https://mainichi.jp/articles/20191005/k00/00m/040/218000c毎⽇新聞 2019年10⽉5⽇ 17時51分 (最終更新 10⽉5⽇ 17時51分)
⽣活が困窮するLGBTなど性的少数者に 居住⽀援を――。今年1⽉からLGBT向けの シェルターを運営し、⾃らもゲイと公表している東京都中野区議の⽯坂わたるさん (43)が講演し、性的少数者が貧困に陥っ た時に直⾯する問題を明かした。⽯坂さん は「LGBTが⼊れるシェルターはほとんどない。貧困の問題にも光を当て、⽀援体制を整えていくべきだ」と訴えた。【牧野宏 美/統合デジタル取材センター】
LGBTは精神障害やハラスメント、DVを抱えやすい
石坂さんは4⽇、東京都新宿区の⼾塚地域センターで開かれた市⺠団体「住まい の貧困に取り組むネットワーク」が主催する連続講座で「LGBTの住宅問題と虹⾊ハウスの取り組み」と題して話した。
⽯坂さんによると、LGBTは⼦供の頃から家族にも打ち明けられず、孤独感を抱えるなどしてうつ状態に陥りやすいという。職場でLGBTと分かった後、無視などのいじめや性的なハラスメントを受けたり、別の理由をつけられて解雇されたりする⼈もいる。
同性カップル間のDVもある。DVの被害者は「逃げたらLGBTと会社にばらす」 「警察に相談できるわけがない」と脅されることもあるという。
2016年に厚⽣労働省の研究班が主にゲイやバイセクシュアルの男性を対象に実 施した調査では、「悩みやストレスの原因が収⼊・家計・借⾦」と回答した⼈が 56.1%おり、「住む家がなくなった経験がある」⼈も5.2%いた。⼀⽅で「悩みやストレスを家族に相談している」⼈は16.7%と少数だった。
「貧困抜け出すために安⼼できる個室を」と⽀援団体設⽴
⽯坂さんによると、そもそも住居に関し ては、LGBTのカップルは⼤家が敬遠する ために家を借りにくいなどの問題があるが、貧困に陥って家を失った場合はより深刻だ。
無料低額宿泊所などで相部屋にされるこ とがあるが、同性愛者は過去のハラスメントの経験などから不安を感じて⽀援を断る ⼈が少なくない。トランスジェンダーで⼾籍上と⾒た⽬の性が異なる場合、施設の利⽤を断られることもあるという。
このため、⽯坂さんは「安⼼できる個室や⽀援体制が必要」として、昨年秋に 当事者や⽣活困窮者⽀援を続ける⼈たちと「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」を設⽴。クラウドファンディングで集めた資⾦で中野区内の賃貸住宅1 室を借りて「LGBT⽀援ハウス(虹⾊ハウス)」と名付け、シェルターとして運営を始めた。
「職場でセクハラ受け失職」「同居⼈に暴⼒を受け路上⽣活に」
これまでに⼊居したのは3⼈。その1⼈のゲイの男性は、⼯場などで住み込みの 派遣の仕事を転々としていたが、職場で男性からセクハラを受けてやめざるを得なくなり、住む場所を失った。別の男性は同居⼈からの暴⼒が原因で家を出て⼀ 時は路上⽣活になり、友⼈宅に⾝を寄せていた。職場ではゲイとばれていじめにも遭っていた。
2⼈とも虹⾊ハウスに滞在した後、仕事が決まるなどして住居を確保でき、新しい⽣活を始めているという。
会には昨秋以降、地⽅からも含め数⼗件の相談が寄せられている。⽯坂さんは 「LGBT向けのシェルターは、虹⾊ハウスが全国で唯⼀といっていいぐらい少な い。わずか1室で『焼け⽯に⽔』と⾔われるかもしれないが、社会に問題を発信 し、⽀援が全国に広がるように活動を続けたい」と語った。
⽣活が困窮するLGBTなど性的少数者に 居住⽀援を――。今年1⽉からLGBT向けの シェルターを運営し、⾃らもゲイと公表している東京都中野区議の⽯坂わたるさん (43)が講演し、性的少数者が貧困に陥っ た時に直⾯する問題を明かした。⽯坂さん は「LGBTが⼊れるシェルターはほとんどない。貧困の問題にも光を当て、⽀援体制を整えていくべきだ」と訴えた。【牧野宏 美/統合デジタル取材センター】
LGBTは精神障害やハラスメント、DVを抱えやすい
石坂さんは4⽇、東京都新宿区の⼾塚地域センターで開かれた市⺠団体「住まい の貧困に取り組むネットワーク」が主催する連続講座で「LGBTの住宅問題と虹⾊ハウスの取り組み」と題して話した。
⽯坂さんによると、LGBTは⼦供の頃から家族にも打ち明けられず、孤独感を抱えるなどしてうつ状態に陥りやすいという。職場でLGBTと分かった後、無視などのいじめや性的なハラスメントを受けたり、別の理由をつけられて解雇されたりする⼈もいる。
同性カップル間のDVもある。DVの被害者は「逃げたらLGBTと会社にばらす」 「警察に相談できるわけがない」と脅されることもあるという。
2016年に厚⽣労働省の研究班が主にゲイやバイセクシュアルの男性を対象に実 施した調査では、「悩みやストレスの原因が収⼊・家計・借⾦」と回答した⼈が 56.1%おり、「住む家がなくなった経験がある」⼈も5.2%いた。⼀⽅で「悩みやストレスを家族に相談している」⼈は16.7%と少数だった。
「貧困抜け出すために安⼼できる個室を」と⽀援団体設⽴
⽯坂さんによると、そもそも住居に関し ては、LGBTのカップルは⼤家が敬遠する ために家を借りにくいなどの問題があるが、貧困に陥って家を失った場合はより深刻だ。
無料低額宿泊所などで相部屋にされるこ とがあるが、同性愛者は過去のハラスメントの経験などから不安を感じて⽀援を断る ⼈が少なくない。トランスジェンダーで⼾籍上と⾒た⽬の性が異なる場合、施設の利⽤を断られることもあるという。
このため、⽯坂さんは「安⼼できる個室や⽀援体制が必要」として、昨年秋に 当事者や⽣活困窮者⽀援を続ける⼈たちと「LGBTハウジングファーストを考える会・東京」を設⽴。クラウドファンディングで集めた資⾦で中野区内の賃貸住宅1 室を借りて「LGBT⽀援ハウス(虹⾊ハウス)」と名付け、シェルターとして運営を始めた。
「職場でセクハラ受け失職」「同居⼈に暴⼒を受け路上⽣活に」
これまでに⼊居したのは3⼈。その1⼈のゲイの男性は、⼯場などで住み込みの 派遣の仕事を転々としていたが、職場で男性からセクハラを受けてやめざるを得なくなり、住む場所を失った。別の男性は同居⼈からの暴⼒が原因で家を出て⼀ 時は路上⽣活になり、友⼈宅に⾝を寄せていた。職場ではゲイとばれていじめにも遭っていた。
2⼈とも虹⾊ハウスに滞在した後、仕事が決まるなどして住居を確保でき、新しい⽣活を始めているという。
会には昨秋以降、地⽅からも含め数⼗件の相談が寄せられている。⽯坂さんは 「LGBT向けのシェルターは、虹⾊ハウスが全国で唯⼀といっていいぐらい少な い。わずか1室で『焼け⽯に⽔』と⾔われるかもしれないが、社会に問題を発信 し、⽀援が全国に広がるように活動を続けたい」と語った。
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