博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大漢風』ノベライズ

2008年07月02日 | ドラマ『大漢風』
いつの間にか『大漢風』のノベライズなどという恐ろしいものが出版されていた模様……

中文原作を翻訳したものか、日本語のみのオリジナル企画なのかはわかりませんが、ドラマ版の見所だった、最凶ビッチ女王様の呂雉とか、人の心を苛つかせずにはいられない韓信とか、運命に翻弄されるにもホドがある月姫とか、二世皇帝・李斯・趙高の三馬鹿トリオとか、最凶ビッチ女王様の呂雉とか、女が原因で粛清される義帝といった濃いいキャラクターたちをどう描いているのか不安です……
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最終回だよ大漢風(第50話)

2007年09月16日 | ドラマ『大漢風』
『大漢風』もいよいよ今日で最終回。しかし冒頭で劉邦が死ぬのは良いとして、盧綰の謀反・匈奴投降がセリフだけで済まされてしまうなんてあんまりです…… 

で、劉邦の葬儀の後、呂雉が一人玉座に座り込んで一人言をつぶやきます。「漢の史書には劉邦だけでなく私の名前も残さねばならぬ。……『呂雉』と。」 最終回にして名ゼリフが炸裂しましたねえ(^^;) 実際、『史記』には呂后本紀、『漢書』には高后紀が設けられているわけですが。

その後は趙王如意の死と戚姫を人彘にした次第、恵帝の死、そして呂雉の死がダイジェスト調で語られます。それにしても盧綰の投降はすっ飛ばしても人彘をきっちりやるのがこのドラマらしいですね(^^;)

淮南王劉長もすっかりスルーされてましたが、ラストの反呂后派の謀議で劉恒(後の文帝)の隣に座っていたのが、大人になった劉長だったのかもしれません。

【総括】

結局何だかんだと言って一年間毎回欠かさず見てしまいましたが、中盤あたりの項羽が虞姫に横恋慕した義帝を殺るの殺らないのとか言ってた頃が一番話が盛り上がってたような気がしますね。

このドラマの特徴は、何と言っても主な登場人物が異常にキャラ立ちしていた点と、歴史劇にドロドロの愛憎劇を持ち込んだ点にあります。キャラクターで特に印象に残ったのは、凄まじいほどビッチな女王様ぶりを発揮していた呂雉、そして見た目からしてバカ殿の二世皇帝と、本当に当時みんなからこんな風にウザがられてたんだろうなあと思わせる演技をしていた韓信です。

歴史劇に愛憎劇をミックスするというのは、今の中国では割と一般的な手法であるようです。最近の作品の中から例を挙げますと……

『辛追伝奇』(『大漢悲歌』)
『大漢風』と同じく漢初を舞台とした作品。馬王堆漢墓の被葬者の女性・辛追を主人公にしたというのが売りですが、なぜか彼女が劉邦・韓信と三角関係になってしまう模様。呂后の顔が怖いです……

『問君能有幾多愁』
南唐の李と趙匡胤が主人公ですが、やっぱりこの二人が一人の女性と三角関係になる模様。しかし呉越が趙光義を演じるなんてあり得ないよ!ちなみにタイトルは李の辞世の詞「虞美人」の一節から採ったもの。テレサ・テンがこの詞に曲を付けた「幾多愁」という歌を出してますが、このドラマの予告編を見たらきっちりその曲がBGMで流れてました……

『大漢風』の後番組がどうなるのか楽しみでありますが、何事も無かったように華流恋愛ドラマが始まったりしたらイヤだなあ……
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『大漢風』第49話

2007年09月09日 | ドラマ『大漢風』
冒頭から韓信が処刑され、次いで彭越・英布も粛清されていきます。しかし彭越の粛清は割とじっくり扱われたのに対し、英布の討伐は本人が登場することもなく、字幕だけで処理されてしまったのは何とも…… これまでの出番は英布の方が多かったはずですが。

