ゼロ・トレランス方式。あまり耳慣れない方も多いかと思いますが、都議会文教委員会でこの問題について取り上げました。
ゼロ・トレランスとは直訳すれば「寛容ゼロ」「不寛容」ということになります。
2006年第一次安倍政権のときに「児童生徒の規範意識の醸成に向けた生徒指導の充実について(通知)」に示されました。
その少し前には、「生徒指導メールマガジン」で文科省の坪田児童生徒課長が次のように解説しています。
「ゼロトレランス方式」とは、クリントン政権以来、米国の学校現場に導入されている教育理念及び教育実践を表現したもので、学校規律の違反行為に対するペナルティーの適用を基準化し、これを厳格に適用することで学校規律の維持を図ろうとする考え方であり、軽微な違反行為を放置すればより重大な違反行為に発展するという「破れ窓理論」による説明も見られます。
「ゼロ・トレランス」の母国であるアメリカ心理学会は、「あらかじめ決められた罰、ほとんどの場合は重くかつ懲罰的な性格をもつ罰を、結果の軽重、情状酌量の余地、または、行為の文脈に関わらず適用することを求める思想または政策」と定義づけています。
いわゆる「問題行動」の背景には、人間関係の悩みや貧困、家庭内の困難、発達障害などがあることが多いことを踏まえた対応が必要です。専門的知見をいかし、何がいけなかったのか、この問題についても子どもとの対話によって理解できるように教えていくのが教育だと思います。
ゼロ・トレランスは、「個別の事情を考慮せず行為のみを見て例外なき罰の適用」であり対話を通じて理解を深めるという考え方とは相いれません。
ゼロ・トレランス「不寛容」ではなく、フル・トレランス「無条件の寛容」こそ必要だと考えます。
子どもたちが安心して試行錯誤をくり返し、集団の中で成長していくことができるようにしていくことができる教育環境の整備を、保護者のみなさん、教職員のみなさんとともにとりくんでいきたいと思います。
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