外(他)罰的とは、何か問題が起きると、すべては他人が悪い、周囲が悪い
など思う攻撃的な考え方です。また、内(自)罰的とは、その逆で、すべての
原因は自分の方のあると考えることです。もしも誰かとぶつかったとしたら
外罰的同士であれば、「お前が注意しないからぶつかったのだ」と捉え
そこで大喧嘩になることでしょう。これを書きながら私は、大昔のことを
突然思い出しました。それは免許取り立ての私の運転の練習のため、夫と
下北沢辺りを走っていた夜,タクシーに追突されたのです。
ショックも少なくケガもなかったのですが、車の後部は無残に壊れました。
夫はその時に謝る相手を、一言も責めなかったのです。
今思えば新米の私の運転は、流れに背いていたからだったのかも知れません。
プロのタクシーに追突されたのは、きっと私の方が原因だと夫は感じたの
でしょう。夫は寛容な性格で、長年私を大きく羽ばたかしてくれましたが
考え方も無罰的なタイプでした。(相手も、自分も責めず、冷静に状況
判断する)
指導の実例ですが、まだ弁護士になりたての人が、「自分は生まれつき優れて
いると思うので、他人に尊敬されるのは当然だと思っている、それなのに何故か
人間関係があまり良くない、これから弁護士として仕事をするためにも
自分を変えたい」と言う相談でした。それから、性格分析、心理テストなどで
詳しく分析しましたが、IQは大変高いけれど、EQ(心の知能指数は)低く
またかなり外罰的な人だと分かりました。それらについて具体的にカウン
セリングをすると同時に,、そのネガティブな面をどのように変えるかに
ついて、色々アドバイスをしました。すると、「過去の自分は恵まれ過ぎて
いました。すべて当然だと思っていて、両親や周囲の人達にも感謝など
全くなかった」と、改めて理解できたようです。
最終回には母親を同伴してきて、「先生のお蔭で自分の考え方や行動が
あまりにも傲慢だった事に気づきました。すると、今まで当然と思っていた
ことが、とても有難く感じられるようになりました」と驚くほど素直になり
好感度がずっと高くなったのです。きつと良い弁護士さんになれると、私は
とても嬉しくなりました。
さて、あなたはどちらのタイプでしょうか?そのどちらでもないタイプを
「無罰的」と言います。外罰的は攻撃的で、感謝の気持ちものかけらもない
ようです。また、「すべて自分が悪かった」と捉え、自分を責める内罰的
対応も、またストレスを受ける度合いが大変強いのです。
外罰的でも、また内罰的でもなく、相手も自分も責めることなく、冷静
に対応できる「無罰的な考え」ができればベストですね。
すると精神的にも大きく成長できて、生きて行くのが随分楽になることで
しょう。無論私もそのように生きているつもりですが、でも、年齢の割には
人間出来ていないので、時折反省していますが・・・