博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

最近見てるドラマ(2024年12月 その2)

2024年12月21日 | 中華時代劇
『清明上河図密碼』
「清明上河図」の世界を再現したサスペンス連作。大理寺のしがない文書係の趙不憂は妻と弟妹、父親の5人家族。しかし妻の温悦は実は暗殺者で…… 弟妹にもそれぞれ得意分野というか特殊能力があるということで、中国時代劇版スパイ×ファミリーという趣の作品です。まあ温悦の正体は早々にバレバレになっちゃうんですが (^_^;) 実在の人物や歴史上の事件の描写ではなく街並みや社会生活などの再現にこだわるという『長安二十四時』以来の傾向を引き継いだ良作です。エンディングで「清明上河図」の一部分を再現しているのも見所。
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最近見てるドラマ(2024年12月)

2024年12月09日 | 中華時代劇
『永夜星河』
週末に流行りの小説を読むのだけが生きがいのOLが愛読書の世界に転生してしまう。それも悪役の少女として…… と、あらすじだけ見ると陳芊芊のパチモンみたいな感じで、ヒロインが原作の設定や展開を熟知しているという点も共通してますが、こちらははなっから展開が原作から逸脱したりして随分雰囲気が違います。システムから下されるミッションをクリアしていかないと元の世界に戻れないとか、どこかで見たような話がてんこ盛りの作品ですが、何も考えずに見てると結構楽しめます (^_^;) 中盤でダレますが、終盤に向けての盛り上がりが半端ないです。

『蜀錦人家』
譚松韻主演作。時代が唐代ということで、真珠・宝飾を錦、舞台を揚州から益州に入れ替えただけの『珠簾玉幕』第2部という感じが…… ヒロインの父親が第1話で冤罪を押っつけられて殺害され、一家が没落したところをヒロインの創意工夫で建て直していくという展開や、ヒロインを性格がきつめの男主1とやさしい男主2が支えるという設定も何だか似ています。おまけに『珠簾玉幕』の崔十九みたいな人も出て来ますしw しかし映像面を含めて造りは丁寧だなという印象。益州の地域性を押し出している所も好感度高いです。
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最近見てるドラマ(2024年11月)

2024年11月09日 | 中華時代劇
『山花爛漫時』
2007年、雲南省麗江市の山村。中学教師張桂梅は家の事情で学業を中学で終える女児があまりにも多い現実を目にしてきたことで、地元に学費無料の女子高を作ろうと決意。そんな中、地元の副県長らの計らいで彼女が党大会の県の党代表として出席することになり、会議の場で年来の夢を訴え…… 実はもとにしたドラマ。とにかくアツいドラマです。様々な困難を乗り越え、開校が実現しても更に生徒の学力不足や運営資金不足、愛想を尽かした教員の退職による人材不足などの問題が立ちはだかりますが、彼女の熱意、時に彼女の悪知恵で乗り越えていきます。繰り返しますが、下手な学園物よりアツいです。この秋一番おもしろいドラマと言っても過言ではありません。騙されて見てください。

『珠簾玉幕』
崔氏珠場の真珠取りの海女の奴隷端午@趙露思は上司や同僚のイビリに耐える毎日。そこへひょんなことから崔氏の商売敵の燕子京@劉宇寧の商隊の隷人として雇われることに。そこから燕子京に奪われた母の形見の血珠を取り戻すため、仕事に励み、独立して商売ができる立場になれるよう身分の上昇をめざすことに。外部から彼女を支えるのは訳ありの読書人張晋然。燕子京も彼女に厳しく当たると見せかけてきっちりチャンスを与えます。しかし崔氏の代理人崔十九娘は端午と燕氏商隊を目の敵にし…… 最近古装がどうもイマイチなのでとにかく目先が変わったのが見たいと思ってチョイスしたのですが、これが当たりでした。やっぱり商売物は面白い\(^o^)/
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最近見てるドラマ(2024年10月)

