4月12日の大人教室とコラムです。
今日は3人でした。
第18回シャンチーの世界選手権に出場
1992年末、趙国栄さんの奥さんの牛牛力さんからシャンチー世界選手権の会場で将棋の普及活動をするのなら、大会にも出場してみてはという話がありました。
大会はいろいろな国からの参加がありますが、中国系でない外国人にはあまり普及していないそうです。
中国系強豪とノンチャイニーズが一緒で戦う大会ですが、ノンチャイニーズ部門の表彰があるそうです。
牛力力さんから「将棋のプロ棋士でしたらちょっと勉強すればノンチャイニーズ部門で優勝できますよと」おだてられ出場することに決めました。
それから趙さんとは将棋とシャンチーの2面指しの相互指導で教わる形になりました。
4~5か月のにわか仕込みで北京でのシャンチー世界選手権に出場しました。
海外旅行には行ったことがありますが、もちろん中国は初めてです。
日本選手は私だけでなく、数人チームで出場です。
中国系の方が各国2人で、ノンチャイニーズの方は多く出場して良いという形です。
趙さんは2名の中国代表選手の1人で前回(隔年開催)の覇者、世界チャンピオンです。
大会の模様は後日将棋マガジンに私がレポートとして書きました。
結果は3勝6敗でノンチャイニーズ部門の入賞はなりませんでしたが、素晴らしい大会でとても楽しめました。
この年ベトナムが初参加でしたが、とても強かったです。
それもそのはずで、ベトナム将棋のカートンがそのままシャンチーとほぼ同じなのでレベルが高いわけです。
外国人としてはドイツのチェスのトッププレイヤーでロバートフューブナーさんという方が一番いい成績でした。
今回世界チャンピオンになった特級国際大師(将棋で言えばA級やタイトル保持者のようなトップ棋士)の徐天紅さん(超さんは2位)とロバートフューブナーさんの対戦があり、徐天紅さんから馬1枚は落とせない高いレベルと絶賛されていました。これは将棋では角落ちに相当する感じで、プロの名人とアマ名人の勝負の手合いあたりでしょうか。
この対局は多くのシャンチーの専門雑誌などに紹介されたようです。
この大会を終えた後は、中国棋院を中心にして将棋の紹介をし、2週間ぐらいの滞在でした。
帰りにはシャンチーの本をたくさん買い込んだのですが、これがのちに東大将棋ブックスのシリーズを書いていく原動力にもなりました。
日本に帰ってから将棋のプロも勉強すればシャンチーが強くなれるはず。次の大会ではロバートフューブナーさんのような活躍をしたいと思うようになりました。