博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『問君能有幾多愁』その3

2009年04月30日 | 中国歴史ドラマ
『問君能有幾多愁』第14~20話まで見ました。

李は重臣同士の対立を押さえられず、ストレスが溜まる毎日。そんな中、趙匡胤が李夫妻に贈り物を寄越しますが、周娥皇への贈り物がかつて彼女から贈られた手巾やら宋の皇后の服やら、夫が見たら確実に何かを誤解するものばかり(^^;) そして当然の如く李は2人の仲を勘繰りだし、周娥皇がかつて趙匡胤と恋仲であったことを知ると激怒。あれほど仲の良かった夫婦仲が一気に冷え込んでしまいます。

悶々と公私ともに面白くない日々を送る李は、姉の娥皇を頼って宮中に入っていた周家敏とうっかり恋仲に。2人はそのことをなかなか娥皇に言い出せませんが、娥皇も何だか2人の仲が怪しいと感づいたようで……と、段々メロドラマっぽい展開になってきました(^^;) しかし家敏は幼い頃李と会ったことがあるはずなのに、李と再会しても気付かないのが何とも…… 「今日、義兄さんとそっくりの人に会ったよ!」なんて言ってますが、それはそっくりさんやなくて本人やから!とツッコミたくなります。

一方、北宋では趙匡胤が着々と天下統一を目指して歩んでおります。五代十国の戦乱を収めるには皇帝が兵権を手中に収めることが必要と、かつての兄弟分である藩鎮たちに涙を流しながら兵権の委譲を訴えます。普通なら反乱のひとつも起こされてもおかしくない状況ですが、藩鎮たちは「ア、兄貴ーーっ!」と涙を流しながら兵権返上に同意。兄弟の情に訴えるだけで兵権回収に成功するなんてどんだけカリスマなんだよ!(^^;)

女の子といちゃついたり道楽に励む合間に政治をやっている感のある李と比べて(まるで光源氏みたいですが、そう言えば当時の日本は平安時代。この人、平安貴族の家にでも産まれれば幸せな生涯が送れたのかもしれません……)趙匡胤はまじめだなあと思いきや、蜀の花蕊夫人が娥皇にそっくりなのを知ると彼女に異常に関心を示すありさま…… お前も同じ穴の狢かっ!
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『宝蓮灯前伝』第37~46話(完)

2009年04月29日 | 中国古典小説ドラマ
というわけで約2週間に渡って放映されてきた『宝蓮灯前伝』もいよいよ最終回。

楊戩は妻の三公主が亡くなった家族との思い出の品を壊したのにブチ切れ、一千年間連れ添った妻(!)との離縁と天界の司法天神に就任することを決意。義兄弟の哪は「命の恩人の妻を捨てて天界での出世を選ぶとは見下げ果てたヤツ!」と楊戩と義絶しますが、哮天犬と梅山六怪たちは司法天神として天の掟の修改を図っていこうという楊戩の意図を悟ってか、あるいは嫁のアレッぷりを今まで散々目にしてきたせいか、今まで通り楊戩に付き従うことに。

このあたりから狐狸精の小玉とか丁香といった前作のヒロインが誕生。そして三聖母が書生の劉彦昌と出会い、前作の主人公沈香が誕生します。劉彦昌は前作では君子然とした書生というイメージでしたが、今作では三聖母に付きまとってウザがられるストーカーみたいなキャラになってますね(^^;)

2人の結婚を知った楊戩は天奴(玉帝に仕える宦官)と裏取引して玉帝・西王母に事が露見しないようにし、また玉帝廟を粗末に扱ったというカドで玉帝の怒りを買い、旱魃で飢え死にする運命にある数十万の民衆の命と引き替えに自らの手で三聖母を捉え、華山に幽閉して玉帝らが手を出せないようにします。しかし劉彦昌と沈香は宝蓮灯の法力に守られ、何処かへと逃れます。

