お正月に家族会で利用した東大阪の石切にある「ホテルセイリュウ」は、
2003年エンプロイー・バイアウトで再建を図りました。
※エンプロイー・バイアウト(Employee Buy-Out、従業員買収、略称: EBO)とは、
会社の従業員がその会社の事業を買収したり経営権を取得したりする行為のこと。
EBOの経緯などに興味があったのでネット上で情報を探してみました。
大まかにまとめると、
・1967年7月、聖和観光(株)が料亭経営会社の旅館部門を分離して設立
・1971年6月、聖和観光(株)が東大阪市石切の旅館を買収
・1980年5月、建築家の黒川紀章さんの設計で、旅館を全面改装し
観光ホテル「セイリュウ」として再開
・2003年9月、ホテルセイリュウの従業員たちが(株)石切ゆめ倶楽部を設立
(土方啓詔代表取締役、資本金:2200万円、従業員数:130人)
・2003年11月10日、聖和観光(株)が大阪地裁に自己破産を申請し、
同日破産宣告を受けた(負債総額約46億円)
・2003年11月10日、ホテル経営は(株)石切ゆめ倶楽部に引き継がれた
・2008年、開業5周年パーティで土方社長が『人』に集まってもらえるような場所にしていきたい」と挨拶
・2008年、(株)石切ゆめ倶楽部が中心になって、東大阪の中小企業の工場を見学する
"モノづくり観光"の受け入れスタート
・2010年10月、東大阪“モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会に企画部署を設け、
各企業の操業状況に応じた見学先工場のアレンジや観光ルートを強化した。
・2010年12月、開業7年パーティで土方社長のコメント。
「我々はお客様をもてなす気持ち、地元を大切にしたい気持ち、
人を好きになる気持ちを持った人間が集まった旅館です。
今後も地元に貢献できる旅館として努めていきます。」
「地元に根を張り、全国のお客様に真心を提供していきたい」、
「人に愛され、結果として、地域に貢献できるだけの利益を上げられる企業を目指す。」
・2011年10月、東大阪“モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会(土方啓詔代表理事)は、
観光事業を拡大するための新組織設立を目指す準備委員会を設立。
2012年3月中に新組織の体制、事業内容、収支計画をまとめ、4月以降に運営を始める計画。
※東大阪“ モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会
まだまだ詳しい内容は把握できませんが、現在の代表取締役を務めている土方啓詔の
強烈なリーダーシップとアイデア力、実行力で運営しているようです。
現在のホテルセイリュウに、EBOで新会社設立時のメンバーはどれくらい残っているのでしょう?
会社が潰れようとしている時に、自分たちの力で、お客さま目線で良い会社を作り上げていこう!
という創業時の強い気持ちを維持し続けるのは大変なことだと思います。
私は、ホテルのホームページに、新会社創業時の熱い思いを明確に記し、
常にその気持ちを忘れないで、更に思いと行動を昇華させていくんだという
決意表明を目立つように掲載することで、外部からチェックを受けるという
手法もあるのかなぁ??? と思いました。
【ネットから抽出した参考文章】
■聖和観光 京都新聞2003.11.11
2003年11月、大阪府東大阪市の「ホテルセイリュウ」を経営する聖和観光(東大阪市)が自己破産を大阪地裁に申請、破産宣告を受けていたことが11日、分かった。ホテルは新会社に引き継がれ、営業を続けている。民間調査会社の帝国データバンクによると、負債総額は約46億円。聖和観光は1967年設立。東大阪市の生駒山ろくにある旅館を買収し、建築家の黒川紀章さんの設計で全面改修し「ホテルセイリュウ」を開業した。
■石切ゆめ倶楽部は、ホテルセイリュウの元従業員が03年9月に設立。前運営会社の聖和観光から同ホテルの営業を引き継いだ。資本金:2200万円、従業員数:130人
■「聖和観光株式会社 破産宣告受ける 負債46億円」
聖和観光(株)(資本金1600万円、東大阪市上石切町1-11-12、登記面=大阪市中央区東心斎橋1-7-12、代表吉川省三氏、従業員40人)は、11月10日大阪地裁に自己破産を申請し、同日破産宣告を受けた。破産管財人は小野一郎弁護士(大阪市西区土佐堀1-3-7、電話06-6441-0645)。
