明した。
 荒井知事は、広域連合への不参加の理由について、(1)自治体の上に新たな自治体を設置する「屋上屋」を架すことになる。(2)広域連携で十分対応可能。(3)業務を県から広域連合に移管するのは地方分権ではなく、集権化。 
などと改めて説明した。
 大阪府の橋下知事が、「国の出先機関の権限が広域連合に移譲されれば、奈良も入らざるを得ない」と受け取れる発言をしたことについて、「橋下型の広域連合の発想だ。国の組織の受け皿が本来の目的か」と皮肉り、また、橋下知事が来年の知事選の争点にすべきとの発言に、「言われるゆえん、筋合いは無い」と強く反発した。
 奈良の経済界はこの件に関して、表立って議論をしていないし、意見を言う人も少ない。大阪、堺、京都、神戸などの政令指定都市が参加しない中、また、関西と関係ない、鳥取などが加盟することにも疑問を唱える人もいる。


■荒井知事が「関西広域連合」に一部前向き発言(2010年11月)
 荒井知事は関西広域連合との連携について、井戸兵庫県知事が「関西の観光は奈良県抜きでは考えられない。例えば広域連合と奈良県という連携も考えられる。」などと観光分野などで奈良県との連携を示唆したことを受け、「井戸知事の発言は評価したい」と述べ、「広域連合は始まっていないので、どういう能力が発揮されるか分からない。今後、その能力を活用しようとする動きが出るのは当然。」とも発言し、将来的に連携を検討する考えを示した。しかし、加盟することにはまだ慎重で、様子を見てからでも遅くないと考えている。


■関西広域連合への国の出先機関の権限移譲に関する動き(2011年1月)
関西広域連合の兵庫県知事の井戸連合長が、国の出先機関の権限が移譲された際は「広域連合が奈良県の事務を引き受けることもある。」と述べたことに対し、荒井知事は、交通の運賃認可や京奈和自動車道大和北道路の事業化など地元の意見無しで広域連合が決めるのは「大いに問題がある」と強く批判した。
 一方で、片山総務大臣が1月20日の日本記者クラブの講演で、2府5県で発足した関西広域連合について「一部の県が入っていない条件が解消されれば、国の地方出先機関の移譲が進む。」と述べ、奈良県に早期参加を求める意向を明らかにした。山田京都府知事からも、正規ではなくお試しで参加し、結果が良ければ正式に入るという準メンバー的な扱いで入る提案も出ており、山田知事の提案はすぐさま断ったが、橋下大阪府知事の「奈良県は身勝手」発現もあり、国の出先機関廃止と権限移譲問題に、奈良県が足を引っ張っているような微妙な立場になりつつある。
 今まで、奈良県内では関西広域連合に関してあまり話題になっていなかったが、広域連合の他府県の動きが出てきたことに伴って、奈良県の経済界でも別掲のように意見が出てきているし、奈良県議会の「議会改革推進会議」でも、関西広域連合に関して、「特別委員会」で議論するよう検討が開始されてきている。また、4政令指定都市の市長が権限委譲時に参加をすることで一致したり、奈良商工会議所を含む関西の5商工会議所が観光振興の共同組織を設立する動きもあり、4月10日の選挙後に何らかの動きがあるかもしれない。


■奈良市長が関西広域連合の参加の検討を求めた(2011年1月)
 仲川奈良市長は、奈良県が関西広域連合への参加を見送ったことに対して、今後、市民生活に影響が出ることがあれば、奈良県に再考を検討してもらう。関西広域連合の役割や機能が整備されてから参加するのは人任せになってしまう。重要ならば、仕組みつくりから参加するのが本来の姿と思う。
と参加検討を求める発言をした。


■関西広域連合でのドクターヘリの扱いで奈良県は柔軟な対応(2011年1月)
 和歌山県や大阪府から派遣してもらっている「ドクターヘリ」について、関西広域連合への参加を見送った奈良県の費用負担が増える可能性が出てきた。橋下府知事が奈良県に対し、共同運航をすぐさまストップはできないが、相応の負担を求めると発言し、荒井知事は負担すべきはする。と協議に応じる考えを示した。
 ドクターヘリは、関西では大阪府と和歌山県に1機ずつ、兵庫・京都・鳥取の3府県共同で1機の合計3機を導入している。奈良県は2002年に和歌山県と、2008年に大阪府と運航協定を結んだ。奈良県は派遣1回あたり30万円前後を両府県に支払い、2010年度は約600万円の負担となる見込み。
 一方、広域連合の母体となった関西広域機構の試算では、機構に加盟する奈良を含む9府県が8機のヘリを運航した場合、奈良県の年間負担は約7300万円にのぼったので、荒井知事は2010年1月、広域連合不参加の理由について「経費の増加」を指摘し、その一例としてヘリの負担増を挙げていた。


