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コロナ不況で支給要件が緩和された「住居確保給付金」の申請・支給件数が高水準で推移している。厚生労働省によると、2020年4
~9月の累計支給件数が10万3918件と、半年間で19年度の支給件数の約26倍に増えた。空き家を除いた国内賃貸住宅の0.7%に相当する
規模だ。この推移について、「申請・支給のピークは過ぎた」と捉える管理会社が目立つ一方、倒産・失業の増加次第では、6月以降
減少している申請件数が増加に転じるとの見方もある。データを元に不動産事業者の声を探った。
4~9月 国内の賃貸住宅の1%弱
「住居確保給付金」は、離職や廃業によって住居を失うおそれが生じている人に、実際の家賃額を原則3カ月間支給するというも
の。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、4月より給付要件を緩和。離職・廃業していなくとも、それと同程度まで収入が落ち込
んだ人も給付対象に加えることにし、この給付金制度の認知度も急拡大した。
4~9月の累計支給件数は10万3918件。単純計算で、全国の賃貸住宅1906万5000戸(総務省調べ)から空き家を引いた1500万戸弱の0.7%
に上る。
4月の支給件数は3409件だった一方で、申請件数は9459件まで増加。5月には申請件数がピークを迎え、4万4811件に上った。支給件
数は2万7040件だった。6月は申請が3万1167件とやや減ったものの、前月の積み残しもあり、支給は3万4869件となった。以降は申請も
支給も減少傾向にあるが、9月でも申請7375件、支給7819件と、例年より異常に高い水準のままだ。
支給額の上限は、市区町村ごとに定める生活保護制度の住宅扶助額で、最長9カ月間まで延長が可能。給付金は家主や不動産媒介事
業者らへ自治体から直接支払われる。
申請減でも残る不安
賃貸住宅7076戸を管理する冨士物産(静岡県浜松市)では、「住宅確保給付金」に関する手続きを5~7月は毎月10件ほど、それ以降は
月に3件ほど行っている。例年は年に1、2件程度。受給者は飲食業やフリーランスの単身者が目立った。営業推進部の西田行宏部長
は、「ピークは過ぎたが、収入減で貯蓄が尽きて新たに受給する人が毎月いるようだ」と話す。今後については、支給額と実際の賃料
の差額によって、滞納額がかさんでいる人が多数いる点を懸念しているという。
4471戸を管理するハウスプロメイン(兵庫県神戸市)では、5月に30件ほど手続きを行った。例年は1年間を通してもほとんどなかった
という。6月にも10件ほど手続きを行ったが、以降はほとんどない。「支給を受けられるような人たちは5月に一通り申請し終わったの
ではないか。支給対象は単身者が多かったが、職種も年齢層もバラバラの印象」と営業部の豊岡和樹課長は話す。今後については、
「8月に感染者が急増したときには、あまり影響がなかった。第3波も影響がないと思いたい」と、不安を抱えながらも悲観はしていな
い様子だ。
2500戸を管理するホーミングライフ(東京都新宿区)は、5月に25件の手続きを行った。以降は月に1件もしくは0件だ。例年は年に1件
あるかないかだったという。経理課・平原聡氏は「必要な人は5月に申請を終えた」とみている。受給者は、飲食業や非正規雇用単身
者が目立った。今後については、「第1波、第2波は乗り切ったが、次の第3波で耐えきれなくなって申請する人が出てくるのではない
か」と警戒感を示す。
帝国データバンク(東京都港区)の調べによると、4~9月における負債額1000万円以上の企業倒産数は全国で3858件で、過去30年で最
少。10月も前年同月比17.6%減の647件と低水準。データソリューション企画部情報統括課の神山竜哉氏は、「行政や銀行による資金繰
り支援の下支えで、当面は低い水準のまま推移する見込み。ただ、ビジネスモデルの転換を迫られている企業は多く、増加に転じるリ
スクをはらんだ状況が続きそうだ」と話す。
コロナ禍の影響は減少傾向にあるが、家賃滞納や退去が増える可能性は残っているようだ。
