四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

夏眠明けのメスグロヒョウモン

2014-09-16 09:53:00 | 南多摩
9月12日
9月9日に相模原台地の雑木林でミドリヒョウモンを見つけたので、県境を超えた町田市の多摩丘陵に夏眠明けヒョウモン類を探しに出かけると、ミドリヒョウモンは見られませんでしたが、メスグロヒョウモン3♂2♀に出会えました。


谷戸風景

多摩丘陵の谷戸では、稲穂が実り黄金色の風景が広がっていました。畦道を歩くと、足下から一斉に夥しい数のイナゴが飛び出して稲の葉の裏側に隠れました。


ハネナガイナゴ

たまたま葉の縁に止まるのがいました。胴よりも翅が長いのでハネナガイナゴです。翅の短いコバネイナゴの方が多いそうです。
谷戸の奥の方へ進んだところ、林からヒョウモンチョウの仲間1頭が飛び出し、稲の田圃上を横切って飛んで行くので走って追いかけると、反対側の林内に入りました。


メスグロヒョウモン♂① (10:49)

斜面のノギクの仲間の花のところに長く留まっていました。もう1頭田圃を横切りましたが見失いました(♂②)。


メスグロヒョウモン♀①

林内に入り尾根頂上に向かって上る途中の笹ヤブで傷みの少ない♀が止まっていました。尾根頂上付近でも見掛けましたが、木の上に舞い上がり撮影できず(♀②)。


メスグロヒョウモン♂②

尾根道の木もれびの当たる草薮の中でも♂1頭がヒヨドリバナで吸蜜していました。


メスグロヒョウモン♂③

明るい林縁のヒヨドリバナとオトコエシの咲く草地では2頭いました。なかなか敏感でしたが、何とか1頭だけ撮影できました。

この町田市のルートでは6月9日に多数のメスグロヒョウモンを観察していますが、夏眠明けの最初に多数のメスグロヒョウモンが現れてきました。

この辺りの町田市ではメスグロヒョウモン優勢ですが、例年、9月中旬から10月上旬にかけてミドリヒョウモンも現れます(主に♀)。
ところが、すぐ南隣の相模原市南区ではミドリヒョウモンは見るものの、いまだかつてメスグロヒョウモンを見たことがなく空白地帯となっています。地形的には町田市の観察地が丘陵地、相模原市南区の観察地が平地(相模原台地)の違いがありますが、なぜなのかは不明です。観察地間の直線距離は6.3kmです。



相模原市南区での夏眠明けミドリヒョウモンの初見日は9月9日です。その前の観察日が9月2日なのではっきりとしたことは言えませんが、最高気温が25度を切る日が7,8日の二日間続いたことで相模原・町田地区のヒョウモンチョウ類が夏眠状態から目覚めて活動を再開したのかもしれません。


夏眠明けのミドリヒョウモン

2014-09-14 16:21:00 | 相模原・県央
9月9日
自宅に近いある程度の面積のある雑木林で、夏眠明けのミドリヒョウモンが見られました。


ミドリヒョウモン♂①

広場の草地を何度か旋回したのち、舞い下りてキツネノマゴで吸蜜中です。


同一個体?

少し離れた林内のトネアザミでキイロスズメバチ(でしょうか)と一緒に吸蜜中。スズメバチはミドリヒョウモンが目障りらしく何度も追い立てていました。



9月14日
今日も観察に行ったところ、3頭見られました。増えてきたようです。


ミドリヒョウモン♂②

前回は見られなかったオトコエシで吸蜜中です。背景にミズヒキが入って秋らしくなりました。


ミドリヒョウモン♂③


同一個体

広い範囲を飛び、トネアザミで吸蜜したり葉の上で休憩したりしていました。

ミドリヒョウモンは、5月下旬~6月初旬に羽化します。今年は、自宅近くのこの雑木林で羽化直後のミドリヒョウモン♂を初めて観察できました(その時の記事→こちら)。しばらく活動したのち平地では7,8月ごろ夏眠し、9月ごろ再び活動しはじめます。

8月下旬から涼しくなったものの、9月2日の段階では夏眠明けのミドリヒョウモンがまだ見られず、9月9日になって初めて目撃できました。♀は未見です。これからも継続観察の予定です。


山地のアサギマダラ、他

2014-09-10 17:37:00 | 甲州・信州への旅
9月3日
キベリタテハを撮影したあと、渓谷沿いの道路を歩いて宿に向かいました。


ヒヨドリバナとヒメキマダラヒカゲ

ヒメキマダラヒカゲがヒヨドリバナで、ウラギンヒョウモン、ギンボシヒョウモンがナンブアザミで吸蜜していました。


ナンブアザミとイチモンジセセリ

何と言っても一番多かったのがイチモンジセセリ。マルバダケブキでは5,6頭まとまって吸蜜していました。イチモンジセセリは神奈川県でもこの時期急に増えたのですが、標高1,500mの山地にもおびただしい数が到来していたのには驚きました。




