今、この小説にハマっています。
平山夢明「ダイナー」。
コミック化もしているようですが、だんぜん原作の小説のほうがおすすめ。
この本は、ぜひとも活字で読みたい。
10年くらい前までは、必ずバッグの中に読みかけのミステリー小説を入れていて、
ちょっと時間があいたりしたときは本を読んでいました。
が、そういえば最近、活字の本って、実用書やエッセイばかりになっていたかも。
小説を読むのは久しぶりでした。
この作者のすごいところは、とにかく「描写」の妙。
ひとつの状態を表現するにしても、日本語の使い方が実に巧みで、
かといって決してまどろっこしくなく、どれもすーっと入ってきます。
ちょっとグロい場面もあったりしますが、
ハードボイルドなシーンの中に、ときおり出てくる料理を作っている過程の描写が丁寧で、その表現の仕方も独特。
この小説を読みながら、同じものを作りたくなるほどです。
はちみつのスフレなんて最高。
メルティリッチのハンバーガーも作ってみたい。
繰り返し言いますが、…グロいシーンも多いです。
でもその同じ空間に知らん顔してさらりと料理が出てくるんです。
冷たくて恐ろしくて、でも優しくてハートフルで…
不思議な世界観の一冊です。
久々におもしろい本に出会いました。
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鉢植えの花桃がきれいに咲いています。
あまりにきれいすぎて、造花みたい。
ほんの数日前はこんな感じだったのに、
あたたかい春の日差しが、みるみる花を咲かせてくれたようです。