2024年10月04日 | 中華時代劇
『SHOGUN 将軍』
エミー賞を獲得した話題作で、中国時代劇ではよくある架空歴史物。関ヶ原前夜、五大老の最有力者で太閤の後釜を狙う吉井虎永が按針と出会う所から物語が始まります。按針はプロテスタントを敵視するカトリックの宣教師やキリシタン大名の木山らに白眼視されつつ、細川ガラシャに相当する通詞の鞠子、正室としてあてがわれた藤らのサポートを得て虎永に旗本として取り立てられることになるが…… 真田広之やアンナ・サワイが注目されていますが、私のお気に入りは浅野忠信演じる反復常無き姦雄・樫木藪重です (^_^;) 日本人・日系俳優の起用とともに日本語台詞の多さも話題ですが、実際のところは王一博主演映画『無名』程度の割合でしょうか。あとは地震を演出に取り入れているの特徴のひとつ。

『春家小姐是訟師』
軍戸の家のお嬢様・春荼蘼が無実の罪に陥れられた父親を救うため、母の形見の法律書を片手に訟師となって裁判に乗り込むという所から話がはじまり、正体を隠して汴州に視察にやって来た王世子の韓無畏や大理寺丞の康正源、更には謎の侠客・夜叉の知遇を得て世直し旅に出ることに……という筋。夫馬進の『訟師の中国史』を読んで以来何となく気になってた作品ですが、もちろん現実の歴史の訟師の活動はあまり踏まえておりませんw 全20話しかないのに中盤に入ってダレ気味になるのが残念。

『南来北往』
1978年。若手の鉄道警察員汪新は車内で警察に護送されてきた逃亡犯を捕捉しようとして逃げられてしまうが、その逃亡犯馬魁と自分の師父として再会することになる。馬魁はまた中学の同級生だった馬燕の父親で…… たまにはハートウォーミングなやつが見たいということで見始めましたが、見事当たりです!脇役に劉冠麟が出てくる所も個人的にポイントが高いです (^_^;) 日本で放映されたら、80年代~90年代の中国鉄道旅をしのぶ人も多いんでじゃないでしょうか。
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最近見てるドラマ(2024年9月)

2024年09月05日 | 中華時代劇
『不完美受害人』
大成グループの会長秘書趙尋は会長成功から性加害を受けるが、何者かがそれを警察に通報し、マスコミにもタレコミする。彼女は警察の取り調べにも頑なに性加害であることを否定するが、事件を担当する女刑事晏明や成功の女弁護士林闞、男性同僚で彼女に好意を抱く陳黙らに励まされ、告発を決意する。現代版『九義人』というか、『夢華録』の監督楊陽による社会派ドラマ。趙尋役の林允、陳黙役の管雲鵬など、キャスティングにも『夢華録』でお馴染みの顔が揃ってます。事件は更に周迅演じる林闞や通報者の元カノの過去の性加害事件とも重なり合っていき……

『四方館』
大雍国の都・長楽の外国人を管轄する四方館。その四方館の顧問元莫は身元不明の女性阿術につきまとわれ、彼女を奴婢にするが、どちらが主人かわからない始末で…… 檀健次・周依然主演の古装推理物。杜淳も出てます。外国人に関する事務を扱う役所を舞台にした推理物ということで設定がちょっと変わってるので見てみることにしたのですが、6話を見たあたりで飽きましたw コンセプトも『唐朝詭事録之西行』とかぶってる気も。

『九部的検察官』
刑事事件の捜査で問題を起こした検察官・雷旭は、未成年の事件を扱う新設の第九検察部に主任として異動することになるが、そこは都子瑜@秦嵐が取り仕切る女ばかりの職場で…… ということで捜査の必要に応じて巧みに変装する「百変検察官」の雷旭を『狂飆』の張訳が演じてます。変装して容疑者宅を訪ねたり地域の校区を見回りしたりと、中国の検察官って警察みたいな仕事をするのかと思いつつ見てます (^_^;)

