魔術の世界で透視術と言えば、一般的に水晶球が連想されますが、
実際には、水を張った釜や、鏡などもよく用いられます。
そして、「魔法の黒い鏡」は、その中でも特に実用的で使い易いと
言われています。
この「魔法の黒い鏡」は、本来は円鏡や丸い透明なアクリル板などの
片面の表面に黒い塗料を塗って作りますが、そうした作業が難しい
人の為に、95年の学研ムー誌には、画像の「黒い鏡」の付録がつけられ、
そのまま使用出来るように配慮されていました。
この黒い魔法の鏡は、普段から強い光を当てる事を避け、使用しない時には
布で包んで保管しておくようにという指示がありました。
この黒い鏡を使って、水晶球のような透視術、それから発展して、
人物を視覚化して神託を得る方法、更に異次元に入る方法もあるの
ですが、今回は、透視術の方を抄掲させて頂きます。
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①まず、落ち着いた静かな部屋を用意する。
呼吸が規則的になったら、ゆっくりと鏡の表面を見つめる。
(鏡を製作した人の場合は、塗料を塗っていない面を見つめる。)
この時、正面から鏡を見ると、自分の顔が映ってしまうので、角度を調節して、
顔が映らないようにする。
②そしてゆっくり、気長に鏡を見つめている。
最初の変化は、鏡がぼけて見えてきたかと思うと、急にハッキリと見えたり、
チカチカと鏡が光って見えるという現象だ。
また、眉間や背中がむずがゆくなったりするだろう。
いずれも、筋肉が緊張した為に起こる事であって、心配は要らない。
最初の3回ぐらいまでは、このぐらいで満足するべきであろう。
③更に気長に鏡を覗いていると、そのうちに別の変化がやって来る。
まず、鏡の表面が、曇って見えるのである。
これを我々は、「クラウディング」と呼んでいる。
④「クラウディング」を経験したら、ヴィジョンを得るまで、あと一歩だ。
そのまま鏡を見ていて欲しい。
そのうち、蝶や猫、鉛筆などといった、具体的な映像が現れてくるようになる。
最初のうちは、チラッと何かが見えると、つい興奮してしまって、その瞬間に
ヴィジョンが消えてしまう事がよくある。
実際は2秒以上、像を見るという事は、ごく稀である。
ここまで訓練が進むのに、早い人で一週間、遅い人なら1年間かかると言われている。
ただ、魔術の視覚化の訓練を積んでいる人なら、最初の2、3回で成功するかもしれない。
いずれにせよ、じっくり焦らずに練習する事が大切だ。
こうして得られたヴィジョンは、必ず記録しておく事にしよう。
★幻視像の解釈
こうして得られた像は、多くの場合、象徴として現れてくる。
例えばある人物が出てきたとして、「○×さんが訪ねて来る」と、短絡的に解釈しては
いけない。
ビジョンは、解釈しなければ、全く意味を為さない。
幻視像の象徴は全く個人的なもので、万人共通ではない。
ある人にとって、猫は不吉の兆しかもしれないし、ある人には、吉兆かもしれない。
解釈にもっとも決定打となるのは、ビジョンを見た時の気持ちと、連想されるものである。
私の経験では、旅行を計画している時に、鷹が空を飛んで行くというビジョンを見た。
私はこれを「急げ!」と解釈したのである。
そして、次の日一番に旅行代理店に電話した所、私の希望していた飛行機の便が
ほぼ満席状態で、あと少し遅れていれば、チケットは手に入らなかったと言う。
このような解釈には、夢分析の本が多少参考になるが、全面的に信用してはならない。
あくまでも、自分の連想がキーなのだ。
なお、稀な事だが、ビジョンがそのまま現実になる事もある。
私は同様の方法で、近くの高校が燃えるビジョンを見た事がある。
そしてそれは、一ヵ月後に現実となった。
こうした、、そのまま現実になるビジョンの場合には、非常に強い胸騒ぎや、エモーションを
伴うのが普通だ。
通常のビジョンとは、容易に区別出来るだろう。
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