それから16年後。いよいよ事が露見しようとすると、楊戩は手勢を率いて力ずくで玉帝・西王母に天の掟の修改を求めようとしますが、唐突に現れた三蔵法師に「お前が天界で暴れると下界の民が被害に遭うことになるから自重しろ」と説得され、(以前母が死んで楊戩が天界に殴り込んだ時に玉帝が楊戩誅滅のために天界と下界で大洪水を引き起こし、うっかり人類が滅亡しかけるというギリシア神話並みのスペクタクルがあった。)結局自らの手での掟の修改を断念し、甥の沈香に未来への希望を託すことに。

こうして前作のだめんず楊戩が誕生したわけであります(^^;) 楊戩を悪者にせずにどうやって前作と話を繋げるつもりかと思ってましたが、かなりムリヤリに帳尻を合わせてきましたね。
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北京で買った本

2009年04月27日 | 中国学書籍
今更な感じもしますが、北京で買った本とDVDをリストアップしておきます。

何琳儀『戦国文字通論』(江蘇教育出版社、2003年1月)
出版された当初、大学の研究室に出入りの本屋が持って来たのを見て良さげな本だなと思いつつ、たまたま金が無かったのでスルーしたら、数年後にこちらの授業の参考図書に指定され、買い求めようとしてもどこにも売っておらず涙目状態に。某先生の名言「本は買わずに後悔するよりも買って後悔しろ」という言葉を思い出しましたよ…… 今回北京の某書店で入手できて本当に良かったと思います。

陳剣『甲骨金文考釈論集』(線装書局、2007年4月)
同氏の代表作「拠郭店簡釈読西周金文一例」などを収録。この陳剣らが楚簡の文字から甲骨金文の釈字を確定するという方法を採るようになってから甲骨金文学のパラダイムが変わったんだよなあ…… 

周生傑『太平御覧研究』(巴蜀書社、2008年12月)
この分野でよく使われる『太平御覧』の成立について論じた本。

孟世凱『甲骨学辞典』(上海人民出版社、2009年1月)
甲骨文に見える用語や甲骨学に関わる学者・書名などを解説した辞典。今まで甲骨文字の字典はいくつか存在したものの、こういう辞典は珍しい。しかし肝心の中身はイマイチ……

何景成『商周青銅器族氏銘文研究』(斉魯書社、2009年1月)
実は現在この先生の講義に出席していたり。折角なので御本人の署名も頂戴しましたが、「僕まだこの本を手に入れてないよ」と言われてしまいました(^^;) 中国では出来上がった本を著者に進呈するという制度は無いんでしょうか…… 内容は例の金文の図像記号に関するものですが、前に紹介した『另一種古史』とは違って図像記号が族徽という前提のもとで研究を進めてます。しかしこちらの方が圧倒的に完成度が高い(^^;)

許進雄『中国古代社会 文字与人類学的透視』(中国人民大学出版社、2008年3月)
元は台湾で出版された本らしい。古文字の字形から農業・工芸・医学・祭祀など中国古代の人々の生活を探っていく書くと白川静の本みたいですが、白川先生よりも堅実に人類学した本のようです(^^;)

李学勤『文物中的古文明』(商務印書館、2008年10月)
この分野ではお馴染み李学勤先生の新著。

洪颺『古文字考釈通仮関係研究』(福建人民出版社、2008年9月)
知り合いの先生が序文を寄せていたので思わず購入。著者はどうやら元吉大所属の模様。内容は正直言ってあまり大したことは無いのですが、「音韻学の律と例」など講義で聞いた用語がよく出て来るので、吉大の学風を伺うには良い本かもしれません(^^;)

張吉煥・李潤乾『楊家村西周遺址』(陝西人民出版社、2008年11月)
風の噂に逨盤などが出土した陝西省眉県楊家村の発掘報告が出たと耳にしたので書店を探してみたものの、ゲットできたのはこのパンフレットもどきの図版のみ。「この本ではないよなあ」と思いつつも一応購入。肝心の発掘報告については帰宅後に調べてみたら『吉金鑄華章 宝鶏眉県楊家村単氏青銅器窖蔵』というタイトルのようですが……

