12月28日の大人教室は7人で普段より多かったです。
前回から大人教室のブログも作りまして、こちらでは下記のようにコラムを載せていきます。
今回は第3回です。
第1回はまいぷれのニュースに載せました。
第1回、第2回は前回の大人教室のブログです。
第3回 17歳で奨励会入会
将棋道場で常連のやさしいおじさんが、今度プロの養成機関である奨励会の試験があるので受けてみないかと誘われました。
私は雑誌などを読んで将棋界は詳しく知っていたので「全国でも有名な小、中学生が受けるところですよ」と断りました。
でもおじさんは落ちて元々、試験料を出してあげるからと言われました。
それでも断ってるうちに席主の先生が、道場の師範で当時六段の平野広吉先生に電話をかけ、すぐにOKとなりました。
普通は師匠が弟子を取るとき、年齢やアマでの実績、指して見込みがあるかなど、入門を許されるには厳しい基準があります。
平野先生を道場でお見かけしたのは1~2回ぐらいでした。
ただ赤旗名人戦の船橋地区大会は審判長で来られて、このときの優勝決定戦は見ていただいたので、私のことを少しは知っていたと思います。
奨励会の試験を受けることが決まり、落ちて元々ではありますが、気持ちはなんとしても受かりたい思いでした。
奨励会を受けたときの年齢は試験の初日が16歳だったので5級受験でした。
合格した日は17歳になっていたので、4級受験でなかったのは助かりました。
4級では当然対戦相手が厳しくなりますし、奨励会同期では中学生でアマ準名人になった現塚田泰明九段が4級受験でしたので対戦することになり大変でした。
5級受験でも中学生名人になった故達正光七段がいましたが勝利できました。
奨励会試験は初日に受験者同士で3局、2日目に現役の奨励会と3局指して、トータル3勝3敗以上で、今よりは合格しやすいです。
私は初日2連勝し、次の3局目を勝てばいきなり合格となります。
翌日の現役奨励会は相当強いはずで、この3局目で何としても合格を決めたかったです。
将棋は私が先手で横歩取り△3三角型の戦型になりました。
序盤から優位に立ち、終盤は勝勢といえる形勢でした。
その局面で持ち時間もまだたっぷりとあり、怖いが自玉に詰みはなく、必至をかけても勝ちです。
しかし相手玉が詰んでいるように感じました。
あとで思ったのは、一手受けていれば相手に指す手なしで、必勝といえる形勢でした。
私は詰んでいる読みでしたが、うまい受けの応手を見落として、ギリギリ打ち歩詰めで詰まずでした。
それから長考して粘りましたが結局負けとなりました。
この敗戦は悔いが残りましたが、2日目は1局目で勝利し、合格を決めました。
次も勝ち、3局目は負けでした。
4勝2敗で合格は自信もつきましたし、1日目の最後の対局は二度とこのような負け方はしないようにといい反省もできました。
こうして17歳5級で入会しましたが、奨励会には年齢制限があり、まずは20歳までに初段にならなければ退会です。
承知してはしていたものの、20歳までに初段は5級からは遠いです。
年齢制限のプレッシャーを感じ、急なきっかけで大変な世界に入ったと思いました。