ここんところ呂雉の言いなりになっている劉邦も、いつの間にか老けメイクになっています(^^;) それで劉邦と呂雉との会話の中で劉邦の年が61になったという台詞があったのが気になりました。劉邦の生年は前256年説と前247説の二説あるのですが、没年は前195年なので、ドラマの方では前256年説の方を採っているんでしょうね。そう言えば韓信の処刑の前にあるはずの匈奴との戦いはすっかり飛ばされてしまってますね。この辺りの展開も期待していたのですが……

で、今回は英布の討伐後に劉邦が故郷の沛に立ち寄ったところで幕引きです。ここでいきなり劉邦と曹姫との息子劉肥が登場したのに驚きました。『史記』曹相国世家によると、英布討伐時に劉肥と曹参が軍を率いて劉邦の軍に合流したとありますから、辻褄は合っているわけですが、やっぱりこのドラマ、史実考証と風俗考証のバランスが恐ろしく釣り合ってないですよ(^^;)  しかし劉肥、大人になってもやっぱり丸々と太ってますなあ……
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『大漢風』第48話

2007年09月02日 | ドラマ『大漢風』
淮陰侯に降格されて以来、鬱々として楽しまない日々を送る韓信。そんな彼に気晴らしをさせようと、樊噲やら周勃やらが彼を饗宴に招きますが、樊噲らと同格となったことが気に食わず、終始ムスッとした表情で酒や料理に手を付けないまま早々に帰ってしまいます。そういうかわいげのない所が韓信の韓信たる所以でしょうか…… 

で、宴会場を出たところでバッタリ月姫と再会。何と彼女は韓信のもとを去った後、道士になっていたのでありました。びっちり道服に身を包み、名前も清風と改めています。この時代、道家思想や神仙思想はあっても道観で修行する道士なんてのはまだいなかったんじゃ……というツッコミが何だか虚しくなってきます(^^;) 韓信はこの月姫改め清風に請われるままに、彼と君姫との間に産まれた男児を弟子として預けます。

一方、張良もやっぱり道服に身を包み、部下の謀反を恐れて疑心暗鬼となった劉邦に助言したりしております(^^;) このドラマ、史実考証は悪くないのに、風俗考証でここまでアラが目立つのはなぜなんでしょうか……

その後、韓信のもとに旧知の陳豨が来訪し、彼に謀反を焚き付けます。で、陳豨が一足先に謀反を起こしたあたりで今回は幕引きです。次回はいよいよ韓信の処刑と相成るのでしょうか。
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『大漢風』第47話

2007年08月26日 | ドラマ『大漢風』
今週は妊娠した戚姫が劉邦に産まれる子が男児なら皇太子にして欲しいとおねだりする場面から始まります。その様子を側室二人とともに盗み聞きする呂后。三人して戚姫をシメる相談をしておりますが、このドラマ、どうやら劉邦の死で終わるみたいなんですね。残念ながら(?)戚姫が人彘にされてしまう場面は存在しないか、あったとしても大幅に省略されてしまうんじゃないかと(^^;) かたや戚姫の方も、呂雉と審食其がデキているらしいと劉邦に告げ口。劉邦は呂后に「身を慎め」と釘を刺します。

前回でそれぞれ朱家と韓信に匿われることになった季布と鍾離昧ですが、季布は朱家の奔走によって罪を許され、漢に郎中として仕えることになります。一方の鍾離昧は朝廷に降伏を申し出ようという韓信の説得に耳を貸さず、そうこうしているうちに鍾離昧が韓信のもとに匿われていることが朝廷にバレてしまい、鍾離昧は自殺、韓信は謀反人として捕らえられることに…… 

人の目のある所では韓信に冷たい態度を取りつつも、こっそり牢獄まで出向いて「俺もホントはこんなことしたくなかったんだよ。でも実は俺だってお前のことを信頼しているんだぜ?今度の恩赦でお前を許してやるからさ、それまでちょっと我慢をしろよ」と、韓信に心にもない温かい言葉をかける劉邦がなかなかイカします(^^;)

結局韓信は楚王から淮陰侯に格下げとなりますが、今の所まだ君姫は妙な動きを取っておりません(笑)
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『大漢風』第46話