劉青『甲骨卜辞神話資料整理与研究』(雲南人民出版社、2008年10月)
正直内容はアレですが、安いし邪魔にならないので一応購入。

以下はDVD。

『封神榜続集 武王伐紂』
以前文句を言いながらも結局購入。

『漢字五千年』
CCTVで放映されていたドキュメンタリー。先日触れたようにいろんな意味で要注目の作品です(^^;)

『問君能有幾多愁』
現在鑑賞中。このあたりは衝動買いですね。

ちなみに新版『書剣恩仇録』と『武林外伝』のDVDも見つけたものの、どちらも廉価版ではなく豪華版しか見当たらなかったので断念…… 特に『武林外伝』はこちらでうっかり廉価版の上巻(話数が全80話と多いせいか、廉価版は上・中・下巻の3分割で販売)を買っちゃったので、今更豪華版を買うわけにもいかないんですよね。トホホ……
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『宝蓮灯前伝』第25~36話

2009年04月26日 | 中国古典小説ドラマ
晩飯食ったり風呂に入ったりして見逃しているうちに、いつの間にか楊戩兄妹が治水に成功し、玉帝に赦免されて二郎神・三聖母になってました(^^;) 

で、楊戩は以前から何暮れなく自分を助けてくれていた西海龍王の三公主と結婚。しかし実家と縁を切られたり、玉帝の命令で結婚式に神仙が出席することを許されないといったことがあったせいか、三公主は結婚後すっかり嫉妬深い妻となってしまいます。楊戩は妻との間で喧嘩が絶えず、仲間との付き合いを優先して家に帰りたがらない始末…… ああ、何でこんな鬱展開に(;´д⊂)

ドサクサに紛れて孫悟空も登場し、『西遊記』の大鬧天宮のエピソードに突入。このドラマでは孫悟空は玉鼎真人に弟子入りし、楊戩と兄弟弟子対決をすることに。玉帝に対するわだかまりもあって対決に乗り気でない楊戩ですが、「玉帝の妹が下界の楊某と私通して生まれた子供というのはお前かYo!」という彼のトラウマをえぐるような発言がきっかけで頂上対決に発展。

孫悟空の一件が片付いた後、玉帝と西王母は彼に三公主との離縁と引き替えに天界の司法天神の地位に就くことを要請しますが、一度はこれを拒否。しかしいちいち2人きりの生活を邪魔してウザいという理由で三公主が哮天犬を虐待するのに耐えられず、「私と哮天犬のどちらを取るの!?」という言葉に、涙を流しながら哮天犬を選んでしまう楊戩…… 彼の未来は何処に(;´д⊂)
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『問君能有幾多愁』その2

2009年04月24日 | 中国歴史ドラマ
『問君能有幾多愁』第8~13話まで見ました。

北方では趙匡胤が皇帝に推戴され、宋王朝を建国。しかし皇帝になっても周娥皇を忘れられず、南唐の都金陵に潜入。旧知の踊り子窅娘を通じて周娥皇と再会しようとしますが、周娥皇が約束の場所に行ってみるとそこに現れたのはなぜか呉越さん演じる趙光義。「あなたは一体……」と戸惑う娥皇。そりゃ戸惑うやろうっちゅう話なんですが(^^;) 

結局趙光義の説得で娥皇は趙匡胤との再会を諦めることに。「天下統一のため、兄上には南唐に対して妙な情を持ってもらっては困る」とか何とかもっともらしい言い訳をしてますが、要は自分が周娥皇をゲットしたいだけと
ちゃうんかと……

一方、李従嘉は父の死を承けて新国主として即位。名を李と改めます。早速私鋳銅銭の流通を阻止するために鉄銭を導入するという訳の分からない政策を進めますが、宋のスパイとして金陵に潜伏していた江正和尚は都中の銅器を買い占め、銅不足に陥らせて物価を混乱させようとします。結局経済の混乱を収めるため、李は鉄銭導入を撤回することに…… このあたりの展開を見てると、李に「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉を教えたい気分になってきます(^^;) 

