最初は何かの間違いかと思っていたら、実は本当だったということは誰にでも経験あることだと思います。何かの間違いだと思ってしまうのは、あまりにも現実とかけ離れていることが目の前に降りかかってきたときに瞬時にそう思うのかもしれません。
何かの間違いかと私が思ったのは、大阪市の橋下市長が提案をしている保育園の子ども一人あたりの面積基準の引き下げです。この面積基準問題は、以前から記事にしているところですが、昨年12月時点では大阪市は「検討中」としていました。
◆現行の国基準も低すぎるのに、さらにその半分
国基準の3・3平米でさえ狭く、全国社会福祉協議会がおこなった「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業」では最低でも4・11平米+αが必要だとしています。4・11平米+αというのは最低限の数字であり、国基準を引き上げることはあっても、引き下げるなど言語道断だと思います。
しかし、大阪市で現在検討されているのは1・65平米。実に畳一枚に子ども一人の計算になります。6畳一間にねんねからハイハイをする子ども6人と保育士2人、さらにロッカーやおもちゃなどが集積される計算になります。保育関係者でなくとも、現実離れをしていることがわかっていただけると思います。
こんな狭いスペースでどうやって子どもの成長と発達を保障することができるのか。私も息子が8カ月を過ぎて、ずりバイで家の中を探検していますが、わずか1畳に押し込められれば、そこでのストレスは半端ではないことでしょう。
いまでさえ、あまりにも低すぎる基準をさらに引き下げられる仕組みをつくった厚労省の責任も問われなければなりません。待機児解消の手段として、詰め込み保育をおこなえば、子どもの成長と発達にとって大きな影響があることは、だれが考えても明らかです。現実に、詰め込み保育によって、保育事故が起こっています。
橋下さんは、お子さんをたくさん育てられた方ではなかったでしょうか。0歳から1歳にかけて、子どもたちはできることが一つずつ増えていきます。あまりにも現実を見ないやり方は、保育と地域を破壊し、子どもたちが成長と発達をする権利を奪うことになります。この条例案は、明日27日にも本会議で可決しようというのですから、大阪市議会議員のみなさんも大きく問われることになります。議会がきちんとものを言わなければならないことです。
◆東京でも、面積基準の緩和
東京でも、石原都知事が同じく保育園の面積基準の緩和ができる条例を議会に提案し、3・3平米を2・5平米に引き下げようとしています。つまり、橋下さんも石原さんも「何かやってくれそう」というなんとなくの期待があるかもしれませんが、やっているのは、子どもたちを詰め込んで待機児解消をするというもっともやってはならない政治です。
町田市の石阪市長も面積基準の引き下げを自治体でできるようにすべきだといっています。
大阪維新の会が国政に進出することになればどうなるか。このことからもはっきりしたと思います。少なくとも、大阪維新の会と橋下市長に、子育ての願いは託すことはできません。
┏┓池川友一(日本共産党町田市議会議員)
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