四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

ムラサキツバメの集団越冬

2011-12-26 15:29:00 | 
ムラサキツバメの集団越冬を観察しに、蝶愛好家のIさんのご案内で横浜市の里山へ出かけました。


ムラサキツバメの集団(12月19日 10:20撮影)

越冬場所に着くと、ムラサキツバメがアオキの葉上にひと塊になって塒を形成していました。Iさんは、12月5日にこの塒を発見し、13日にも確認されています。



19日も同じ位置に塒が継続。ここには約15頭の個体がいるようです。
一番右はじの2頭は、日を浴びて目を覚ましたのか、この数分後に体を左に倒して他の仲間に重なるような姿勢に変わる。観察中に飛び立つ個体はいませんでした。



アオキの枝の先端付近に塒があります。上の葉がひさしの役目を果たしているようです。一見、枯れ葉が引っ掛っているようにしか見えません。一種の擬態ですね。

午後は、藤沢市の里山へ移動しました。


12月19日 13:21

神社脇の常緑樹の葉の上で1頭のムラサキツバメがしきりに歩き回り、口吻を葉の上に這わせて何かを舐めているように見えました(↑)。


ムラサキツバメ♂ 13:26

やがて、上の方に飛び立ち、日の当たる葉の上で短時間日光浴。


4頭集団 13:28

直ぐに1m位下にあるモクレンの葉上に移動し、他の3頭の後ろから2番目に割り込みました。ここが塒と思われます。


13:36

割り込みを受けて、他の個体も少し動き、位置を変えました。もう一箇所も訪問し、合計3箇所の塒を観察できました。

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ムラサキツバメは、温暖化の影響でこの20年内に関東地方に進出した南方系の蝶の1種です。
近くに食樹のマテバシイが生え、ある程度の面積を持った雑木林で見かけます。冬に成虫で越冬し、他の蝶たちが姿を消しても、暖かい日に林縁で日光浴姿を見ることができます。しかし、ぎりぎりの環境で越冬しているとみえ、昨年の相模大野では、1月以降に日光浴姿を観察できなくなりました。
今年は、台風15号の影響で幼虫が飛ばされたのか、地元、相模大野ではまだ見かけていません。今回見た塒の集団が無事に越冬してくれるのか見守っていきたいと思います。

ご案内いただIさん、どうも有難うございました。

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