で、江正を支援するために金陵に潜伏していた趙光義はまたもや周娥皇をストーキングするのでありました……

今回のツッコミ所

○「皇帝として李と俺のどちらが優れているか勝負だ!」とか、「いかに敵国とは言え南唐の民を苦しませてはならん。南唐とは正々堂々と戦いたい」とか、やたらと少年漫画のライバルキャラみたいな台詞を吐く趙匡胤。

○周娥皇の父親の法事を任され、その辺の街の仏具屋で適当に仏具を調達しようとする江正和尚。……江正がにわか和尚なのでやむを得ない面があるとは言え、仮にも一国の皇后が関わる法事にこれは無いだろうと(^^;) 普通こういう場合は御用達の仏具屋にそれなりのランクの仏具を納入させるもんではないかと。
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『宝蓮灯前伝』第10~24話

2009年04月22日 | 中国古典小説ドラマ
下界の俗人と結婚したカドで囚われの身となっている母を救うべく奮闘する楊戩ですが、玉帝の命で母瑶姫は十金烏(神話に出て来る10個の太陽の象徴)によって照り殺され、一気に鬱展開へと突入。前作では主人公の母親が囚われの身となりつつも兎にも角にも生存していることが救いとなったのですが……

で、十金烏のうち9人を倒し(このあたりは后羿の話をふまえてるんでしょうね)、天界へと殴り込もうとする楊戩ですが、「そもそもお前の母が天規を破って俗人と結婚さえしなければこんな悲劇は起こらなかった」「悪いのはお前の母だ」という西王母の話にうっかり説得されかかる始末。

このドラマの楊戩、ひょっとして意外と洗脳されやすい性格なんでしょうか(^^;) そして下界の大洪水を治めるべく尽力する楊戩兄妹ですが、このあたりから展開が中だるみに…… というか、ここまでのハイテンションな展開が異常だったのかもしれません。三聖母が宝蓮灯をゲットしたり、楊戩が灌江口に本拠を構えて三尖刀を手に入れたり、梅山六怪が登場したりと重要なファクターは出て来るんですけどね。
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『問君能有幾多愁』その1

2009年04月21日 | 中国歴史ドラマ
前々から気になっていたこの作品、『問君能有幾多愁』ですが、先日北京に行った折にDVDを入手。内容は以前紹介したように、要するに南唐の李と趙匡胤が劉涛演じるヒロインをめぐって三角関係になるというストーリーなんですが、『連城訣』の狄雲や『大漢風』の韓信などいつもはいじめられ役の呉越さんがこの作品ではいじめる側の趙匡義を演じるなど、見所が満載なのであります(^^;)

で、今回は第1~7話まで鑑賞。

時は五代十国。趙匡胤は女遊びばかりしている後漢の隠帝が入り浸る妓楼を焼き討ちしてお尋ね者となり、盗賊となっていたところを、宮廷内での皇位継承争いに嫌気が指して家出していた李従嘉(後の南唐後主李。ニッキー・ウーが演じてます)と出会い、意気投合。

李従嘉の薦めで南唐の都金陵へと向かう趙匡胤ですが、そこで南唐の重臣の令嬢でありながらなぜか踊り子をしていたヒロイン周娥皇(これを劉涛が演じています)と出会い、お互い惚れ合って結婚の約束までして別れますが、その後趙匡胤は武侠物のお約束通り厄介事に首を突っ込んで瀕死の重傷を負い、傷の養生をしている間に周娥皇は心ならずも李従嘉の正妃として入内することに。

周娥皇の婚姻を知って失意の趙匡胤はその後後周の郭威のもとに身を投じてメキメキと頭角を現し、皇帝郭威・柴栄の片腕として南唐征伐の急先鋒となります。一方、南唐の宮廷では皇位継承者候補であった叔父の李景遂、兄の李弘冀が相次いで死去し、文弱の李従嘉が太子の地位に……

ということでここまで一気に話が進みます。それにしても黄文豪演じる趙匡胤は義気があって腕も立つという非常にいい男ですな(^^;) 彼が後周の武将になるまでの展開はマンマ武侠物のノリですが、元々太祖拳という拳法を作りだしたという伝説もありますし、まるで違和感がありません。

