『精忠岳飛』その12(完)
『精忠岳飛』第64~最終69話まで見ました。
臨安に帰還し、韓世忠・張俊とともに高宗に拝謁する岳飛ですが、3人ともども兵権を取り上げられて高位の閑職枢密副使に祭り上げられることに。一方、金は南宋に対して和議と引き替えに岳飛の死を要求。何としても和議をまとめたいという高宗の意を承け、秦檜は岳飛に押っつける罪状の追求を開始。岳飛の義弟で副将的ポジションにあった王貴を抱き込み、岳飛の過去の言動を洗い出し、なおかつ岳飛の長男岳雲と、岳飛の元部下で岳飛の隠居後岳家軍を統轄していた張憲を謀反の罪で捕らえます。
張俊(この人も秦檜派なんですが)によって事態を知らされた岳飛は、隠居先の廬山から一路臨安の大理寺へ。そしてそのまま岳飛も囚人となってしまいます。審問官に過去の自らを宋の太祖になぞらえた言動や文書に残る片言隻句から謀反の意図を問われますが、逐一反論。そして「私の心はこれで一目瞭然だ!」と服を脱ぎ捨て背中の「尽忠報国」の刺青を見せると、審問官や獄吏たちは「おおっ!」と恐れ入って岳飛の無実を確信します。……同じ南宋を舞台にしたドラマ『大宋提刑官』だと、ここは「ふーん、だから何?」となるところですが(^^;)
『大宋提刑官』その8:印籠が効かない&宋王朝に三代にわたって仕えた武官が無実の罪に問われたのを助けようとしたら自分も無実の罪に問われた話。
しかし岳飛を謀反の罪で処刑するのは高宗直々の規定方針なので、審問官を秦檜の腹心万俟卨(ぼくきせつ)に交替。廬山の岳家の家宅捜索も行われ、岳家全員が拘禁されてしまいます。
一方、秦檜の妾となっていた小満は張用・素素らと連繋して秦檜暗殺を謀りますが、小満の身元も暗殺計画もとっくに露呈しており、官兵によって一網打尽に。高宗より白紙の詔書を託された秦檜は、処刑が目前に迫った大晦日の晩に自ら岳飛の牢を訪れ、往事を語り合うことに……

最終話より。終盤から生き神様として民衆に崇められるようになった岳飛ですが、処刑されたことで本当の神様に……
【総括】
ということで気がつけば全滅エンドに近い形になってしまいました。本作でトリックスター的な役割を担っていた張用一党と牛皋は生き残ってくれるんじゃないかと思っていましたが……
新版『水滸伝』のスタッフ制作による本作。戦争の場面などアクションシーンはかなり見応えのある出来になっておりました。脚本・設定も秦檜や金国側の人物を単純な悪役にしなかったのは好感が持てました。しかし一方で兵力差がありすぎてどう見ても挽回は不可能なはずなのに、岳家軍がどうして勝てたのかわからないという戦闘描写や、秦檜がなかなか小満の正体に気付かないこと、そして英明な資質を具えた不遇の皇子→ヤンデレ→猜疑心の塊の暗君と、ブレまくるにも程がある高宗の人格など、本格的な歴史物と見せかけて意外と細部が雑な作りになっていたのが残念です。全体的なクオリティは新版『水滸伝』の方が上という印象です。
『精忠岳飛』第64~最終69話まで見ました。
臨安に帰還し、韓世忠・張俊とともに高宗に拝謁する岳飛ですが、3人ともども兵権を取り上げられて高位の閑職枢密副使に祭り上げられることに。一方、金は南宋に対して和議と引き替えに岳飛の死を要求。何としても和議をまとめたいという高宗の意を承け、秦檜は岳飛に押っつける罪状の追求を開始。岳飛の義弟で副将的ポジションにあった王貴を抱き込み、岳飛の過去の言動を洗い出し、なおかつ岳飛の長男岳雲と、岳飛の元部下で岳飛の隠居後岳家軍を統轄していた張憲を謀反の罪で捕らえます。
張俊(この人も秦檜派なんですが)によって事態を知らされた岳飛は、隠居先の廬山から一路臨安の大理寺へ。そしてそのまま岳飛も囚人となってしまいます。審問官に過去の自らを宋の太祖になぞらえた言動や文書に残る片言隻句から謀反の意図を問われますが、逐一反論。そして「私の心はこれで一目瞭然だ!」と服を脱ぎ捨て背中の「尽忠報国」の刺青を見せると、審問官や獄吏たちは「おおっ!」と恐れ入って岳飛の無実を確信します。……同じ南宋を舞台にしたドラマ『大宋提刑官』だと、ここは「ふーん、だから何?」となるところですが(^^;)
『大宋提刑官』その8:印籠が効かない&宋王朝に三代にわたって仕えた武官が無実の罪に問われたのを助けようとしたら自分も無実の罪に問われた話。
しかし岳飛を謀反の罪で処刑するのは高宗直々の規定方針なので、審問官を秦檜の腹心万俟卨(ぼくきせつ)に交替。廬山の岳家の家宅捜索も行われ、岳家全員が拘禁されてしまいます。
一方、秦檜の妾となっていた小満は張用・素素らと連繋して秦檜暗殺を謀りますが、小満の身元も暗殺計画もとっくに露呈しており、官兵によって一網打尽に。高宗より白紙の詔書を託された秦檜は、処刑が目前に迫った大晦日の晩に自ら岳飛の牢を訪れ、往事を語り合うことに……

最終話より。終盤から生き神様として民衆に崇められるようになった岳飛ですが、処刑されたことで本当の神様に……
【総括】
ということで気がつけば全滅エンドに近い形になってしまいました。本作でトリックスター的な役割を担っていた張用一党と牛皋は生き残ってくれるんじゃないかと思っていましたが……
新版『水滸伝』のスタッフ制作による本作。戦争の場面などアクションシーンはかなり見応えのある出来になっておりました。脚本・設定も秦檜や金国側の人物を単純な悪役にしなかったのは好感が持てました。しかし一方で兵力差がありすぎてどう見ても挽回は不可能なはずなのに、岳家軍がどうして勝てたのかわからないという戦闘描写や、秦檜がなかなか小満の正体に気付かないこと、そして英明な資質を具えた不遇の皇子→ヤンデレ→猜疑心の塊の暗君と、ブレまくるにも程がある高宗の人格など、本格的な歴史物と見せかけて意外と細部が雑な作りになっていたのが残念です。全体的なクオリティは新版『水滸伝』の方が上という印象です。