当社は、1967年(昭和42年)7月に料亭経営会社の旅館部門を分離して設立。大阪市内でサロン3店舗の経営を行う一方、71年6月東大阪市石切の旅館を買収し、更に80年5月全面改装して観光ホテル「セイリュウ」として再開させていた。その後、サロン経営を廃止し、現在ではホテル経営を主体に、ブラジル料理店「ラッサドール」2店舗を経営、95年5月期の年収入高は約19億1200万円を計上していた。
ホテル「セイリュウ」は東大阪市東部の生駒山麓に位置する東大阪地域唯一の観光ホテルで、都心から離れているなど立地条件で不利な面はあるものの、恵まれた眺望や黒川紀章氏の設計による都市型リゾートホテルを売り物に、文化セミナー、ファッションショー、寄席、ブラジルカーニバルショーといった催し物も開催し、集客力の向上に努めていた。
しかし、ホテルの買収費に加えて改装費用などの設備投資が嵩み、借入金の増加から、財務面の負担となっていた。その後の不況の長期化による個人来客数の減少や法人の宴会利用の落ち込みに加えて、最近の晩婚化や少子化、挙式の簡素化による結婚式・披露宴の利用も低迷するなど業績が悪化し、2002年同期の年収入高は約12億円までダウン、資金繰りはひっ迫していた。このため、諸経費の圧縮や資産売却などしのいでいたが、昨年8月に取引金融機関からホテル土地の競売を申し立てられる事態となっていた。
負債は約46億円。 なお、ホテル経営については11月10日より新会社の(株)石切ゆめ倶楽部に引き継がれており、平常に運営されている。
■「大阪・ホテルセイリュウが開業5周年で謝恩パーティー」
石切ゆめ倶楽部(大阪府東大阪市、土方啓詔代表取締役)は12日、「ホテルセイリュウ」(大阪府東大阪石切温泉)の開業5周年記念謝恩パーティーを開いた。来賓、関係者ら約220人が出席した。
土方社長は「今までは皆さまの支援のもと、必死でがんばってきた5年間だった。次は結果を出す5年にしたい。そのために、お客さまだけではなく、関係者、地元の方々など、『人』に集まってもらえるような場所にしていきたい」とあいさつした。
同ホテルでは、9月に北館5階のモダン和空間フロア「石切の里」をリニューアルオープン。12月には南館3階をリニューアルオープンする予定。石切ゆめ倶楽部は、ホテルセイリュウの元従業員が03年9月に設立。前運営会社の聖和観光から同ホテルの営業を引き継いだ。
■「大阪石切温泉・ホテルセイリュウ、開業7周年で記念祝賀会」
【経済ニュース】 2010/12/15(水)
大阪府東大阪市・石切温泉のホテルセイリュウ(土方啓詔社長)はこのほど、地元や観光関係者らを招き、開業7周年を記念して祝賀会を開いた。
土方社長はあいさつで「今日を迎えられたのも皆さんのご支援の賜物です」と感謝の意を示した。続いて「我々はお客様をもてなす気持ち、地元を大切にしたい気持ち、人を好きになる気持ちを持った人間が集まった旅館です。今後も地元に貢献できる旅館として努めていきます」と抱負を語った。
同ホテルは2003年開業。ものづくりのまち・東大阪に立地することから、産業観光にスポットをあてた着地型観光への取り組みが期待されている。(情報提供:トラベルニュース)
■ホテルセイリュウを経営する石切ゆめ倶楽部は2003年、EBO(従業員買収)という方法でホテルの経営を承継しました。七周年の祝賀会では、土方啓詔社長が「地元に根を張り、全国のお客様に真心を提供していきたい」、「人に愛され、結果として、地域に貢献できるだけの利益を上げられる企業を目指す」と決意を語られました。
■「東大阪の中小組織、"モノづくり観光"の受け入れ強化」
【東大阪】東大阪"モノづくり観光"活性化プロジェクト協議会(大阪府東大阪市、土方啓詔代表理事、072-981-5001)は、東大阪の中小企業の工場を見学する"モノづくり観光"の受け入れ態勢を強化する。国内各地の小・中学校から修学旅行の申し込みが急増しており、それに対応する。9月に観光ルートを調整する企画部署を事務局内に設置。地域の大学や商店街などに呼びかけ、ボランティアガイドのネットワークを今年度中に構築する。
東大阪"モノづくり観光"活性化プロジェクト協議会は、ホテルセイリュウ(東大阪市)を経営する石切ゆめ倶楽部(同)が中心となって前身の活動を2008年にスタートし、現在はモノづくり中小など36社が参加している。各企業の工場見学やモノづくり体験ができる"モノづくり観光"を通じて、東大阪の産業や文化を広め、地域活性化につなげるのが目的。09年度に修学旅行を受け入れた学校数は7校で、10年度はすでに20校を上回る受け入れを予定。申し込みは現在も増えており、受け入れ態勢の強化が必要と判断した。
協議会事務局に新たに設置する企画部署は、各企業の操業状況に応じて見学先工場をアレンジし、観光ルートを企画する。企業との調整にあたるスタッフを9月に1人配置する。
