(コーランの「割れるの章 (アル・インフィタール) 」を読誦する事で
その者が 雨粒ほどの数の罪を負っていても 赦しが与えられるとされる。)
架空の存在に名前を与えて 祭祀の形をとる事によって
祀られたがっている鬼神などが 懸かってきて
架空の存在が 実体を持つ存在になってしまうという事は
「異境備忘録」にも書かれていますが、
以下の ネットに投稿されていたい体験談は、
そのような祭祀を 遊びとして行い
実際に鬼神が懸かったというものです。
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自分達が小学3年の時の話だ
当時、俺のいた学校ではこっくりさんや口裂け女などのオカルト話が大流行していた
そうするとその場で新たに怖い話を作る奴が当然出てくる
俺もその一人で、友達二人と共に俺たちは邪神を作ろうと計画した
それは「邪神を作った〇〇スゲー!」みたいに
クラスの人気者になりたいが為に立てた浅はかなもので、
出来た邪神(笑)も 空き地に落ちていた
割れたボールや洗濯バサミなどの廃材を組み合わせただけというものだった
子供目に見ても邪神というにはお粗末なそれを少しでもそれっぽく見せる為、
俺たちは学校の裏山にプラスチックの箱で祠を作り、パンの耳や蜜柑を供物として捧げた
供物はタマネギの皮だった時もあった
そして邪神()完成から数日後。神霊について調べた友人が依代と名前を決めようと言い出した
邪神様と呼ぶのに飽きていた俺たちはそれに賛成し、邪神の名をコワモテ様とした
ちなみに名前の由来は某RPGのカカシに何となく似ていたからで、
依代も下らない計画同様朽ちかけの木の板に墨で乱雑にコワモテ様と書いたものだった
邪神がコワモテ様へと転生し半月が経とうとしていた夏の終わり、それは起きた
学校帰りに供物のパンと蜜柑の皮を捧げた俺たちは、
大物が釣れると噂の防波堤に釣りに行こうと計画した
学校帰りに供物のパンと蜜柑の皮を捧げた俺たちは、
大物が釣れると噂の防波堤に釣りに行こうと計画した
餌も買い、竿も親から借り、天気は晴れ
さぁ休日よ来い!と勇み当日、俺は何の前触れもなく高熱に襲われた
当然釣りに行けるはずもなく、翌日に友達に来れなかったことを
電話で謝罪したら、友達も高熱に襲われていたらしい
奇妙な偶然もあるもんだよなーって電話で話してたら、その日の夕食
親から防波堤で死体が見つかったと知らせられた。
自殺か他殺かは分からないがとにかく酷い有様だったらしい
「もしあそこで高熱に襲われなかったら・・・」という
薄ら寒いものを感じながら休日を過ごし、少し引きずったまま学校に行ったその帰り道
「供物を捧げなかったからコワモテ様怒ってるかな?」とか話しながら友達と祠へ行くと
コワモテ様はいなくなっていた。
いや、コワモテ様を構成していた廃材は近くに散らばってたんだ
ただ、依代の朽木がそのままなくなっていた。
コワモテ様が死んだと思った俺たちは
穴を掘ってそこにコワモテ様と祠を埋め、上に石を乗せて墓を作った。
元々依代は朽ちかけだったので単に崩れただけかもしれないが、
今でも俺はコワモテ様が助けてくれたと信じている