心理カウンセラーの長年の経験や、認知症の夫を介護度1の優等生として介護の
経験がある私は、自分の年齢では「今しかない」と感じ、何時もご苦労している
「認知症のご家族」に、「認知症家族の扱い方」「ストレス対策」のボランティア
をしたいと思った。そのため、夫の主治医である都立松沢病院の「認知症専門医」の
先生にご相談した。介護者としての私も理解していて下さる先生は「それは良いこと
だから高齢福祉課にアプローチしたら」と勧めて下さった。世田谷区では有名な先生
だが公務員なので推薦はして頂けないが、私はすっかりその気になったが、でも・・・
改めて夫を観察してみたら、家にいるとほとんどベッドで寝ている、食事の量が減った
歩き方が遅くなった、「00してね」言ってもなかなかしない(できない)。
今朝電源が落ちたが、どこにあるのか分からなかった、歩くとき何かに掴まることが
多くなった。何でもスピーデイで、体が軽かった昔とは想像もできない。
そう思うと毎週三回お世話になっているデイホームも、そう長く通えないかも知れないし
いろいろな病気から、すでに10年前に亡くなっていていたかも知れない人だ。
でも、まだ体重は現役時代より増えたままなので、そんな意味では安心しているが・・・
「ヤッパリやめよう」と潔く諦めた。昔友人達から「ちょっと神様」と言われた
程私には寛容だった夫。ヨーガ、心理学、ダンス、ヒーリングなどの研修のために
覚えていないくらい海外へ頻繁に海外へ行った私。商家の主婦だったのに・・・
そう思うと今しかできないのは夫の介護だ。認知症と診断されると余命3年から5年と
言われているそうだが私は「唯の一度も怒らせない介護や、心理のプロとしての知識を
活用し既に10年間は、ほぼほぼ元気でいる夫」、そう長くは一緒にいられない私達だ。
時間活用術が得意な私だから、決して犠牲にならずに、これからも「生きた実験台の夫と
自分のためだけに生きよう!」と思った。そう割り切れたら、気分がすっきりした。