前夜はかなり飲んだり食べたりしたので、朝食は抜いてコーヒーだけにした。
夫をデイホームに送り出し朝刊を読んでいたが、ベランダに出たら、なぜか急に雨の
羽根木公園を歩きたくなった。濡れた樹木がひときわ美しく、その香りがいっぱいでは
と思ったからだ。私は「00したい」と思うと、子供の頃から我慢できない質で、高齢に
なった今でもまったく変わらない。
いつもとは違う林がある入り口から入ると、まるで景色が違っている。
大きな樹木が立ち並んでいて、林にはさまざまな新緑の樹木があふれていて
美しかったし、お花も咲いていた。でも、想像したような香りは立ち込めていな
かった。静かな公園はいつも来たときより、ずっと情緒的だったが、水たまりが
妙に懐かしく新鮮に感じた。
いつも夫の付き添いで来るのとは違って、とても解放感があり、時々立ち止まり
ながめながらゆっくり歩いた。公園を一周したが、歩いていたのはわずか数人だけだった。
帰りに梅丘駅で顔見知りに会って、私が公園を歩いてきたと話したら「え!こんな
に雨が降っているのに」と、あきれたような、驚いたような顔をした。
私はやっぱり相当変わっているのかも知れない。