観光客を案内したり、見どころを説明するガイドには、地域の大学生や商店街、文化団体などからボランティアを募る。「修学旅行受け入れサポーターズクラブ」を今年度中に結成し、ガイドの募集、手配、研修も行う。
秋以降には「人財交流サロン」として、企業経営者やボランティアスタッフらが集まる定例交流会の立ち上げも計画中。サロンでの交流から地域資源を活用した新事業の創出を目指す。工場見学の受け入れ先を増やすため、9月から会報誌を発行し、協議会会員数を11年3月までに40社以上に増やす。【2010年8月24日 日刊工業新聞社】
■「東大阪“モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会、新組織移行へ準備委」
【東大阪】東大阪“モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会(大阪府東大阪市、土方啓詔代表理事、072-981-5001)は、東部大阪地域で展開している観光事業を拡大するための新組織設立を目指す準備委員会を設立した。会員企業から7人の委員を選出した。2012年3月中に新組織の体制、事業内容、収支計画をまとめ、4月以降に一般社団法人などの法人格を取得して運営を始める。
同協議会は修学旅行生などの観光客に会員企業の工場見学やモノづくり体験などを観光資源として提供している。事業開始から3年で利用希望者が急増し、今年度の受け入れ数は5000人を超える見通しだ。一方、観光客をボランティア的に受け入れる企業の負担が増えていることも課題となっている。そのため、新組織は活動エリアを大阪府全域に拡大、独自にツアー商品を企画・販売して収益を確保できる体制を目指す。【2011年11月1日 日刊工業新聞社】
2003年エンプロイー・バイアウトで再建を図りました。
※エンプロイー・バイアウト(Employee Buy-Out、従業員買収、略称: EBO)とは、
会社の従業員がその会社の事業を買収したり経営権を取得したりする行為のこと。
EBOの経緯などに興味があったのでネット上で情報を探してみました。
大まかにまとめると、
・1967年7月、聖和観光(株)が料亭経営会社の旅館部門を分離して設立
・1971年6月、聖和観光(株)が東大阪市石切の旅館を買収
・1980年5月、建築家の黒川紀章さんの設計で、旅館を全面改装し
観光ホテル「セイリュウ」として再開
・2003年9月、ホテルセイリュウの従業員たちが(株)石切ゆめ倶楽部を設立
(土方啓詔代表取締役、資本金:2200万円、従業員数:130人)
・2003年11月10日、聖和観光(株)が大阪地裁に自己破産を申請し、
同日破産宣告を受けた(負債総額約46億円)
・2003年11月10日、ホテル経営は(株)石切ゆめ倶楽部に引き継がれた
・2008年、開業5周年パーティで土方社長が『人』に集まってもらえるような場所にしていきたい」と挨拶
・2008年、(株)石切ゆめ倶楽部が中心になって、東大阪の中小企業の工場を見学する
"モノづくり観光"の受け入れスタート
・2010年10月、東大阪“モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会に企画部署を設け、
各企業の操業状況に応じた見学先工場のアレンジや観光ルートを強化した。
・2010年12月、開業7年パーティで土方社長のコメント。
「我々はお客様をもてなす気持ち、地元を大切にしたい気持ち、
人を好きになる気持ちを持った人間が集まった旅館です。
今後も地元に貢献できる旅館として努めていきます。」
「地元に根を張り、全国のお客様に真心を提供していきたい」、
「人に愛され、結果として、地域に貢献できるだけの利益を上げられる企業を目指す。」
・2011年10月、東大阪“モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会(土方啓詔代表理事)は、
観光事業を拡大するための新組織設立を目指す準備委員会を設立。
2012年3月中に新組織の体制、事業内容、収支計画をまとめ、4月以降に運営を始める計画。
※東大阪“ モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会
まだまだ詳しい内容は把握できませんが、現在の代表取締役を務めている土方啓詔の
強烈なリーダーシップとアイデア力、実行力で運営しているようです。
現在のホテルセイリュウに、EBOで新会社設立時のメンバーはどれくらい残っているのでしょう?