■関西広域連合に対する奈良県経済団体の意見(2011年1月)
 奈良県が近畿で唯一、関西広域連合への参加を見送ったことについて、奈良県経済団体のトップの意見をまとめた。
(1)西口 奈良商工会議所会頭
「組織の内容が不明確。」、「観光産業を生かすため奈良は独自の施策を持ってもいい。」、「新たな組織をつくることで、意思決定が遅れる。」、「奈良にプラスの結果が出てから参加すればよい。」と、明確に荒井知事の方針に賛同を示した。
(2)植野奈良県経営者協会会長
「経済に垣根は許されないが行政は別。」と奈良商工会議所と同じく、知事の方針に賛同。
(3)嶌川奈良経済同友会代表幹事
「知事の判断を受け入れる。」と理解を示した。
以上の3名は、いずれも南都銀行の会長、頭取、常務であり、意見が別れることは無かった。
(4)福本 奈良経済同友会代表幹事
「経済活動の広域化の流れは加速する。より効果的な施策が求められる。」、「継続的に学習していきながら、県のあるべき姿を県当局と討議していきたい。」として明確に荒井知事の方針に賛意を示さなかった。
(5)中井 大和高田商工会議所会頭
「一度加入してみて、だめなら見直すのも一つの手だ。」、「外から見れば、協調性がないと思われることもある。」と参加の意向だが、「一緒になることで、身近で行われるべき行政が、遠くに離れてしまう懸念がある。」と若干、慎重な考えも持っている。
(6)久保生駒商工会議所会頭
「広域的な戦略の構築に向けた連携には大きな意義がある。」、「広域連合が難しいなら、学研都市の国際戦略特区構想など、協力できるところから始めてもらいたい。」、「奈良だけが取り残されることが最も懸念される。」、「だめなら辞めれば良いので、大きな障害がなければ参加して欲しい。」と積極的に参加すべきという意見。
(7)森本 橿原商工会議所会頭
「広域連合は中央集権体制を打ち破った、分権型社会を実現する仕組みと理解している。」、「屋上屋を架すという懸念も理解でき、県が参加しないのは思い切った決断だが、全国的には奇異の目で見られることもある。」と良い方向に向くなら参加すべきという意見。


■民主党奈良県連が地域マニフェストに関西広域連合「参加すべき」と追加(2011年2月)
 民主党の奈良県連は今春の統一地方選のローカルマニフェストに「まず、参加をして新しい自治のかたちを議論すべき」とした項目を追加する方針。
 追加の理由は、
 (1)分権改革をマニフェストに掲げ、国の出先機関の原則廃止などを打ち上げて、
    総選挙に勝利した後の動きの鈍さの批判回避
 (2)片山総務相の「奈良県が入れば、すんなりと移管できる」や橋下大阪知事の
    「奈良が入れば出先機関改革が進むのは間違いない」と「外圧」が強まっている
 (3)県内支援者回りで、関西広域連合に入らない理由を聞かれ、関心が高い項目だと認識した
 (4)自民党、自民党改革、自民党未来、新創NARA、共産党は、現在の広域連携で十分と考えている
この民主党県連の動きを見ても、民主党は中央の動きと同じく、表面的なことにバタバタしすぎだ。


■関西広域連合から参加見合わせの県や市に「連携」呼びかけ(2011年3月1日)
近畿などの7府県で構成する関西広域連合は1日、参加を見合わせている奈良、三重、福井の3県と
京都、大阪、堺、神戸の4政令市に対し、準構成メンバーにあたる「連携団体」の指定を受けるよう
承諾書を送った。
奈良県の荒井知事は、県議会で「関西広域連合は連携で十分」と従来からの姿勢を重ねて示す一方、
「広域連合に対し、必要に応じて県として主張すべきはする」と述べ、「連携団体」として
今後指定されることになれば、積極的に県の立場を主張していく考えを示している。

【参考】「関西広域連合規約」第15条(広域連合委員会の設置等)8項
 広域連合長は、広域連合に関する事務を効果的に推進するため、
広域連合と密接な連携を図ることが必要と認める地方公共団体
(以下「連携団体」という。)の長を、協議の上、指定し、
広域連合委員会へ出席を求め、その意見を聴取することができる。
また、連携団体の長は、委員長の承認を得て、広域連合委員会に出席し、
意見を述べることができる。



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