それに対して李従嘉の方は「僕は政治のことは分からない。父上や叔父上、兄上に任せておいたら間違いないよ。」「どうしてみんな戦争するのかな。僕は民が平安に日々を送れたらそれでいいと思っている。」なんて呑気にのたまう始末…… これから彼が延々といじめられる展開が続くはずですが、この李は同情できなさそうです(^^;)

呉越演じる趙匡義は今のところ目立って活躍する場面はありませんが、兄とともに金陵に潜入した際に李従嘉と周娥皇が屋敷でイチャついているところをのぞき見するシーンで、目つきがマジなのが怖い……
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中原逐鹿の旅7日間 北京

2009年04月20日 | 旅行・オフ会・展覧会
6日目は北京で観光とお買い物。よく考えたらもう中原でも何でもないですね…… まずは去年の11月に見学し損ねた首都博物館に行ってみることに。



ここは一応予約制ということになっているので、旅行前に電話で予約して予約番号を事前にゲット。受付で私の番号を告げて確認用にパスポートを見せますと、「これはあんたの番号ではない」という返答が…… 仕方ないのでパスポート番号から端末で検索してもらったところ、私の見学日は昨日になっていたことが判明。そう言えば電話で予約する時に一瞬「4月6日」と言い間違えて「7日」と言い直したよなあと思い出した次第…… あの時にしっかり「4月6日」と記録されてしまったわけですね(-_-;) こういうことがあるからウェブ上で予約したかったのですが、公式サイトで予約しようと思っても何回試してもうまくいかないんだもんなあ……

しかしなぜか入場券が貰え、見学できることに。ここでは燕国関係や北京で発見された青銅器、燕侯の封建を記した克盉・克罍や廃銅の中から発見されるという劇的な発見のされ方をした班簋などをじっくりと鑑賞。しかし克盉・克罍については明らかに器そのものより銘文の方が重要なのに、銘文が見れるような展示の仕方になってなかったのが遺憾です(-_-;)

ここはじっくり展示を見出すとマジで丸1日潰れそうな勢いなので、後は流し見して午前中いっぱいで引き上げます。その後は王府井に出て書展めぐり。そこで例の舞台版『鹿鼎記』のポスターを目撃したわけであります。



書店巡りついでに琉璃廠にも足を運んでみました。



3年前に来た時は工事中の所が多かったのですが、当時の写真と見比べてみると建物の装飾のペカペカ度が上がってますね(^^;) 琉璃廠の書店を一通り見て回った後はここから宣武門の宿まで通り抜けることに。ここらへんの胡同は以前は四合院が密集していたのでしょうけど、既にマンションに建て変わってしまったり、取り壊されて塀だけが残されているという状態になってしまってますね……

7日目は朝一で新幹線に乗って長春に帰るだけで、しかも去年の11月に北京に来た時と全く同じ便なので安心しきっていたら、北京駅の待合室が以前とはまるで雰囲気が違ってます。前は普通にプラスチックのベンチが並んでるだけだったのが、何かホテルのロビーのような感じで1人掛けのソファが並べてありますし。本当にここの待合室でいいのかと改札が始まるまでドキドキでした(^^;) 何か最後の最後まで油断のならない旅でしたね……
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『漢字五千年』と繁体字復活論

2009年04月19日 | ニュース
つらつらと『南方周末』誌を読んでましたら、このほどCCTVで放映されていたドキュメンタリー『漢字五千年』(以前うちのブログでも触れました)が国内の繁体字復活論と絡めて取り上げられてました。

「終将要回帰繁体字?――専訪《漢字五千年》総策划兼撰稿指導麦天枢」:『南方周末』

この番組って孔子学院の宣伝番組かと思いきや、繁体字復活をめぐる文脈の中で作られた作品だったんですね。同誌には『チャイニーズカルチャーレビュー』でお馴染み朱大可氏が評論を寄せています。