『度華年』
元夫婦ながらお互い政敵として殺し合う中となった長公主李蓉と丞相裴文宣。同日に相手に殺害された2人は、2人が出会って結婚する直前の20年前に生まれ変わる。前世の知識を生かして今度こそ思うような人生を生きられるか?趙今麦初の古装として評判も上々の本作。8月の河南旅行でテレビで目にして気になったので見てみることに。よくあるリプレイ物といえばそうなんですが、因縁のある相手も同時にリプレイするというのがちょっと新しいかなと。今の所飽きずに見れてますw
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最近見てるドラマ(2024年8月)

2024年08月03日 | 中華時代劇
『唐朝詭事録之西行』
壁画に描かれた魔王が抜け出して殺人を行うという怪事件を捜査しているうちに行方不明になった盧凌風。蘇無名を捜査を引き継いで彼を捜索。そして無事事件は解決したものの、盧凌風が実は公主の子であることが、その政敵である新帝の耳に入ってしまい…… ということで最初の事件の後は蘇無名は免官処分となって長安所払い、盧凌風も地方に左遷されてチーム蘇無名は二手に分かれて西へと旅立ち、更なる怪事件に巻き込まれます。前作と同様に『神探狄仁傑』風味のいい伝奇に仕上がってます。中盤近くまで見た感想ですが、前作より面白くなってると思います。前作に引き続きクリーチャーというかUMAも登場しますしw

『少年白馬酔春風』
こちらは『少年歌行』の前伝。前作の親世代の若い頃の活躍を描きます。今回の主人公は前作でいい酒飲みっぶりを見せた百里東君。意外にも?名門のお坊ちゃんだったようで、冒頭で酒場を開くも客が寄りつかないというのは前作の出だしを思わせます。今作もCGを駆使していい夢のある武侠に仕上がっています。誰が前作の誰の親や師父なのかがわからなくなるので、人物対照表は必須です (^_^;) 
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最近見てるドラマ(2024年7月)

2024年07月03日 | 中華時代劇
『玫瑰的故事』
劉亦菲の新作。亦舒の有名小説を原作としたもので、2001年の北京から物語が始まります。黄亦玫は名門の芸術大学を卒業後に展覧会の企画会社に就職。女社長のティナや上司の蘇蘇に揉まれつつ仕事の関係で知り合ったエリックと恋人同士になるが、彼はフランスに異動。遠距離恋愛は長く続かず…… ということで彭冠英、林更新、林一、ウォレス・フォと相手役が次々と入れ替わるのが売りのようです。ヒロインはどうも地雷男をつかんじゃうタイプのようです (^_^;)

『金庸武侠世界』
金庸生誕百周年記念作という鳴り物入りで登場。『射鵰英雄伝』の物語が展開される『鉄血丹心』全30話を皮切りに、親世代の物語を描いた短編の前伝を数作並べて全60話構成という風変わりな構成。パートごとに監督が変わるのも売りです。『鉄血丹心』は『三体』の楊磊が監督を務め、『射鵰英雄伝』の話をすっ飛ばし気味に展開。元の話を知らない人がどれだけ着いていけるのか疑問に思わないでもないですが、とにかく映像が綺麗でアクションも見応えがあります。アレンジは従来作と同様に控えめですが、楊康や欧陽克といった悪役に対するフォローが多い感じです。

『墨雨雲間』
沈家に嫁いだ薛狸は実家の没落により夫一家に殺害されたはずが、姜家の嫡女の姜梨に助けられ、死んだ彼女と入れ替わって姜家に迎えられ、姜梨の、そして自らの無念を晴らすために尽力することになる。そこへ曲者の粛国公も絡んできて…… 仇討ちが目的の大家族物ということで序盤のフォーマットは『瓔珞』と一緒です。というか制作会社と主演女優も一緒です (^_^;) 1話平均50~55分と変則的ですが、暗い内容に比してあまりストレスを感じずに見られる仕様になってます。
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最近見てるドラマ(2024年6月)