2007年08月19日 | ドラマ『大漢風』
暑い日が続きます。私の住んでいる地域ではさきほどから雨が降り出しましたが、これでちっとは涼しくなるといいのですが……

で、今週の『大漢風』であります。群臣の推挙を受け、いよいよ劉邦が漢王朝を樹立し、皇帝に即位。呂雉も自らは皇后に、息子の劉盈が皇太子に冊立され、ご満悦の様子。

その陰で、うっかり生き残ってしまった季布と鍾離眛は漢の追っ手からの逃亡生活を送っています。季布は長かった髪をバッサリ切ってしまい、奴隷となって追っ手の目をくらまそうとしたところで豪族の朱家に買い取られ、事情を知った朱家に匿われることに。季布と朱家の話はスルーされてしまうかなあと思ってましたが、嬉しいことにきっちりやってくれるようです。

一方、鍾離眛は韓信を訪ねて匿ってもらうことに。このドラマでは韓信と鍾離眛とが仲良くしていた描写がなく、終始鍾離眛が韓信をバカにしていたようなイメージしかないので、この辺りの展開は苦しいところです。まあ、ジャイアンが都合のいい時だけのび太を心の友呼ばわりするのと同じようなもんでしょうか(^^;)
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『大漢風』第45話

2007年08月12日 | ドラマ『大漢風』
今回は前半で西楚28騎による玉砕と項羽の死が描かれました。ここら辺の戦闘シーンはさすがに力が入ってましたね。いや、ここで力を入れないとどこで入れるという話なんですが(^^;) 項羽は鬼神のように漢兵を殺戮しますが、挙兵以来苦楽をともにした項荘が瀕死の状態に陥ったのを見て戦意を失い、項荘にトドメを刺して自らも自決します。その項羽の遺体を数人の漢兵がメッタ切りにして劉邦のもとへと持ち帰り、それぞれ褒賞を求めます。バラバラにされた項羽の遺体を見てさすがに鼻白む劉邦。

ここから後半は項羽の死に対して感傷に浸る漢の人々の姿が描かれます。呂雉もしおらしく虞姫の墓参りに行きますが、この期に及んでまだ「項羽は私を受け入れなかったから天下が取れなかったのだ!」と言い張る始末…… 今回はなお漢に抵抗する魯の人々を鎮圧する際に劉邦が韓信のもとに立ち寄り、斉の兵を収めて韓信を楚王に改封するあたりで終了です。

しかし全50話構成で、項羽が死んでまだ45話ということは、残り5話で劉邦・呂雉による功臣の粛清、特に韓信の没落がたっぷり描かれるということになりますね。うーん、ありがたいような、ありがたくないような(^^;)
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覇王別姫だよ大漢風(第44話)

2007年08月05日 | ドラマ『大漢風』
結局月姫は「私は韓郎の妻としてふさわしくない」という書き置きを残して出て行ってしまいました。韓信は怒り狂い、様子を見に来た君姫に「出て行け!」と怒鳴りつけます。昔は自分が「下がれ!」と項羽に怒鳴りつけられたもんですが、偉うなったもんですなあ…… 君姫の方も後で韓信の没落に一役買うんじゃないかという気がしてきました。

一方、楚の陣では項羽が「虞や虞や、若を奈何せん」と詩を朗詠した後で、虞姫が項羽と二人きりで結婚式をやり直そうと提案。「最初に結婚式を行った時はあなたに不愉快な思いをさせてしまったから……」と虞姫。そういやあの時は色々ありましたねえ。呂雉が虞姫に、義帝が誅殺されたことを知らせて気まずい雰囲気にしたり、その後でやけ酒を飲んでる項羽に呂雉が告白したりしたのがまるで昨日のことのようです(^^;) 虞姫はその場で剣の舞を踊り、自刎して果てます。

