四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

シロバナタンポポ(4)

2006-04-23 19:59:00 | タンポポ
「壱岐の白いタンポポ」

3月の終わりに妻が松山に旅行しましたが、「シロバナタンポポがたくさん咲いていた」といっていました。僕はまだシロバナタンポポがたくさん咲くのを見たことはありません。先を越されてしまいました。
今日、ご夫婦とも松阪出身のうららさんに聞いたところ、ご主人は白をイメージしているが、ご自分は黄色しか見たことがないとのこと。その土地の環境によって種類が異なっている様子です。茨木のsilkcottonさんも、大阪や茨木では白いタンポポは見たことがないそうです。中国・四国よりも西の地方に多いようです。
Hさんが「白いタンポポの種を蒔いてみませんか?4月はじめ“壱岐”(長崎)から連れてきました。関東の地で育つかどうか???ですが、チャレンジしてみよう!と思います」とみんなに呼びかけていました。僕が真っ先に手を上げたのはいうまでもありません。
シロバナタンポポは誕生してからあまり時間が経っていないいわば「新種」なので、種としての変異が少なく安定しています。どの地方のシロバナタンポポも同じような性質を持っていると思われます。日本の在来タンポポ全体を見ても性質は似ていて、2月~5月に咲き、夏は休眠し、秋に活動を再開し、翌春に開花、種子は秋まで休眠するという共通性があります。
しかし、シロバナタンポポの母親のツクシシロタンポポは北九州に分布しているので、壱岐の白い花のタンポポは「ツクシ」の可能性もあります。来年が楽しみです。そのほかに、岡山県とその周辺にはキビシロタンポポという種類もあるそうです。
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シロバナタンポポ(3)

2006-04-23 19:45:00 | タンポポ
「在来種タンポポ、シロバナタンポポ、外来種タンポポの比較」

カントウタンポポやカンサイタンポポなどの在来種は、黄色い花を付けます。花びら1枚1枚が1つの花の単位で、数十個の花が集合したのがあのタンポポの花の姿です。そして、めしべに他の花から虫が花粉を運び、受粉し、やがて種ができます。それは綿毛になって風に運ばれていきます。これらの在来種は、自家受粉はせず、有性生殖によって子孫を残します。
ところが、シロバナタンポポは5倍体なので、有性生殖することができません。その代わり、在来種とは異なってめしべが受粉しないでも種子ができる単為生殖の能力を身に着けています。ということで、種1つから発芽すれば、開花した花からやがて同じ性質の種がたくさんできることになります。
シロバナタンポポは、新潟大学の研究により、ツクシシロタンポポのめしべにカンサイタンポポの花粉が受精して誕生した雑種起源のタンポポと考えられているそうです。ツクシシロタンポポが母親でカンサイタンポポが父親ということです。この2つの種類の分布が重なっているのは北九州地方だけということで、北九州で誕生したと推定されるそうです。西日本を中心に分布しています。


セイヨウタンポポ。 左は咲き始めるところ。

我が家の庭では、外来種(ヨーロッパ起源)のセイヨウタンポポも咲いています。こちらは3倍体で、シロバナタンポポと同様に単為生殖で子孫を残します。セイヨウタンポポは在来種とは性質が異なり、春にできた種子からすぐに発芽し、10月まで咲いています。6月以降に見かけるタンポポはすべてセイヨウタンポポです。
しかし、カントウタンポポは庭には見つかりませんでした。近所から綿毛を採集し、蒔いてみることにします。

在来種とセイヨウタンポポの見分け方
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