博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

最近見てるドラマ2022年6月

2022年06月05日 | 中華時代劇
『説英雄誰是英雄』
温瑞安原作。久々の正統派武侠。『四大名捕』と話がつながっているらしく、所々で以前に見た『逆水寒』で目にしたような名前が出てきますw

『夢華録』
劉亦菲の久々のドラマ出演作。舞台は北宋。関漢卿の元曲『趙盼兒風月救風塵』を原案にしているとのこと。意外と武侠要素が多く、才子佳人物と水滸伝のノリが同居している不思議な世界観(褒めてます)。女性監督&女性脚本家ということで色々話題になっているようですが、流行りのアイドル武侠やラブ史劇とは一線を画した雰囲気です。映像も綺麗。まだ出だししか見てませんが、今年の古装ナンバーワンかも。
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2022年5月に読んだ本

2022年06月01日 | 読書メーター

中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで (星海社新書)中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで (星海社新書)感想
中国共産党の、よくニュースで話題になる中央部以外の、下部組織の構造と実際を解説。こうした下部組織が上意下達だけでなく下意上達、すなわちボトムアップの機能も果たしていること、これにより意外と民主的な面があること、共産党組織が「人の和」を重視しているといった、従来のイメージを覆す特色をまとめている。『人民的名義』『大江大河』といった現代物のドラマを見るうえでの参考資料としても有用。私は本書を読むことで、留学中に中国人学生の話の中で時々出てきた「領導」がどういう存在であるかが具体的にわかった気がする。
読了日:05月01日 著者:西村 晋
上海: 特派員が見た「デジタル都市」の最前線 (998;998) (平凡社新書 998)上海: 特派員が見た「デジタル都市」の最前線 (998;998) (平凡社新書 998)感想
上海を中心とした、ここ3~4年の中国事情。ただ上海のロックダウンで、内容にはや一昔前感が出てしまっている。扱う内容は多岐に渡るが、中国のカレーの普及と近年の野球事情が面白い。また中国の対口支援は日本も見習えるだろう。
読了日:05月04日 著者:工藤 哲
攘夷の幕末史 (講談社学術文庫)攘夷の幕末史 (講談社学術文庫)感想
従来の開国派を即時攘夷に対する「未来攘夷」と読み替え、幕末の政治史を、攘夷実行の時期をめぐる抗争と読み替える。開国派のめざす「華夷帝国」の夜郎自大な理念を見ると、大日本帝国の破滅は成立前にして予定されていたと暗然たる気持ちになるが…
読了日:05月08日 著者:町田 明広
文天祥 (ちくま学芸文庫)文天祥 (ちくま学芸文庫)感想
文天祥の詩と生涯で辿る南宋末期の社会・政治と宋元の攻防。小説のような筆致が気になるが、とにかく面白い。図版に使用されている写真はいつの頃のものだろうか。今となってはこれ自体が資料的価値を帯びている。
読了日:05月14日 著者:梅原 郁
劉裕 江南の英雄 宋の武帝 (法蔵館文庫)劉裕 江南の英雄 宋の武帝 (法蔵館文庫)感想
武力が主役となった時代を切り開いた旗手として、南朝宋の開祖劉裕を描き出す。彼がいかに貴族と対峙したかとともに、その限界も描いている。当時の武人と貴族の関係を日本の武士と公家との関係になぞらえているのが特徴か。最後に『宋書』の編者沈約の独白という形で劉裕の評価と彼の死後の状況を描くという趣向も面白い。
読了日:05月18日 著者:吉川 忠夫
史伝 北条政子: 鎌倉幕府を導いた尼将軍 (NHK出版新書 673)史伝 北条政子: 鎌倉幕府を導いた尼将軍 (NHK出版新書 673)感想
実質上の「四代将軍」として北条政子を再評価。手法としては既出・既存の史料や研究での評価の見直しという側面が強い。関連の文物や発掘の成果などを紹介しているのも面白い。漢の呂后と立場的に似ているなと感じたが、今までもマイナス面も含めてそうした評価がなされてきたようだ。
読了日:05月23日 著者:山本 みなみ
物語 スコットランドの歴史-イギリスのなかにある「誇り高き国」 (中公新書, 2696)物語 スコットランドの歴史-イギリスのなかにある「誇り高き国」 (中公新書, 2696)感想
『物語イングランドの歴史』とどの程度差別化できるのかと思ったが、イングランドとの合併後も宗教改革や清教徒革命・名誉革命などのスコットランド側の動きや事情を解説するなど、しっかり「スコットランドの歴史」としてまとまっている。ウォルター・スコットが歴史小説というジャンルの確立者であるという指摘など、文化・宗教面の記述も興味深いものになっている。
読了日:05月26日 著者:中村 隆文
人種主義の歴史 (岩波新書)人種主義の歴史 (岩波新書)感想
「白人」「黒人」「ユダヤ人」などを例として見せることで、「人種」が科学の形を装いつつも、それぞれの「人種」の定義が、客観性がなく主観的で曖昧で、時に都合に合わせて定義や範囲が変化するものであることがわかる。モンテスキューの奴隷制、あるいはダーウィンの優生思想に関わる認識をめぐって議論があることは本書で初めて知った。本書は欧米での展開が中心だが、それを踏まえて最後に我々日本人の人種主義についても触れている。
読了日:05月29日 著者:平野 千果子

コメント (2)
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