ゴイシシジミ

あちこちのササ薮の上にゴイシシジミが群れて飛んでいました。中には開翅するのも。後翅の前縁に白い帯があり、飛翔中にその白帯がチラチラ見えました。

アサギマダラ♂
次第に本曇りになりましたが、マルバダケブキにアサギマダラ♂が止まっていました。

1


2


この天気でも1頭だけ出てきてくれたことに感謝しながらの撮影です。名前の由来になっている浅葱色(淡い水色)が美しい。

3


翅の向こうの花が透けて見えます。

天候の関係なのかアサギマダラには3頭しか会えませんでした。あるいは、多くの個体が秋の気配を感じて標高の高い山地を降り南に向かっているため少ないのかもしれません。

9月4日
この日も曇りがち。宿の花壇で蝶を観察するなどしてのんびり過ごしました。


スジグロシロチョウ

ユウゼンギクの仲間と思いますが、長い時間ここにいました。ハーブを好む個体も。


百日草とヒメアカタテハ

ヒメアカタテハは、専ら百日草に繰り返し訪れましたが、隣のウラギンヒョウモンが立ち寄ったルドベキアやマリーゴールドには訪花しませんでした。


百日草とイチモンジセセリ

多数のイチモンジセセリも百日草をメインに訪花していました。ルドベキアにも求愛カップルが一度止まりました。


キンモンガ

アゲハモドキガ科の昼行性の蛾でよく訪花します。ミントが好きなようで、2頭集まっていました。スジグロシロチョウもミントに来ていました。



コハナマルバチ

ミツバチ科マルハナバチ亜科のハチです。イチンジセセリやヒメアカタテハが訪れないマリーゴールドに4,5頭集まっていました。

同じように吸蜜するのに種類によって何故こうも好みが違うのか、不思議としか言いようがありません。
何によって好みが決まるのか?・・・花の色・形?香り?


キベリタテハ

2014-09-07 13:39:00 | 甲州・信州への旅
9月3日
8月下旬からの悪天候が終わり、3,4日は曇り時々晴れの予報だったので、山梨県に出掛けました。朝から曇り空でしたが、笹子トンネルを超えたら晴れ間も見える天気になりました。

標高1,500m前後の林道に着く頃には曇りがちとなりましたが、幸いなことにアサギマダラとキベリタテハが同時に現れました。当然、キベリタテハに注目です。

1


これが最初の1枚。キベリタテハには2011年9月8日に霧ヶ峰で会えたものの撮影できなかった時以来の遭遇となりました。以下、2~5も同一個体です。

2


やや低い位置に移動。少し傷がありますが、濃い赤紫のビロードの様な地にブルーの斑点が並び、外縁が金色に輝くように見え綺麗でした。

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さらに右の方へ飛んで、壁面に静止。このころから日が陰り肌寒さを感じましたが、弁当の時にコンクリの道路に座ると温かさが感じられました。

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歩いて移動し、正面向きに。

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翅を閉じ加減に。翅裏は表と異なり地味な色調です。

9月4日
翌日は朝のうち少し晴れましたが、すぐに日が陰りました。それでもその日もキベリタテハが宿の庭に現れ、何度か移動したのち、宿の壁面の低い位置に止まってくれました。

6


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その後、2階の屋根の上部に舞い上がりしばらく静止。

宿の人の話では今年2月の大雪のためか今年は蝶の数が少く、キベリもとても少ないとのこと。
2日とも曇り空の下、少数ながらも出てきてくれたのは幸運なことでした。

キベリタテハは年1化で8月頃に発生、9月も活動しその後成虫で越冬します。

その他の蝶は後日報告します。

河川敷の蝶たち

2014-09-06 09:23:00 | 相模原・県央
9月2日
ギンチモンジセセリとミヤマチャバネセセリを探しに相模川の河川敷に行きました。

着いてまもなく2頭の蝶が高速で追飛しているのを追うと、ウラナミシジミでした。


ウラナミシジミ♂

青みの強い個体でした。


同一個体

ウラナミシジミは今年の初見です。この辺りでは、毎年秋口に見られるようになります。
追記(9月7日):過去の初見記録
2011年8月22日(相模原市南区)
2012年8月15日(小田原市)
2013年9月12日(町田市)

ミヤマチャバネセセリが草の上に止まっていました。


ミヤマチャバネセセリ


同一個体


同一個体

場所を変えてもすぐ近くで止まり撮影に付き合ってくれました。
ミヤマチャバネセセリは、河川敷のような環境を好みます。年に3回出現しますが、この時期に見られるのは第3化です。


キマダラセセリ

ギンイチモンジセセリが草の生えた歩道の分岐点付近を飛び、草地の中に姿を隠しました。再び姿を表さないかとその場所でしばらく待っていたところ、思いがけずわくわく日記のえむりさんご夫婦がお見えになりました。ご挨拶しギンイチモンジセセリがここにいたことを伝えました。

一旦別れ、それぞれ別の場所で蝶の探索をしました。


アレチハナガサとイチモンジセセリ

イチモンジセセリが5頭ほどアレチハナガサに。アレチハナガサ(クマツヅラ科 クマツヅラ属)は南アメリカ原産の多年草で、河川敷や荒地に自生します。


ゴマダラチョウ

かなり久しぶりの目撃です。暑い河川敷の日陰を選び飛翔・休息していました。


ヒメウラナミジャノメ

第3化です。

先ほどの歩道分岐点に戻ると、えむりさんご夫婦がギンイチモンジセセリを見付けて撮影しているところだったので、合流させていただきました。以下、すべて同一個体です。

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ギンイチモンジセセリ

葉にじっと止まり続け、少し翅を開いたところです。

2


5分間ほど経ったところで飛び立ち、歩道に生えているオオフタバムグラ(アカネ科)の花を次々に訪れ吸蜜しはじめました。
オオフタバムグラは北アメリカ原産の一年草で、荒れ地や河川敷、海岸で自生しています。

3


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少し翅を開いてくれました。
その後、えむりさんのご主人と一緒に飛翔写真に挑戦しました。

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まあ何とかピントの合った写真が1枚だけありました。

えむりさんご夫婦にはお世話になりました。有難うございました。