で、今回は項羽の手勢がたった28騎となり、烏江の渡し場で江東に戻るのを拒否するあたりで終了です。次回は『300』ならぬ『28』が展開されるのでしょうか。楚兵が武器を振り上げて「オウ!オウ!オウ!」と雄叫びを上げるのを聞き、項羽が「ふっ、『戦士』はこちらの方が多いな!」と豪語する絵面が目の前に浮かんできました(^^;)
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四面楚歌だよ大漢風(第43話)

2007年07月29日 | ドラマ『大漢風』
このほどチャンネルNECOで放映が開始された『大旗英雄伝』ですが、10月にマクザムからDVDがリリースされるんですね。また、NHK-BS2で放映中の『北京バイオリン』も9月にマクザムからDVDが出るとのこと。

で、今週の『大漢風』であります。

劣勢に立たされた楚軍を更に追い詰めるべく、張良は四面楚歌の計略を提案。そんな中、月姫は韓信との再会をあきらめ、主人である隊長のもとへと戻ります。しかし隊長は「斉王の思い人であるあんたを抱くことはできん!」と、韓信のもとに月姫が見つかったと注進に行ってしまいます。この隊長って、前に月姫を手籠めにした人だと思うんですが、こんな気のいい親切なおじさんキャラでしたっけ(^^;)

そして楚陣に出征する直前に韓信と月姫は再会を果たします。楚軍を倒したら月姫を正夫人として迎え入れると約束し、その場に居合わせた君姫も月姫を「義姉様」と呼び、彼女を受け入れる素振りを見せます。

張良の四面楚歌の計略はズバリ的中し、楚軍から投降者が続出しますが、怒り狂った項羽が陣中で太鼓を叩き出すや、投降しようとした兵士の一部が項羽への忠義を思い出し、楚の陣へと戻っていきます。その様子を見た韓信が格好つけて「項羽よ、貴様はやはり英雄だった」とか何とかつぶやくのですが、思わず「こいつ、偉そうに項羽のライバルを気取りやがって!」とツッコミたくなりました……

一方、韓信が出征している間に君姫は月姫を湯浴みをさせたり、着替えさせたりとかいがいしく世話をするのですが、君姫の物わかりがあまりに良すぎるので怪しいと思っていたら案の定、月姫の髪を梳きながら「あなたはもう舞姫ではないのですから、斉王の正妻としてふさわしい服装をなさらないと」とか、「もうあんな芸人みたいな派手な髪型をなさる必要はないのですよ」とか、発する言葉にいちいちトゲがあり、まるで月姫が韓信の正妻としてふさわしくない売女であると言わんばかりであります(^^;) 

おまけに侍女に命じて今まで身に付けていた服やら飾りやらをゴミのように燃やさせる始末。まあ、私も内心こういう展開を期待していたんですけどね……

で、今回は項伯が漢に降ったところでお開きです。君姫の陰湿なイビリにさらされつつある月姫の運命やいかに!?
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『大漢風』第42話

2007年07月22日 | ドラマ『大漢風』
君姫と二人で故郷淮陰を見て回る韓信。かつて月姫と暮らしたあばら屋で当時の思い出を語りつつ、出来れば月姫を自分のもとに迎え入れたいとムシの良いお願いをします(^^;) しかし君姫はそれを快く承諾し、兵士に月姫を捜索させるよう勧めます。何というか、物わかりがいいにも程があります……

当の月姫はと言えば、実はその様子を物陰から覗いていたのですが、敢えて二人の前に姿を現さずに一人涙に暮れております。月姫と韓信の再会は最終回近くまでもつれ込みそうですね。

一方、虞姫の侍女の君児は単身男装して劉邦の陣へと向かいますが、そこで折り悪く呂雉と審食其に見つかってしまい、あわや彼女に斬殺されるというところで劉邦に助けられます。君児は項羽と虞姫を見逃してくれるよう要求しますが、そんなことを劉邦が聞き入れるはずもなく、絶望した君児はその場で自殺してしまいます。

どうもこの辺りは取って付けたような展開ですね。次回かその次あたりにくるはずの項羽と虞姫の別れの場面ではこのカップルを二人きりにしたい。ならば、これ以上君児を生かせておいてはいかん!というシナリオ上の都合で殺されたような感じであります(^^;)
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