宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

ヘビの試し

2005年12月20日 | Weblog
ペルシテ人の逸話です…。
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大富豪サイマルは美しい娘のメリナに立派な婿を
願い、婿を一般公募しました。公募には500人以上の
男性が集まり、サイマルは様々な方法で男達を試して
ふるいにかけ、最後に二人の若者が残りました。
一人は美男子で頭脳明晰な用水路技師であるクレイトス、
もう一方は親衛隊から交易商に身を転じたサザベム、
鍛え抜かれた肉体を持つたくましい男性でした。

サイマルは娘に尋ねるものの彼女は顔を赤らめて何も
言わず、結局西の山に住む賢者に相談しました。

「罪な事をしたものじゃな。選ぶのは良いものの負けた者は
後々仇討ちをしようとするかもしれぬから、一方には死んで
もらうしかない。」
賢者はそう言ってカゴを渡し、中には恐ろしい毒蛇がいるから
手を入れて噛まなかった方を婿にするように言いました。

くじ引きによってまず交易商が手を入れましたが、無事でした。
続いて用水路技師が手を入れようとすると娘は叫んで彼を止め
ました。

「彼女の婿はクレイトスに決まった。サザベムには財産の半分を
与えるがよかろう。」そう言って賢者は立ち去りました。
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カゴの中には実は毒蛇などいず、賢者はこうして娘の心を計ろうとした
ようです。
日本にも、自分が生母であると主張して、一人の男の子を取り合った
二人の女性の似た様な話しがあった事を思い出しました。
男の子の腕を両側から引っ張り合いをして、勝った方が母親と認められる
と言われて引っ張り合いをする中で、男の子が痛みに堪えかねて泣き出して
思わず手を離した女性が本当の生母と認められました。

母子判定であれば現在は遺伝子調査で済みますが、人間の心はいつの時代も
ふるいにかけなければわからない様な、そんな一面があるのかもしれません。
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