会社が潰れようとしている時に、自分たちの力で、お客さま目線で良い会社を作り上げていこう!
という創業時の強い気持ちを維持し続けるのは大変なことだと思います。
私は、ホテルのホームページに、新会社創業時の熱い思いを明確に記し、
常にその気持ちを忘れないで、更に思いと行動を昇華させていくんだという
決意表明を目立つように掲載することで、外部からチェックを受けるという
手法もあるのかなぁ??? と思いました。
【ネットから抽出した参考文章】
■聖和観光 京都新聞2003.11.11
2003年11月、大阪府東大阪市の「ホテルセイリュウ」を経営する聖和観光(東大阪市)が自己破産を大阪地裁に申請、破産宣告を受けていたことが11日、分かった。ホテルは新会社に引き継がれ、営業を続けている。民間調査会社の帝国データバンクによると、負債総額は約46億円。聖和観光は1967年設立。東大阪市の生駒山ろくにある旅館を買収し、建築家の黒川紀章さんの設計で全面改修し「ホテルセイリュウ」を開業した。
■石切ゆめ倶楽部は、ホテルセイリュウの元従業員が03年9月に設立。前運営会社の聖和観光から同ホテルの営業を引き継いだ。資本金:2200万円、従業員数:130人
■「聖和観光株式会社 破産宣告受ける 負債46億円」
聖和観光(株)(資本金1600万円、東大阪市上石切町1-11-12、登記面=大阪市中央区東心斎橋1-7-12、代表吉川省三氏、従業員40人)は、11月10日大阪地裁に自己破産を申請し、同日破産宣告を受けた。破産管財人は小野一郎弁護士(大阪市西区土佐堀1-3-7、電話06-6441-0645)。
当社は、1967年(昭和42年)7月に料亭経営会社の旅館部門を分離して設立。大阪市内でサロン3店舗の経営を行う一方、71年6月東大阪市石切の旅館を買収し、更に80年5月全面改装して観光ホテル「セイリュウ」として再開させていた。その後、サロン経営を廃止し、現在ではホテル経営を主体に、ブラジル料理店「ラッサドール」2店舗を経営、95年5月期の年収入高は約19億1200万円を計上していた。
ホテル「セイリュウ」は東大阪市東部の生駒山麓に位置する東大阪地域唯一の観光ホテルで、都心から離れているなど立地条件で不利な面はあるものの、恵まれた眺望や黒川紀章氏の設計による都市型リゾートホテルを売り物に、文化セミナー、ファッションショー、寄席、ブラジルカーニバルショーといった催し物も開催し、集客力の向上に努めていた。
しかし、ホテルの買収費に加えて改装費用などの設備投資が嵩み、借入金の増加から、財務面の負担となっていた。その後の不況の長期化による個人来客数の減少や法人の宴会利用の落ち込みに加えて、最近の晩婚化や少子化、挙式の簡素化による結婚式・披露宴の利用も低迷するなど業績が悪化し、2002年同期の年収入高は約12億円までダウン、資金繰りはひっ迫していた。このため、諸経費の圧縮や資産売却などしのいでいたが、昨年8月に取引金融機関からホテル土地の競売を申し立てられる事態となっていた。
負債は約46億円。 なお、ホテル経営については11月10日より新会社の(株)石切ゆめ倶楽部に引き継がれており、平常に運営されている。
■「大阪・ホテルセイリュウが開業5周年で謝恩パーティー」
石切ゆめ倶楽部(大阪府東大阪市、土方啓詔代表取締役)は12日、「ホテルセイリュウ」(大阪府東大阪石切温泉)の開業5周年記念謝恩パーティーを開いた。来賓、関係者ら約220人が出席した。
土方社長は「今までは皆さまの支援のもと、必死でがんばってきた5年間だった。次は結果を出す5年にしたい。そのために、お客さまだけではなく、関係者、地元の方々など、『人』に集まってもらえるような場所にしていきたい」とあいさつした。
同ホテルでは、9月に北館5階のモダン和空間フロア「石切の里」をリニューアルオープン。12月には南館3階をリニューアルオープンする予定。石切ゆめ倶楽部は、ホテルセイリュウの元従業員が03年9月に設立。前運営会社の聖和観光から同ホテルの営業を引き継いだ。
■「大阪石切温泉・ホテルセイリュウ、開業7周年で記念祝賀会」