2024年06月06日 | 中華時代劇
『慶余年』第2季
殺害されたと見せかけて実は生きていた范閑。彼は亡き母の理想を実現させるために動き出す。ということで前作から5年を経て放送された待望の続編……なんですが、どうもイマイチ。個別のシーンは悪くないんですが、全体で見ると10点満点で6~6.5という感じです。ストーリー展開、駆け引き、アクション、細かいギャグのどれを取ってみても次に紹介する『天行健』にまったく及んでいません。おまけに中盤の科挙のあたりから『雍正王朝』など90年代末~2000年代中盤の反腐敗古装で見たような展開が今更出てくる始末。どうしてこうなってしまったのか……

『天行健』
ということで、こちらは辛亥革命前夜の清朝末期が舞台。光緒帝の元侍衛で戊戌の変法に関与していたことにより12年間獄中にいた使い手門三刀、しがない天津の捕快王家洛、弱小門派の掌門卓不凡、この3人が主人公で、彼らにプラスして日本のスパイが文淵閣に残されていた「蔵宝図」を手がかりに南少林の残した秘宝・秘伝を求めて丁々発止の駆け引きと抗争を繰り広げるという武侠大作、もとい「時代劇の時代」の終わりを描く作品です。『慶余年』でもなく『狐妖小紅娘 月紅篇』でもなく今作こそが今月のお薦め作品です!
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最近見てるドラマ(2024年5月)

2024年05月05日 | 中華時代劇
『惜花芷』
祖父を中心とする大官一家の花家。しかしその祖父が皇帝に諫言して不興を買ってしまい、花家の男たちは北方へと流刑、女と子どもたちは屋敷を追われ、財産を奪われて城外の荘園に逼塞することに。花家の長男の長女である花芷は花家の掌家となり、厳しい祖母やくせ者の叔母たちを説得して商売を始め、謎の青年顧晏惜の力も借りつつ花家の復興をめざすことに。アイデアと誠意を武器に世間の荒波に立ち向かっていく細腕繁盛記的な内容ですが、面白いです!ここんところ時代劇の大作がこけ続けていますが、ようやく心からお薦めできる良心大作が来たという感じです。

『烈焔』
人族が䰠族に支配されている世界。辛王は䰠族からの人族の解放をめざして戦いを決意するも、䰠王の黒瓏に敗北。その息子の伍賡は母親の差配により難を逃れ、貧民として少女白菜たちとともに再起を期すことに…… 原作のアニメは『武庚紀』ということですが、もともとは殷末周初の時代を舞台にしたファンタジーだった模様。紂王っぽいやつや哪吒っぽいやつが出て来ます (^_^;) わかりやすさに満ちたB級大作です。何も考えずに楽しめますw 鉱山での強制労働の場面とか、見ようによっては中国政府のウイグル族弾圧が投影されていると見えないこともないですがw
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最近見てるドラマ(2024年4月)

2024年04月10日 | 中華時代劇
Netflix版『三体』
予告編を見た段階では明らかに西洋人が主人公という風な扱いでイヤな予感がしていました。中身も実際その通りだったわけで、第1部から第2部の序盤までの話に第3部までの主要な登場人物を投影したキャラクターたちがヴェラ・葉=原作の楊冬の教え子たちとして主役を務めるという無茶な設定。しかし蓋を開けてみると原作に対するリスペクトは感じられたので、まあこれもありかなと思います。不満があるなら中国ドラマ版を見ればいいわけですし。

『金枝玉葉』
Netflixオリジナル作品ということで『三体』のついでに見てみることに。『瓔珞』の続編というか番外編です。全6話ということもあってか、肩の力を抜いてというか手を抜いて作ってるなという印象。いつもの于正ドラマと見せかけて終盤で突然サイコホラーの世界に突入したりもしますが、『瓔珞』と比べるとかなり落ちます。最初から最後まで三下同士の小競り合いを見せられてるような気分です。そんなクソ作品でもそこは于正作品なのでテンポよく見られてしまうのがムカつくw
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