コロナ不況で支給要件が緩和された「住居確保給付金」の申請・支給件数が高水準で推移している。厚生労働省によると、2020年4
~9月の累計支給件数が10万3918件と、半年間で19年度の支給件数の約26倍に増えた。空き家を除いた国内賃貸住宅の0.7%に相当する
規模だ。この推移について、「申請・支給のピークは過ぎた」と捉える管理会社が目立つ一方、倒産・失業の増加次第では、6月以降
減少している申請件数が増加に転じるとの見方もある。データを元に不動産事業者の声を探った。
4~9月 国内の賃貸住宅の1%弱
「住居確保給付金」は、離職や廃業によって住居を失うおそれが生じている人に、実際の家賃額を原則3カ月間支給するというも
の。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、4月より給付要件を緩和。離職・廃業していなくとも、それと同程度まで収入が落ち込
んだ人も給付対象に加えることにし、この給付金制度の認知度も急拡大した。
4~9月の累計支給件数は10万3918件。単純計算で、全国の賃貸住宅1906万5000戸(総務省調べ)から空き家を引いた1500万戸弱の0.7%
に上る。
4月の支給件数は3409件だった一方で、申請件数は9459件まで増加。5月には申請件数がピークを迎え、4万4811件に上った。支給件
数は2万7040件だった。6月は申請が3万1167件とやや減ったものの、前月の積み残しもあり、支給は3万4869件となった。以降は申請も
支給も減少傾向にあるが、9月でも申請7375件、支給7819件と、例年より異常に高い水準のままだ。
支給額の上限は、市区町村ごとに定める生活保護制度の住宅扶助額で、最長9カ月間まで延長が可能。給付金は家主や不動産媒介事
業者らへ自治体から直接支払われる。
申請減でも残る不安
賃貸住宅7076戸を管理する冨士物産(静岡県浜松市)では、「住宅確保給付金」に関する手続きを5~7月は毎月10件ほど、それ以降は
月に3件ほど行っている。例年は年に1、2件程度。受給者は飲食業やフリーランスの単身者が目立った。営業推進部の西田行宏部長
は、「ピークは過ぎたが、収入減で貯蓄が尽きて新たに受給する人が毎月いるようだ」と話す。今後については、支給額と実際の賃料
の差額によって、滞納額がかさんでいる人が多数いる点を懸念しているという。
4471戸を管理するハウスプロメイン(兵庫県神戸市)では、5月に30件ほど手続きを行った。例年は1年間を通してもほとんどなかった
という。6月にも10件ほど手続きを行ったが、以降はほとんどない。「支給を受けられるような人たちは5月に一通り申請し終わったの
ではないか。支給対象は単身者が多かったが、職種も年齢層もバラバラの印象」と営業部の豊岡和樹課長は話す。今後については、
「8月に感染者が急増したときには、あまり影響がなかった。第3波も影響がないと思いたい」と、不安を抱えながらも悲観はしていな
い様子だ。
2500戸を管理するホーミングライフ(東京都新宿区)は、5月に25件の手続きを行った。以降は月に1件もしくは0件だ。例年は年に1件
あるかないかだったという。経理課・平原聡氏は「必要な人は5月に申請を終えた」とみている。受給者は、飲食業や非正規雇用単身
者が目立った。今後については、「第1波、第2波は乗り切ったが、次の第3波で耐えきれなくなって申請する人が出てくるのではない
か」と警戒感を示す。
帝国データバンク(東京都港区)の調べによると、4~9月における負債額1000万円以上の企業倒産数は全国で3858件で、過去30年で最
少。10月も前年同月比17.6%減の647件と低水準。データソリューション企画部情報統括課の神山竜哉氏は、「行政や銀行による資金繰
り支援の下支えで、当面は低い水準のまま推移する見込み。ただ、ビジネスモデルの転換を迫られている企業は多く、増加に転じるリ
スクをはらんだ状況が続きそうだ」と話す。
コロナ禍の影響は減少傾向にあるが、家賃滞納や退去が増える可能性は残っているようだ。
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