「学力テスト」について、東京都の基本的認識を質問しました。
2018年第3回都議会定例会
文書質問趣意書
質問者 池川友一
三 「学力テスト」について
「学力テスト」について、文部科学省は「全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について(通知)」(28文科初第197号)を出しています。
この「通知」の中で「4月前後になると、例えば、調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ、本来実施すべき学習が十分に実施できないなどといった声が一部から寄せられるといった状況が生じています。仮に数値データの上昇のみを目的にしているととられかねないような行き過ぎた取扱いがあれば、それは本調査の趣旨・目的を損なうものであると考えております」と述べています。
私のところにも、「事前対策として過去問題を30回やった」など、都内でも過度に過去問題をやっている実態が寄せられています。
1 東京都教育委員会は、こうした「調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ」など、国の「学力テスト」のための事前対策の実態を把握されていますか。
2 こうした事前対策は問題だとは思いませんか。
3 国の「学力テスト」のための行き過ぎた事前対策の実態が明らかになった場合、どう対応するのか伺います。
学力の定着といいながら、悉皆調査で行われ点数の公表が行われるなど、国連子どもの権利委員会から「高度に競争的」と言われる「学力テスト」のあり方に大きな問題があります。
しかも東京都の場合、国の調査に加え、東京都の調査、さらには、39区市町村(2017年度)が独自に「学力テスト」を実施しており、子どもと学校は「学力テスト」体制に汲々としています。
福井県議会は、「学力テスト」による競争によって「『学力日本一』を維持することが本県全域において教育現場に無言のプレッシャーを与え、教員、生徒双方のストレスの要因となっていると考える」ことなどに言及し「義務教育課程においては、発達の段階に応じて、子どもたちが自ら学ぶ楽しさを知り、人生を生き抜いていくために必要な力を身につけることが目的であることを再確認し、過度の学力偏重は避けること」などを求める、「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」を可決しました。
4 都独自の「学力テスト」のあり方が問われています。悉皆調査や結果の公表など、「学力偏重」の都の「学力テスト」の見直しが必要だと思いますが、いかがですか。
2018年第3回都議会定例会
池川友一議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
三 「学力テスト」について
1 東京都教育委員会は、こうした「調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ」など、国の「学力テスト」のための事前対策の実態を把握しているか伺う。
回答
都教育委員会は、文部科学省の平成28年4月28日付「全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について(通知)」を受け、同年5月10日、区市町村教育委員会に向け、同調査の趣旨・目的に沿って実施がなされるよう周知しています。
なお、国の「学力調査」のための事前対策を行っているという事実は、把握していません。
質問事項
三の2 こうした事前対策は問題だとは思わないか、伺う。
回答
文部科学省の平成28年4月28日付「全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について(通知)」には、数値データの上昇のみを目的としているととられかねないような行き過ぎた事前の取組があれば、それは同調査の趣旨・目的を損なうものであるとの考えが記載されており、都教育委員会も同様に認識しています。
質問事項
三の3 国の「学力テスト」のための行き過ぎた事前対策の実態が明らかになった場合、どう対応するのか伺う。
回答
「全国学力・学習状況調査」の実施に際して、数値データの上昇のみを目的としているととられかねないような行き過ぎた事前対策の実態が明らかになった場合、都教育委員会は、区市町村教育委員会に対し、所管の各学校において、同調査の趣旨・目的に沿って適切な実施がなされるよう、指導を行います。
質問事項
三の4 都独自の「学力テスト」のあり方が問われている。悉皆調査や結果の公表など、「学力偏重」の都の「学力テスト」の見直しが必要だと思うが、見解を伺う。
回答
都教育委員会は、学識経験者や、区市町村教育委員会、小中学校長会、小中学校のPTAなどの代表者からなる「学力向上施策検討委員会」を平成22年度に設置し、「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の在り方について、毎年、検討を行っています。
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