昨日、ちょっと話を聞いていたら、こんな趣旨のことを言っている人がいた。
今までは、ロジカル的な志向が重要だったが、
昨今の複雑で曖昧な状況を解決するには、
デザイン思考が向いている
ちょっと説明が必要だろう。
ロジカルシンキングで重要な概念は、
物事を漏れなくダブりなく挙げるMECE
(ミーシー)と
それらを概要から詳細化して階層的に表現する
ピラミッド構造
にある。
しかし、現在のシステムは、これらの手法が使えないものがある(というか、多い)
・弊社の「潜在的」顧客層を挙げなさい
→顧客はMECEにできる。買った人を挙げればいいから
でも、買ってない人を挙げる・・それも漏れなくって、できるのか?
・買わない理由を階層的に考える?
→このような階層的なピラミッド構造を作るとき、「なぜ」と聞いて因果関係を考える
なぜ5回っていうやつだ。
「なぜ弊社の製品を買わないんですか」
→「そんなこと、考えたこともない。判らない」
って、答えられたら終わりだ・・・
買う理由は答えやすい。考えれば思いつく。
だけど、買わない理由は難しいことがある。
これが、
「弊社の製品」:パソコン、スマホなどなら、答えやすいんだけど
「弊社の製品」:ティッシュ、砂糖
とかだと、答えにくい
ボックスのティッシュを10個ぐらい並べて、1個取った人(かりにこれをBとしよう)
なぜ、CやDをとらなかったんですか?
と聞くのは、難しい(Bを取った理由はわかるのだが、じゃあ、Bと同じ条件なら、
CとDどっちを選ぶ?もしCならDはC以外の理由もあるということ・・・
こう考えると、Dの選ばない理由を網羅するのは難しい)
っていうことで、論理的に考えるのが難しいこともある。
つまり、
クネビン・フレームワークの
「単純」から、「込み入った」、「複雑」な状況に世の中が向かっているので、
そのような状況、とくに「複雑」な状況では、ロジカルシンキングは使えない。
となると、どうするか?ということだけど、
野中郁次郎先生に登場してもらうと、
実践知のリーダシップ~スクラムと知の場作り
http://www.slideshare.net/hiranabe/agilejapan2010-keynote-by-ikujiro-nonaka-phronetic-leadershipagilejapanjapanese
にあるように、いままでの形式知ではだめで、形式知と暗黙知をあわせた実践知になる!
ということであろう。
しかし、さっき話した人は、そう話を持っていかずに、デザイン思考を挙げた。
(っていうか、デザイン思考の特徴を言いたかったみたいなので)
デザイン思考では、まあ、現場に基づいて、やってみるということなので、
実践知と相性がいいように思える。
とくに、デザイン思考とアジャイルUXは、手法的に「まんま」なところがある。
アジャイルUXの思想的背景として、デザイン思考や、
野中先生のいう実践知に話がひろがっていく可能性はあると思いますね
近年、ウォーターフォール批難がされているけど、
そのうち、ロジカルシンキング終コン説も出てくると思うね。
っていうのは、ウォーターフォールの背景として、
MECEができる(これができないとWBSは引けない)
詳細化ができる(詳細化できなきゃ、(詳細)設計できない!)
っていう、ロジカルシンキングの考え方があるから・・・