【経済ニュース】 2010/12/15(水)
大阪府東大阪市・石切温泉のホテルセイリュウ(土方啓詔社長)はこのほど、地元や観光関係者らを招き、開業7周年を記念して祝賀会を開いた。
土方社長はあいさつで「今日を迎えられたのも皆さんのご支援の賜物です」と感謝の意を示した。続いて「我々はお客様をもてなす気持ち、地元を大切にしたい気持ち、人を好きになる気持ちを持った人間が集まった旅館です。今後も地元に貢献できる旅館として努めていきます」と抱負を語った。
同ホテルは2003年開業。ものづくりのまち・東大阪に立地することから、産業観光にスポットをあてた着地型観光への取り組みが期待されている。(情報提供:トラベルニュース)
■ホテルセイリュウを経営する石切ゆめ倶楽部は2003年、EBO(従業員買収)という方法でホテルの経営を承継しました。七周年の祝賀会では、土方啓詔社長が「地元に根を張り、全国のお客様に真心を提供していきたい」、「人に愛され、結果として、地域に貢献できるだけの利益を上げられる企業を目指す」と決意を語られました。
■「東大阪の中小組織、"モノづくり観光"の受け入れ強化」
【東大阪】東大阪"モノづくり観光"活性化プロジェクト協議会(大阪府東大阪市、土方啓詔代表理事、072-981-5001)は、東大阪の中小企業の工場を見学する"モノづくり観光"の受け入れ態勢を強化する。国内各地の小・中学校から修学旅行の申し込みが急増しており、それに対応する。9月に観光ルートを調整する企画部署を事務局内に設置。地域の大学や商店街などに呼びかけ、ボランティアガイドのネットワークを今年度中に構築する。
東大阪"モノづくり観光"活性化プロジェクト協議会は、ホテルセイリュウ(東大阪市)を経営する石切ゆめ倶楽部(同)が中心となって前身の活動を2008年にスタートし、現在はモノづくり中小など36社が参加している。各企業の工場見学やモノづくり体験ができる"モノづくり観光"を通じて、東大阪の産業や文化を広め、地域活性化につなげるのが目的。09年度に修学旅行を受け入れた学校数は7校で、10年度はすでに20校を上回る受け入れを予定。申し込みは現在も増えており、受け入れ態勢の強化が必要と判断した。
協議会事務局に新たに設置する企画部署は、各企業の操業状況に応じて見学先工場をアレンジし、観光ルートを企画する。企業との調整にあたるスタッフを9月に1人配置する。
観光客を案内したり、見どころを説明するガイドには、地域の大学生や商店街、文化団体などからボランティアを募る。「修学旅行受け入れサポーターズクラブ」を今年度中に結成し、ガイドの募集、手配、研修も行う。
秋以降には「人財交流サロン」として、企業経営者やボランティアスタッフらが集まる定例交流会の立ち上げも計画中。サロンでの交流から地域資源を活用した新事業の創出を目指す。工場見学の受け入れ先を増やすため、9月から会報誌を発行し、協議会会員数を11年3月までに40社以上に増やす。【2010年8月24日 日刊工業新聞社】
■「東大阪“モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会、新組織移行へ準備委」
【東大阪】東大阪“モノづくり観光”活性化プロジェクト協議会(大阪府東大阪市、土方啓詔代表理事、072-981-5001)は、東部大阪地域で展開している観光事業を拡大するための新組織設立を目指す準備委員会を設立した。会員企業から7人の委員を選出した。2012年3月中に新組織の体制、事業内容、収支計画をまとめ、4月以降に一般社団法人などの法人格を取得して運営を始める。
同協議会は修学旅行生などの観光客に会員企業の工場見学やモノづくり体験などを観光資源として提供している。事業開始から3年で利用希望者が急増し、今年度の受け入れ数は5000人を超える見通しだ。一方、観光客をボランティア的に受け入れる企業の負担が増えていることも課題となっている。そのため、新組織は活動エリアを大阪府全域に拡大、独自にツアー商品を企画・販売して収益を確保できる体制を目指す。【2011年11月1日 日刊工業新聞社】