令和2年10月29日(木)
柿 : 甘柿、渋柿
柿は日本に約900種以上あり、「KAKI」として
外国に通用する日本の代表的な果物。
私が小学校へ通う頃には、其処ら中の家に柿木が在った。
柿が秋の代表的風物と見なされる様になったのは、俳諧
において柿が詠まれるようになってからと言われる。
和歌,連歌では食べ物である柿が詠まれる事はなかった
が、俳諧では逆に積極的に取り上げられた。
柿は俳諧、俳句に依って秋の美として定着したと言って
よいのかもしれない。
柿には御所、富裕、次郎、禅次丸等の甘柿と、会津不知火
平核無、蜂屋、西条などの渋柿がある。
柿本来は渋く、渋の成分のタンニンが凝固して(黒ごまが
出来る)水に溶けなくなると甘く、凝固しない儘だと渋い。
柿は昔、女性の象徴で在り、嫁ぐにあたって実家から柿の
枝を持参して接ぐ風習があった。 やがてその嫁が生涯を
終えると、大きくなった柿の木の枝が、火葬の薪やお骨を
拾う箸にされたという。
例年の今頃になると、岐阜県の柿のブランド品「天下富舞」
の初競りが話題になるのだが、今年は新型コロナウイルスの
影響で、初競りは中止された。
昨年の初競りでは「天下富舞」が2個で75万円で競り落さ
れ、それまでの54万円(2個)を更新し話題となった。
岐阜県柿振興会では、「今年は長雨、猛暑にはあったが柿の
成育は順調で、糖度が高く食感違う柿を食べて欲しい」と
コメントされている。
それにしても、世界には(日本でも)その日を喰うや喰わず
で生き延びている人達が一杯溢れる中、とても遣り切れない
話である。
これは天下富舞では在りません、1個200円でした。
今日の1句
かぶりつく彼の日の柿の遠ざかる ヤギ爺