「あなたは、国際競技の高飛び込みの高さから飛び込める権利が得られました!」
「これを飛び込めば、あなたは英雄!オリンピックに出て世界を舞台にできるかも・・」
「オリンピックの●●選手は、こんなに美しく飛び込み、金メダルを取りました。
でも、はじめは何の経験も無いところからですよ!
はじめは、だれでもこわいんです」
「さあ、飛び込みましょう!!」
・・・・
はたして、飛び込むだろうか?
ちなみに、高飛び込みの高さは10メートル(約ビル3階建て)
未経験の人は、5mでも危険、最悪7.5mでも人は死ぬそうです。
海へ飛び込んでみよう! すると、どれくらいの
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1266097737
下にはきれいな水があるか、どぶのような水か、コンクリートか、まったくわからない。
オリンピックの選手は、ちゃんと水を引いているときに、
かなりの練習をして、飛び込んでいる。
さて、実は私は、トイアンナさんを(多分年下だが)めちゃくちゃリスペクトしていて
そのトイアンナさんが
就活生へ安易にベンチャーを勧める大人が多すぎてキレそう
http://toianna.hatenablog.com/entry/2017/03/09/000000
というエントリを書いていたので、それについてちょっと書いてみたい。
まず、大学生にベンチャー企業を勧めるというのは、上記の飛び込みと、同じなのだ。
書き換えてみようか・・・
「あなたは、世界を相手にしたベンチャー企業で、新人なのに裁量権をふるえる権利が与えられるのです!」
「このベンチャーに飛び込めば、あなたはヒーローです!。世界を舞台にできるかも・・」
「ホリエモン、ベンチャー企業経営者の●●さんは、こんなにも活躍し、お金を得ました
でも、はじめは何の経験も無いところからですよ!
はじめは、だれでもこわいんです」
「さあ、ベンチャーに飛び込みましょう!!」
でもね・・・
IoTデバイスなどの開発の場合
・PoC&プロトタイプ、試作
・量産用の設計
・量産
・販売
・広報(広告)
などの工程がある。このうち、ベンチャーでも、PoCは出来ているんだと思う。
(いや、これすら出来てないベンチャーもあるんだけど)。
しかし、その人たちが量産のための設計や製造の手配が出来るとは限らない。
もちろん、それはエコシステムを組めばいいんだけど、
ベンチャー企業の人の人脈に、それらの量産の相談に乗ってくれる人がいるかどうかは
わからない(具体的に言うと、この相談は、マクニカのエムプレッションなどをつかうと
ワンストップでできる。しかし、ベンチャーの人は、シリコンバレーで成功した人など
とばかり会って、日本の取引先となる人とは、あまり会わない)。
販売、広報もそんなかんじ。
だから、量産開発・販売ノウハウはたまらない。
さらに、日本の起業家の多くは、立ち上げは得意でも、経理・労務など、
地味な毎日の積み重ねは苦手だ。アメリカは、会社を売ってしまうので、
それでもいいんだけど、日本の場合、会社は基本、問題なければ売らないので、
起業した人が経営することになる。だけと、たいてい、労務の組織作りは
うまく行かない。結果、ブラックとなり、社員は大量に辞めていく。
つまり、ベンチャーは、かなり多くの会社が、
・商品化に向けての商品開発のノウハウ(PoC以降)
・会社組織運営(労務・金融)の技術
が抜けているのだ。なので、これを学べない。
学べないけど、人が居ないので、「はい新入社員のお前やれ」ということになる。
そうすると、新入社員は、どうなるか・・・・
・・・社会的に、死ぬ。
うつ病になってしまうのだ。できないけど、責められるから・・・
責めている人間(=起業家)はらくだ。やり方を示さなくてもいいから。
でも、現場は・・・どうやったらいいか、わからない。
今の社会、量産以降の工程は、素人では考えられないほど進んでいて、
おいつかない。それを、素人が、長時間労働して、答えていかなければならない。
他の人たちが、核武装している中、裸で戦場に行くようなもんだ。
当然、死ぬ。
大企業なら、この手のものは、主任クラスが部分部分を担当する。
新人は手伝いをする形になる。なので、上の人が教えてくれる可能性がある。
でも、ベンチャーでそれを期待するのは無理だ。主任の人もやったことない。
大企業からベンチャーに来た、部長さんとかは、自分は(前職で)やっていない。
やったのは数十年前だ。だから、今のやり方は知らない。
脅して「飛び込め」というだけ、あるいは、ガス抜きするだけだ・・
さすがに、今の社会、未経験の人が、適切な人を経由しないで、開発・販売を
行うことは、不可能に近い(それほど、高度化・洗練されている)
結局、ベンチャーで得られるものは、へんな勇気・気合か、絶望だ。
ということで、トイアンナさんの言うことは、全面的に賛成なのだ・・・
・・・あ~でも、なんですね。この辺、IoTデバイスでベンチャーするとしたら
どういうノウハウとかが必要で、なにがシリコンバレーの偉い人では得られないか
について、書かないと、たぶん、わかってもらえないね・・・
ということで、こんど、気が向いたらかく。
ちなみに、「トイアンナさんは、会社経営者だったことがあるから、言葉に信用
あるけど、お前はなんなんだよ!」といわれそうなので、一応言っておくと、
・大卒で、当時は有名なパッケージのソフトハウスにはいった。
・その後、日本、中国のベンチャー企業で社員をやっていた。
・いま、大手企業の偉い人から(初対面なのに)「君が真面目に仕事をしているとは思えない」といわれるほと、人生適当に生きている。
・ちなみに、「飛び込め!」という中小企業診断士の資格を持っていたり、
(社会人になって)修士は経営学で取っていたりするけど、他の診断士の先生に、
「技術なんて、我々にはわからないだろう!」(1)
「あんたの話は、経営者の心に響かない!」といわれている・・・(2)
(1について。。。このレベルの人たちなので、3Dプリンタを進める診断士とか
いたら、注意してね!
2について・・・理由は、いつか書きたい)
・・・あ~なので、トイアンナさんほどの説得力はない・・・(^^;)
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