令和4年4月8日(金)
しゃぼん玉 : 石鹸玉
石鹸を溶かした水を、細い麦藁等の管の先端に付けて吹くと
美しい五色の玉が幾つも飛び出す。
16世紀に伝わり、江戸時代には無患子(むくろし)の実を
煎じ液を用いていたが、明治以降に石鹸に取って代わった。
古くから伝わる子供の遊びで、長閑な春の景物の一つである。
1677年(延宝5年)の江戸の頃、日本で初めてしゃぼん
玉売りが行商して歩いたといわれる。
シャボン玉がなぜ春の季語なのか、? よくは判らないが、
「春は未だ外気に冷たさが残り、シャボン玉を飛ばす時の
暖かな口の息との温度差があるため浮力が得やすく、高く
飛ばされるという。依って夏より春の方がシャボン玉を飛
ばすのに相応しいのではないかという説がある。
亦、春には子供達が遊ぶ玩具や器具が多く在り、それを利
用する遊びのブランコ、凧、風車、風船などや、鶯笛、雉
笛、草笛等が春の季語となって居る。
今年初めて、子供達が公園でシャボン玉で遊ぶのを見まし
た。 長閑な春の景、、、幸せな気分になります。
俳人で国語学者の川崎展宏氏の著書「四季の詞」の中に、
シャボン玉の季語随筆が在る。
「しゃぼん玉」
シャボン玉のシャボンは石鹸のこと、などといったら当た
り前だ叱られそうです。ところが私の知っている山口仲美
さんという国語学者が、ある番組で十五人の大学生に聞い
てみたら、八人は石鹸と答えて、あとの七人はシャボン玉
は泡の玉だから、シャボンは泡のこと、いや果物のザボン
のことだろう。 いやいやシャボン玉は虹の色をしている
から、シャボン玉は虹のことだと言ったそうです。
びっくりしました。
「しゃぼん玉とんだ、屋根までとんだ、屋根までとんで、
こわれて消えた」、あんな童謡も滅多に歌われなくなって、
シャボン玉とは石鹸と知っている者が少数派になるのも、
もうすぐでしょう。
俳人の名句
しゃぼんだま天が映りて窓の如 京極 杞陽
天が映りて窓の如の「窓の如」とは、よくいったものです。
シャボンとは虹のことだと間違って言った学生は、この句
のすばらしさが、きっと判るんだと思います。
(川崎展宏著:四季の詞より、季語随筆を紹介します。)