『大漢風』もいよいよ今日で最終回。しかし冒頭で劉邦が死ぬのは良いとして、盧綰の謀反・匈奴投降がセリフだけで済まされてしまうなんてあんまりです……
で、劉邦の葬儀の後、呂雉が一人玉座に座り込んで一人言をつぶやきます。「漢の史書には劉邦だけでなく私の名前も残さねばならぬ。……『呂雉』と。」 最終回にして名ゼリフが炸裂しましたねえ(^^;) 実際、『史記』には呂后本紀、『漢書』には高后紀が設けられているわけですが。
その後は趙王如意の死と戚姫を人彘にした次第、恵帝の死、そして呂雉の死がダイジェスト調で語られます。それにしても盧綰の投降はすっ飛ばしても人彘をきっちりやるのがこのドラマらしいですね(^^;)
淮南王劉長もすっかりスルーされてましたが、ラストの反呂后派の謀議で劉恒(後の文帝)の隣に座っていたのが、大人になった劉長だったのかもしれません。
【総括】
結局何だかんだと言って一年間毎回欠かさず見てしまいましたが、中盤あたりの項羽が虞姫に横恋慕した義帝を殺るの殺らないのとか言ってた頃が一番話が盛り上がってたような気がしますね。
このドラマの特徴は、何と言っても主な登場人物が異常にキャラ立ちしていた点と、歴史劇にドロドロの愛憎劇を持ち込んだ点にあります。キャラクターで特に印象に残ったのは、凄まじいほどビッチな女王様ぶりを発揮していた呂雉、そして見た目からしてバカ殿の二世皇帝と、本当に当時みんなからこんな風にウザがられてたんだろうなあと思わせる演技をしていた韓信です。
歴史劇に愛憎劇をミックスするというのは、今の中国では割と一般的な手法であるようです。最近の作品の中から例を挙げますと……
『辛追伝奇』(『大漢悲歌』)
『大漢風』と同じく漢初を舞台とした作品。馬王堆漢墓の被葬者の女性・辛追を主人公にしたというのが売りですが、なぜか彼女が劉邦・韓信と三角関係になってしまう模様。呂后の顔が怖いです……
『問君能有幾多愁』
南唐の李と趙匡胤が主人公ですが、やっぱりこの二人が一人の女性と三角関係になる模様。しかし呉越が趙光義を演じるなんてあり得ないよ!ちなみにタイトルは李の辞世の詞「虞美人」の一節から採ったもの。テレサ・テンがこの詞に曲を付けた「幾多愁」という歌を出してますが、このドラマの予告編を見たらきっちりその曲がBGMで流れてました……
『大漢風』の後番組がどうなるのか楽しみでありますが、何事も無かったように華流恋愛ドラマが始まったりしたらイヤだなあ……