「朱大可:漢字革命和文化断裂」:『南方周末』

「『科学』が分かっていない『科学院長』の郭沫若先生」とか、相変わらず毒舌ぶりが冴え渡ってます(^^;) しかし陳夢家って漢字簡化反対派だったのね…… 

『漢字五千年』自体は先日北京に行った折にDVDをゲットしたので、いずれまた各回の内容を紹介していきたいと思います。

ちなみに繁体字復活をめぐる動きについては以下の記事を参照のこと。

「どうなる?繁体字復活論、新しい『規範漢字』近く発表か」:『レコードチャイナ』
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中原逐鹿の旅7日間 安陽~北京

2009年04月18日 | 旅行・オフ会・展覧会
5日目は新幹線で安陽から北京へと移動する手はずになってますが、乗るのは午後の便なので午前中いっぱい観光することに。ということでまずは袁林こと袁世凱の墓へと向かいます。



国内外からボロクソに言われようと一旦は皇帝の地位に即いたということで、上の写真のごとく袁世凱のくせに皇帝の陵墓に倣っていっちょまえに陵道まで造ってます(^^;)

そもそも彼の故郷でもないのに何でこんな所にお墓があるかというと、実は袁世凱、溥儀が即位した後にその父親の摂政王と不仲となり、一時期官界を退いてここ安陽で隠棲していたことがあるんですね。隠棲場所に安陽を選んだのは、ここが交通の要所で北京ともほど近く、官界の情報が入って来やすいからだとか。確かに現在でも安陽は鉄道の複数の路線の経由地となっており、新幹線で北京まで3時間半程度の距離であるわけで、このあたりの目の付け所はさすがと言ったところ。それでこの地が気に入ったのか、亡くなる際に安陽を流れる洹水の北岸に葬ってくれと遺言したとのこと。

下の写真は袁世凱が隠棲していたおりに洹水上で漁夫に扮して撮ったもの。な、何というコスプレ!(^^;)



実はこの袁林に来た目的はもうひとつありまして、地図で確認すると近年発掘された洹北商城(殷墟以前の殷王朝の宮殿遺址)がこの近くにあるということで、ひょっとしたら袁林からこの遺跡がのぞけるかもしれないなあと思ったからであります。しかし遺址に接する航空運動学校の施設らしきもの(そもそも空軍関係の施設を建築する際にこの遺跡が発見された)は確認されたものの、肝心の遺跡のある所へは行けないようです。まあ、この遺跡は鉄道の線路沿いに位置しているので、うまく行けば北京への新幹線の車窓から見られるかもしれないなあと思いつつ袁林を後にします。

もう少し時間があるので、ついでに安陽博物館へと行ってみます。ここは前に安陽で発掘したことのある同学が「安陽には殷墟以外にも博物館があるよ」と(中国語で)言っていたので、何があるのか分からないまま来てみたわけですが……



まさかの日曜日閉館(;´д⊂) 併設の図書館は開いていたのに…… 中には青銅器展示場とか学術報告庁といったコーナーがあるようです。無念……

トボトボと引き返して早めの昼食を取り、安陽駅へ。後の希望は車窓から見えるかもしれない洹北商城ですが、列車に乗り込んでみると私の席におっさんが勝手に座っており、このおっさんを立ち退かせたり、その後は対向車線に列車が入ってきたりして結局それらしきものは確認できず。ああ……(;´д⊂)

で、勝手に傷心しているうちに北京へと到着。北京での宿は中国で全国展開しているビジネスホテルチェーン速8酒店の宣武門店です。交通の便の良さ(地下鉄宣武門駅まで徒歩10分程度)と値段に惹かれて予約してみたわけですが、通された部屋が半地下室にある独房みたいな部屋でやや不安が……(^^;) まあ、実際のところは部屋にネットができるパソコンが置いてあったり、シャワーのお湯もちゃんと出たりで問題は無かったわけですけどね。

それで早速晩ご飯を食べがてら王府井に出て、夜9時まで開いている王府井書店で学術書やらDVDを買い込みます。何となく発送を頼まずに買った物をそのまま持ち帰ってしまいましたが、重量的に直接長春まで持って帰るのは限界に近い状況に。翌日も書店巡りをするわけですが、あとは長春まで発送してもらうことにしますか。
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