ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

まるで白昼夢のような出来事

2020-09-05 16:40:38 | エッセー

 夫は認知症のため週に3回デイホームへ通っている。我が家は3階なのでお迎え

の方を待たしては悪いと思って、予定のお迎え時間より少し前に、夫を1階の

玄関で待たせるようにしている。その時の気分で夫は玄関内や、外に出て待って

いるようだが、今朝は外で待っていたようで、インターホンは鳴らなかった。

 するとしばらくしてインターホンが鳴ったので、今朝は随分遅いなと思ったら

いつもすぐに出るはずの夫がなかなか外に出ないので、まだ靴を履いていないの

かしらと階段を駆け降りた。すると、何と夫がいないではないか?

 私はトイレかと思い、また階段を走って昇り、家中探したが夫はいなかった。

           

 頭が動転して玄関で待っている方に「家中探していないのですが、もしかしたら

今日は床屋さんへ行こうと言っていたので・・・今見てきます」と、家の前の

床屋さんへ走った。そこにも夫はいなかった!私は頭が混乱したが、お迎えの人は

「もう一軒お迎えに寄り、もう一度来ますから」と、やさしく言って車で去った。

3階に上がり「夫がいない、そんな馬鹿なことが・・・」と、混乱した頭を鎮める

ように深呼吸していたら、またインターホンが鳴った。

 すると「小池さんがマスクをしていないので、取りにきました」と言うではないか。

「小池さんは車に乗っています」私は夫がいたので、ホッとしてマスクを渡したが

不思議でならなかった。部屋に戻ると電話が鳴り、ケアマネージャーから「今日小池

さんがいなくなったと、デイホームから連絡があったので」と言う内容だった。

私はほんの今起きた出来事を話し「私は白昼夢を見ているのでしょうか」と話し

ケアマネも「それはどういう事なのでしょうか、不思議ですね」と電話を切った。

私はヒーラーなので、見えないエネルギーや、世界も存在すると信じている。

(もしかしたら何かの力が働いたのかも?)、などとも思い、とても恐ろしくなった。

すると、またケアマネジャーからの電話があり「手違いで今朝は小池さんのお宅へ

車が二台お迎えに行ったそうです」私は(そうだったのか)と安心すると同時に

グッタリした。私はあまり人の顔や、車の形など見ないクセがある。

 ほんのわずかな時間だったが、どうしようもない程混乱したが、後で冷静になって

よく考えたら、私が二人の顔が、違うことに気づけば良かったのだと思った。

 本当に疲れて昨日は何もできなかった、私にとっては衝撃的な大事件だった。

 

コメント
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