8月2日、熊本市議会の「庁舎整備に関する特別委員会」が開かれ、京都女子大非常勤講師で超高層建築物や免震構造等大臣認定が必要な建築物の構造設計を20棟以上手掛けて来られた齋藤幸雄線が参考人として意見を述べられました。
齋藤幸雄先生は、2017年度に熊本市が行った「熊本市本庁舎整備計画作成業務委託」(安井建築設計事務所)について、「現設計に対する評価が不十分」と指摘され、最大の疑問は「震度6強振動に遭遇したが、地震後の被害が見つからなかった。にもかかわらず、耐震性に問題があり建替えが必要」と結論付けたことであると述べられました。
意見陳述では、この疑問についての考察を順次述べていかれました。
⓵現庁舎は、耐震性能が不足していない
現庁舎が今のままでは危ない、耐震補強が必要だとされていた「時刻暦応答解析建築物性能評価」の結果については、安井設計が」行った業務委託報告では、12の地震波を使い、現庁舎がその地震波に耐えうるかという検証が行われ、使用された3つの告示波による振動の場合、倒壊の危険性ありとなっていましたが、国の審査機関である日本建築センターは、告示波に替えて「サイト波」を入力地震動として用いることができるとしています。委託報告書では、用いられたサイト波による振動の場合は、倒壊の危険性なしとの結果になっており、熊本市役所の現庁舎は耐震性能が不足していないと述べられました。しかも、斎藤先生は、むしろ表層だけの振動による告示波よりも深層の地盤も考慮した「サイト波」の方がより確かな検証になるので、サイト波の結果を採用したほうがよいとも述べられました。
⓶大きな杭の損傷があるとは、考えられない
委託報告書では、耐震性能の不足した現庁舎の建替えの場合、杭が大きく損傷している。しかし、杭の補強ができないとされていました。しかし、この点でも、現庁舎の誓いにある杭は、損傷することが考えにくい直径2mの大口径場所打ちコンクリート杭が異例とも言えるくらい多数打ち込まれており、地盤面積の20%以上を杭の面積が占めている。こんな強固な地盤だからこそ、熊本地震の振動でも揺れが少なく、庁舎外壁にほとんど損傷がなかったと考えられる。杭の損傷は、地下のできる部分を実際に調査すれば、調査が可能である。
⓷熊本市役所の下で「強度の地盤変形はあり得ない」
「杭が多くく損傷している」との報告がされた委託報告書では、地震力に加えて、地盤の強制変形が加わるので、建物が大きく揺れ、倒壊の危険があり、杭も大きく損傷する。と結論付けられていましたが、この点でも、斎藤先生は、熊本市役所の地下には、建物をかこむように厚さ60センチ、深さ20メートルにも及ぶかたいコンクリートの囲いがつくられているので、市役所の下では地盤の強制変形は起こりえないと、一蹴されました。
以上のように、具体的な形で、耐震性のの不足はなく、現庁舎が極めて強固に建設されているか、その強度は、建築基準法が改定された今にも通づるものであることを述べられました。
熊本市が説明されてきた、耐震性能が不足し、建替えが必要ということの根拠がなくなった形になりました。
斎藤幸雄先生は、日本建築構造技術者協会(JSCA)の名誉構造士として、現場での実績もある第一線の建築構造士です。意見陳述を聴きながら、その内容を重く受け止めました。
多くの人が思っていた、こんなに立派な庁舎の建替えがどうして必要なのか、その疑問に答える意見陳述でした。
齋藤幸雄先生は、2017年度に熊本市が行った「熊本市本庁舎整備計画作成業務委託」(安井建築設計事務所)について、「現設計に対する評価が不十分」と指摘され、最大の疑問は「震度6強振動に遭遇したが、地震後の被害が見つからなかった。にもかかわらず、耐震性に問題があり建替えが必要」と結論付けたことであると述べられました。
意見陳述では、この疑問についての考察を順次述べていかれました。
⓵現庁舎は、耐震性能が不足していない
現庁舎が今のままでは危ない、耐震補強が必要だとされていた「時刻暦応答解析建築物性能評価」の結果については、安井設計が」行った業務委託報告では、12の地震波を使い、現庁舎がその地震波に耐えうるかという検証が行われ、使用された3つの告示波による振動の場合、倒壊の危険性ありとなっていましたが、国の審査機関である日本建築センターは、告示波に替えて「サイト波」を入力地震動として用いることができるとしています。委託報告書では、用いられたサイト波による振動の場合は、倒壊の危険性なしとの結果になっており、熊本市役所の現庁舎は耐震性能が不足していないと述べられました。しかも、斎藤先生は、むしろ表層だけの振動による告示波よりも深層の地盤も考慮した「サイト波」の方がより確かな検証になるので、サイト波の結果を採用したほうがよいとも述べられました。
⓶大きな杭の損傷があるとは、考えられない
委託報告書では、耐震性能の不足した現庁舎の建替えの場合、杭が大きく損傷している。しかし、杭の補強ができないとされていました。しかし、この点でも、現庁舎の誓いにある杭は、損傷することが考えにくい直径2mの大口径場所打ちコンクリート杭が異例とも言えるくらい多数打ち込まれており、地盤面積の20%以上を杭の面積が占めている。こんな強固な地盤だからこそ、熊本地震の振動でも揺れが少なく、庁舎外壁にほとんど損傷がなかったと考えられる。杭の損傷は、地下のできる部分を実際に調査すれば、調査が可能である。
⓷熊本市役所の下で「強度の地盤変形はあり得ない」
「杭が多くく損傷している」との報告がされた委託報告書では、地震力に加えて、地盤の強制変形が加わるので、建物が大きく揺れ、倒壊の危険があり、杭も大きく損傷する。と結論付けられていましたが、この点でも、斎藤先生は、熊本市役所の地下には、建物をかこむように厚さ60センチ、深さ20メートルにも及ぶかたいコンクリートの囲いがつくられているので、市役所の下では地盤の強制変形は起こりえないと、一蹴されました。
以上のように、具体的な形で、耐震性のの不足はなく、現庁舎が極めて強固に建設されているか、その強度は、建築基準法が改定された今にも通づるものであることを述べられました。
熊本市が説明されてきた、耐震性能が不足し、建替えが必要ということの根拠がなくなった形になりました。
斎藤幸雄先生は、日本建築構造技術者協会(JSCA)の名誉構造士として、現場での実績もある第一線の建築構造士です。意見陳述を聴きながら、その内容を重く受け止めました。
多くの人が思っていた、こんなに立派な庁舎の建替えがどうして必要なのか、その疑問に答える意見陳述でした。