ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

私を世界中に羽ばたかしてくれた夫のために諦めたこと

2021-12-15 10:37:35 | エッセー

 心理カウンセラーの長年の経験や、認知症の夫を介護度1の優等生として介護の

経験がある私は、自分の年齢では「今しかない」と感じ、何時もご苦労している

「認知症のご家族」に、「認知症家族の扱い方」「ストレス対策」のボランティア

をしたいと思った。そのため、夫の主治医である都立松沢病院の「認知症専門医」の

先生にご相談した。介護者としての私も理解していて下さる先生は「それは良いこと

だから高齢福祉課にアプローチしたら」と勧めて下さった。世田谷区では有名な先生

だが公務員なので推薦はして頂けないが、私はすっかりその気になったが、でも・・・

改めて夫を観察してみたら、家にいるとほとんどベッドで寝ている、食事の量が減った

歩き方が遅くなった、「00してね」言ってもなかなかしない(できない)。

今朝電源が落ちたが、どこにあるのか分からなかった、歩くとき何かに掴まることが

多くなった。何でもスピーデイで、体が軽かった昔とは想像もできない。

そう思うと毎週三回お世話になっているデイホームも、そう長く通えないかも知れないし

いろいろな病気から、すでに10年前に亡くなっていていたかも知れない人だ。

でも、まだ体重は現役時代より増えたままなので、そんな意味では安心しているが・・・

「ヤッパリやめよう」と潔く諦めた。昔友人達から「ちょっと神様」と言われた

程私には寛容だった夫。ヨーガ、心理学、ダンス、ヒーリングなどの研修のために

覚えていないくらい海外へ頻繁に海外へ行った私。商家の主婦だったのに・・・

そう思うと今しかできないのは夫の介護だ。認知症と診断されると余命3年から5年と

言われているそうだが私は「唯の一度も怒らせない介護や、心理のプロとしての知識を

活用し既に10年間は、ほぼほぼ元気でいる夫」、そう長くは一緒にいられない私達だ。

時間活用術が得意な私だから、決して犠牲にならずに、これからも「生きた実験台の夫と

自分のためだけに生きよう!」と思った。そう割り切れたら、気分がすっきりした。 

 

コメント
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