(前回:
その2)
『大清風雲』第21~30話まで鑑賞。
このパートでは漢人ながら清朝の重臣となった范浩正が大活躍です。彼は漢人で唯一の議政大臣をつとめ、更に順治帝の学問の師をつとめるという設定になっていますが、実在の人物ではなく、明朝の臣でありながら清に降った洪承疇をモデルにした架空の人物とのことです。ドラマを見始めた当初はここまで重要キャラになるとは思っていなかったので今まで彼に関するエピソードを端折ってましたが、これを機会に范浩正が清に仕えるまでの経緯を「
その1」に加筆しました。
さて、兄が摂政王となって以後、予親王ドドは朱元璋が愛用したという「九龍杯」などの宝物を我が物としたり、道端で見掛けた美女を屋敷に攫ってきたりとやりたい放題。ある日、いつもの調子でうっかり范浩正の侍女・秀秀を攫わせたところ、范浩正が予王府に怒鳴り込んできたり、大玉児やドルゴンが介入したりと大事に発展しますが、結局ドドが秀秀を范浩正のもとに返して事なきを得ます。これをきっかけに范浩正が秀秀を第二夫人として娶ることになります。
大玉児は二人の結婚披露宴を慈寧宮の庭園で開くことを許し、宴にはドルゴンと妻の小玉児も出席します。実はドルゴンは大玉児との結婚が破れた後、その妹の小玉児を娶っていたのです。しかし(と言うか当然と言うか、)姉の身代わりとしてしか扱われない小玉児とドルゴンとの仲はしっくりいってません。宴の場で小玉児は、ドルゴンと大玉児の再婚が間近で、この宴は実は二人の結婚式の予行であるという噂を聞き、さすがに衝撃を受けます。この頃には福臨もしぶしぶ母とドルゴンの再婚を認めるようになっていました。小玉児は単身屋敷に戻り、「自分の遺体は故郷のホルチン草原に葬って欲しい」という遺言を残し、自殺してしまいます。
自分がドルゴンの求婚を受けようとしたせいで妹が死んでしまったとショックを受ける大玉児。更には范浩正や太医から、福臨が今まで何度もドルゴンに殺される悪夢を見ていること、また母とドルゴンとの間に男児が生まれたら、自分は皇帝の位を奪われるのではないかと恐れていることを知り、彼女はドルゴンとの再婚を延期することを決意します。
のみならず、太医からドルゴンが自分に子供ができないのは自分の肉体に子種が少ないせいではないかと気づき、治療に励んでいると聞くや、ドルゴンがやはり自分との再婚後に男児を儲けて福臨を退位させようとしているのだと悟り、太医に命じて治療薬と偽ってドルゴンに完全に子種を断ってしまう薬を飲ませ、愛児福臨の後顧の憂いを取り除いてしまいます。そして事が終わった後、大玉児は「ドルゴン、私たちの間には子供はいらないのよ」とつぶやき、一人寝室でむせび泣きます。しかし肝心のドルゴンはと言えば子種が断たれてしまったとは気づきもせず、相変わらず大玉児との再婚を夢見ている始末……ド、ドルゴン、哀れすぎる……( ノД`)
一方、范浩正はドルゴンから二ヶ月以内に江南での辮髪令を完遂せよとの命を受け、ドドとともに江南に赴きます。范浩正は江南の民が辮髪令に反発していることから、できるだけ辮髪令の施行を遅らせようとします。一方、彼の配下で満州人の阿里達は、妻の弟で江南陳県の県令をつとめる胡光とともに密かにドドと結託し、范浩正の意に反してできるだけ短期間で辮髪令を完遂させようとします。
胡光は功を焦って十日間で陳県での辮髪令を完遂させようとしたので、彼をこころよく思わない民衆が反乱を起こし、三万人の死傷者を出す事態に発展します。范浩正は反乱の首謀者を説得して事態を収めますが、これこそがドドの狙いでありました。彼は范浩正が引き揚げた後、陳県の民を残らず虐殺してしまい、また范浩正が明王朝に心を寄せ、陳県の逆賊たちと通謀していたと濡れ衣を着せ、彼を捕らえてしまいます。
この事を知ったドルゴンは微服して自ら現地に赴き、また大玉児も范浩正を救うべく別途密使を派遣します。……皇帝だの摂政だのが一度は微服して江南に赴くというのは、清朝宮廷劇のお約束なんでしょうか(^^;) 弟ドドのもとに到着したドルゴンは范浩正の罪が冤罪であることを察知しますが、「この機会に皇太后の腹心である范浩正を殺してしまい、皇太后の勢力を削ぐべきだ」というドドの進言に心を動かされ、また大玉児との再婚が延期になった件で范浩正が関係していたことを根にもっていたこともあり、彼を処刑してしまおうとします。しかしまさに間一髪の所で大玉児の密使が到着。范浩正は都まで護送され、改めて彼の罪状について審議されることになります。一方、范浩正を慕う捕頭の朱全は事実を知る陳県県令の胡光が難を逃れて生きていることを知り、彼の身柄を確保して范浩正の無罪を示す証人にしようとしますが……